PBX導入前に知っておきたい基本と選び方の軸
PBXとは、Private Branch Exchangeの略で、社内の内線・外線通話を制御する電話交換機を指します。導入形態にはいくつかの種類があり、それぞれの特徴を理解したうえで検討を進めることが大切です。
PBXとは何かと導入で解決できる課題
PBXを導入すると、複数の電話回線を内線でまとめて管理でき、外線からの着信を適切な担当者へ振り分けられます。拠点が増えるほど、電話環境を個別に管理する負担が大きくなるため、統一した仕組みが求められます。担当者ごとに設定方法が異なると、引き継ぎの際に手間がかかる点にも注意が必要です。
老朽化した電話交換機を使い続けている場合、部品の調達が難しくなり、故障時の復旧に時間がかかる可能性があります。更新のタイミングにあわせてPBXの見直しを検討する企業も見られます。あわせて、内線を増設する際の工事負担が軽減できるかどうかも確認しておきたい観点です。
クラウド型と従来型(オンプレミス型)の違い
PBXには、社内に交換機を設置する従来型と、インターネット経由でサービスを利用するクラウド型があります。クラウド型は初期費用を抑えやすく、拠点や在宅勤務者を含めた内線化がしやすいとされています。
一方で従来型は、既存の設備を活かせる場合があり、通信環境に左右されにくいという特徴があります。自社の拠点数や働き方の方針にあわせて、どちらの形態が適しているかを比較することが選定の起点です。移行時の工事の有無や、保守を自社と外部のどちらが担うかもあわせて確認しておくとよいでしょう。
PBX導入で見込める業務上の効果
PBXを導入すると、通話コストの見直しや働き方の柔軟性向上といった効果が期待できます。ここでは代表的な2つの観点から、期待できる効果と注意点をあわせて紹介します。
内線・外線コストの見直し効果
拠点間の通話を内線として扱えるようになると、外線通話料が発生していた部分をコストとして見直せる場合があります。特に拠点数が多い企業では、通話料の削減効果を実感しやすい傾向があります。あわせて、複数の回線契約を一本化できれば、月々の請求管理も簡素化しやすくなります。
ただし、削減効果は現状の通話量や契約している回線プランによって異なります。導入前に自社の通話実績を確認し、想定される効果を試算しておくとよいでしょう。拠点数が少ない場合は、削減効果よりも運用の利便性を重視して比較する方法も選択肢の一つです。
テレワーク・拠点間通話への対応
クラウド型のPBXでは、スマートフォンやパソコンを内線として利用できる製品があります。在宅勤務者やモバイルワーカーも会社の代表番号で発着信できるようになり、働き方の選択肢が広がります。
あわせて、外出先からでも社内の内線同士のやり取りができるようになるため、拠点間の連絡にかかる時間を短縮できる場合があります。通信環境によって音質が左右される点には注意が必要です。利用する端末やアプリの対応状況も製品ごとに異なるため、事前の確認が欠かせません。
PBX選定時に比較したい機能面のポイント
PBXは製品によって対応機能や運用のしやすさが異なります。ここでは選定時に確認しておきたい3つのポイントを紹介します。実際の利用シーンを想定しながら比較することが大切です。
通話品質と回線の安定性
クラウド型のPBXは、インターネット回線の状況によって通話品質が変動する場合があります。導入前に自社のネットワーク環境を確認し、必要な帯域を確保できるかをベンダーに相談しておくと安心です。
あわせて、通信が不安定になった際のバックアップ回線への切り替えや、障害発生時の通知の仕組みがあるかも確認しておきましょう。安定性を評価する際は、実際の稼働率や過去の障害対応事例など、具体的な基準を確認することが重要です。
内線・転送・録音などの機能範囲
着信の自動振り分けや転送、通話録音といった機能は製品によって対応範囲が異なります。コールセンター業務を想定している場合は、録音機能や通話履歴の管理機能が充実しているかを確認するとよいでしょう。
必要以上に高機能な製品を選ぶと、コストが増えるだけでなく操作が複雑になる可能性もあります。自社の業務で実際に使う機能を洗い出したうえで比較することをおすすめします。現場担当者にヒアリングを行い、日常的に使う機能から優先順位をつけると選びやすくなります。将来的な機能追加のしやすさも確認しておくと安心です。
既存の電話番号継続利用の可否
PBXを切り替える際、現在使用している代表番号や市外局番付きの番号をそのまま使えるかどうかは重要な確認項目です。番号ポータビリティに対応しているかは製品や契約している回線事業者によって異なります。
番号が変わると、取引先への周知や名刺・Webサイトの更新など、付随する作業が発生します。事前にベンダーへ番号の継続利用について確認しておくと、移行時の混乱を防ぎやすくなります。継続利用ができない地域や回線種別もあるため、対象拠点ごとに個別の確認が必要です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でPBXの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
PBX導入プロジェクトの進め方
導入を円滑に進めるためには、現状の電話環境を棚卸しし、移行スケジュールを具体的に計画しておくことが欠かせません。ここでは進め方の2つのポイントを紹介します。
現状の電話環境の棚卸し
導入プロジェクトの最初のステップとして、現在使用している回線数や内線数、拠点ごとの電話機の台数を洗い出します。利用頻度の低い回線が含まれている場合、契約内容の見直しにもつながります。
あわせて、コールセンター業務や代表電話の応対フローなど、現場での運用ルールも整理しておきます。現状を正確に把握することで、必要な機能や台数を過不足なく検討しやすくなり、見積もりの精度も上がります。
移行スケジュールとテスト運用の進め方
PBXの切り替えは、業務への影響を抑えるために段階的に進めることが望ましいでしょう。一部の拠点や部署で先行してテスト運用を行い、通話品質や操作性を確認してから全社展開する方法が有効な選択肢です。
移行スケジュールには、社内への周知期間や、取引先への番号変更案内が必要な場合の対応期間も組み込んでおきます。旧システムとの並行稼働期間を設けることで、切り替え時のトラブルを抑えやすくなります。切り替え日は業務が比較的落ち着いている時期を選ぶと影響を抑えやすくなります。
PBX導入後に起こりやすいトラブルへの対処法
導入後は、通話品質の低下や接続不良といったトラブルが発生する場合があります。あらかじめ対処の考え方を押さえておくと、運用の安定につながります。
通話品質低下・接続不良への対応
クラウド型のPBXでは、ネットワークの混雑や機器の設定不備により、音声が途切れる、通話が切断されるといった不具合が起こる場合があります。まずは社内ネットワークとインターネット回線のどちらに原因があるかを切り分けます。
原因の特定が難しい場合は、ベンダーのサポート窓口へログとあわせて相談することが実行可能な対応です。複数の要因が重なって発生するケースもあるため、一つの原因に決めつけずに確認を進めましょう。利用している端末やルーターの設定、周辺機器のファームウェアが影響しているケースもあります。
運用体制と保守の考え方
PBXの設定変更や障害対応を特定の担当者だけに任せると、不在時に対応が遅れる可能性があります。操作マニュアルを整備し、複数人で設定内容を把握できる体制を整えることが望ましいでしょう。
あわせて、設定変更の履歴を記録しておくと、トラブル発生時に原因を特定しやすくなります。定期的な保守計画やベンダーとの連絡体制もあわせて確認しておくと安心です。契約更新のタイミングで運用状況を振り返り、必要な機能を見直す機会を設けることもおすすめします。
PBXの主な製品
クラウド上で電話業務を統合管理できる、代表的なPBX製品を紹介します。
MiiTel Phone
- リアルタイムトークアシストでアポイント獲得率・成約率を最大化
- 「売れるトーク」をデータで可視化!チーム全体の成約率を向上
- AIの自動フィードバックで教育を効率化!現場の営業力を強化
株式会社RevCommが提供する「MiiTel Phone」は、通話内容をAIが自動で解析・可視化できるクラウド型のIP電話サービスです。通話の録音・文字起こしに加え、会話の速度やかぶり率などを分析し、営業やカスタマーサポートの対応品質の把握・改善に活用できます。スマートフォンやPCがあれば電話機がなくても発着信が可能です。
トビラフォン Cloud
- 設備投資不要で簡単に導入可能
- 自動テキスト化などのさまざまな機能が標準搭載
- 柔軟な着信設定と操作性に優れた管理画面
トビラシステムズ株式会社が提供する「トビラフォン Cloud」は、迷惑電話やなりすまし電話への対策機能を備えたクラウド型のビジネスフォンサービスです。独自の電話番号データベースをもとに着信時に危険度を表示できるほか、通話録音や内線・外線発着信などクラウドPBXとしての基本機能も備えています。
GoodLine
- 高い音声品質で、社用携帯や工事・保守も不要な圧倒的低価格
- 有料クラスの豊富な機能を標準搭載し、直感的で簡単に操作が可能
- ネット回線変更やアプリなどの限定はなく、会社電話を見える化
株式会社グッドリレーションズが提供する「GoodLine」は、代表番号での発着信や内線、通話録音、IVR(自動音声応答)などの機能を備えたクラウドPBXです。キューイング機能や混雑中ガイダンス、稼働状況モニタリングに加え、SlackやMicrosoft Teamsなど外部サービスとの連携にも対応し、拠点や部署ごとに分散していた電話運用の一元化を支援します。
Asterisk (Sangoma Technologies)
- オープンソースで柔軟にカスタマイズ可能
- 音声やビデオなど多彩な通信機能に対応
- APIやモジュールにより柔軟な機能拡張が可能。
3CXのPBX (3CX)
- 音声・ビデオ・チャットを統合したフル機能PBX
- スマホ、PC、ウェブで内線利用可。
- オンプレ、自社クラウド等、柔軟な導入に対応。
まとめ
PBXの導入では、クラウド型と従来型の違いを理解したうえで、通話品質や機能範囲、番号の継続利用といった観点から比較検討することが重要です。導入後の運用体制まで見据えて準備を進めることで、切り替え後のトラブルも抑えやすくなります。拠点数や働き方の方針にあわせて必要な機能を整理しておくと、比較検討をより進めやすくなります。自社の電話環境に合う製品を見つけるために、複数の製品資料を取り寄せて比較してみてください。

