「使いやすい」を2つの視点から考える
人事システムの「使いやすさ」は、評価を入力する従業員と、制度を管理・設定する人事担当者とで異なります。両方の視点からチェックすることが選定の基本です。
従業員が感じる使いやすさとは
従業員にとっての使いやすさは、「マニュアルを見なくても操作できるか」です。目標の入力・自己評価の記入・フィードバックの確認など、評価サイクルで繰り返す作業が直感的にできるかどうかが重要な判断基準になります。画面の項目が少なく、次に何をすればよいかが明確に示されているシステムほど、入力率が高まり評価運用が定着します。
逆に操作ステップが多かったり、どこに何があるかわかりにくい画面構成だと、評価期限ギリギリになっても入力が完了しないケースが増えます。操作が複雑なシステムは、人事担当者への問い合わせ件数が増え、評価業務全体の工数を押し上げる原因にもなります。導入前にデモや無料トライアルで現場の従業員に操作してもらい、つまずくポイントがないかを確認することが失敗を防ぐ最善策です。
人事担当者が感じる使いやすさとは
人事担当者にとっての使いやすさは、評価スケジュールの管理・進捗の把握・組織変更への対応・評価シートの修正など、管理側の業務をスムーズにこなせるかどうかです。変更のたびにベンダーへの依頼が必要なシステムは、運用コストと手間がかかり続けます。
担当者自身が管理画面から設定を変更できるシステムは、組織の変化にも素早く対応できるため、長期的な運用が安定します。また、全従業員の評価進捗を一覧で把握し、未提出者に一括でリマインドを送れる機能があると、評価サイクルの管理が大幅に楽になります。操作性の高い管理画面は、担当者が交代しても引き継ぎがしやすいという点でも、長期運用のメリットになります。
現場スタッフが使いやすいUI・モバイル対応
パソコンを日常的に使わない現場スタッフや店舗スタッフにも使いやすいシステムを選ぶには、スマートフォン対応と操作ステップの少なさが特に重要です。
スマートフォンから直感的に使えるか
店舗スタッフや現場作業員など、業務でパソコンをほとんど使わない従業員が多い職場では、スマートフォンから評価アンケートや目標入力ができることが欠かせない条件になります。専用アプリが用意されているか、モバイルブラウザでも表示が崩れずに操作できるかを確認しましょう。「スマートフォン対応」と記載されていても、実際に操作すると表示が崩れていたり、入力フォームが使いにくいケースがあります。
必ず実機でトライアルを試し、現場スタッフに実際に操作してもらうことをおすすめします。プッシュ通知や評価期限のアラートがスマートフォンに届く機能があると、評価入力の漏れを防ぎやすくなります。現場での操作環境(通信状況・端末の種類など)に合わせて動作確認まで行えると、導入後の定着率が高まります。
入力ステップが少なくシンプルな操作か
使いやすいシステムの共通点は、目標入力や評価提出にかかる操作ステップが少ないことです。ログイン→評価画面→入力→保存→提出という流れがシンプルなシステムは、日常業務の合間に短時間で評価作業を完了できます。また、評価項目ごとに入力のヒントや説明文が表示される機能があると、初回の利用でも戸惑いが少なくなります。
画面遷移が多く、どこで保存されるのかわかりにくいシステムは、操作ミスでデータが消えるトラブルにもつながります。評価入力の流れをデモで実際に体験し、ステップ数と各画面の見やすさを確認しておくことが大切です。評価期間外でも目標を随時メモ・記録できる機能があると、評価シーズン前の慌ただしさを軽減できます。
評価テンプレートと設定の柔軟性
評価制度をこれから整備する企業にとって、テンプレートの充実と担当者自身が設定を変更できる自由度は、導入コストと運用の手間を大きく左右します。
豊富なテンプレートで制度整備の手間を減らす
目標管理(MBO)・コンピテンシー評価・360度評価など、評価手法ごとにテンプレートが用意されているシステムは、評価シートをゼロから作る手間を大幅に削減できます。テンプレートをカスタマイズするだけで自社の評価運用に合わせられる製品なら、制度設計の工数が少なくて済みます。既存の評価シートをそのままシステムに取り込める機能があれば、現行制度からの移行もスムーズです。
テンプレートの種類・編集の自由度は製品によって異なるため、事前にデモで確認しておきましょう。また、制度設計のサポートを提供しているベンダーを選ぶと、テンプレートの活用方法についてアドバイスを受けながら整備を進めることができます。評価制度を初めて構築する企業は特に、テンプレートの充実度とサポートをあわせて確認することをおすすめします。
組織変更や評価項目を担当者自身で変更できるか
組織の改編・部署名の変更・新しい評価項目の追加・評価ウエイトの見直しなどを、管理画面から即座に反映できるシステムは、業務の変化に柔軟に対応できます。変更のたびにベンダーへの依頼と追加費用が発生する製品は、運用コストが想定以上に膨らむケースがあるため注意が必要です。
管理者権限で設定できる範囲は製品によって大きく異なります。デモや資料で「自社で変更できる設定の範囲」を具体的に確認しておくことが大切です。担当者が変わっても引き継ぎしやすい管理画面のシンプルさも合わせて確認しておくと、長期的な運用安定につながります。
サポート体制が長期運用の使いやすさを決める
機能が充実していても、サポートが手薄だと運用に行き詰まるケースがあります。導入初期から日常運用まで継続的に支援してくれる体制があるかも、重要な選定ポイントです。
評価制度の設計まで相談できるベンダーを選ぶ
人事評価制度を初めて整備する企業や、現行の評価制度を抜本的に見直したい企業にとって、システムの提供だけでなく制度設計のサポートまで行ってくれるベンダーは心強い存在です。評価基準の設け方・目標管理の運用フロー・フィードバック文化の醸成など、制度の中身についても専門家に相談できると定着の精度が高まります。コンサルティングサポートの内容は製品ごとに異なるため、契約前に対応範囲を確認しましょう。
制度設計サポートが充実しているベンダーは、単にシステムを使いこなすだけでなく、「なぜこの評価制度が自社に合うのか」という本質的な整理も一緒に進めてくれます。サポートの提供形態(オンライン・訪問・電話など)や費用感も確認しておくと、導入後に期待とのズレが生じにくくなります。
日常運用での問い合わせ対応を確認する
導入後の問い合わせ対応の充実度も、長期的な使いやすさに直結します。チャットサポート・電話窓口・専任担当者の有無・対応可能な時間帯など、サポート体制は製品ごとに大きく異なります。評価シーズン中にトラブルが起きた際、返答が遅いと業務が停滞するリスクがあります。FAQやヘルプドキュメントが充実していると、問い合わせせずに自己解決できるケースも増えます。
操作マニュアルや解説動画が整備されている製品は、新しく担当者になった人が短期間で操作を習得しやすい環境が整っています。サポートページの内容と使いやすさは、契約前に実際に確認しておくことをおすすめします。問い合わせ対応の質とスピードは、長期的な運用満足度に直結する重要な要素です。
使いやすさで選ぶおすすめ人事システム
UI・操作性・テンプレートの充実度・サポート体制のバランスに優れた人事システムをご紹介します。自社の利用環境に合わせて比較検討してみてください。
SmartHR
- 入社手続きや身上変更で、最新の「従業員データ」が自然と蓄積
- 最新データから「名簿」「組織図」を自動作成、組織改善を後押し
- 蓄積データを給与計算に直結。120以上の外部サービスとも連携可
SmartHRは、入退社手続き・社会保険・年末調整などの労務手続きを電子化するクラウド型人事システムです。シンプルな画面設計で、ITに不慣れなスタッフでも直感的に操作できます。
HRBrain
- 人材情報を一元管理、パッと並べてサクサク探せる
- スキルや特徴を可視化・分析、データに基づく抜擢・配置を実現
- 組織診断サーベイで離職防止やエンゲージメント向上
HRBrainは、人事評価・目標管理・タレントマネジメントを一体的に管理できるシステムです。評価シートのカスタマイズ性が高く、評価制度の整備から運用管理まで幅広く対応しています。
カオナビ
- 従業員のあらゆる情報を集約!ペーパレス化を楽々実現
- 身上申請からそのままデータベースへ登録! 人材管理を効率化
- 直感的に使えるUIで人事から現場まで定着
カオナビは、顔写真付きの人材データベースを中心に、評価・異動シミュレーション・タレントマネジメントをビジュアルで管理できるシステムです。直感的な操作で人材情報を把握しやすい設計です。
サイレコ
- 人事業務の効率化と、従業員情報の一元管理を実現
- 従業員のスキルや経験を可視化し、適切な人員配置や育成を支援
- 評価制度構築や教育研修、給与代行などの人事課題解決もサポート
サイレコは人事評価に特化したシステムで、評価シートの作成・運用・集計をシンプルな操作で行えます。評価テンプレートが充実しており、評価制度の整備を始める企業にも取り組みやすい構成です。
ジョブカン労務HR
- 人材管理機能では全社的な人材情報の活用や、汎用性◎の通知機能
- 入退社・年末調整・ストレスチェック等幅広い業務を自動・効率化
- シリーズ導入25万社以上!電話・メール・チャットで無料サポート
ジョブカン労務HRは、入退社管理・社会保険手続き・従業員情報管理をクラウドで一元化した人事労務システムです。モジュール形式で必要な機能から始められるため、段階的な導入に向いています。
Kakedas (株式会社noFRAMEschools)
- 「人生の主人公」を増やす相談インフラを構築
- 21世紀に必要な優しいインフラの提供
- 誰もが主人公として生きられる社会を創造
STAFFBRAIN (株式会社電通総研)
- 1,200社以上の実績を持つ人事・給与・就業パッケージ
- 最短3ヶ月〜、低コスト導入可能
- Web対応で人事・給与・就業データが連携
まとめ
使いやすい人事システムを選ぶには、従業員が直感的に入力できるUIのシンプルさ・スマートフォン対応・豊富な評価テンプレート・担当者が自分で設定を変更できる管理画面の柔軟性・手厚いサポート体制の5点を総合的に評価することが大切です。一点だけを重視して選ぶと、現場での定着に苦労するケースがあります。導入前には必ず無料トライアルを実施し、現場スタッフにも操作を体験してもらった上で判断することをおすすめします。


