ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■配車・ルートの自動作成別
- AIで複数車両のコースを自動作成:ルート計画システムジオルーター、LYNA 自動配車クラウド
- 配車計画の自動作成(ASSORTは自動配車がオプション):ASSORT、ULTRAFIX、MOVOVista
- ■到着予定時刻の予測別
- 到着予定時刻の予測:ビジネスナビタイム輸配送管理クラウド、TCloud for SCM、ルート計画システムジオルーター
- ■提供形態別
配送管理システムでのAIの活用方法:担う3つの業務
配送管理システムにおけるAIの役割は、大きく「計画を作る」「到着を予測する」「物量を見積もる」の3つに分けられます。どの業務を任せたいかによって、必要な機能やデータが変わるため、最初に整理しておきましょう。
配車計画とルートの自動作成
最も代表的な使い方は、どの車両にどの荷物を積み、どの順番で回るかという配車計画を自動で作ることです。届け先の数が増えるほど組み合わせは膨大になり、人の手作業だけで効率よく組み合わせを探すのは難しくなります。
AIを使う配送管理システムでは、届け先の位置や荷物の量、時間指定といった条件をもとに、複数の計画案を短時間で計算します。配車担当者は、出てきた案を確認して必要な箇所だけ手直しする形で業務を進められます。ベテランの経験に頼っていた配車作業を、ほかの担当者でも回せるようにする狙いもあります。
到着予定時刻の予測
2つ目は、車両がいつ届け先に着くかを予測する機能です。ETA(到着予定時刻)とも呼ばれ、GPSで取得した現在地と、残りの配送件数や道路の混み具合などから計算されます。
予測した時刻を届け先や荷主へ自動で通知できれば、「荷物はいつ届くのか」という電話の問い合わせを減らせる可能性があります。過去の走行実績を学習して、時間帯や曜日による所要時間の違いを予測に反映する仕組みを持つシステムもあります。予測と実際の到着がどの程度ずれたかを記録できるかも、導入前に確認しておきたい点です。
物量や必要な車両台数の予測
3つ目は、過去の出荷実績や季節の変動から、翌日や翌週の物量を見積もる使い方です。物量の見込みがわかれば、必要な車両台数やドライバーの人数を早めに手配できます。
例えば、繁忙期の前に協力会社の車両を確保したり、物量が少ない日に車両を減らしたりする判断に役立ちます。ただし、キャンペーンや天候のように過去データに表れにくい要因もあるため、予測値をそのまま使うのではなく、営業部門からの情報とあわせて判断することが大切です。
AI配車が計画を組み立てる仕組み
AIによる配車は、登録された条件を守りながら、走行距離や時間が短くなる組み合わせを探す計算です。どのような条件とデータを使っているのかを知ると、AIが出す計画の得意・不得意が見えてきます。
時間指定や車格などの制約条件
AI配車は、守らなければならない条件、つまり制約条件の範囲内で計画を作ります。代表的な制約条件は、届け先の受け取り可能な時間帯、車両の積載量や大きさ、ドライバーの勤務時間などです。
例えば、大型車が入れない路地にある店舗や、午前中しか荷受けしない工場があれば、その情報を登録しておく必要があります。条件の登録が漏れていると、計算上は効率がよくても、現場では実行できない計画が出てくる場合があります。どこまで細かい条件を設定できるかは製品によって異なるため、自社の配送で外せない条件を書き出して確認しましょう。
走行実績や配送実績からの学習
AIの中には、日々の走行実績や配送実績を学習して、計画の精度を上げていく仕組みがあります。地図上の距離だけでは見えない、荷降ろしにかかる時間や、駐車場所を探す時間などを実績から推定する考え方です。
学習の効果を得るには、配達完了の時刻や不在の記録が正しく入力されていることが前提です。ドライバーがまとめて完了処理をすると、実績の時刻がずれて学習に使えないデータが残ります。どのデータを学習に使っているのか、学習の結果を管理者が確認できるのかは、提供会社に問い合わせておくと安心です。
宅配型とルート配送型で異なる計算
同じAI配車でも、届け先が毎日変わる宅配やスポット配送と、決まった納品先を回るルート配送では、計算の重点が異なります。宅配型では、当日の届け先の並べ替えと、車両ごとの件数の振り分けが中心です。
一方のルート配送では、基本の巡回順は大きく変わらず、物量の増減や臨時の追加にあわせて調整する場面が中心です。自社の配送がどちらに近いかによって、評価すべき機能は変わります。両方の形態が混ざっている場合は、それぞれの計画をどう扱えるかを確認しましょう。
生成AIが配送管理システムに加わる場面
近年は、文章を作ったり要約したりする生成AIを業務システムに組み込む動きも広がっています。配送管理システムで想定される使い方と、使う際に気をつけたい点を一般的な範囲で整理します。
問い合わせ対応と配送状況の案内
生成AIの使い方として考えられるのが、荷主や届け先からの問い合わせへの一次対応です。配送状況のデータと連携し、「今どこまで来ているか」「何時ごろ届くか」といった質問に自然な文章で回答する仕組みが想定されます。
電話やメールの対応にかかる時間を減らせれば、事務担当者は配車の調整など別の業務に時間を使えます。ただし、回答の元になるデータが古い場合は、誤った案内につながるおそれがあります。データの更新頻度や、人の担当者へ引き継ぐ流れもあわせて設計しておくことが大切です。
日報や運行記録の要約
もう1つは、ドライバーの日報や運行記録、遅延の理由などを要約して管理者に伝える使い方です。車両が多い事業所では、すべての記録に目を通すだけでも時間がかかります。
生成AIで「遅延が多かった便」「不在が続いている届け先」のように要点をまとめられれば、改善すべき箇所を見つけやすくなります。要約は元の記録を読み替えたものなので、重要な判断をする前には元のデータも確認しましょう。記録の入力方法がばらばらだと要約の質も下がるため、入力ルールの統一も欠かせません。
生成AIの回答を業務で使う際の注意
生成AIは、事実と異なる内容をもっともらしく回答する場合があることが知られています。そのため、配送日時の約束や料金案内のように、誤りが取引に影響する内容は、そのまま外部へ出さない運用が求められます。
あわせて、届け先の氏名や住所などの個人情報を生成AIに入力する場合は、データがどこで処理され、学習に使われるかどうかを確認する必要があります。社内の情報セキュリティ規程に沿っているかを、情報システム部門や提供会社に確認してから使い始めましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で配送管理システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品の比較検討を進めましょう。
AIの精度を左右するデータの整え方
配送管理システムのAIが現場で使える計画を出せるかどうかは、入力されるデータの質に大きく左右されます。導入前から準備しておきたいデータを、3つの観点で紹介します。
届け先の住所と位置情報の整備
AIが距離や所要時間を計算する土台は、届け先の住所と、そこから変換された緯度・経度の位置情報です。住所の表記が不統一だったり、ビル名や番地が欠けていたりすると、地図上で正しい場所に置かれない場合があります。
特に、大きな工場や商業施設では、住所の位置と実際の荷受け口が離れていることもあります。荷受け口の位置を個別に登録できるかを確認し、ドライバーが知っている情報をデータとして残しておくと、計画のずれを減らせます。
現場の暗黙知を条件として登録
ベテランの配車担当者やドライバーは、「この店は昼過ぎに行くと荷受けを待たされる」「この道は朝の通学時間に通れない」といった、記録されていない知識を持っています。こうした暗黙知がAIに入っていないと、計画は机上の最短ルートに近づきます。
導入時には、配車担当者とドライバーに聞き取りを行い、時間帯の制限や通行ルールを条件として登録していく作業が欠かせません。特定の人に聞き取りが偏らないよう、複数人から情報を集め、登録した内容を共有しておくと引き継ぎもしやすくなります。
計画と実績の差の振り返り
AIが作った計画と、実際の走行結果がどれだけ違ったかを定期的に振り返ることも、精度を上げるうえで重要です。予定より遅れた便や、計画を手直しした箇所を記録しておくと、登録が足りない条件を見つける手がかりが得られます。
例えば、同じ届け先で毎回遅れが出ているなら、荷降ろしにかかる時間の設定が実態より短い可能性があります。計画と実績を並べて表示できるか、データを出力して集計できるかを確認しておくと、振り返りの作業を進めやすくなります。
AI搭載配送管理システムにおけるAI運用のコツ:定着させる進め方
AI機能を備えた配送管理システムを導入しても、現場が計画を信頼しなければ使われなくなります。業務への影響を抑えながら定着させるために、導入の進め方と評価の方法を整理します。
一部の拠点や車両での並行運用
いきなりすべての配車をAIに切り替えるのではなく、一部の拠点やエリア、車両に限って試す方法が有効です。一定期間は従来の配車とAIの計画を並べて比べ、どこに差が出るかを確かめます。
並行運用の期間には、ドライバーから「この順番では回れない」といった声を集め、条件の登録に反映していきます。無料トライアルや検証期間を設けている提供会社もあるため、自社の実際の届け先データで試せるかを相談してみるとよいでしょう。
配車担当者の役割の見直し
AI配車を導入すると、配車担当者の仕事は「計画をゼロから作る」から「AIの計画を確認し、例外に対応する」へと変わります。急な追加注文や車両の故障、ドライバーの欠勤といった例外は、引き続き人の判断が必要です。
役割が変わることを事前に共有せずに導入すると、担当者が自分の経験を否定されたと感じる場合もあります。AIで空いた時間を、荷主との調整や配送品質の改善にあてるといった、新しい役割を示しておくと理解を得やすくなります。
導入効果を測る指標の設定
AI配車の効果を判断するには、導入前に評価する指標を決めておくことが欠かせません。指標の例としては、配車計画の作成にかかる時間、1台あたりの配送件数、総走行距離、時間指定の遅延件数などが挙げられます。
導入前の数値を記録していないと、導入後に改善したかどうかを比べられません。指標は1つに絞らず、効率と配送品質の両方を見ることが大切です。走行距離が減っても遅延が増えていれば、条件の設定を見直す必要があります。
AI搭載の配送管理システムを比較するポイント
配送管理システムのAI機能は、製品ごとに対応する配送形態や設定できる条件、費用の考え方が異なります。比較するときに確認したい3つの観点を整理します。
自社の配送形態に対応しているか
AI配車は、届け先が毎回変わる宅配型と、決まった取引先を巡るルート配送型とで、得意な計算が異なります。自社が毎日扱う配送がどちらに近いかを先に整理し、その形態での配車や到着予測に対応していると確認できる製品を選びましょう。
複数拠点や協力会社の車両をまとめて扱えるかなど、自社の配送で外せない条件もデモで確かめます。積み合わせや帰り荷の扱いなど、確認する項目は事前に書き出しておくと比べやすくなります。
条件の設定とAI計画の修正のしやすさ
時間指定や車格、ドライバーの勤務時間といった条件をどこまで細かく登録できるかは、製品で差が出ます。現場の決まりごとを反映できるかを比べてください。登録できる条件が少ないと、AIの計画が現場の実態からずれる原因となります。
AIが作った計画を配車担当者が画面上で手直しできるかも確認します。修正しにくい製品では、現場で使われなくなるおそれがあります。手直しの内容が次回以降の計画に反映されるかも、あわせて確かめましょう。
費用とサポートの範囲
AI配車の機能は、基本料金に含まれる製品と、オプションとして別料金の製品があります。車両台数や配送件数で費用が変わる場合もあるため、自社の規模で見積もりを取って比べましょう。
導入時の条件登録を支援してもらえるか、運用開始後に計画の精度を相談できるかなど、サポートの内容も比較の対象です。AI機能の利用に別途の契約や追加費用が必要かどうかも、見積もりの段階で確認しておきます。
AI機能搭載の配送管理システム一覧
この記事で紹介する配送管理システムのうち、AI機能を確認できる製品を一覧にまとめました。AIが担う範囲や機能の違いを比較してください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| ルート計画システムジオルーター | 配車AIで複数車両のコースを一括作成し、マウスで修正できる |
| TCloud for SCM | AIドラレコと連携し、到着時刻の予測と遅延通知に対応 |
| LYNA 自動配車クラウド | 配送条件やドライバーの制約を反映し、AIが配車計画を自動生成 |
AI機能搭載の配送管理システムの紹介
ここでは、AI機能を備えた配送管理システムを紹介します。AIが担う範囲と、対応する業務や機能を確認し、自社の課題にあう製品を選びましょう。
ルート計画システムジオルーター
- 複数コースを一気に自動作成!マウスで簡単修正
- 顧客情報・コース情報をドライバーのスマホと共有可能
- 作業状況や到着予定時刻をリアルタイムで把握
株式会社ジオインフォシステムが提供する「ルート計画システムジオルーター」は、独自開発の配車AIで自動配車を実行するルート計画ソフトウェアです。訪問先の希望時間や車両の最大積載量、訪問先ごとの車両指定といった条件を考慮して、複数車両のコースを短時間で作成します。作成後は地図上でマウス操作により修正でき、手動配車と自動配車を組みあわせることも可能です。AIが出した配車案を確認しながら調整したい企業の候補です。
TCloud for SCM
- 専用の車載端末など機器不要でスマホとネット環境のみで利用可能
- 長年の経験で培ったノウハウを詰め込んだ配送業務システム
- リアルタイムに位置・作業情報を送信し、配送状況を可視化
都築電気株式会社が提供する「TCloud for SCM」は、納品先までの距離や経由地、渋滞情報、作業時間を考慮して到着時刻を予測できるクラウド型の動態管理システムです。到着予測の遅延は通知で知らせ、運行実績から運転日報を自動作成してPDFでも出力できます。専用の車載端末は不要で、スマートフォンだけで到着予測と進捗確認を始めたい企業が検討しやすい製品です。
LYNA 自動配車クラウド (株式会社ライナロジクス)
- 最適な配車計画をAIが自動生成
- 複雑な制約を踏まえて計画作成を支援
- 地図表示やルート可視化で、計画内容を直感的に確認
AI機能以外の目的で選ぶ配送管理システム
AI機能以外の観点で配送管理システムを選びたい場合に検討できる製品を紹介します。AIの有無は資料で確認してください。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| ビジネスナビタイム輸配送管理クラウド | 配車計画と、渋滞を踏まえた到着予想時刻の把握に対応 |
| ODIN リアルタイム配送システム | 動態管理と配送計画を連動し、進捗と延着を確認できる |
| ASSORT | 届け先条件を考慮した配車登録に対応。自動配車はオプション |
| ULTRAFIX | ドライバーの勤怠や左折入庫を考慮した自動配車に対応 |
| MOVOVista | 配車計画の自動作成と、車両位置・運行状況の可視化に対応 |
ビジネスナビタイム輸配送管理クラウド
- 経路検索技術を活かした、効率的な配送計画をかんたんに作成
- 今の車両位置だけでなく、正確な到着予想時刻もわかる動態管理
- 大型車の車格を考慮した高性能なカーナビ
株式会社ナビタイムジャパンが提供する「ビジネスナビタイム輸配送管理クラウド」は、経路検索エンジンを備えたクラウド型の配送管理システムです。リアルタイムの渋滞情報も考慮して到着時間を予想し、訪問先や車両、荷量を踏まえた配車計画も作成できます。動態管理や荷待ち・荷役の実績管理、ドライバー向けナビにも対応しています。到着予定時刻の把握を重視し、荷主への案内を効率化したい企業の選択肢です。
ODIN リアルタイム配送システム
- 効率の良い配送ルートで無駄を省き、売上アップ!
- 配送の進捗がリアルタイムでわかる運行管理システム
- 最大年間530万円のコスト削減、配送品質向上の為の機能が豊富
株式会社オンラインコンサルタントが提供する「ODIN リアルタイム配送システム」は、計画と現在位置を照らしあわせて配送の進捗を把握できるクラウド型の配送システムです。延着や遅配が起きた際は荷主や配達先へすばやく知らせられ、積載量を加味した配送計画の作成や、日報の自動作成にも対応しています。計画と実績のずれを見える化し、配車の見直しに役立てたい企業の選択肢です。
ASSORT (株式会社セイノー情報サービス)
- ベテラン配車担当者のノウハウを凝縮し誰でも簡単に配車
- 配車結果を積載率や収支で評価
- 手動・自動配車による最適なルート組みと業務効率の向上
ULTRAFIX (NECソリューションイノベータ株式会社)
- ドライバーの勤怠考慮した配車計画を作成。
- 左回り・左折入庫を考慮した自動配車
- 配送状況を共有し共同配送を支援。
MOVOVista (株式会社Hacobu)
- 配車計画の自動作成で工数削減とコスト最適化
- 車両位置・運行状況をリアルタイムに可視化
- 輸配送の請求管理まで一元化可能
まとめ
配送管理システムのAIは、配車計画とルートの自動作成、到着予定時刻の予測、物量予測といった業務を支えます。一方で、精度は届け先の位置情報や時間指定などの条件、実績データの正確さに左右されるため、データの整備や、現場の経験を条件として登録する作業も欠かせません。生成AIを使う場合は、回答の確認と個人情報の扱いにも注意しましょう。自社の配送形態にあうAI機能を比べたい方は、配送管理システムの資料請求を活用してください。

