【ツリー構造】 |
【チャート】 |
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1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
サンプル作成 |
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α版の作成 |
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β版の作成 |
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本製品版の作成 |
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ツリー構造には、作業名ではなく担当者名を記載することもあります。また、チャート図の時間軸には、日付・週・月・期・年など、プロジェクトの規模によってさまざまな単位が用いられます。
ガントチャートが生まれた背景
20世紀初頭、先進国では大量生産体制が築かれるようになりました。それに伴い、大量生産に適した進捗管理方法が求められるようになりました。
そこで生み出されたのがガントチャートです。エンジニアであり経営コンサルタントでもあった、ヘンリー・ガントが考案しました。彼は、職場の監督者が現場の作業進捗状況を一目で把握するために、ガントチャートを考案したと言われています。
そして、ガントの死後、1992年にウォーレス・クラークが「The Gantt Chart : A working tool of management」という本を発売。結果として、ガントチャートは世界中に知れ渡りました。今では多くの業界で使用されています。
ガントチャートを作成するメリット・デメリット
ガントチャートにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
メリット:チームで情報共有を行える
ガントチャートの最大の魅力は、視覚的に分かりやすいことです。したがって、チーム内で情報共有するのに適しています。
プロジェクト管理においては、さまざまな情報を管理する必要があります。物事が予定どおりに進むことは珍しいため、途中の計画変更も漏れなく管理しなければなりません。これらの細々とした情報を、メンバー1人ひとりに伝えるのは困難です。
しかし、ガントチャートですべての情報を網羅すれば、メンバーはそれを見るだけで事足ります。管理者とメンバーの両方にとって、円滑な状況の把握と共有が実現するのです。
デメリット:タスクの工数や関係性が分かりにくい
ガントチャートは進捗状況を俯瞰するのに適したツールです。逆に言えば、進捗状況の詳細を把握するのには適していません。
たとえば、ガントチャートはタスクの工数を把握しづらいのが難点です。チャート図による進捗状況管理では、時間経過以外の情報は排除されます。したがって、「いつまでに終わらせれば良いのか」は分かりますが、「完了までにどのくらいの作業量があるのか」は分からないのです。
結果として、実際に作業に取り掛かってから、期限が非現実的なことに気づくケースもあります。
また、タスク間の関係性も不透明です。たとえば、作業Aが終わらないと作業Bを開始できなくても、そのことがガントチャートからは分かりません。着手する段階になって始めて開始できないことに気づき、納期に深刻な影響が及ぶおそれがあります。
ガントチャートの作り方
続いて、ガントチャートの作り方を見ていきましょう。
1.タスクの洗い出し・順序設定
初めに、ガントチャートの縦軸に記載する項目を洗い出します。万が一漏れがあるとプロジェクト全体に支障が生じることがあるため、細かく洗い出しましょう。
例として、製造業で機械製品を作る場合を考えてみましょう。この場合、資材の準備や部品の組立、梱包などさまざまな工程があります。
次に、各工程を細分化します。資材の準備であれば、取引先との連絡や発注作業、代金の支払などがあるでしょう。組立であれば人材の手配や機械設備の整備、実際の組立作業などが含まれます。
こうして細分化することで、現実的な納期の設定が可能になります。洗い出した各タスクは、作業の順番どおりにチャート図の縦軸に記入しましょう。
2.作業日程の決定
次は、各タスクの開始日と終了日を決め、チャート図を描きましょう。横軸の単位は、日や月など、プロジェクトの規模に応じて適切なものを選びます。
この時、タスクの期限にある程度の余裕を持たせることが大切です。余裕がなければトラブルが生じた際に対処が難しくなります。
3.担当者の設定
最後に、各タスクの担当者を決定します。決めた担当者の名前は、縦軸の作業項目と並べて記載しましょう。
担当者の決定時に注意しなければならないのが、負担を偏らせないことです。1つのプロジェクトにおいてバランスよく負担を分散させることはもちろんですが、ほかのプロジェクトも考慮する必要があります。1つのプロジェクトが忙しくて別のところまで手を回せない担当者は、負担を少なくしましょう。
ガントチャートを作成する際のポイント
ガントチャートを作成する際、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。
常に最新情報がわかるようにする
プロジェクト管理に限らず、物事が計画どおりに進むことは稀です。何らかのトラブルが生じることは多々あり、その都度計画を調整する必要があります。ところが、修正内容がメンバー内で共有されていないせいで、新たな問題が生じるケースも珍しくありません。このようなリスクを避けるために、ガントチャートは常に最新情報が分かるようにしましょう。
ただし、Excelのテンプレートを使用したガントチャートでは、途中での変更に手間がかかります。手間が多いと変更が億劫になり、最新情報の共有に支障をきたしかねません。できれば、無料でも良いので専用のガントチャート作成ツールを使用しましょう。
タスクの依存関係を明確にする
ガントチャートは、タスク間の関係性が分かりづらいのが難点です。しかし、工夫次第で関係性を分かりやすくすることもできます。
たとえば、製造業における部品の仕入と組立作業の関係性を考えてみましょう。組立作業は部品が手元になければできないため、着手する前に部品の仕入を完了しておく必要があります。一方、組立に要する製造設備の整備などは、部品が手元になくても問題なく実施できるでしょう。
そこで、仕入と組立作業を同じ色のチャート図で示し、機械設備の整備は別の色で示す方法があります。また、仕入と組立のチャート図同士を矢印で結び、タスク同士が連続したものであることを示しても良いでしょう。そのほか、縦軸にタスクを並べる際、関係性の深いタスク同士を近づけると、まとめて把握しやすくなります。
ガントチャートの無料ツール
ガントチャートを効率的に運用するには、専用のツールを使うのが効果的です。そこで、次はガントチャートの無料ツールを紹介します。
Brabio!
ブラビオ株式会社が提供。最大5人までなら無料で使えるツールです。ガントチャートを簡単に作成できるだけでなく、メンバーからの進捗報告もシステム上で管理可能なため、最新状態を維持しやすいのが特徴です。また、「担当状況ビュー」機能により、誰が忙しいのか把握できるため、グループウェアとしての魅力も備えています。
Jooto
株式会社PR TIMESが提供。最大4人までなら無料ですべての基本機能が使えるツールで、ガントチャート機能も基本機能に含まれています。ドラッグアンドドロップを中心とした直感的な操作が魅力です。また、1つのダッシュボードで複数のプロジェクトを一元管理できます。
イノピーエム
株式会社クラウドワークスが提供。有料製品ですが、無料トライアルで使用感を確認してから導入可能です。Googleカレンダー・Outlookカレンダーとの連携や、ドラッグアンドドロップ操作などの少ない負担で工数を入力できます。そして、入力情報に基づいてガントチャートが作成されます。
Backlog
株式会社ヌーラボが提供。有料製品ですが、30日間の無料トライアルが用意されています。ソフトウェア開発や広告代理店で使われている製品です。ガントチャートを始めとしたプロジェクト管理機能のほか、課題管理やバグ管理、バージョン管理機能を備えています。また、モバイルアプリもあり、スマホやタブレットからも使えます。
みんなでガント.com
株式会社サムテックが提供。有料製品ですが、ガントチャートの基本機能は30日間無料で使えます。日単位はもちろん、時間単位での細かい管理にも対応しているのが特徴です。また、英語に対応しているため、海外拠点とのガントチャート共有もできます。そのほか、データセンターにAWSを利用していて、セキュリティの信頼性が高いのも魅力です。
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ガントチャートでプロジェクト管理を円滑にしよう
ガントチャートは棒グラフを用いた図で、プロジェクトの進捗状況をメンバーで共有するために使われます。作成手順は以下のとおりです。
- 1.タスクの洗い出し
- 2.作業日程の決定
- 3.担当者の決定
また、ガントチャートを作成する際は以下の点に留意しましょう。
- ■常に最新状態に保つ
- ■タスクの依存関係を明確にする
以上を踏まえてガントチャートを活用し、プロジェクト管理を成功させましょう。