ガントチャートツールとは
ガントチャートツールとは、プロジェクトのスケジュールや作業進捗を可視化する「ガントチャート」を効率よく作成できるツールのことです。ガントチャートが作れるプロジェクト管理ツールや作図ツールなどを指すことも多く、ガントチャートの作成支援機能以外にも、アラート通知やメッセージ機能などを備えた製品もあります。タスクの漏れ防止や情報共有の効率化なども後押しするでしょう。
ガントチャートの作成には、ExcelやGoogleスプレッドシートなども用いられますが、編集や更新に工数を要します。担当者の負担削減や業務効率化を目指すのであれば、ガントチャートツールの導入がおすすめです。
なお、ガントチャートについて理解を深めたい方は、ぜひ以下の記事も参考にしてください。ガントチャートとはどのような図なのか概要を解説しています。
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ガントチャートツールの導入メリット
ガントチャートツールの導入により期待できる効果を解説します。
ガントチャート作成の手間を削減
ガントチャートツールなら、作図の工数を大幅に削減可能です。タスクやプロジェクトをExcelまたはCSVからインポートしたり、テンプレートを使用したりできるため、ガントチャートを一から作成する必要がありません。
また、大半のツールがドラッグ&ドロップなど簡単なマウス操作だけで作図可能なため、誰でも感覚的に使える点もメリットといえるでしょう。
タスクの進捗状況や全容を把握可能
ExcelやGoogleスプレッドシートと違い、ガントチャートツールはタスク内容の更新時や計画にズレや遅れが生じたときにアラートで通知します。早いタイミングで進捗状況を把握できるため、タスク漏れや遅れの防止につながるでしょう。
またガントチャートをExcel出力する機能を利用すれば、社外のクライアントへの進捗共有などにも役立てられます。ほかにも複数プロジェクトをまとめて表示する横断ビュー機能をもつ製品であれば、チームや会社全体の動きを的確に把握できるでしょう。
情報共有やコミュニーケーションを円滑化
図表の作成機能だけでなく、チャットやビデオ通話などのコミュニケーション機能が備わっているガントチャートツールも多数あります。ガントチャートを同時編集しながらツール上で意見をやりとりするといった使い方も可能です。別ツールを併用する必要がなく、リアルタイムでの情報共有が促進されるでしょう。
ガントチャートツールの機能
ガントチャートツールの機能は製品によって異なりますが、ここでは代表的な機能について解説します。
テンプレート機能
あらかじめ大枠が決められたテンプレートを利用することで、手間をかけずに視認性の高いガントチャートが作成できるでしょう。作図に特化したツールだと、ガントチャート以外にもさまざまな図表のテンプレートが提供されています。
Excelファイルのインポートやエクスポート機能
Excelファイルのインポート機能を活用すれば、従来Excelで管理していたタスクやプロジェクトも簡単にガントチャートとして作成・表示可能です。CSVファイルでのインポートに対応したものや、Excelファイルにエクスポートできるものなどもあります。
通知機能
タスク内容の変更や更新があった際に通知する機能です。締切日を設定しアラート通知できる製品もあります。メールで通知するものもあれば、システム連携によりGoogleカレンダー上に表示したり、Microsoft TeamsやSlack、Chatworkなどに通知したりするものもあります。
情報共有機能
プロジェクトメンバー同士で、ガントチャートツール上でコメントのやりとりができるコミュニケーション機能です。チャット以外にも、コメントに絵文字などでアクションするもの、ファイル添付に対応したものなど形式はさまざまです。
ほかにも情報共有に活用できる機能として、掲示板やWiki機能を備えた製品もあります。
ワークフロー機能
ワークフローを設定し、プロジェクトの過程で生じる上長への承認申請や、リマインドメールの配信などが可能です。確認や対応が迅速化し、業務効率化を促進するでしょう。
ゲスト機能
権限付与により、社外の関係者にもガントチャートを共有できる機能です。タイムラグを生じることなく、社外の関係者にも進捗状況や情報をスムーズに共有します。
ガントチャートツールのタイプ
ガントチャートツールは3種類に大別できます。ここからは、各タイプの特徴について解説します。
プロジェクト管理に特化したタイプ
プロジェクト管理ツールの一機能として、ガントチャートを利用できる製品群です。ガントチャートによる進捗管理に加え、タスク管理やスケジュール管理、工数管理、予実管理や原価管理までを担う製品もあります。プロジェクト管理に関連する業務を幅広く効率化したい企業におすすめです。
図表作成に強いタイプ
ガントチャート作成と共有をメイン機能とするツールです。ガントチャート作成が初めての人でも扱いやすい直感的なUIになっており、同時編集やリアルタイムでの情報共有にも対応します。
なかにはテンプレート機能が充実しており、ガントチャート以外に、フローチャート・ワイヤーフレーム・ネットワーク構成図・マインドマップ・UML図など、さまざまな図表を作成できるツールもあります。図表・資料の作成機会が多い企業にも有用でしょう。
無料プランによる低コスト導入が可能なタイプ
ガントチャート作成を効率化したいものの、システム導入にコストをかけられない企業に適しているのが、フリープランのあるツールです。制限があるため使い勝手がよいとはいえませんが、無料で利用できます。
無料ガントチャートツールと有料版の違い
有料プランに加え、無料プランも提供するガントチャートツールも少なくありません。コスト削減が大きなメリットである一方、有料版と比べてユーザー数やプロジェクト数などに制限があるため、企業規模や導入目的によっては利用が適さない可能性も高いでしょう。ツール利用時に広告が表示されるなど、ユーザビリティも高いとはいえません。
また海外製の無料製品の場合、日本語対応していなかったりサポートが十分でなかったりするケースも見受けられます。長期的な運用を検討しているのであれば、自社に必要な機能を確実に利用できサポート面でも安心な有料製品の導入をおすすめします。
ガントチャートツールの選び方
ガントチャートツールを比較検討する際に、製品のどこに着目すればよいのかわからないという方も多いでしょう。ここからは、ガントチャートツールの選定ポイントについて解説します。
機能性
ガントチャートツールにどこまでの機能を求めるのか、効率化したい業務範囲などを明確にしておきましょう。ガントチャートの作成だけを合理化すれば十分なのか、それともコミュニケーション促進やコストマネジメントなどもカバーしたいのかなど、自社のニーズを深掘りしておくことが重要です。
連携性
すでにガントチャート作成ツールを導入済みでリプレースを検討している場合や、既存システムとの併用を考えている場合、データ連携が可能かもチェックポイントの一つです。ExcelやCSVファイルでの対応か、APIによるサポートがあるかを確認しておきましょう。
また、外部システムとの連携に強みをもつガントチャートツールだと、数百を超えるアプリと連携できるため、さらなる業務の効率化や生産性向上が見込まれます。
柔軟性
システムの柔軟性にも着目しましょう。例えばガントチャート表示のカスタマイズや検索の柔軟性が高いと、情報を整理しやすく利便性も向上するため活用シーンが増えます。
また権限設定の柔軟性が高いと、情報の機密性確保につながりセキュリティ面でも安心です。
【比較表】おすすめガントチャートツール
おすすめのガントチャートツールを、機能やレビュー評価、無料トライアルの有無などで比較した一覧です。製品選定や絞り込みに役立ててください。
ガントチャート機能を備えたプロジェクト管理ツールも多いため、より多くの製品を見たい方は以下のページも参考にしてください。
プロジェクト管理に特化したガントチャートツール
ガントチャート作成だけでなく、プロジェクト管理業務全般の効率化が期待できるツールを紹介します。
《Asana》のPOINT
- 「誰が、いつまでに、何をするのか」を明確にし生産性を向上
- 会話やファイルを仕事単位で束ね、進捗状況を常に可視化
- シンプルで可愛らしいUIで利用者から愛されるツール
Asana Japan 株式会社が提供する「Asana」は、世界190か国100万以上のチームで導入されるプロジェクト・タスク管理ツールです。カンバンボードやタイムライン、カレンダー、ガントチャートなど、自分の作業に適した形式でのプロジェクトビューが可能です。GoogleカレンダーやMicrosoft Teamsなど、270以上のアプリと連携できる点も特徴の一つでしょう。
《CrowdLog》のPOINT
- 常識を覆す!1日1分、半自動でカンタン工数入力
- 脱Excel!リアルタイムで予実を管理し、集計作業の手間を95%削除
- 急成長企業から大手まで、750社以上が導入
株式会社クラウドワークスが提供する「クラウドログ」は、工数管理ができるプロジェクト管理ツールです。プロジェクトや人別の工数把握だけでなく、予実管理も可能です。ガントチャートはドラッグ&ドロップで簡単に作成できるため、メンバーの負担を減らし定着化を図りやすいでしょう。マイルストーンや進捗率の管理にも有用です。
《Backlog》のPOINT
- タスク・プロジェクト管理に必要な機能がオールインワン
- ガントチャートやカンバンボードで直感的にタスク管理
- シンプルで直感的に使えるデザインだからすぐに使いこなせる
株式会社ヌーラボが提供する「Backlog」は業種を問わず活用されるプロジェクト管理ツールです。ガントチャート機能やタスク通知機能、チャット・Wiki機能など、プロジェクト管理業務の効率化に欠かせない機能が網羅されています。AndroidとiOS端末向けにアプリも提供されているため、社外利用が多い場合にも最適です。
《Lychee Redmine》のPOINT
- 大規模なプロジェクト計画でもスピーディで直感的に操作可能
- ガントチャートやカンバンで、リアルタイムに進捗可視化
- 作業時間予定と実績を担当者別に表・グラフで見える化
株式会社アジャイルウェアが提供する「Lychee Redmine」は、大規模プロジェクトにもストレスなく対応できるプロジェクト管理ツールです。スケジュール把握やタスク管理はもちろん、人材・コストマネジメント機能も備わっています。ガントチャート機能では、マイルストーンやタスクの依存関係づけも簡単に設定できます。
《Wrike》のPOINT
- 幅広い柔軟性でメンバー変更にも柔軟に対応
- 強固なセキュリティで安全な作業進行
- 豊富な外部ツールとの連携を確保
Wrike Japan株式会社が提供する「Wrike」は、世界で2万社以上、国内でも1,000社以上で導入実績のある共同作業管理プラットフォームです。業務進捗の見える化やコミュニケーション促進に役立つ機能が搭載されています。ガントチャート機能においては、ドラッグ&ドロップの簡単操作でスケジュールを調整でき、全体の進捗も一目で把握可能です。400以上のアプリとの連携を実現するアドオン機能も提供しています。
Bitrix24
Bitrix24が提供するビジネスソフトウェア「Bitrix24」は、1,200万人以上のユーザーに利用されています。CRM機能がメインですが、ほかにもプロジェクト管理やオンラインコラボレーション、コミュニケーションツールを備えており、幅広い用途で活用可能です。プロジェクト内のタスクやステージは、ガントチャートやカンバンボード、カレンダーなどさまざまな形式で表示できます。
Miro
ミロ・ジャパン合同会社が提供するオンラインホワイトボード「Miro」は、作図だけでなくプロジェクト管理の業務効率化にも有効なツールです。共同作業をスムーズに行うためのコラボレーション機能も充実しています。ガントチャートだけでなくタイムスケジュール表、WBS(Work Breakdown Structure)、カンバンボードなどの作成も支援します。
プロジェクト管理ツールも含めて検討したい、より多くの製品を比較したいという方には、以下の記事がおすすめです。機能や月額料金についても詳しく解説しているので、価格相場をつかみたい方はぜひ一読ください。
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図表作成に強いガントチャートツール
テンプレートのラインナップや操作性にこだわり、ガントチャートを容易に作成できるツールを紹介します。
《みんなでガント.COM》のPOINT
- 2,000社以上の使用実績!会員登録不要で始められる!
- PCやiPhone、Androidなど各種デバイス利用可能!
- プロジェクトの計画表・進捗管理・実績管理として活用できる!
株式会社サムテックが提供する「みんなでガント.COM」は、会員登録不要のガントチャート共有クラウドサービスです。ガントチャートとToDo管理をメイン機能とし、プロジェクト期間だけの契約も可能なため、ツール導入が初めての企業にも安心です。英語表示や、作成したガントチャートをExcelに出力するなどの機能も備わっています。
《シェアガント》のPOINT
- すべてのプロジェクトとタスクを一覧で確認し全体を俯瞰できる!
- 基本利用は無料!本格運用も圧倒的な低コストでスタート可能!
- タスクごとのチャット連動で円滑なコミュニケーションを実現!
「シェアガント」はクラウド型の段取りコミュニケーションサービスです。株式会社シェアガントが提供しており、ガントチャート機能やタスク管理機能に加え、チャット機能も備えています。特定のタスクだけでなくプロジェクト全般においてコミュニケーションをとれるため、メンバー間の情報共有や連携がスムーズになるでしょう。
Project Canvas
ルミックス・インターナショナル株式会社が提供する「Project Canvas」は、上場企業への導入実績を豊富にもつ、Windows用プロジェクト管理ソフトです。自由度が高く多彩な線表を作成できるよう設計されているため、見た目にもこだわったガントチャートを作成可能です。専用サーバーは不要でマウス操作が中心のため、導入負担が小さくてすみます。
Lucidchart
Lucid Software Inc.が提供する作図・資料作成サービス「Lucidchart」は、クラウドベースのプラットフォームでデバイスやブラウザを問わず利用できます。作図が容易になるだけでなく、ビジネスチャット機能やコメント追加機能により、情報共有も円滑化するでしょう。
Cacoo(カクー)
株式会社ヌーラボが提供する「Cacoo(カクー)」は、利便性の高いクラウド作図ツールです。多種多様なテンプレートを備えており、ガントチャートや作業分解図、PERT図などを初心者であっても簡単に作成できます。コメントやビデオ通話機能を用いれば、アイデアの共有やフィードバックも迅速に進められるでしょう。
無料版による低コスト導入が可能なガントチャートツール
無料プランにガントチャート作成機能も含まれる製品だけを厳選しました。ガントチャート作成を無料で行いたい企業はぜひ詳細情報を確認しましょう。
《jooto》のPOINT
- 有料導入企業数約1,900社!タスク管理を効率化するツール!
- 4人まで無料でずっと利用することが可能!
- チームの利用定着を全力でサポート!
株式会社PR TIMESが提供する「jooto」は、カンバン方式のクラウド型タスク・プロジェクト管理ツールです。タスク管理や進捗管理(ガントチャート)、予実管理・プロジェクト横断管理機能などを搭載しており、企業規模を問わず幅広く利用されています。無料プランにはユーザー数やデータ・ファイル上限が設けられているものの、上記基本機能すべてが利用できます。
《Brabio》のPOINT
- グループウェアのような使い方もできる
- プロジェクト横断的な担当状況確認が可能
- ExcelやCSVファイルによるレポート出力に対応
ブラビオ株式会社が提供する「Brabio」は、マウスを動かすだけで簡単にガントチャートを作成できるクラウドツールで、5IDまでなら無料で利用可能です。達成率の表示やタスク同士のリンクにも対応するほか、プロジェクト横断ビューやカレンダー表示など多彩なビュー機能を搭載しています。
以下の記事では無料のプロジェクト管理ツールを紹介しています。無料ツールで利用できるユーザー数や機能も確認できるため、より多くの製品を選択肢としたい方はぜひあわせて確認ください。
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ツール導入でガントチャートの作成・管理を効率化しよう
ガントチャートツール導入により、ガントチャート作成の効率化だけでなく、タスクの進捗管理や情報共有の改善なども期待できます。ツールを比較検討する際は、製品ごとの強みや機能、既存システムとの連携可否、カスタマイズ力などをチェックしましょう。
なお、ガントチャート作成機能を備えたプロジェクト管理ツールも多数登場しています。プロジェクトに関連するより多くの業務を効率化させたい場合は、プロジェクト管理ツールも含めて検討することをおすすめします。各社製品の情報を手間なく入手できる一括資料請求もぜひ活用してください。