
PBXのシステムダウン時に考えられる原因と対処方法
PBXのシステムダウンには、どのような原因が考えられ、どういった対処をすれば良いのでしょうか。3つの原因とその対処方法を見ていきましょう。
原因1:配線・接続の不良
配線不良の原因として「ケーブルのショート」「PBXの電源が抜けている、OFFになっている」が考えられます。
まず、ケーブルのショートですが、何かしらの原因でPBXへ電気が流れない状態になっている可能性が高いです。ケーブルが何かの下敷きになっていないかを確認してください。圧迫している物があれば、それを移動させてPBXの電源を切り、再度入れて様子を見ましょう。
次に、PBXの電源がコンセントに挿入されているかを確認します。挿入されていれば、ブレーカーやPBXの電源ボタンがOFFでないかチェックしてください。
また、LANケーブルの接続不良も考えられます。ケーブルの接続がループ状になっていると、ネットワークがダウンする可能性が非常に高いです。状態を確認し、できるだけ速くケーブルを抜かなくてはいけません。しかし、この際に専門的な知識が必要になります。
原因2:機器の故障
配線・接続に問題がなければ、機器の故障かもしれません。PBXが通電しているようであれば電源ボタンをOFFにして10秒ほど待ち、再度ONにしてみましょう。そして、電話機が使えるかを確認します。
なお、PBXによっては電源の立ち上げ順序が決まっている製品があります。順序が分からないときは、ベンダーへ確認後、電源のON/OFFを行いましょう。それでも復旧しないときは本体やユニット基盤が故障している可能性が高いため、ベンダーへ連絡をしてください。
PBXに異常がない場合は、スイッチングハブを確認しましょう。これが故障しているとIP電話機が使えません。リンクランプが消えているLANケーブルを抜き差しし、ランプの点灯を確認します。それでもランプが点灯しなければ、スイッチングハブの電源をON/OFFしてみてください。
両側のケーブルが挿入されているのにランプが点灯しなければ、機器の故障が考えられます。
原因3:通信障害の発生
上記が原因でない場合は、通信障害が発生していないかを確認してください。通信障害はサービスのメンテナンス作業や大雨・落雷により発生します。インターネットや電話で通信障害情報をチェックしましょう。なお、インターネットだと情報のアップにタイムラグが生じやすいため、電話での確認をおすすめします。
通信障害が発生しているときは、復旧を待つしか術はありません。
PBXのシステムダウンを未然に防ぐには
PBXのシステムダウンを未然に防ぐ方法を2つ紹介します。
システム周りの整理整頓を行う
ホコリや湿気の多い場所は、PBXの設置には適しません。機器の周りに物を置かないように心がけ、また、放熱部分を塞がないようにしましょう。また、PBXのケーブルが絡まないよう、バンドや専用ケースの活用をおすすめします。そして、定期的に清掃と整理整頓を行い、適切な環境を維持してください。
しかし、LANケーブルの配線整備は仕様により業者への依頼を検討したほうが良いケースもあります。配線整備を独自で行い電話機が使えなくなったという事態を避けるためにも、業者を利用しましょう。
メンテナンスや買い替えを定期的に行う
PBXがシステムダウンしてしまうと業務の続行は難しいです。そうならないためにも定期保守契約を結び、故障やトラブルを可能な限り防ぎましょう。
定期保守契約とは、月々の利用料を支払えば定期的な保守点検を無料で受けられるサービスで、業者がオフィスを訪問してPBXを点検します。機器の動作確認や障害の有無、電圧チェック、データのバックアップなど、広範囲に渡り点検を行ってくれます。利用料金や保守内容は業者によって異なるため、事前に見積をとると良いでしょう。
他にもスポット保守契約と呼ばれる、故障時のみ対応するサービスもあります。
なお、PBXの法定耐用年数は6年ですが、利用環境が良ければ10年程度は使えます。しかし、それを過ぎると故障や不具合が生じやすくなるため、買い替えや交換をおすすめします。
PBXのシステムダウンを防ぎ、円滑に業務を遂行!
PBXでシステムダウンが発生する原因は以下のとおりです。
- ■配線、接続の不良
- ■機器の故障
- ■通信障害の発生
PBX周りを清潔に保つよう心がけ、メンテナンスや買い替えを定期的に行うことでシステムダウンを未然に防げます。業務がストップしないよう、適切に対処しましょう。
