有形固定資産とは
初めに、有形固定資産の概要を見ていきましょう。
有形固定資産:目に見えるモノ
有形固定資産とは、会社が事業に用いる資産のうち実体があるものです。一般的に、設備投資と言った場合には有形固定資産の購入を指します。
具体的には、以下のものが該当します。
- 【土地】
- オフィスや工場の土地、駐車場、資材置き場、社宅敷地など。不動産として販売する目的で所有している場合は、事業に用いるわけではないため有形固定資産には該当しない。
- 【建築物・構築物】
- オフィスや工場、倉庫などの建物のほか、トンネルや用水路、上下水道など。
- 【機械】
- 主に工場に設置して使う機械類。
- 【車両・運搬具】
- 事業に使う一般車両やバス、トラックのほか、漁船やタンカー、フォークリフトなども含まれる。
定額法または定率法で処理する
有形固定資産を購入した年に一括で費用計上はできません。代わりに、毎年少しずつ資産の価値が減少するという考えに基づく減価償却で処理します。そして、減価償却における計算方法には定額法と定率法があります。それぞれ見ていきましょう。
- 【定額法】
-
毎年同額の金額を処理する方法です。以下の計算式で算出します。
- ■1年分の減価償却費=取得価額/耐用年数
- 【定率法】
-
定率法は、残存価額に一定の割合を乗じて減価償却費を算出する方法です。以下の計算式で求められます。
- ■1年分の減価償却費=残存価額×定められた償却率

無形固定資産とは
続いて、無形固定資産の概要を見ていきましょう。
無形固定資産:目に見えない権利やアイデア
無形固定資産は有形固定資産とは逆に、実体を持たない資産です。具体的には以下のようなものが該当します。
- ■コンピュータソフトウェア
- ■特許権
- ■商標権
- ■育成権
- ■営業権
- ■のれん
- ■電話加入権
- ■実用新案権
- ■意匠権
- ■水利権
- ■漁業権
定額法を用いて処理をする
以下の条件を満たす無形固定資産は減価償却しなければなりません。
- ■使用可能期間が1年以上
- ■取得価額が10万円以上
たとえば、20万円のソフトウェアを購入した場合は減価償却します。一方、無形固定資産であってもブランド力や著作権など無償で獲得したものは計上しません。また、無形固定資産の計上には以下の注意点があります。
- 計算方法は定額法のみ
- 有形固定資産とは異なり、無形固定資産は必ず定額法で処理します。
- ソフトウェアの扱いに要注意
- 同じソフトウェアであっても、販売目的で所有するソフトウェアは無形固定資産にはなりません。固定資産は自社で事業用に利用・消費するものを指します。
- 減価償却しないものがある
- 前述した2つの条件を満たしても、経年によって価値が減少しない無形固定資産は減価償却しません。たとえば、借地権を始めとした土地に関する権利や、電話加入権が該当します。
抜け・漏れなく固定資産管理を行う方法
固定資産管理には多くの手間がかかり、ミスも生じがちです。では、それらを抜け・漏れなく効率的に行うにはどうすれば良いのでしょうか。
ルールを作り現場への周知を徹底する
固定資産管理を行うのは経理です。一方、固定資産の購入や利用は現場が行います。そのため、経理は現場から報告がなければ固定資産の増減を把握できません。台帳で管理しているつもりでも、その台帳の内容と実態の間に乖離が生じます。
このままでは所有している固定資産を適切に処理できないだけでなく、存在しない固定資産を毎年計上し、大きな損失を生み出す可能性もがあります。
このような事態を防ぐには、ルールを策定して現場に浸透させなければなりません。固定資産を取得・廃棄の際には申請を必須とし、対象資産の名称や金額、理由などの情報を提供させましょう。
しかし、ルールを策定しても時間が経てば必ず記録と実体の間に差は生じます。したがって、現物の検査も定期的に行わなければなりません。固定資産の現物と台帳の記録を照合し、ずれがあれば修正しましょう。
固定資産管理システムを活用する
固定資産は管理すべき情報が多岐に渡ります。取得価額から取得年月日、数量、減価償却状況、修繕歴、使われている場所などをすべて紐づけて管理しなければなりません。また、できれば現物の写真や管理番号、稟議書などもまとめて管理しておきたいところです。しかし、これを紙やエクセルの台帳で行おうとすると多くの手間を要します。
そこでおすすめなのが固定資産管理システムの利用です。これは固定資産を一元管理するためのITツールです。
たとえば、項目を自由にカスタマイズして固定資産を管理できます。取得から処分まで漏れなく管理可能です。また、リース契約内容管理やリース料支払い管理も紐づけられるため、リース管理も同時に実現します。さらに、固定資産管理システムがあればさまざまな減価償却方法への対応も容易です。自動計算機能があるため、難解な計算方法に悩む必要もなくなります。
有形固定資産・無形固定資産の違いを理解し、適切な管理を
有形固定資産は建築物や機械など実体を持つ固定資産です。定額法あるいは定率法で減価償却処理をします。一方、無形固定資産はソフトウェアや各種権利などの実体を持たない固定資産で、定額法で処理します。
漏れなく固定資産管理を行うには以下の点に留意しましょう。
- ■ルールの策定と周知
- ■固定資産管理システムの活用
以上を踏まえ、適切に固定資産を管理しましょう。
