
PBX専用線の種類は?
PBXの専用線にはさまざまな種類があります。代表的なものをみていきましょう。
OD・LD・RD:アナログ信号を用いる
OD・LD・RDは、いずれもアナログ信号を用います。ぞれぞれ以下のような特徴があります。
- OD
- 遠方にある拠点間で通信する
- LD
- 近くにある拠点間で通信する
- RD
- 相手を一方的に呼び出して通信する(現在はほとんど使われていない)
使用する電話線は、ODが「制御用2W・音声通信用4W、計6Wの電話線」、LDとRDが「制御・音声通信兼用2Wの電話線」です。
TTC2M・PRI・BRI:デジタル信号を用いる
TTC2M・PRI・BRIは、いずれもデジタル信号を用います。それぞれ以下のような特徴があります。
- TTC2M
- 最大30通話まで同時通信可能(通信速度2.048Mbps)
- PRI
- 最大23通話まで同時通信可能(通信速度1.544Mbps)
- BRI
- 最大2通話まで同時通信可能(通信速度144kbps)
TTC2Mはその通信速度から2M系専用線、PRIは1.5M系専用回線とも呼ばれています。使用する電話線は、いずれも「制御・音声通信兼用4Wの電話線」です。
H.323・SIP:IPネットワークに接続する
H.323・SIPは、いずれもIPネットワークに接続して通信を行います。それぞれ以下のような特徴があります。
- H.323
- インターネット上で音声や動画を送受信するための専用線
- SIP
- H.323を進化させた専用線で、多くのプロバイダが採用している
SIPでPBXを構築すれば、ある程度離れた拠点間でも、内線のように通信できます。
PBXの専用線ごとに通話の安定性は異なる?
PBXの専用線は、IPネットワークに接続するH.323とSIPがもっとも安定しています。他の専用線と比較して、音声変換を迅速に行えるためです。通信帯域さえ確保できれば、最高の通話品質になるでしょう。
一方で、もっとも悪い品質なのが、アナログ信号を用いるOD・LD・RDです。アナログ信号は、通信品質が悪く、通話網に適しません。通信を改善させる調整機器もありますが、いずれにせよ遅延は発生します。特に拠点間でリレー中継している場合は、相手の音声が聞き取りにくくなるでしょう。
そして、両者の中間的な存在が、デジタル信号を用いるTTC2M・PRI・BRIです。デジタル信号は、アナログ信号より通話品質が安定しています。特に光ファイバーは、同時に30ch通話できるため、大規模な拠点におすすめです。
PBXの専用線はどれを使うべき?
PBXの専用線は、最高の通話品質を保てるIPネットワークに接続するものがおすすめです。
H.323やSIPは、LANケーブルを使用してIPネットワークに接続します。そのため、他の専用線のようにVOIPゲートウェイなどの調整機器が必要ありません。PBXに調整機器が組み込まれた形になっており、導入が簡単です。
ちなみに最近は、業界全体が実装が容易で拡張性が高い、SIPにシフトしています。
自社に適したPBXの専用線を選択しよう!
PBXの専用線は、以下の3つに分けられます。
- OD・LD・RD
- アナログ信号を用いる
- TTC2M・PRI・BRI
- デジタル信号を用いる
- H.323・SIP
- IPネットワークに接続する
上記のうち、もっとも安定しているのがH.323とSIPです。特にSIPは、導入しやすく拡張性が高いため、多くのプロバイダに採用されています。
それぞれの特徴を押さえて、自社に適した専用線を選択しましょう。
