複数のプロジェクトを管理する基本的な方法
では、複数のプロジェクトを管理する方法の基本を見ていきましょう。
1:プロジェクトをタスクとして細分化する
複数のプロジェクト管理を行うためには、タスクを細分化して把握することが必要不可欠です。正確にタスクを把握するために、まずは全てのタスクを書き出しましょう。そして、タスクの内容・期限・工程・担当者を具体的に決めていきます。
また、担当者の能力を鑑みてタスクの割り振る必要があるため、チームメンバーの能力とのバランスも重要です。1つのプロジェクトでも1人でこなせるわけではないため、メンバー間でフォローし合える環境の土台を作ります。
2:タスクを構造化し、優先順位をつける
プロジェクトを構成するタスクの細分化が完了した後は、タスクを構造化し優先順位をつけます。基本的にプロジェクトに関するタスクは他のタスクと関連しており独立していることはありません。したがって、タスク間の相互関係をもとに優先順位をつけることが重要です。
1つの工程を完了させないと次の工程に進めないこともあるため、優先順位をもとにプロジェクトの進め方を計画します。
ここまでの方法は1つのプロジェクトを管理する方法になり、複数のプロジェクトを同時進行させる場合はさらに複雑です。プロジェクトごとのタスクに優先順位をつけますが、他のプロジェクトとの優先順位のバランスを考えなくてはいけません。
このときに便利な方法が「マトリクス型のタスク整理」です。この方法は横軸にスケジュール、縦軸にプロジェクト(タスク)を入力するため、「いつまでに」「何を」しなければならないのか一目で把握できます。
3:細かく進捗状況をチェックする
プロジェクト管理は計画を立てれば完了するわけではなく、計画通りに進行しているのか進捗状況のチェックが求められます。特に1つのプロジェクトではなく複数のプロジェクトを同時に確認する必要があるでしょう。
基本的には週1回でプロジェクトごとに進捗会議を行い、現状を把握、スケジュールを調整します。しかし、会議の回数が多いとチーム全体の時間を多く消耗してしまうため注意が必要です。
適切な進捗管理を行うためにも、メンバー間で状況を管理・共有できる体制をつくることが求められます。
先程の説明のように、マトリクス型のタスク管理を使えば進捗状況を一目で確認できるため、ツールを使い管理方法を工夫することも重要です。メンバー間でコミュニケーションを取り、タスクの状況を管理しなけれなりません。
そうすれば、失敗することなくプロジェクト管理が行えるでしょう。
複数のプロジェクト管理を効率的に行うコツ
では、より効果的に複数のプロジェクト管理を行うコツを見ていきましょう。
ボトルネック設定に時間をかける
プロジェクトを適切に進めるためには、ボトルネックの存在が重要となるため、設定に時間をかけましょう。ボトルネックはプロジェクト全体を遅延させる可能性がある要素。したがって、進行前には設定を完了させなければなりません。
また、プロジェクトが進行しているときにもボトルネックが発生する可能性もあるため、都度解消する必要があります。ギリギリのスケジューリングをしているとボトルネックの発生に対応できないため、ある程度バッファ(時間的余裕)を取ることが重要です。
密接なコミュニケーションで情報共有を行う
プロジェクトが失敗する最大の原因は「コミュニケーション不足」であるため、密接な情報共有が大切です。タスクごとの進捗管理は逐一共有することが理想であり、適切な報連相が行える環境を整備しなければなりません。
実際にチーム内の雰囲気が悪いと、トラブルやミスを報告しないメンバーが出てきます。適切な報告が行われないとプロジェクト管理ができずに失敗するでしょう。
重要なことは「プロジェクトを成功させる」という共通意識を各メンバーが持ち、コミュニケーションを取れる環境を作ることです。
やらなくてよい仕事は他の人に任せる
必要性が低い仕事は他の人に任せましょう。複数のプロジェクトを管理する場合は、なるべく管理者の負担を減らすことも重要なためです。
例えば、メンバーの勤怠管理や電話当番、その他の雑務を管理者が行うと負担が大きくなります。業務量が多いと正しい判断ができなくなるため、他のメンバーに任せることも考えるべきでしょう。
また、複数のプロジェクトを管理者が頭の中だけで管理するのは無理があります。頭の中で管理していることをアウトプットし、余裕を持つことで適切な判断ができるようになるでしょう。
プロジェクト管理ツールを導入する
プロジェクト管理を管理者個人がアナログな方法で行うと、情報共有が遅れ、プロジェクトの進捗状況が把握できないこともあります。そこで、メンバー間でリアルタイムに情報共有ができるプロジェクト管理ツールがおすすめです。
プロジェクト管理ツールを使えば、プロジェクトのスケジュールや各担当者のタスク、進捗状況を一元管理できます。
必要なファイルも1つのツールで共有・管理が可能なため、紛失することもありません。チャットツールを使えばメンバー間のコミュニケーションも取りやすく、個人の状況把握も容易になるでしょう。
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プロジェクト管理ツールの選び方
では、どのようにプロジェクト管理ツールを選べば良いか見ていきましょう。
クラウド型か、インストール型か
プロジェクト管理ツールを選ぶときには、どのような導入形態であるかが重要です。導入形態には「クラウド型」と「インストール型」の2種類があるため、自社に合ったタイプを選ぶと良いでしょう。
- 【クラウド型】
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- ■インターネットを利用してブラウザ上でプロジェクトを管理する
- ■導入が簡単、低コスト
- ■ツールの保守や運用をサービス提供者に任せられる
- 【インストール型】
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- ■各PCなどにインストールして利用する
- ■インターネット環境がなくても活用できる
- ■サーバに情報を共有しないためセキュリティリスクが低い
使いやすいか
プロジェクト管理ツールは管理者だけでなくメンバー間で共有して使うため、使いやすさも重要です。メンバーの中にはITやシステムに詳しくない人がいるでしょう。そのような場合でも直感的な操作ができるか確認しましょう。
基本的にプロジェクト管理ツールはプロジェクトが進行している限り毎日使うものです。そのため、使いにくさを感じるツールだと業務効率が低下します。
扱いが難しいツールであれば、低価格で導入しても学習コストがかかる可能性も考慮しなければなりません。安全に導入を進めるのであれば無料トライアルを実施すると良いでしょう。
複数のプロジェクト管理はツールを導入して効率化!
複数のプロジェクトの同時管理は難しいため要注意。まずはタスクを細分化して、優先順位通りに進んでいるか進捗管理します。以下のコツを意識しましょう。
- ■ボトルネック設定に時間をかける
- ■密接なコミュニケーションで情報共有を行う
- ■やらなくてよい仕事は他の人に任せる
- ■プロジェクト管理ツールを導入する
複数のプロジェクトを進める場合は自社に合ったプロジェクト管理ツールを導入して効率化を図りましょう。