MAツール(マーケティングオートメーション)とは
MAツール(マーケティングオートメーション)とは、企業のマーケティング活動を自動化するソフトウェアです。見込み顧客の獲得から育成、成約に至るまでのプロセスを最適化し、顧客獲得・売上向上を目指します。
MAツールのシェア・導入率
株式会社Nexalが2023年5月に実施した調査によると、国内企業におけるMAツールの導入率は約1.5%と低いものの、上場企業では14.6%に達しています。なかでも、「BowNow(バウナウ)」「Marketing Cloud Account Engagement」「HubSpot」などが高いシェアを獲得しています。
参考:2023年5月国内63万社のMAツール実装調査|Nexal,Inc.
マーケティングオートメーションのシェアや市場規模は、以下の記事で詳しく解説しています。
MAツールをお探しの方へ
この記事では、MAツールを業務課題別にタイプ分けして比較しています。「すぐにツール選定に移りたい」という方は、こちらから詳しい製品情報をご覧ください。
- ▶リード獲得に強みをもつMAツール
- 新規顧客開拓に力を入れている企業におすすめ
- ▶リードナーチャリング(育成)に強みをもつMAツール
- リード獲得はできているがその後の育成(ナーチャリング)がうまくいかない企業におすすめ
- ▶リード獲得・育成・成約までの総合型総合型MAツール
- マーケティング活動を全体最適化したい企業におすすめ
▼おすすめ製品を一覧表で比較したい方はこちら!
【比較表】おすすめのMAツール一覧
MAツールのメリット・デメリット
MAツールを導入することで、以下のメリットが得られます。
- ■担当者ひとりで数万リード管理
- 新規顧客の獲得・育成・管理までを一元管理。営業社員が少ない場合でも、営業活動・マーケティング業務全般をカバーできる。
- ■人為的なミスの防止
- 手作業で発生しがちな見込み顧客の取りこぼしや誤送信、配信漏れなどのミスも防げる。
- ■コスト削減
- リードの入力や更新、セグメンテーションなどの作業が自動化され、人件費を削減できる。
- ■One to Oneマーケティングが可能に
- セグメントごとにメールを配信したり、Webトラッキング機能で顧客行動を把握したりできる。
- ■データの統合管理・連携
- CRMシステム・メールマーケティングツール・Webサイト分析ツールなどさまざまなツールと連携可能。データ全体の精度が上がり、より統合的なマーケティング戦略を実現できる。
一方で、MAツールの運用にはシナリオ設計やプログラミング技術が求められるため、専門的な知識が不足していると運用しづらい点がデメリットです。また、営業部門との連携が必須であり、マーケティング部門が育成したリードを営業が活用しなければ、効果がありません。
MAツール導入のメリット・デメリットは以下の記事で詳しく解説しています。導入検討の際に一読ください。
MAツールのタイプ
この記事では、MAツールを3つのタイプに分類して比較しています。自社の課題やニーズを明確にし、適したタイプを選定することが大切です。それぞれのタイプの特徴を見ていきましょう。
リード獲得に強みをもつMAツール
見込み顧客の発掘に強みをもつタイプです。 Webサイト訪問者の行動データを収集・分析するアクセス解析機能が充実しており、見込み顧客を特定します。また企業・個人・業種単位での解析に対応している場合もあり、さまざまな条件でターゲットを絞り込めます。「Webサイト訪問者の行動を詳細に分析したい」「新規顧客開拓のため企業リストを作成したい」といった企業におすすめです。
▶リード獲得に強みをもつMAツールはこちら!
リードナーチャリング(育成)に強みをもつMAツール
単にリードを集めるだけでなく、リードを温め購買意欲を高めるためのプロセスを自動化する機能が充実しています。リードを属性や行動履歴でセグメント・スコアリングし、成約可能性の高いリードを抽出します。「顧客ロイヤリティを高めたい」「成約可能性の高いリードに焦点を当てたい」といった企業におすすめです。
▶リードナーチャリング(育成)に強みをもつMAツールはこちら!
リード獲得・育成・成約までの総合型MAツール
リードの獲得から育成、成約までのプロセス全般に対応可能なタイプです。CRMやSFAと一体型になっている場合もあり、リードの収集から営業への引き継ぎまでをシームレスにつなぎます。「営業部門との連携を強化したい」「マーケティング活動を一元管理したい」といった企業におすすめです。
▶リード獲得・育成・成約までの総合型MAツールはこちら!
MAツールの比較ポイント・選び方
MAツールのタイプを絞ったら、実際に製品を選定しましょう。ここでは製品比較時にチェックしておきたいポイントを解説します。
LINE連携の可否
最近では多くの企業がLINEを活用した顧客コミュニケーションを重視しており、MAツールとの連携可否は必ずチェックしておきたいポイントです。一部製品では、LINE公式アカウントの友だちを自動でMAツールに連携できます。また、通常の会員とLINEの友だちを統合して一元管理可能です。製品によっては、サードパーティーのアプリやカスタム開発での連携に対応しているケースもあります。
CRMツールとの連携性
MAツールを選ぶ際には、既存のCRMとスムーズに連携できるかを事前に確認しておきましょう。MAツールで収集した見込み顧客の情報をCRMと連携し一元管理することで、リードナーチャリング(育成)を効率化できます。「Salesforce」「Microsoft Dynamics 365」「HubSpot」など一般的なCRMと連携可能なケースが多いですが、特定の製品に特化している場合もあります。連携方法には、API連携やコネクターを使用した連携方法があるため、自社のIT環境にあわせて選択しましょう。
BtoB向けかBtoC向けか
「BtoB」と「BtoC」では、顧客数やマーケティングの目的、手法、リード(見込み顧客)へのアプローチ方法などが異なります。顧客数が少なく購入までの期間が長い「BtoB」では、セグメントやスコアリングなど顧客育成につながる機能が必要です。一方「BtoC」では、顧客数が非常に多いため、大量の顧客データ処理能力が求められます。
直感的な操作性・充実のサポート体制
シンプルで直感的に操作できるMAツールであれば、専門知識がなくても本格的なデジタルマーケティングをはじめられます。製品比較時は、ユーザビリティを確認し、直感的に使えるか、ナビゲーションはわかりやすいかといった点に着目してみましょう。同時にサポート体制の充実度もチェックしておきたいポイントです。24時間365日のサポートに対応してたり、無料の学習ツールやコミュニティーを提供していたりと、製品によってサポート環境はさまざまです。
【比較表】おすすめのMAツール一覧
ITトレンド上半期ランキング2024「マーケティングオートメーションツール」より、おすすめのMAツールをランキング順にまとめました。また主要な製品を調査し、見えてきたツールの特徴や傾向は以下のとおりです。
- ●ほとんどの製品でメール配信機能が搭載されているが、AI搭載の有無や自動化のレベルにおいて差がある
- ●8割方CRMと連携可能、特に「Salesforce」と連携できる製品が多い
- ●BtoBに特化しているツールが多いが、BtoCとの両対応が可能な製品もある
- ●無料プランを提供しているのは「List Finder」「BowNow(バウナウ)」「HubSpot Marketing Hub」
- ●LINE連携可能な製品は約3割
|
製品名 |
順位 |
参考価格 |
無料トライアル |
レビュー評価 |
|
List Finder |
1位 |
初期費用100,000円 月額45,000円~ ※無料プランあり |
◯ |
|
|
Account Engagement |
2位 |
月額150,000円~480,000円 |
ー |
|
|
Marketing Cloud |
4位 |
ー |
ー |
|
|
esm marketing |
ー |
初期費用300,000円 月額148,000円 ※年間契約 |
ー |
|
|
カミハヤMA |
ー |
ー |
ー |
|
|
BowNow(バウナウ) |
ー |
月額36,000円~ ※無料プランあり |
ー |
|
|
SATORI |
ー |
初期費用300,000円 月額148,000円 ※年間契約 |
ー |
|
|
HubSpot Marketing Hub |
ー |
月額1,800円~ ※無料プランあり |
ー(※無料デモあり) |
|
|
GENIEE MA |
ー |
月額98,000円~ ※初期費用別途あり |
◯(15日間) |
|
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
※ランキングは上位5位までを表示しています。
最新の人気傾向を参考にしたうえで製品選定を進めたい方は、ぜひ以下の月間ランキングページもご覧ください。
MAツールの価格相場
MAツールの料金は、機能数や顧客データ数、メール配信数などによって変動します。現在ITトレンドに掲載中の製品では、最安で初期費用5万円、月額費用1,800円からの価格設定となっています。また無料プランを提供しているものもあります。詳しい料金については、各社製品の資料を取り寄せ見積もりを依頼してみましょう。以下のボタンから、各社製品の一括資料請求(無料)が可能です。ぜひご利用ください。
\ マーケティングオートメーションツール の製品を調べて比較 /
製品をまとめて資料請求! 資料請求フォームはこちら
▶リード獲得に強みをもつMAツールを比較
ここからは、MAツールを比較していきましょう。まずは、リードの獲得に強みをもつMAツールを紹介します。
List Finder
株式会社Innovation X Solutions 《List Finder》のPOINT
- はじめての方でもかんたんに使えるシンプルなMAツール!
- 充実した無料サポートと運用代行サービスで徹底支援
- 0円からご利用いただける フリープランもご用意!
株式会社Innovation X Solutionsが提供する「List Finder」は、はじめての方にも使いやすい、トップシェアを誇るBtoB向けMAツールです。アクセス解析機能でユーザーのサイト滞在時間やアクセス頻度などを把握できるため、見込み顧客の発掘に役立ちます。また名刺管理サービス「Sansan」との連携による名刺情報のスムーズな同期が可能です。
参考価格 |
初期費用100,000円 月額45,000円~ ※無料プランあり |
LINE連携 |
ー |
機能 |
LP作成 / フォーム作成 / メールトラッキング / PDFトラッキング / SFA・CRM連携 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
《esm marketing》のPOINT
- 匿名リードにも効果的なアプローチが可能で顧客獲得に強い
- シンプルかつカンタンな操作と導入でミニマムスタートが可能
- MAツールを利用したことがなくても安心な手厚いサポート体制
ソフトブレーン株式会社が提供する「esm marketing」は、顧客獲得に特化したMAツールです。ステップメールやプッシュ通知によるアプローチが可能で、匿名リードへのアプローチにも対応します。シンプルな操作性と導入の容易さにくわえ、手厚いサポート体制も魅力です。
参考価格 |
初期費用300,000円 月額148,000円 ※年間契約 |
LINE連携 |
ー |
機能 |
LP作成 / フォーム作成 / メールトラッキング / PDFトラッキング |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
《BowNow(バウナウ)》のPOINT
- ずっと無料で使えるフリープラン
- 複雑な設定なしで、商談創出を効率化ができる
- カスタマーサクセス部隊による手厚い支援
クラウドサーカス株式会社が提供する「BowNow(バウナウ)」は、シンプルで低価格をコンセプトにした国産MAツールです。完全無料のフリープランを提供しています。また、一般的な解析ツールでは難しい企業・個人・業種単位での解析にも対応可能。さらに、アプローチすべき見込み顧客を自動で抽出できるのもポイントです。
参考価格 |
月額36,000円~ ※無料プランあり |
LINE連携 |
ー |
機能 |
フォーム作成 / メールトラッキング / PDFトラッキング / SFA・CRM連携 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
▶リードナーチャリング(育成)に強みをもつMAツールを比較
つづいて、見込み顧客の育成に強みをもつMAツールを紹介します。
《Account Engagement》のPOINT
- Salesforce製品としての高い信頼性とリーズナブルな価格体系
- Salesforceとの連携設定も簡単に実現
- 展示会などのマーケティング投資対効果が平均34%向上
株式会社セールスフォース・ジャパンが提供する「Account Engagement」は、営業支援システムと一体化したBtoB向けMAツールです。簡単な操作で有望な見込み顧客を発掘し、営業担当へ自動的に割り当てます。さらに、顧客ごとに最適化されたメールマーケティングで、メール開封率向上を支援。どのような内容、ページが有効だったか分析できる機能も備えています。
参考価格 |
月額150,000円~480,000円 |
LINE連携 |
ー |
機能 |
フォーム作成 / メールトラッキング / SFA・CRM連携 / AI機能 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
《SATORI》のPOINT
- MA運用経験が浅いマーケターでも利用しやすい!
- 匿名の見込み顧客に対して強みを発揮するMAツール!
- 日本人の専門家による手厚いサポート体制!
SATORI株式会社が提供する「SATORI」は、見込み顧客に対してのアプローチに強みをもつ国産MAツールです。興味関心にあわせた適切なアプローチを支援するパーソナライズ機能やスコアリング機能、プッシュ通知機能などを搭載しています。オンライン・オフライン問わず匿名客も含めた豊富なリード管理機能で自社コンテンツを収益化します。
参考価格 |
初期費用300,000円 月額148,000円 ※年間契約 |
LINE連携 |
◯(※オプション) |
機能 |
フォーム作成 / メール配信 / スコアリング / SFA・CRM連携 |
▶リード獲得・育成・成約までの総合型MAツールを比較
最後に、リードの獲得から育成、成約までマーケティング業務全般の最適化におすすめのツールを紹介します。
《Marketing Cloud》のPOINT
- マーケティング費用対効果 +28%
- あらゆる接点でパーソナライズされたコミュニケーションを実現
- 施策をマルチチャネルで実装しAIで自動化、分析まで実現
株式会社セールスフォース・ジャパンが提供する「Marketing Cloud」は、One to Oneマーケティングに課題がある企業におすすめのMAツールです。メールやSNSなどあらゆるチャネルに対応し、顧客一人ひとりに最適なアプローチを実現します。CRM内のデータを軸にしてコンテンツ配信を行い、内蔵されたAIが顧客の行動パターンを分析します。また最適なチャネルの選定や配信時刻も予測可能です。
参考価格 |
ー |
LINE連携 |
◯ |
機能 |
フォーム作成 / SFA・CRM連携 / 予測AI |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
《カミハヤMA》のPOINT
- 利用規模に応じて3つのプランから選択可能
- デジタルマーケティングに必要な機能を網羅的に搭載
- 導入支援サービスあり
ジェネロ株式会社が提供する「カミハヤMA」は、ノンコーディングで利用できるMAツールです。シンプルなUIが特徴で、最短3週間で運用をはじめられます。豊富な機能と高い利便性を備えながら、オープンソースクラウドを利用しているため低コストで導入できます。
参考価格 |
ー |
LINE連携 |
ー |
機能 |
LP作成 / フォーム作成 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
《HubSpot Marketing Hub》のPOINT
- ビジネスの規模に合わせて機能の拡張が可能
- 集客ツールとSEOを駆使して見込み客を効率的に獲得する
- 豊富な分析ツールを利用して戦力的なマーケティングを実行できる
「HubSpot Marketing hub」は、HubSpot Japan株式会社が提供するマーケティングプラットフォームです。ブログ作成からメール、SNS対応まで、あらゆるマーケティング活動をまとめて管理できます。企業規模を問わず、ROI(利益投資率)を測定しながらインバウンドマーケティング戦略の展開が可能です。なお、無料プランも提供されています。
参考価格 |
月額1,800円~ ※無料プランあり |
LINE連携 |
◯ |
機能 |
フォーム作成 / SNS管理 / SFA・CRM連携 / SMSマーケティング |
《GENIEE MA》のPOINT
- 複数のチャネルと配信方法に対応し1to1マーケティングを実現
- BtoB・BtoCの両方に対応
- オンボーディング支援やコンサルティングなどサポートが充実
株式会社ジーニーが提供する「GENIEE MA」は、BtoB、BtoC両方に対応した国産のMAツールです。サイト訪問者などから効率よく見込み顧客を育成し、有効な商談を増やす仕組みを作ります。リード管理や配信、レポート機能などを搭載し、サポート体制も充実。顧客発掘から営業まで、ワンストップで事業の拡大をサポートします。
参考価格 |
月額98,000円~ ※初期費用別途あり |
LINE連携 |
◯ |
機能 |
フォーム作成 / SFA・CRM連携 / リード管理 |
まとめ
マーケティングオートメーション(MA)ツールは、企業がマーケティング活動を効率化し、見込み顧客を効果的に管理・育成するためのシステムです。これにより、リード獲得からコンバージョンまでのプロセスを自動化し、全体の工数を削減可能です。
各ツールには、それぞれ独自の機能や特徴があるため、MAツールを選定する際には製品比較が不可欠です。以下のボタンより一括資料請求(無料)ができるので、ぜひご利用ください。