セグメント配信とは
セグメント配信とは、顧客を条件別に分類し、それぞれのニーズにマッチした情報をメールで配信することです。この条件については、年齢や性別、商品・サービスの利用頻度や資料ダウンロードの有無などが挙げられます。一方、一斉配信では条件別に顧客を分類せず、同じ情報をメールで送ります。
セグメント配信のメリット・デメリット
セグメント配信にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。それぞれ見ていきましょう。
メリット1.開封率が上がり、解除率が減少する
購入した商品の関連商品や資料請求後の定期的なメールといった、各顧客のニーズに合った情報を配信するので、顧客はメールの内容に興味をもちやすいです。
そのため、開封率やクリック率だけでなく、コンバージョン率の向上につながります。そして、顧客は自身にとって有益な情報源であるメールを嫌がることはほとんどなく、解除率の減少を期待できるでしょう。
メリット2.顧客関係の維持ができる
セグメント配信では、顧客の商品・サービスへの関心度や行動状況に応じたメルマガ配信が行えます。適切な情報を継続して提供できるため、顧客と良好な関係を構築・維持することが可能です。
最初は商品・サービスの購入や契約に至らずメルマガを開封するだけでも、いずれは商品・サービスを愛用する優良顧客になる可能性があります。
デメリット1.配信準備に時間がかかる
セグメント配信を行うには顧客を条件別に分類しなければならず、時間がかかります。また、セグメントを細分化し過ぎると条件が重複したり、顧客の分類を間違えたりする可能性が高まります。加えて、セグメント別にメルマガの文章やコンテンツのデザインを見直さなければいけません。
若年層とシニア層向けのセグメント配信を行っている場合、メルマガの文章やコンテンツのデザインはそれぞれ変えるべきでしょう。
このように、セグメント配信には配信前にさまざまな作業が発生します。一斉配信より配信準備に時間がかかることを覚えておきましょう。
デメリット2.セグメントが不適切だと効果が出にくくなる
セグメント配信を行うには目的を明確化し、顧客の分類を正確に行う必要があります。メルマガで顧客にどのような行動を望むのか、目的を明確にしましょう。目的が明確でないと分類時の判断基準が曖昧になり、正確なセグメントが行えません。さらに、ターゲット別のニーズの把握も必要です。
ニーズを把握してメルマガの内容を吟味しないと、効果を感じるのは難しいでしょう。
セグメント配信のやり方
セグメント配信はどのように行うのでしょうか。具体的な方法を見ていきましょう。
セグメンテーションを行う
セグメンテーションは、大きく3つに分けられます。
属性データで分類
属性データとは、性別や年齢、収入、家族構成、居住地、趣味嗜好など、顧客情報を指します。
たとえば、不動産業界でセグメントする場合は「家族構成」「居住地」「収入」で行います。高級な商品を宣伝するのであれば「年齢」「収入」、ファッション業界では「年齢」「性別」「趣味嗜好」といった属性データでセグメントすると良いです。
行動履歴で分類
商品・サービスの購入頻度や資料請求、問い合わせ、Webサイトへのアクセスなどの行動データを基に顧客をセグメントする方法です。購入頻度の高い顧客には関連商品の案内やクーポンを配布する、というように顧客のニーズにマッチした戦略的な施策が行えるのです。
近年はMAツールでWeb上の行動を記録し、それを基にセグメントを行うのが主流になっています。Web上の顧客行動を詳細に知ることができれば、より精度の高いセグメンテーションが可能になるでしょう。
顧客との関係性で分類
既存客か、それとも見込み顧客なのかでセグメントする方法です。それぞれの顧客に同じアプローチをせず、関係性を考慮してニーズに合う情報を提供するのが大切です。
見込み顧客にはさらに興味を惹くようなメルマガを配信しましょう。既存顧客には効果的な商品・サービスの使い方や関連商品・サービスの案内など、顧客にとってプラスになるメルマガを配信すると良いです。
メール配信システムを利用して配信する
メール配信システムを利用すれば、効率的な顧客のセグメンテーションが可能です。
まず、顧客管理ツールや名刺管理アプリを活用し、自社の顧客情報を準備します。そして、メール配信システムのメール作成画面上で条件を設定し、顧客情報を抽出しましょう。「居住地」「購入日」「来店日」など、細かい条件で顧客をセグメントできます。
さらに、メール配信システムの中には一斉配信に見せかけない機能を搭載する製品もあります。営業担当者が個人に宛てたかのようなメルマガ配信を行えるのです。差出人、文中、文末に担当者名を差し込む機能を活用すれば、メルマガの開封率アップを期待できます。
セグメント配信をする際の注意点
セグメント配信を行う際は、必ず効果測定を行ってください。セグメント配信後は配信データを取得し、課題点の把握と改善に努めましょう。
セグメンテーションによってはメルマガの開封率は向上したがコンバージョン率が低下するなど、数値にさまざまな影響が出るものです。問題点には改善を加え、この取り組みを継続してセグメントの正否を分析しましょう。数値に踊らされないよう、期間を定めて効果測定を継続することが大切です。
なお、メルマガ配信に「配信解除」はつきものです。新たなセグメント配信を試みたものの「解除率」がアップしたからと、辞めてしまうのはおすすめしません。解除率の向上は一時的なものかもしれないので、冷静に判断しましょう。解除した顧客は自社の商品・サービスに興味をもてなかっただけです。それよりもメルマガ購読者である顧客を大切にしましょう。
セグメント配信をして、メルマガ配信の効果を上げよう!
セグメント配信とは顧客を条件別に分類し、ニーズに合う配信をすることです。これによるメリット・デメリットは以下のとおりです。
- メリット
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- デメリット
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セグメント配信は顧客の属性・行動履歴・対関係性で分類し、メール配信システムの活用で作業を効率化できます。そして効果測定を継続的に行い、メルマガの配信効果を上げましょう。