
小規模企業に適したPBXとは
PBX(Private Branch Exchange)とは、通話を管理・制御する交換機のことです。オフィスなどに敷かれた複数の電話回線を集約し、内線同士の通話や外線との接続を制御します。
PBXには、「レガシーPBX(電話回線を利用)」、「IP-PBX(IPネットワークを利用)」、「クラウドPBX(クラウド環境で利用)」の3種類があります。近年では、IP-PBXとクラウドPBXが主流です。特に、クラウドPBXは小規模企業からの関心が高まっています。
大規模な工事や専用機器が不要ですぐに導入でき、初期費用が抑えられるなど、予算や人的リソースが限られる小規模企業にとって、大きなメリットとなるためです。
IP-PBXやクラウドPBXの詳細は、以下の記事で解説しています。それぞれのおすすめ製品も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
小規模企業におけるPBX導入のメリット
小規模企業がPBXを導入するメリットを、クラウドPBXを中心に解説します。
コストダウンにつながる
クラウドPBXの場合、物理的なPBXや電話機の購入費用、工事費用が発生しません。月額費用はかかるものの、小規模企業向けやスモールスタートを想定した料金プランを提供する製品・サービスもあり、導入コストを抑えられます。
また、内線化したスマートフォンでどこでも電話を受けられます。転送もインターネット回線を利用し内線扱いになるため、料金がかかりません。オフィス不在による転送料金の発生や機会損失にお悩みの小規模企業にとって、大きなメリットといえるでしょう。
スマートフォンの内線化により業務効率が向上
クラウドPBXを導入すれば、スマートフォンを内線端末として活用でき、社用番号での発着信が可能になります。オフィスにいなくても代表番号で電話を受けられるため、対応の遅れを防ぎ、業務効率が向上します。
また、個人のスマートフォンを業務で利用するBYOD(Bring Your Own Device)にも対応しやすく、専用の社用携帯を支給するコストを削減できます。通話履歴や着信制御機能を活用すれば、プライバシーを保ちつつ、安心してビジネス用途での利用が可能です。
企業規模の拡大・縮小にも対応しやすい
企業の成長にともない、従業員の増減や拠点の拡張が必要になることがあります。クラウドPBXなら、システムの柔軟性が高く、プラン変更やアカウントの追加のみで簡単に対応可能です。従来のPBXのように、新たな機器を購入したり工事を行ったりする必要がなく、スムーズに規模変更に対応できます。
また、クラウドPBXは専用の運用管理が不要で、設定やメンテナンスをベンダー側が行います。IT担当者がいない小規模企業でも、負担なく運用できるでしょう。
最新の人気傾向を参考にしたうえで製品選定を進めたい方は、ぜひ以下の月間ランキングページもご覧ください。
小規模企業向けPBXの選び方
小規模企業がPBXを選ぶ際に、特に考慮すべき5つのポイントを紹介します。
導入・運用費用
クラウドPBXやIP-PBXでは、導入・運用費用がそれぞれ異なります。
IP-PBXはサーバやソフトウェアなどの機器を購入する必要があるため、導入・管理コストが高額になりがちです。一方、クラウドPBXは機器の購入が不要で、導入・管理コストを抑えられます。ただし、月額や年額のランニングコストが発生します。
初期費用・月額費用・通話料などを総合的に見積もり、自社に適したサービスを選びましょう。
設置環境
既存配線の有無など、PBXの導入環境も重要なポイントです。
予算や運用の人員が限られている場合、機器の準備が不要なクラウドPBXが適しています。新しいオフィスを開設する際にも、迅速に導入できるため便利です。
既存のオフィスに導入する場合は、IP-PBXも選択肢の一つです。IP-PBXは、LANケーブルを活用して簡単に設置できますが、追加機能を導入する際にはライセンスや機器の拡張が必要になります。
セキュリティ体制
データをクラウド上で管理するクラウドPBXは、サイバー攻撃のリスクがともないます。セキュリティ対策が不十分な場合、情報漏えいなどの事故につながる可能性があります。ベンダーによってセキュリティ対策のレベルは異なるため、導入前に必ず確認しましょう。
また、ネットワーク障害や停電時にはクラウドPBXが使用できなくなることもあります。一部のクラウドPBXでは、110番や119番への発信が制限されるケースもあるため、スマートフォンの内線化機能やUPS(無停電電源装置)を活用するなど、緊急時の対応策も検討が必要です。
不安がある場合は、IP-PBXの利用も視野に入れましょう。
システム連携
既存システムと連携できるPBXを選ぶと、データの共有や活用をシームレスに行えるため、より広い範囲での業務効率化が期待できます。特に、CRMとの連携により顧客対応の質が向上します。
また、API連携が可能な製品であれば、データ入力の手間を削減し、ヒューマンエラーの防止にもつながります。
操作性
PBXをスムーズに活用するには、操作性のしやすさも重要です。従業員のITスキルや自社の業務フローにあったわかりやすいUIを備えた製品を選びましょう。
デモやトライアル期間を提供しているサービスも多いため、実際に試して使用感を確かめ、従業員の意見を取り入れることが大切です。
小規模企業向けおすすめPBX比較表
ここからは、小規模企業向けクラウドPBXを紹介します。機能や提供形態、レビュー評価点などを一覧で確認できるので、自社にあったサービスを探すのに役立ててください。気になる製品は、製品名をクリックして詳細情報を確認しましょう。
比較表で紹介した製品の詳細を知りたい方は、下のボタンから一括で資料請求ができます。ぜひ活用してください。
小規模企業向けPBXを比較
次に、小規模企業向けPBXサービスの特徴を詳しく比較します。
Omnia LINK
- クラウド型のため、オンプレミス型より低予算ですぐ導入が可能
- 音声認識(標準装備)により対話内容をリアルタイムにテキスト化
- 生成AIによる通話内容の自動要約機能で後処理を効率化
ビーウィズ株式会社が提供する「Omnia LINK」は、コールセンター向けクラウドPBXです。最小利用ライセンス数の制限がなく、小規模企業でも導入しやすいのが特徴。電話の受発信や呼分配に加え、AIによる通話音声のリアルタイムテキスト化やFAQレコメンデーションを搭載し、オペレーションの効率化を支援します。
Omnia LINKを利用したユーザーの口コミ
お客様との会話の内容からAIが適切な言葉を選択する機能だけでなく、声のトーンなども判断できるようになると、より精度の高い対応が可能になります。
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MiiTel Phone
- アポ率・成約率が向上する『成果の出る営業トーク』が身につく
- 教育工数を削減し新人も短期間で即戦力へ!マネジメント効率改善
- 正確・迅速な共有で顧客対応を高速化!営業ノウハウの俗人化解消
株式会社RevCommが提供する「MiiTel Phone」は、従業員数50名以下の企業への導入実績が豊富なクラウドIP電話です。特にインサイドセールスなど電話営業を行う企業から支持を集めています。AIが通話内容を定量評価し、担当者にフィードバックする機能を備えており、トークスキルの向上に役立ちます。ヘッドセット・PC・ネット環境があれば、場所を問わず電話業務が可能です。
MiiTel Phoneを利用したユーザーの口コミ
電話で話したことがそのまま、レジュメ化されまた時間や相手先まで検索、データ化されるので、新規クライアント先にテレアポした際に前にどんな話をしたのかを確認してから電話できるため話がつながりやすいです。
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通話品質が、通常の電話並になるとよりいいです。(多少の遅延があるので。)転送や留守番電話の設定が、若干手間だった。金額が高い。
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MAHO-PBX NetDevancer
- オプション料金なしの低コストで快適な電話環境を実現
- WEB管理画面から自社でサクッと設定変更できる簡単操作
- 導入から運用までずっと安心できる万全なサポート体制
株式会社まほろば工房が提供する「MAHO-PBX NetDevancer」は、低コストで導入できる次世代型IP-PBXです。アプライアンス型とクラウド型の両方を展開し、企業の規模や用途に応じた柔軟な運用が可能。標準的なSIP対応端末と連携し、スマートフォンやPCでの利用にも対応しています。また、拡張性にも優れ、社内ネットワークの成長にあわせた電話環境の構築を支援します。
GoodLine
- 高い音声品質で、社用携帯や工事・保守も不要な圧倒的低価格
- 有料クラスの豊富な機能を標準搭載し、直感的で簡単に操作が可能
- ネット回線変更やアプリなどの限定はなく、会社電話を見える化
株式会社グッドリレーションズが提供する「GoodLine」は、工事や保守が不要なクラウド型ビジネスフォンです。インターネット環境さえあれば、世界中どこでもマルチデバイスで内線を利用できます。拠点間の一元管理やBCP対策にも対応し、テレワーク導入を支援。通話履歴の管理や録音機能も搭載し、業務効率化と柔軟な働き方を実現します。
GoodLineを利用したユーザーの口コミ
各ユーザの電話使用の分析が楽。通話時間や回数が簡単に調べられて、管理がしやすいと思います。休業日等の自動応答設定が簡単にできて助かる。
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電話サポートの人数が少ないようで、担当部署ではない方が出られることも多く、折り返しになります。即回答を求められるユーザー様には向かないと思います。
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INNOVERA
- 6か月分の全通話を自動で録音
- IP-Lineはビジネスに適した90秒課金
- IVRや内線番号表自動作成など便利な機能が充実
「INNOVERA」は、株式会社プロディライトが提供するクラウドPBXサービスです。独自回線「IP-Line」を利用し、主要都市の市外局番も取得可能。一般的なIP電話の180秒課金ではなく90秒課金を採用しており、通話コストの削減が期待できます。IVR(自動音声応答)や通話ガイダンスなどのサポート機能が充実し、導入後もカスタマーサポートを受けられるので、安心して運用できます。
INNOVERAを利用したユーザーの口コミ
モバイルアプリで会社代表電話の使用ができる。内線機能・通話録音機能・フルクラウドPBXなのが選定した理由です。 営業担当者の対応は良いと思います。
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たまに着信音が鳴らなくなること。 内線番号をアナウンス中に入れても繋がるようにしてほしい。よくアナウンス中に内線番号を顧客が入れてしまい、内線番号でも通じないとクレームに繋がってしまうこと。アンドロイドでもグーグルプレイから入手出来るようにしてほしい。わざわざURLを入力したり、QRコードを読み取ったりしてアンドロイドユーザーに関してはアプリ導入に非常に手間がかかる。
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MOT/TEL
- 全国の市外局番を利用可能
- 利用規模に応じた明快な料金体系
- パソコンレンタルや電話代行などオプションも充実
株式会社バルテックが提供する「MOT/TEL」は、専用チャットやCTI機能を備えたクラウドPBXです。小規模事業者や個人事業主向けのスタンダードプランをはじめ、4種類の料金体系プランを用意。自社の運用規模にあわせた最適なプランを選択できます。通話品質安定性や、27,500社以上の導入実績にもとづくノウハウ・サポート力が強みのサービスです。
MOT/TELを利用したユーザーの口コミ
弊社が取り扱うサービス上、お客様からのご注文の電話や機材のトラブルの連絡などが頻繁にあり、コロナ禍のテレワーク時の社員が対応できず社内のメンバーに大きな負担となっていたので、こちらのシステムを導入することにより社外でも電話対応が可能になりました。
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ネット回線の設定や機材などとの相性があるのか、時折繋がらないことがあります。特にWi-Fi環境では音声の質がイマイチという印象ですね。
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ナイセンクラウド
- どこからでも固定電話番号で発信できる
- 複数の端末に一斉着信
- インターネットと連携した豊富な機能を搭載
アイティオール株式会社が提供する「ナイセンクラウド」は、6,500社・25,000内線以上の導入実績を誇るクラウドPBXです。業種や企業規模は問わず、一人で運営する企業向けのプランも提供。月単位で内線数の変更が可能な点も魅力です。スマートフォンやPCでの受発信ができ、複数端末への一斉着信や非通知電話の着信ブロック機能も備えています。
TramOneCloud
- 上場企業はじめ500社・1.2万ユーザー以上の導入実績!
- 継続利用率98%超の高品質サービスで強い安心感!
- 既存PBX機能はそのままにリモートワーク完全対応!
「TramOneCloud」は、トラムシステム株式会社が提供するオールインワンクラウドPBXです。AWSなどの高品質な音声基盤を採用し、クリアな通話音質を実現。既存の電話番号をそのまま利用できるため、番号変更の手間が不要です。さらに、24時間365日対応のサポート体制を整え、万が一のトラブル時も安心して運用できます。
まとめ
小規模企業がPBXを導入する際は、導入・運用コストや自社の導入環境などを考慮したうえで選定しましょう。予算や人的資源に限りがある小規模企業には、クラウドPBXがおすすめです。
自社にあったサービスがどれなのかを判断するためにも、まずは資料請求をしてみてください。そのうえで、無料トライアルやデモなどを活用し、操作感や機能性を確かめましょう。
コロナ禍での在宅環境でのコールセンター業務に対応するために導入しました。お客様とオペレーターの話した内容がリアルタイムで文章化され離れていてもしっかりと管理できるなど、在宅でのコールセンター業務の安定化に役立ちます。
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