BtoCの特徴
まずは、BtoBと比較しながらBtoCビジネスの特徴を見ていきましょう。
購買者と決裁者が同じ
一般的にBtoCビジネスの場合は、購入者と決裁者は同じ人です。購入を決めるポイントは、購入者の興味・関心となります。
一方、BtoBにおいて何か購入するときは複数の上長の承認が必要になり、購入の意思決定を行う者が複数人います。つまりBtoBでは、購入を決める際、経済的利益や合理性が重視されることになるでしょう。
このようにBtoCとBtoBでは決裁者の人数に違いがあることが特徴です。
購入期間が短い
BtoCビジネスでは、BtoBよりも購入を決めるまでの期間が短いことも特徴の1つです。BtoBは意思決定を行う担当者の数が多いので、承認までに時間がかかります。そのため、購入申請を行ってから購入が実現するまでに1ヶ月から長くて半年以上かかることもあるでしょう。
それに対してBtoCの場合は、主に消費財が対象となるため、BtoBほど検討に時間がかかりません。商品を見た瞬間に購入を決めることもあるでしょう。しかし、車や高額な家電製品などの場合は、購入までの期間が長くなることがあるため注意してください。
顧客の数が多い
BtoCの対象となる顧客はBtoBよりも多いです。BtoBビジネスの場合、顧客数は千人から一万人ほどといわれています。それに対し、BtoCの顧客数は数万から数百万人です。
このようにBtoCの顧客数が多いので、マーケティング活動の範囲も広くなります。例えば、多くの顧客に広告を行う場合、チラシの発行部数は多くなり、発生するコストも高額です。また、管理する顧客データも必然的に多くなるでしょう。
BtoC向けのMAツールの特徴
つづいて、BtoC向けのMAツールの特徴を見ていきましょう。
複数のチャネルでの配信
BtoBビジネスの場合、情報配信を行うチャネルはメール・電話・Webなど限られている場合がほとんどです。しかし、BtoC向けのMAツールは、複数のチャネルを使った情報配信ができる特徴があります。
BtoCの場合はLINEなども活用して情報配信を行う企業が多いです。LINEの場合、企業公式アカウントを作成・利用すると毎月数百万円ほどかかりますが、導入企業は増えています。スタンプを発行すればさらに費用はかかりますが、とても人気があるサービスです。
他にも、BtoC企業はアプリやSMS、TwitterなどのSNS、Webプッシュといったさまざまなチャネルを活用していることでしょう。BtoC向けのMAは複数のチャネルに対応しており、設定を行う手間も削減可能です。
対応しているチャネル数は製品によって異なりますが、幅広く対応するMAツールが増えています。
One to Oneマーケティングの自動化
BtoC向けのMAツールは、One to Oneマーケティングを自動化します。One to Oneマーケティングとは、顧客個人の趣味・嗜好・関心に合わせたマーケティング活動のことです。
今まではメルマガやステップメールの配信を行っていましたが、近年は費用対効果が下がっています。これは、消費者が情報を得る機会が増えてきているため、メールで提供される情報の価値が薄れているからです。
しかし、BtoCビジネスでは顧客数が膨大で、個々の顧客に合わせた情報提供は現実的ではありません。そこで、BtoC向けのMAツールで顧客情報やWeb上の行動を分析し、シナリオを設計します。
MAツールで設計したシナリオをもとに、マーケティング活動を自動化することで効果的なアプローチが実現するでしょう。
BtoCのMAツールを選ぶポイント
最後に、BtoC向けのMAツールを選ぶポイントを見ていきましょう。
メール配信機能の充実性
BtoC向けのMAツールにおいて、基本となるメールの配信機能は重要です。配信機能が充実していればMAツールの効果も得やすくなるため、以下の機能があると良いでしょう。
- ■シナリオ設定、メールの自動配信機能
- ■プッシュ通知機能
- ■開封率やクリック率の分析機能
- ■タギングメールの配信機能
タギングメールとは、Cookieを仕込んだメール配信を行うことで顧客のWeb上の行動履歴も収集するものです。タギングメールの配信ができれば、収集できる情報の量も多くなるでしょう。
データ管理機能の充実性
マーケティング活動には顧客データの活用が不可欠であるため、データ管理機能の充実性も重視しましょう。基本的にMAツールは既存データの管理機能が備わっていますが、MAツールによって管理できるデータの種類や操作性に違いがあるので注意が必要です。
例えば、顧客の基本情報だけでなく購入履歴やWeb上の行動も一元管理できると便利でしょう。個人情報が明らかになっているデータだけでなく、匿名ユーザーのデータを管理できる製品もあります。
他にも、MA以外のツールに蓄積された情報を自動で取り込める機能も便利です。分析・管理しているデータを瞬時に把握できるような視認性の高さも、選定のポイントとなるでしょう。
位置情報の活用の有無
ユーザーの位置情報を活用できるMAツールもあります。位置情報を把握できれば、より効果的な情報提供ができるでしょう。
例えば、実店舗の近くにいるユーザー向けに、セール情報のメッセージを送ることも可能です。他にも地域性や天候情報を考慮したコンテンツを配信することで、マーケティング効果を高められます。
現代ではO2O(Online to Offline)マーケティングを検討している企業も多くあります。Web情報が現実世界のオフラインに影響を与えるO2Oでは、位置情報の活用が欠かせません。このような新しい取り組みを検討しているのであれば、位置情報の活用の可否も確認しましょう。
コンテンツ作成機能の有無
マーケティング活動ではコンテンツが重要となるため、コンテンツ作成機能の有無も確認しましょう。例えば、アプリの用意やランディングページの作成、顧客行動に基づいたコンテンツの作成機能です。
このようなコンテンツ作成機能がなければ、プログラミング開発をしてコンテンツを作らなければなりません。そうなれば技術を持つエンジニアが必要になり、コンテンツ作成に時間もかかるでしょう。
そこでWebコンテンツを簡単に作成できるMAツールを選べば、業務改善を機動的にしやすくなります。
BtoCの特徴にあったMAを導入しましょう!
BtoBとは違い、BtoCは商品購入までの期間が短く、対象となる顧客数が多いです。BtoC向けのMAツールであれば、複数チャネルに対応した情報配信が可能で、One to Oneマーケティングを自動化できます。
MAツールを選定する際は、目的に合った機能が充実しているか確認してください。最適なMAツールを導入して、マーケティング活動の効率化を図りましょう。