マーケティングオートメーション担当者に必要な7つのスキル
1.マーケティング戦略のスキル
マーケティングは時代に応じてトレンドが変わります。製品のターゲット設定や見込み顧客の情報を把握し、タイミングに応じたマーケティング戦略を設計します。そのためには自社のマーケティングや営業プロセスだけでなく、マーケティングオートメーションの知識や経験は必須です。必要に応じて次のような資格の勉強をするのもおすすめです。
- ・マーケティング・ビジネス実務検定
- ・中小企業診断士
- ・ネットマーケティング検定
- ・経営学研士(MBA)
- ・ウェブ解析士
社内での戦略設計が難しい場合は、外部の専門家の意見を参考に戦略を立てることも選択肢のひとつでしょう。
2.データマネジメントのスキル
データマネジメント力もマーケティングオートメーション担当者に不可欠なスキルの一つです。日頃のマーケティング活動で収集した膨大なデータの整理はもちろん、顧客のスコアリングの見直しや不要データの削除など、頻繁な更新などが不可欠です。効果的なマーケティングオートメーションを行うには、常に顧客データを整備しておくことが重要でしょう。
3.データ分析のスキル
マーケティングオートメーション担当者は、自社製品の立ち位置(ポジショニング)やユーザーの意見、競合製品の情報などのデータを収集・分析して、戦略を立てます。それを全社的な戦略としてアウトプットするまでの流れがマーケティング分析です。
下記のような代表的な分析方法も参考にしてみるとよいでしょう。
- ■3C(スリーシー)分析
- Customer(顧客)、Competitor(競合他社)、Company(自社)の3つの要素を分析し、マーケティング戦略を立てるマーケティング手法
- ■SWOT分析
- 企業の内部環境と外部環境を分析してマーケティング戦略を立てる手法
- ■PEST分析
- 企業が制御できない外部環境を、政治(Politics)、経済(Economics)、社会(Society)、技術(Technology)の4つの視点で特定し、そこから戦略を立てるマーケティング手法
- ■5(ファイブ)フォース分析
- 「業界内の競合」「新規参入業者の脅威」「代替品の脅威」「売り手の交渉力」「買い手の交渉力」の5つの要因から分析するマーケティング手法
- ■バリューチェーン分析
- 商品やサービスがユーザーに提供されるまでの一連の活動を価値の連鎖として捉えたもので、各工程を可視化し付加価値を見いだすマーケティング手法
4.コンテンツ企画・制作のスキル
マーケティングオートメーション担当者は、ユーザーが求めるたくさんのコンテンツを企画・制作できるスキルが必要です。WebサイトやSNS、メルマガ、DMなど各種コンテンツを充実させなくてはなりません。MAツールを導入してもコンテンツの基本部分は自動化できないため、マーケティング担当者の企画・制作・ライティングスキルは不可欠でしょう。社内での制作が難しい場合はコンテンツ制作を外注するのもおすすめです。
5.オフラインマーケティング施策スキル
最近では展示会、セミナーなどのイベントや、郵便によるダイレクトメールなど、直接触れることのできる「オフラインマーケティング」の効果が見直されています。MAツールを活用すれば、オフラインの接触履歴とWeb上の行動履歴をオンライン上で連動できます。例えば「以前イベントに来場したAさんは、高頻度で製品サイトにアクセスしている」といったことが把握できるのです。オフラインマーケティングも視野に入れた施策を考案できるスキルが必要でしょう。
6.進行管理・調整スキル
マーケティングオートメーション担当者は、製品の売上や収益の責任者であるため、あらゆるマーケティング活動を取りまとめ、把握しなくてはなりません。企画から分析、販売、プロモーションまでを進行・管理するスキルが必要でしょう。
7.コミュニケーションスキル
ITツールが発展しても、人間同士のコミュニケーションがなくなることはありません。既存のシステムと連携するなら、営業部門・クリエイティブ部門・外部企業などと協力する必要も出てきます。そのようなときにコミュニケーションスキルが不足していると、他部署との連携に支障をきたしてしまいます。各部署とうまく調整するスキルを磨きましょう。
MA(マーケティングオートメーション)ツールでできること
マーケティングオートメーションツールの代表的な機能とできることを紹介します。
データの分析・管理ができる
MAツールでは、見込み客のデータをデータベースで一括管理します。データとして管理することで、見込み顧客リストをいつでも分析・活用可能となります。顧客ごとの属性・業種・ニーズを把握できれば、リストごとの優先順位付けも簡単になるでしょう。
分析機能は、シナリオ設計にも有効です。例えば、サイトへのアクセスデータを利用すれば、行動履歴に基づいた戦略設計ができます。分析に特化したツールもありますので、自社の分析範囲にあったものを選びましょう。
One to Oneマーケティングが可能になる
MAツールを使えば、One to Oneマーケティング(顧客一人ひとりにあわせたマーケティング)ができます。例えばメルマガを使ったマーケティング活動では、顧客別に設定したセグメントごとにメールを配信したり、Webトラッキング機能から顧客のWeb上の行動を把握することも可能となります。手間と労力をかけずに、「属性に応じた動的コンテンツ」や「成約率の高いLP(ランディングページ)」を作成可能です。
人件費のコスト削減、人為的なミスの防止の実現
MAツールで業務の自動化をすることで、マーケティングオートメーションにかかわる人件費などのコストと時間を抑えます。また、手作業で発生しがちな見込み客の取りこぼしや誤送信、配信漏れなどのミスによる損失も防げるでしょう。
以下の記事ではMAツールの機能や最新のMAツールを比較紹介しています。製品導入のメリット、選び方のポイント、導入の注意点も解説していますので参考にしてください。
MA(マーケティングオートメーション)ツールを選ぶポイント
マーケティングオートメーションツールを選ぶ時は、「運用・サポート体制」「費用対効果」を基準にします。
自社で運用できる体制があるのか
自社で運用できる準備が整っていないと、MAツールは使いこなせません。運用できる人材がいない場合は手配する必要があります。特に海外利用を前提とするツールは機能が豊富であるケースがあるため、使いこなせないようなら候補から外すことも必要です。
サポート体制は充実しているか
サポート体制が充実していると、MAツールの導入リスクを減らせます。特にマーケティングオートメーションのノウハウがない企業は、サポート体制の有無が重要です。導入する際は、問い合わせ方法だけでなく、サポート範囲まで確認しましょう。「電話で問い合わせできるのか」「メールのみなのか」など、自社のマーケティングレベルに合っているものを選ぶことが大切です。
費用対効果は期待できるか
単純に価格の安い製品を選んでも、費用対効果は高くなりません。費用対効果で選ぶ時は、ツールの費用・運用する際の人的コストの両面を考慮する必要があります。
例えば、初期費用・月額費用が安くても、ベンダーのサポート体制が整っていなければ、トラブル対応分のコストが必要です。さらに、自社の運用体制が整っていない場合、多くのコストを支払うことになるでしょう。既存システムとの連携が必要な時などは尚更です。
導入製品にお悩みで、ひとまず最新の人気製品から検討してみたい、という方はこちらのランキングも参考にしてください。
マーケティングオートメーションツールの導入がおすすめ!
MA(マーケティングオートメーション)を導入すればさまざまな課題が解決しますが、マーケティングオートメーションはあくまでツールであり、 活用するためには担当者の必要スキルを理解することが大事です。
このようなスキルをもつ人材がいない場合は、各部署に応援を頼んだり、専門家のサポートを受けるなどの工夫が必要でしょう。自社の運用体制・費用対効果・サポート体制などを考慮したうえで、自社に最適なものを選びましょう。