複数のプロジェクトを管理するときに起こりがちな課題
1つの組織の中で、複数のプロジェクトが同時並行的に進行していることは珍しくありません。しかしプロジェクトの規模が大きく関係者の人数も多ければ、混乱が生じる可能性もあり、複数プロジェクトの同時管理に困難を極めることもあるでしょう。
例えば、複数プロジェクトを管理する場合、タスク内容や割り振りが把握しづらくなったり、進捗が追えなくなったりするなどの、課題が挙げられます。進捗が追えなくなると、スケジュール変更や納期の遅れなどのトラブルが発生することもあります。
このような課題を乗り越えるためには、統合的な管理体制の構築が肝要です。複数のプロジェクトに関するすべての情報を一元管理し、一目で全体を俯瞰できる状態を築かなければなりません。
では、どのようにして複数のプロジェクトを管理すればよいのでしょうか。詳しい方法を紹介します。
複数のプロジェクトを管理するためのステップ
まずは、複数のプロジェクトを管理するための具体的な方法を解説します。
1.プロジェクトをタスクとして細分化する
複数のプロジェクト管理を行うためには、タスクを細分化して把握することが必要不可欠です。正確にタスクを把握するために、まずはすべてのタスクを書き出しましょう。そして、タスクの内容・期限・工程・担当者を具体的に決めます。
また、担当者の能力を鑑みてタスクを割り振る必要があるため、チームメンバーの能力とのバランスも重要です。1つのプロジェクトでも1人でこなせるわけではないため、メンバー間でフォローし合える環境の土台を作りを心がけましょう。
2.タスクを構造化し、優先順位をつける
プロジェクトを構成するタスクの細分化が完了した後は、タスクを構造化し優先順位をつけます。
基本的に1つのプロジェクトにおけるタスク同士は関連しており、独立していることはありません。例えば、「工程Aを終えなければ工程Bに進めない」といった関係性があります。この場合、どちらを優先すべきかは明白です。
さらに、複数のプロジェクトを同時に進める場合は、プロジェクト間における優先順位も決めなければなりません。この際には、プロジェクトが自社の経営に与える影響の大きさにもとづいて、優先順位を設定します。例えば、高い売上が見込める製品の開発プロジェクトと不安定要素の大きなプロジェクトでは、前者を優先すべきでしょう。
以上を踏まえ、複数プロジェクトにおける全タスクに優先順位を設定します。
3.プロジェクトの日程計画を作成する
同じ数・規模のプロジェクトでも、日程計画の組み方によって成否が左右されます。効果的な日程を組むには、以下の点に留意しましょう。
- プロジェクトの優先順位を考慮する
- 先述した優先順位にもとづいてプロジェクトを終わらせる順番を決めましょう。
- 同メンバーのプロジェクトは日付をずらす
- 同じメンバーが複数のプロジェクトに携わる際、それらのプロジェクトの開始日や終了日が同じだと、並行して作業を進めざるを得ません。しかし、日付がずれていれば1つのプロジェクトに専念できる時間が生まれ、効率的に作業できます。
- 重複するタスクを統合する
- 複数のプロジェクトで同一あるいは似通ったタスクが複数あるのなら、一度に終わらせるのが得策です。
4.進捗状況を随時チェックする
プロジェクト管理は計画を立てれば完了するわけではなく、計画どおりに進行しているかどうか進捗状況のチェックが求められます。複数のプロジェクトを管理している場合は、その全体像を把握できなければなりません。
基本的には週に1回程度の頻度でプロジェクトごとに進捗会議を行い、現状を把握し、スケジュールを調整します。しかし、会議の回数が多いとチーム全体の時間を消耗するため注意が必要です。
また、マトリクス型のタスク管理を使えば進捗状況を一目で確認できます。マトリクス型の管理とは、表の縦軸にタスク、横軸にスケジュールを記入する方法です。各タスクの進捗状況を一目で俯瞰できるため、メンバー間でのスケジュール共有にも役立ちます。こうしたツールの活用により、常に進捗状況を把握できる状態を作れば思わぬトラブルを防げるでしょう。
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複数のプロジェクト管理を効率的に行うコツ
続いて、複数のプロジェクト管理を効率化するコツを紹介します。
ボトルネック設定に時間をかける
プロジェクトを適切に進めるためには、ボトルネックの存在が重要となるため、設定に時間をかけましょう。ボトルネックはプロジェクト全体を遅延させる可能性がある要素です。したがって、進行前には設定を完了させなければなりません。
また、プロジェクトが進行しているときにもボトルネックが発生する可能性もあるため、都度解消する必要があります。ギリギリのスケジューリングをしているとボトルネックの発生に対応できません。したがって、ある程度バッファ(時間的余裕)を取ることが重要です。
密接なコミュニケーションで情報共有を行う
プロジェクトが失敗する最大の原因は「コミュニケーション不足」とされています。複数人が1つのプロジェクトにかかわる以上、この課題は避けられません。
タスクごとの進捗管理は、逐一共有することが理想です。速やかに報連相が行える環境を整備しましょう。
また、情報共有の円滑さはチーム内の雰囲気によっても左右されます。チーム内の雰囲気が悪いと、トラブルやミスを報告しないメンバーが出てくるかもしれません。結果として迅速な問題の発見が困難になり、大きな被害につながるおそれがあります。
「全員でプロジェクトを成功させる」という意識をメンバー内で共有し、コミュニケーションをとることを習慣化しましょう。
シングルタスクで仕事をする
一般的にマルチタスクが得意なビジネスパーソンは、優秀とされています。しかし、本来マルチタスクはあまり望ましいものではありません。
一見複数のタスクを同時並行して進めているように見えても、実は素早く切り替えているだけで、実質的にはシングルタスクを行き来しているに過ぎません。そして、その行き来する際には必ず脳に負担がかかり、集中力が低下します。結果として生産性が低下しかねません。
少しでもマルチタスクを避け、シングルタスクで仕事を進めるために、効果的なスケジュールを組みましょう。例えば、集中力を奪うメールチェックは受信の都度ではなく、2時間おきくらいの頻度でまとめて行うとよいでしょう。「この時間はこのタスクをやろう」と決めたら、他のことには手を付けない潔さが必要です。
やらなくてよい仕事は他の人に任せる
必要性が低い仕事は他の人に任せましょう。複数のプロジェクトを管理する場合は、なるべく管理者の負担を減らすことも重要です。
例えば、メンバーの勤怠管理や電話当番、その他の雑務を管理者が行うと負担が増大します。業務量が多いと正しい判断ができなくなるため、他のメンバーに任せることも考えるべきでしょう。
また、複数のプロジェクトを管理者が頭の中だけで管理するのではなく、メモを取るなどしてアウトプットし、集中力に余裕を取り戻しましょう。
プロジェクト管理ツールを導入する
管理者がエクセルなどのアナログな方法でプロジェクト管理を行うと、情報共有が遅れ、プロジェクトの進捗状況が把握できないことがあります。そこで、複数人が携わるプロジェクトでは、メンバー間でリアルタイムに情報共有ができるプロジェクト管理ツールがおすすめです。
プロジェクト管理ツールを使えば、プロジェクトのスケジュールや各担当者のタスク、進捗状況を一元管理できます。
必要なファイルも1つのツールで共有・管理が可能なため、紛失することもありません。また、チャットツールを使用すればメンバー間のコミュニケーションも取りやすく、個人の状況把握も容易になるでしょう。
複数のプロジェクト管理はツールを導入して効率化
複数のプロジェクトを同時に管理する場合、個々のタスク内容や進捗把握が煩雑になりがちです。まずは、プロジェクト・タスクを細分化させ、優先順位を設定したうえで、日程作成や進捗管理を行っていきましょう。また、それらの管理を効率化するには、プロジェクト管理ツールを導入することをおすすめします。以下の赤いボタンから無料で資料請求できるので、比較検討してみてはいかがでしょうか。