メール配信システムの選定前にすべきことは?
まずはメール配信システムの選定前に何をすべきか見ていきましょう。
目的を明確にする
メール配信システムの導入にあたって、「なぜ導入するのか」という目的を明確にしましょう。たとえば「顧客1人1人に合わせたメール配信を効率化するため」であれば、大量配信型よりもセグメント型のメール配信システムが最適です。
メール配信を行う目的が明確になれば、おのずと必要な機能や最適な製品タイプが見えてきます。逆に目的が曖昧な状態で導入を進めてしまうと、結果的にメール配信システムを使いこないという失敗に陥り、無駄なコストが生じるでしょう。
ターゲットを明確にする
メール配信システムを導入する目的が明確になれば、次にターゲットを明確にする必要があります。ターゲットによっても必要な機能が異なるため注意しましょう。
たとえば、20代前後の若い層をターゲットとするなら、メールよりもLINEの方が効果があるかもしれません。メール配信システムの中には、LINEと連携してメッセージを送れるものもあります。
ターゲットにどのようなメールを配信すれば効果的か考え、その答えから必要な機能を絞っていきましょう。
配信数を明確にする
メール配信システムによって、配信数に制限があったり配信数でコストが変動したりします。そのため、メールの配信数を明確にしておくことは重要です。
導入目的やターゲットが決まれば、配信数は想定しやすくなるでしょう。なお、配信数が多ければ多いほど良い、というわけではありません。アプローチすべき人にメール配信することを念頭に置き、配信数を決定してください。
メール配信システムの比較検討に役立つ!選定ポイント
では、実際にさまざまなメール配信システムを比較するにあたっては、何に注目して選べば良いのでしょうか。選定ポイントを見ていきましょう。
目的を達成できる機能を搭載しているか
メール配信システムはメールの一斉配信や予約配信はもちろん、メールアドレスの管理やメールの作成、メールの開封率などの分析機能があります。こういった機能のほかに、メール配信システムによっては多彩な機能が搭載されています。自社の目的を達成できる機能があるか確認してください。
たとえば、販売促進を目的とするならテキストメールよりHTMLメールのほうが訴求力がありますが、知識がないと作成が難しいでしょう。そんなときはHTMLメールを直感的な作成でき、テンプレートが備わっているメール配信システムを選ぶと有用です。
また、多くの顧客にサービス情報を届けたいのが目的なら、CRMなどで管理された顧客のメールアドレスをメール配信システムと連携できると非常に便利です。API連携機能を搭載しているか確認すると良いでしょう。
提供形態は自社に適しているか
メール配信システムの提供形態が自社に合っているかも確認しましょう。大きく分けて「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類あります。それぞれの違いや特徴をご紹介します。
- 【クラウド型メール配信システム】
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- ■クラウド環境にあるサーバにネット経由でアクセスしてサービスを利用する方法
- ■既に構築しているサービスであるため短期間の導入が可能
- ■他社が運用しているためカスタマイズ性が乏しい
- ■初期コストなしでも導入できるが、運用コストはかかる
- 【オンプレミス型メール配信システム】
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- ■自社内にサーバを設置しシステムを構築する方法
- ■自由に構築できるので機能拡張やシステム連携などカスタマイズ性に富んでいる
- ■メールの到達率を上げるためにはハイスペックなサーバが必要
- ■導入コストがかかる
現在はクラウド型のメール配信システムが主流となっています。クラウド型のメール配信システムはコストを抑えられるうえ、ベンダーの運用サポートがあるため、中小企業やスタートアップ企業におすすめです。
配信数の上限や配信速度に問題ないか
あらかじめ想定しておいた自社のメール配信数と、上限数を照らし合わせて製品比較しましょう。中には上限を設けず、無制限でメール配信できるシステムもありますので、必要に応じて検討してみてください。
また、大量のメールを配信する場合は配信速度にも注目しましょう。処理が早いメール配信システムであれば、メール配信数が多くても配信完了までに時間がかかりません。
メール配信の到達率が安定しているか
メール配信の「到達率」も確認しておきましょう。到達率とは、配信したメールが送信先の受信ボックスに届いたことを示します。メールを確実に届けるには、到達率が高いことが望ましいです。
大量にメールを配信するとエラーメールが返ってくることが多いです。エラーとなったメールアドレスを排除していれば問題ないのですが、そのまま送り続けているとISP(プロバイダ)にスパムメールと判定されてブロックされるケースがあります。これにより到達率が下がってしまいます。
そのため、エラーメールアドレスを管理できるメール配信システムを選びましょう。また、複数のIPアドレスを取得し、分散配信ができるメール配信システムだと、到達率が安定します。
セキュリティ対策の強度は十分か
メール配信システムでは顧客のメールアドレスを管理するため、個人情報が漏えいしないようセキュリティ対策を万全に行わなければなりません。情報漏えいしてしまえば、企業の価値を大きく失い、損失は大きくなるでしょう。
オンプレミス型の場合は、自社でセキュリティ対策を行わなければならず、徹底が求められます。また、クラウド型の場合でも、セキュリティ強度は重要視すべきポイントです。セキュリティ強度を判断する基準には以下のようなものがあります。
- ■SSL通信による暗号化を実施しているかどうか
- ■第三者企業による脆弱性診断を受けているかどうか
- ■BCP対策を行っている堅牢なデータセンターにサーバが格納されているか
自社に最適なメール配信システムを選定しましょう!
メール配信システムを選ぶには、まず導入目的とターゲット、配信数を明確化しましょう。そのうえで、以下の選定ポイントに注目して製品比較をしてください。
- ■目的を達成できる機能を搭載しているか
- ■提供形態は自社に適しているか
- ■配信数の上限や配信速度に問題ないか
- ■メール配信の到達率が安定しているか
- ■セキュリティ対策の強度は十分か
最適なメール配信システムでメールマーケティングを成功させましょう。