
人事と総務、人事総務の違いは?

人事は「人」に関連する業務を担いますが、総務が担うのは「もの」に関連する業務が中心です。また規模が小さい会社の場合、人事と総務を兼務する「人事総務部」が置かれるケースもあり、業務範囲や呼び名は企業によっても異なります。
まずは人事と総務の違いやそれぞれの業務内容について詳しく解説します。
人事の主な業務内容・役割
人事の役割は、企業の発展につながる有能な人材の確保と適材適所への配置です。また、労務や教育などの従業員管理も担当します。従業員に関する業務を担当するのが特徴といえます。主な業務内容は以下のとおりです。
- 【人事の主な業務内容】
- ■採用
- 新卒や中途で企業に参画する新たな人材の採用。具体的には、求人サイトへの広告掲載や面接の実施など。
- ■配置
- 社員が充分に能力を発揮できる適材適所への人材配置。
- ■教育
- 社員の能力を高めるために、研修やセミナーなど学びの場を提供。自社で実施するだけでなく、外部にアウトソースするケースもある。
- ■評価
- 社員を適切に評価するだけでなく、モチベーションを維持できる評価体制の構築なども該当。
- ■労務
- 勤怠管理・給与計算・健康診断・福利厚生の管理・社会保険の手続きなど、恒常的に発生する業務の遂行。
総務の主な業務内容・役割
総務は社内外をつなぐ窓口としての役割を果たします。役所への書類送付や郵便物の管理、企業に関する問い合わせ応対などがあげられます。また、オフィス全体の管理や社員旅行の手配も総務の仕事です。
企業がビジネスを営むうえで必要でありながら、専門の担当部署が存在しない業務を担当するため、業務範囲が多岐にわたるのが特徴です。主な業務内容を以下にまとめました。
- 【総務の主な業務内容】
- ■備品管理
- 会社で使用する消耗品の発注や、破損や故障した機器の修理依頼。
- ■来客・受付・電話対応
- 企業や株主・顧客などから入る問い合わせへの対応や、来客対応。
- ■社内イベントの企画・運営
- 入社式やキックオフミーティングなどの企画運営。スケジュール・予算作成なども含む。
- ■株主総会の企画・運営
- 株主総会や取締役会の招集通知、会場の予約、資料や議事録の作成、当日の受付や質疑応答対応など。
- ■施設管理や災害対策
- オフィス・駐車場・倉庫等の施設管理に加え、防災設備のメンテナンスや管理。
人事・総務の平均年収
人事・総務の給与事情に違いはあるのでしょうか。平均年収を見ていきましょう。
人事
人事の平均年収は20代で418万円、30代になると547万円、世代を統合した平均年収は478万円とされています。人物を扱う重要なポジションであるため、ほかの部署と比較した場合の給与は高いといえます。
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総務
総務の年収は平均381万円程度といわれています。20代の平均が352万円、30代は438万円です。業務内容がインセンティブの対象になりにくいため、経験や業務量、役職などが昇給の判断材料とされるでしょう。
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人事・総務に必要なスキル・人物像
人事・総務には、主に以下のスキルや性格、適性が求められます。
- Excel・Wordのパソコンスキル
- バックオフィス業務が苦にならない
- コミュニケーション能力
- 全体を見渡す視野の広さ
また、必須ではないものの、人事総務検定・衛生管理者資格などの資格を保有していると、人事・総務の業務に活用できます。関連する資格を取得済みであれば、採用活動を優位に進められるでしょう。
人事と総務の仕事内容を理解して、適切な組織づくりを!
人事は、社内の人材を有効活用するための業務です。人材の採用から始まり、配置や教育・評価のほか、給与計算や勤怠管理といった恒常的な業務も含みます。
一方、総務は専門の担当部署が存在しない業務のことです。受付対応やイベントの企画など、一般的に雑務と考えられがちな業務を担います。
人事と総務は別々の部署で担うほか、統合する手もあります。双方のメリットを踏まえて、自社に適した形式を導入しましょう。
