PBXの必要性とメリット
PBXとは「Private Branch Exchange」の略、構内電話交換機のことです。「交換」とは電話を接続する機能のことです。この電話交換機を企業内(構内)でできるようにしたのがPBXです。
企業内には複数の電話機があって、たとえばAの電話機からBの電話機に接続して会話したいとします。これを電話局の交換機で接続するのではなく、構内に交換機を設けて接続できるようにするためにPBXは開発されました。
次第にPBXは進化し、代表電話番号、ダイヤルイン、広域内線電話網、携帯電話接続など、さまざまな機能を持つようになりました。
PBXの代表的なメリットを2点紹介しましょう。
メリット1:通話料金の削減
複数の従業員を抱えている企業では従業員個々あるいはグループごとに電話機を設置しています。この電話機で同じフロアの同僚と会話する場合、通信事業者の電話局を介して通信したら、通信料金がかかってしまいます。PBXはこの通話料金を削減します。PBXは通話料金を気にすることなく、社内のコミュニケーションを活発化できます。
メリット2:回線の効率活用
複数の従業員がいれば外線回線数も複数必要です。FAXがあればその回線も必要です。かといって電話機とFAXが計12台あるからといって12回線までは必要ありません。同時接続するのが最大4回線とすれば、4回線分を電話局に申し込み、4回線を集約して皆で共有するのが効率的です。
PBXはこの回線を集約できます。回線を集約することで基本料金を抑えることもできます。
IP-PBXとは

企業電話では、外線から受信した電話を内線を通して、各電話へ転送を行いますが、このことを電話交換といい、PBX(電話交換機)の機器が役割を担っています。
従来のPBXと内線のネットワークは、電話回線で行われているものでしたが、IP-PBXは電話回線ではなくインターネットの回線を用いて接続します。 このインターネットの回線上でIP電話機への着信や転送を制御するのものがIP-PBXです。
IP-PBXによって、LAN回線に電話回線を収容できるようになり、管理も効率化できます。拠点ごとに設置していたPBXもインターネット(VPN)を利用することで不要になり、大幅なコスト削減が可能となりました。拠点間の内線化もでき、通話料金も削減できます。
クラウドPBXとは
クラウドPBXとは、社内に置いていたPBXの機能をクラウド上のサーバーが提供するサービスのことです。これによって、社内にPBXの機械を置く必要がなくなり、インターネット上で通話・通信を行うので、従来の通話環境を改善できます。
現在多くの企業がクラウドPBXを導入し、業務効率化を実現しています。ぜひクラウドPBXについて理解して、自社に合ったシステムの導入を検討してみましょう。
クラウドPBXのメリット
現在、ITシステムの発展にともなってPBXをクラウド化した製品も登場しています。以下では、クラウド型PBXのメリット・デメリットをみていきましょう。

メリット1:初期投資の削減
サービスを借りるだけなので、PBXの購入費用を削減できます。設置やインストールなど、システム構築期間を大幅に短縮できます。契約後、非常に短期間でPBXを利用開始することができます。
メリット2:運用コストの削減
自社内にハードウェアを設置する必要がありませんから、省スペースとなります。電力コストも削減できます。運用負荷も軽減でき、コアコンピタンスに人材を集中できます。
メリット3:企業規模の拡大に対応
企業規模が急激に拡大しても、クラウドのため柔軟に追随できます。スモールスタートし、企業の成長にあわせて拡張していくことができます。
メリット4:多彩な機能を選択可能
ハードウェアやソフトウェアを購入するわけではありませんので、機能の選択が自由です。必要なPBX機能のみを利用し、その機能に応じた対価を支払うことになります。
メリット5:スマート端末との連携
スマートフォンやタブレット端末を内線化して、通信コストを抑えることができます。これらスマート端末を活用してワークスタイルを革新できます。
これらのメリットからクラウドPBXの特徴は、柔軟性が高いことが特徴として挙げられます。
クラウドPBXのデメリット
これからは、クラウドPBXのデメリットについて紹介します。
デメリット1.音質がネット環境に依存する
クラウド型PBXはネット環境に依存するので、社外で通話するときに、3G 回線だと音質が下がる懸念があります。また、社内のWi-Fi環境でもサービスによっては音質に差が出ることがあります。
デメリット2.特殊番号に発信できない可能性が
クラウド型のPBXでは、緊急時などに110番や119番に電話することができません。
デメリット3.運用コストの発生
クラウド型PBXは初期の導入コストが抑えられる代わりに毎月のコストが発生します。社員の外出や出張が多い、リモートワークがある場合などでは、月千円程のコストでもメリットが上回るでしょう。
クラウド型PBXは柔軟性に富んでいる一方で、音質や特殊番号に発信できないといったデメリットがありますが、ネット環境については光ファイバーで改善されますし、特殊番号に関しては、スマホなどを社員がもっているので大きく問題視はしなくてもよいのではないでしょうか。
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IP‐PBXのメリット
次にIP-PBXのメリットをご紹介していきます。
メリット1:導入までの初期費用が安い
IP-PBXはインターネット回線を主としているため、社内LANに接続するだけで内線電話網が構築できます。故にPBXと比較して配線工事が必要ないことから導入に書かかる初期費用を抑える事ができます。
メリット2:運用コストを下げられる
IP電話は、日本国内通話料金が一律なので、アプリケーションのインストール、もしくはFMCサービスを利用することでスマートフォンを内線化できます。社員との通話でも内線を使うことができ、運用コストを削減できます。
メリット3:管理・運営がラク
これまでのPBXでは、異動などの際、担当する社員の番号を逐一変更しなければいけませんでした。その点、IP-PBXはPCで運用や管理を行うので、従来のPBXに比べて簡単です。
メリット4:カスタマイズの自由度が高い
電話業務に必要な機能は企業によって異なります。IP-PBXの場合はPCと電話を連携させることができるため、電話の機能をPCを使って拡張しやすいです。IP-PBXであればコールセンターの構築も比較的簡単であり、コールセンター業務に必要な着信の振り分け機能や、通話録音などの機能をカスタマイズしやすいです。
PBXのデメリット
IP-PBXはハッキング(乗っ取り)のリスクを念頭に置かなければなりません。一度乗っ取られると高額な通話料金が請求される可能性があります。セキュリティ管理は必ず行いましょう。
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クラウドPBXを理解し、自社に合った製品を導入しよう
いかがでしたか?PBXにはじまり、IP-PBX、クラウド型PBXのメリット・デメリットをご紹介しました。PBXのクラウド化は、必ずしも全社一斉である必要がありません。寿命を迎えた各拠点のPBXから順にクラウド化できます。試しに使ってみて、そぐわないようであれば撤退も簡単です。建設業など、工期に合わせて、クラウド型PBXのサービスを利用するケースもあります。
企業のコミュニケーションスタイルの変化に合わせ、PBXを見直してみてはいかがでしょうか。以下の記事では、おすすめのPBXシステムと選び方を詳しく解説しています。ぜひ資料請求をして、自社に合った製品の導入を検討してみましょう。
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