スマホ内線化の仕組み
スマホの内線化とは、ビジネスフォンの機能である内線・外線・転送などをスマホでも利用できるようにする技術のことです。
ビジネスフォンは電話回線を用いて複数の外線や内線を共有します。一方、スマホによる内線化は、インターネット回線を介します。スマホ内線化により、オフィスにいなくても内線通話が可能になったり、スマホからでも会社番号発信ができたりするメリットがあるでしょう。
スマホ内線化のメリット
スマホ内線化によるメリットは大きく5つあります。
- 1.社内外を問わず内線・外線通話が可能
- 2.スマホでも会社番号で発信できる
- 3.コスト削減につながる
- 4.チャットやビデオ会議も可能になる
- 5.端末を2台持ちする必要がなくなる
1.社内外を問わず内線・外線通話が可能
スマホをビジネスフォンのように内線端末として利用できるため、外出していても会社にかかってきた電話を受けられます。また、どこにいても連絡がスムーズになるため、在宅勤務やリモートワークにも有効です。
2.スマホでも会社番号で発信できる
自分のスマホの電話番号ではなく、会社の番号からの発信にも対応します。不在時の電話取次ぎ対応の負担が減るとともに、個人のスマホを活用する場合でもプライバシーが保護されるため安心です。ただし携帯番号が通知されるサービスも一部あるため確認が必要です。
3.コスト削減につながる
コスト削減が期待できる点も、スマホ内線化の大きなメリットの一つでしょう。スマホを用いることで、オフィスの固定電話が不要になります。クラウドPBXを利用すれば専用設備なども必要ありません。さらに、社員間のスマホ通話が内線扱いになるため、通話料が無料になります。固定電話から携帯電話への転送が多い企業のコスト削減にも効果的でしょう。
4.チャットやビデオ会議も可能になる
ツールによっては単なる音声通話だけでなく、チャットやビデオ会議などの機能を搭載している場合もあります。多機能なツールであればあるほど使い勝手がよくなり、特にリモートワークや出張中のビジネスシーンでのコミュニケーションニーズが高まる現代において、スマホを内線化するメリットが向上します。
5.端末を2台持ちする必要がなくなる
ビジネスパーソンは私用と業務用で2台のスマホを持ち歩くことが一般的でしたが、スマホ内線化により1台のスマホで両方の用途をカバーできます。これにより持ち物が減少し、日常の持ち運びや管理が楽になります。また、内線化によって普段使用している端末を業務でも利用できるようになり、新たな操作を覚えるといった必要が無くなるのもメリットのひとつです。
スマホ内線化のデメリット
スマホ内線化は数多くのメリットをもつ一方、いくつかのデメリットも存在します。
通話の品質が不安定
通話の品質が不安定になり、ノイズの発生や音声の途切れなどが生じる可能性もゼロではありません。多くは問題ありませんが、インターネット環境に左右されるため、導入前に製品のレビュー(口コミ)を確認したり、無料トライアルを活用したりすることをおすすめします。
セキュリティリスクの増加
セキュリティリスクが高まる点についても、十分注意が必要です。スマホの紛失や盗難による機密・個人情報の漏えいリスク、社内ネットワークへの不正アクセス、ウイルス感染などが考えられます。自社のセキュリティポリシーにみあったベンダーを選ぶ、社員にセキュリティ研修を実施するなどの対応が必要です。
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スマホ内線化の方法
ここからは、スマホ内線化を実現するための方法について解説します。
IP-PBXを利用する
まず、PBX(Private Branch eXchanger:構内交換機)の利用が挙げられます。PBXにはいくつかの種類があり、現在の主流はIP-PBXです。従来使われていた電話線を利用するPBXはレガシーPBXと呼ばれ、最近はあまり使われていません。
IP-PBXは、電話線ではなくIPネットワークを介して通信を行います。インターネットと同じ仕組みで情報をやり取りするため、パソコンやスマホと連携しやすいのが特徴です。
インターネットあるいは専用の回線を介して、スマホから社内のIPネットワークにアクセスすることで、スマホを内線機として扱えます。
クラウドPBXを利用する
クラウドPBXとは、IP-PBXをクラウド環境で利用できるようにしたものです。PBX本体はクラウド環境上にあるため、自社にハードウェアとして設置する必要がありません。メンテナンスなどに手間がかからず気軽に運用できるのがメリットです。加えて、IPプロトコルでやり取りする点はIP-PBXと同じであるため、基本的にはIP-PBXと同じことが実現します。
FMCサービスを利用する
FMCとは「Fixed Mobile Convergence」の略で、固定・携帯電話の融合を意味します。基本的に「FMCサービス」といった場合は携帯電話の内線化サービスを指します。FMCサーバに携帯電話の情報を登録することで内線化する仕組みです。
通信キャリアが提供しているサービスで、固定・携帯電話のキャリアを1社に統合できます。言い換えれば、複数のキャリアの同時使用は不可能となるため、個人所有のスマホをもち込むBYODには向いていません。
携帯電話がつながる場所であればどこからでも内線を利用可能。また、通話料金も定額になるため、利用規模の大きい企業では大幅なコストカットが実現するでしょう。
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PBXでスマホを内線化した事例
スマホ内線化を実現した企業の事例を紹介します。スマホ内線化のメリットが、よりイメージしやすくなるでしょう。ITトレンドが独自にユーザーから集めた口コミ情報から具体的な活用事例を紹介します。
情報システムを主に取り扱う10名規模の企業事例
- ■導入前
- 新型コロナウイルスの影響でリモートワークが一般的となり、社員同士のコミュニケーションの取りづらさに直面していました。特に、外線電話が重要な取引先や顧客からの連絡に対して、リモートワークをしている社員に速やかに電話を転送することが求められていました。
- ■導入後
- スマホを内線化できる「MOT/PBX」の導入により、自宅などのリモートの場所からでも、会社にかかってきた電話を直接受けられるようになりました。営業やリモートワーク中の社員が迅速に対応できるようになり、顧客や取引先を待たせることが大幅に減少しました。さらに、通話の録音機能によって、後での会話内容の確認や再確認が容易となり、誤解やミスのリスクを減少させることにも成功したそうです。
参考:スマホを社内の電話(外線/内線)にすることが出来る。|MOT/PBXのレビュー
電子機器を製造する1000名以上の企業事例
- ■導入前
- この企業では固定電話を利用していましたが、工場をはじめとする広い敷地を所有しているため、担当者の呼び出しや対応に時間がかかっていました。また、各拠点で代表電話を含む固定電話の維持や回線工事などのコストも課題となっていたそうです。どうにか業務効率を上げつつコストも下げられないかと対策を検討しました。
- ■導入後
- スマホを利用して内線や外線を取り扱うサービス「ConnecTalk」を導入した結果、担当者への連絡や対応が大幅に改善されました。特に広い工場内での呼び出し時間が短縮されたことは、業務効率向上に大いに貢献したといえます。また、固定電話にかかるコストや回線工事のコストを丸々カットでき、経費削減に成功しました。
参考:スマホで内線、外線ともに使用できるサービス | ConnecTalkのレビュー
スマホを内線化して効率的に業務をこなそう!
スマホ内線化により、業務効率や顧客満足度の向上が期待できるほか、コスト削減にも効果的なため、ぜひ導入を検討してはいかがでしょうか。
スマホの内線化には、IP-PBXやクラウドPBXの利用がおすすめです。ぜひ資料請求や無料トライアルを活用して自社に最適な製品・サービスを選択してください。