ステップメールとは?
ステップメールとは、無料会員登録などのアクションを実行した見込み顧客に対して、事前に準備した複数のメールをスケジュールに沿って配信するメールマーケティグ手法の一つです。
例えば、自社サイトで商品の購入や問い合わせをしてくれた顧客に対して、すぐにお礼メールを自動で配信します。その2日後には商品の使用感を確認したり使い方の案内を配信、さらに5日後にはキャンペーンのお知らせやクーポンなどを配信したりします。こうした一連のメール配信の流れによって、顧客満足度の向上や売上増加につなげるのです。
メルマガとの違い
メルマガとステップメールは混同されやすいですが、目的、タイミング、回数などさまざまな面で異なります。
ステップメールの特徴は、顧客に送信するメールの1通目から最後のメールまでに一貫したストーリーがあることです。送信日時も事前に設定するため自動配信されます。一方、メルマガの特徴は毎回1通のメールの中でストーリーが完結し、いつ誰が読みはじめても理解できる内容になっています。ステップメールと異なり送信対象・日時に関しては毎回設定しなくてはならないケースが多いです。
このように、メール配信という手段は同じでもアプローチ方法が違うため、理解して活用することがメールマーケティングを成功に導く大切なポイントです。
ステップメールのメリット・デメリット
つづいて、ステップメールにはどのようなメリットとデメリットがあるのか見ていきましょう。
メリット1:見込み顧客の育成が可能
ステップメールを有効活用すれば、継続して顧客に情報提供を行えます。効果的な日数をあけて有益な情報をメール配信することによって、購買意欲の促進効果や売上アップにつながります。
メリット2:BtoBに効果的
特にBtoBの分野においては、顧客の購買プロセスが長く、検討してから実際に契約に至るまで日数がかかる傾向があります。そこで、ステップメールによるコミュニケーションの継続や自社製品のアピールを効果的に行えば、商談に繋がりやすくなります。また。休眠顧客の掘り起こしにも有効です。
デメリット:メール文面やシナリオ作成に時間がかかる
ステップメールの作成においては、メールの文面だけでなく、シナリオの構成やメール数、配信間隔などを慎重に考えなくてはなりません。また内容や送信間隔も結果を大きく左右するので、定期的な見直しも必要となります。
ステップメールの作成手順
つづいて、ステップメールの作成手順を見ていきましょう。
- 1.目的・ターゲット・方向性の設定
- 2.対象者のゴールの設定
- 3.ステップメールのシナリオの設定
- 4.配信内容、メール数、送信間隔を決める
- 5.メールの配信設定をする
1:メールを送る目的・ターゲット・方向性を明確にする
ステップメールでは、目的やターゲットによってメールを配信するタイミングや内容が大きく変わってきます。どのようなユーザーに配信するかは、次に説明する「ゴール」や「シナリオ」にも影響が出るため、重要なポイントとなるでしょう。
2:対象者のゴールを設定する
ターゲットを明確にしたら、対象者に起こして欲しい行動や状態などをゴールとして設定します。ステップメールの目的と対象者のゴールを設定することで、有効なメールを作成できます。例えば、ステップメールの目的が「過去購入顧客へのリピート購入促進」であれば、対象者のゴールは「商品購入ページへアクセスする」になるでしょう。ゴールはより具体的に設定した方がよいですが、目的によって変わるため柔軟に対応しましょう。
3:シナリオの作成を行う
ステップメールは段階的にメールを送信するため、1回のメールに情報を詰め込み過ぎてはいけません。メールごとに目的を設定して、どのタイミングでどんな情報を提供するのかという「シナリオ」を作成していくとよいでしょう。シナリオ作成には、綿密な顧客分析に加え、チーム内での話し合いが重要となります。マーケティング施策のフレームワークである「AIDMAの法則」などを参考に作成するのもよいでしょう。
4:配信内容、メール数、送信期間、間隔を決める
ステップメールの送信期間、メール数、間隔を設定します。設定にはこうあるべきという基準などは特にありませんが、ユーザー目線に立ち、ボリュームや配信数が多くなりすぎないようにすることが大切です。対象者に起こしてほしいゴールのためにどんな情報が有効なのかという視点で、購読者に飽きられない回数を考えるとよいでしょう。
5:メールの配信設定をする
ステップメールの配信は手作業でも行えますが、複数回分のコンテンツをユーザーにあわせて数パターン用意するため、膨大な工数や時間がかかります。そのためMAツールやメール配信システムの利用がおすすめです。おすすめのツールに関してはこの後に解説します。
ステップメール運用に役立つツール
MA(マーケティングオートメーション)ツールがおすすめ!
ステップメールの作成は手作業では非常に手間がかかります。そこでITトレンド編集部では「MA(マーケティングオートメーション)ツール」をおすすめします。メール配信システムでもステップメールを配信できますが、配信後の効果測定やマーケティング機能が多いMAツールの方がおすすめです。
MAツールでステップメールを配信するメリット
MA(マーケティングオートメーション)ツールを利用してステップメールを配信すると、ステップメールを起点とした顧客のアクションが追えます。例えばメールを開封したユーザーが、URLをクリックしたか、資料ダウンロードや問い合わせまでしてくれたかなどです。こうした機能を使うことでステップメールの見直しもしやすく、マーケティング戦略が立てやすくなります。
メール配信システムとの違い
MAツールとメール配信システムの大きな違いは、ユーザーの閲覧状況に合ったフォローアップができるかどうかです。ステップメールはメール配信ツールでも送信可能ですが、配信後のユーザーの行動までを解析できる機能などは少ない傾向があります。
マーケティングオートメーションツールに関してはこちらで詳しく紹介していますので参考にしてください。
ステップメールで効果的なマーケティングを実践しよう!
ステップメールは通常のメルマガとは異なり、シナリオが外れてしまえば効果は激減してしまいます。ステップメールを成功させるためには、ユーザーの目線に立ち、綿密な話し合いの上でのシナリオ作成が不可欠です。また、自社に合った配信ツールを選ぶことも重要です。機能が充実しており、使いやすいツールを選びましょう。トライアルサービスのあるツールもありますので使用感や機能を試して自社に合ったツールを見つけましょう。