オンプレミス型・クラウド型PBXとは
PBXとは、「Private Branch Exchange」の略語であり、内線同士あるいは外線と内線を繋ぐ電話交換機のことです。オンプレミス型PBXとクラウド型PBXには、以下のような特徴があります。
オンプレミス型PBX
オンプレミス型PBXとは、社内に設置したPBXです。構内に電話線を配線しPBXと電話回線を利用して接続するタイプ、IPネットワークを利用するタイプがあります。
IPネットワークを利用するPBXのことを、IP-PBXといいます。インターネットに音声を乗せるVoIP技術が活用されたPBXです。電話機には、VoIPアダプタ付のIP電話機を利用します。
社内LANに端末を接続すれば使用できるため、電話線は必要ありません。そのうえパソコンとの連動も容易で、さまざまな機能を利用できます。
クラウド型PBX
クラウド型PBXとは、クラウド上でPBXの機能を利用できるサービスのことです。社内にPBXの装置を設置する必要がなく、インターネット上で通話・通信するため、従来の通話環境を改善できます。また置き方電話はもちろん、スマートフォンやパソコンでも利用でき、場所を選ばず利用できるメリットがあります。
以下の記事では、クラウド型PBXについて、メリット・デメリットなどを詳しく紹介しています。
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2023.01.26
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オンプレミス型PBXとクラウド型PBXの違いは?
オンプレミス型とクラウド型のPBXの違いについて、価格や運用面、セキュリティ面などに注目して解説します。
|
初期費用 |
クラウド型PBX |
初期費用 |
高額になりがち |
少額なケースが多い |
月額費用 |
少額・またはかからないケースが多い |
月額利用料が発生 |
導入期間 |
長期間かかる |
すぐに利用開始可能 |
カスタマイズ性 |
カスタマイズの幅が狭い |
カスタマイズしやすい |
セキュリティ面 |
社内ネットワークのため安全性が高い |
ベンダーによる |
価格面
初期投資がかかるのがオンプレミス型、毎月のランニングコストがかかるのがクラウド型です。
オンプレミス型PBX
オンプレミス型PBXはサーバやネットワーク機器など、導入時にさまざまな設備を整える必要があります。したがって、必然的に初期費用は高くなりがちです。自社がすでに有している資産を有効活用すれば安く済む場合もありますが、基本的には高額な導入費用を想定しておいたほうがよいでしょう。
クラウド型PBX
クラウド型PBXは設備を用意する必要はなく、初期費用はあまりかかりません。機器のメンテナンスなどもベンダーに一任できるため、保守・運用の人件費も安く済むでしょう。ただし、クラウド型PBXは月額利用料が発生します。利用規模によっては月額利用料が高くなり、長期的な視点ではオンプレミス型のほうが安くなるケースもあるため注意しましょう。
導入・運用面
カスタマイズしたい場合はオンプレミス型PBX、短期間での導入を希望する場合はクラウド型PBXがよいでしょう。
オンプレミス型PBX
オンプレミス型PBXは要件定義から設計、テストなど多くの過程を経なければ利用できないため、利用開始までに長い期間を要します。数か月はかかると認識しておきましょう。
しかし、オンプレミス型PBXは完全に自社で管理できるため、カスタマイズ性に優れているのが特徴です。カスタマイズにより電話とコンピュータを連動させて、発信者情報を着信と同時に表示させられます。また自社システムとの連携や、通話記録を残すことも可能です。ライセンスを購入すれば、商用ソフトやミドルウェアも自由に利用できます。
クラウド型PBX
一方、クラウド型PBXは導入までの期間は短く済みます。基本的にサービスの利用を申し込めばすぐに利用可能です。インターネット環境さえあれば場所も選びません。
ただし、カスタマイズ性ではオンプレミス型PBXに劣ります。不可能ではありませんが、カスタマイズの幅が狭かったり、オプション料金を支払う必要があったりと不便を感じることがあります。
セキュリティ面
セキュリティ面ではオンプレミス型PBXに軍配が上がります。
オンプレミス型PBX
インターネットを使用せず社内ネットワークで通話するため、セキュリティ対策も自社で自由に施せます。
クラウド型PBX
クラウド型PBXは基本的に、すべての通話をインターネット経由で行うため、サイバー攻撃の被害に遭う可能性が高くなります。さらに、セキュリティ対策はベンダーに一任するため不安が残ります。
利便性と安全性のどちらを優先するか、自社の業種・業態やセキュリティポリシーなどを踏まえて検討しましょう。ただしクラウド型PBXでも、セキュリティ対策に注力しているベンダーや、セキュリティ対策をオプションで提供するサービスもあります。
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オンプレミス型PBXのおすすめ3選を比較!
おすすめのオンプレミス型PBXを紹介します。セキュリティ性を重視している場合や長期の活用を予定している企業に向いています。
《Cyber Phone》のPOINT
- 出張や外回りなど外出先でも利用が可能
- オンプレミス型とクラウド型の2つの導入環境
- 災害に強い3G/LTE回線を使用
サイバーコム株式会社が提供している「Cyber Phone」は、スマートフォンをオフィス電話化できるサービスです。通常のオフィス電話に備わっている機能(パーク保留機能・ピックアップ機能・電話帳機能・設定機能など)を、普段使いのスマートフォンで利用できます。テレワークや外出先で活用したい企業におすすめです。またクラウド型とオンプレミス型の2つの導入形態があり、自社の目的や利用規模にあわせて導入するとよいでしょう。
uniConnect
エス・アンド・アイ株式会社が提供するIP-PBX「uniConnect」は、既設のPBXと連携できるため、資産を有効活用しながら、新しいニーズに対応できるのが特徴の製品です。スマートフォンにも対応しており、外線・内線通話や保留といった基本的な機能に加えて、電話帳共有やテレビ会議といった業務効率化機能も備えています。またクラウド型も提供されており、2週間の無料トライアル期間が設けられています。
MediaOffice
メディアリンク株式会社が提供するIP-PBX「MediaOffice」は、幅広い業種・業界での導入実績がある高機能な電話システムです。サーバにソフトウェアをインストールする形で使用します。電話・コンピュータ連動や自動音声応答、レポートや通話録音など、電話関連業務を効率化する機能が標準で備わっています。また、専用アプリのインストールによりスマホやパソコンを内線端末として活用も可能です。
▼以下の記事では、2022年最新のおすすめPBXを多数紹介しています。またほとんどの製品がクラウド型で提供しているので、クラウド型PBXを検討している方は、ご覧ください。
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最適なPBXの選び方は?
オンプレミス型PBXかクラウド型PBXか、自社に最適なPBXを選ぶための基準を紹介します。
セキュリティ重視の場合は、多くの場合オンプレミス型PBXを選択しています。特に金融業においては高いセキュリティレベルが求められ、クラウド型PBXでは条件を十分に満たせないこともあります。しかし、昨今のクラウドサービスはセキュリティを改善・強化しつつあるので、自社のセキュリティレベルを満たした製品かどうか、ベンダーに問い合わせてみましょう。
対して、コストや導入の容易さを重視する場合は、クラウド型PBXが人気です。特に社員数の増減で内線電話の組み替えが度々必要になる企業では、クラウド型PBXを選択する傾向にあります。またスマートフォンを内線化できることもあり、リモートワークにおいても活躍するでしょう。さらにBCP対策としてもクラウド型PBXは有効で、自治体でも導入が進んでいます。
適切なPBXを導入し、安定的な運用を実現しよう!
オンプレミス型PBXは自社で運用できるため安心感があり、自由にカスタマイズできるメリットもあります。この点を優先して、最初からオンプレミス型PBXに絞って検討している人も多いでしょう。
しかし、価格面や導入・運用面なども考慮すると、クラウド型PBXのほうがよいこともあります。大切なのは、総合的に考えてどちらが自社に適しているかをよく検討することです。以上を踏まえ、自社に最適なPBXを導入しましょう。