プロジェクト管理とは
プロジェクト管理について解説していきます。
プロジェクトの成功をアシストすること
プロジェクトを成功させ、計画をコントロールしてアシストすることをプロジェクト管理と呼びます。計画の目標とその達成方法を設定し、各プロセスでそれを成し遂げられるようプロジェクトを管理します。
従来はエクセルなどを活用したアナログな方法で管理していました。そして、ベテランの経験や勘など属人的な要素が多く、体系的な手法は確立されていませんでした。
しかし、近年では米国の非営利団体PMIが策定した「PMBOK」と呼ばれるプロジェクトを管理する手法が確立。PMBOKはプロジェクトを「立上げ」「計画」「遂行」「コントロール」「集結」の5つのプロセスに分類して管理します。
ヒト・モノ・カネ・情報・時間を管理する
プロジェクト管理はヒト・モノ・カネ・情報・時間を適切に管理しなければいけません。「PMBOK」では、この要素を以下のように細分化して管理します。
- 統合管理
- プロジェクトの開始から終了まで全体の指揮を行う
- 調達管理
- 調達先や仕入先の選定や契約の管理
- コスト管理
- コストの見積りや予算を設定
- リスク管理
- 発生するトラブルを予測しリスクに対処
- スコープ管理
- 現場の要求の中からできることをまとめた範囲を管理
- 要員管理
- プロジェクトごとの負荷を把握や、適切なメンバー配置
- コミュニケーション管理
- 円滑なプロジェクト推進のため、メンバーのコミュニケーションを管理
- スケジュール管理
- 工程表を活用し、プロジェクトの計画と実績を管理
- 品質管理
- 品質テストのタスク管理や、品質管理スケジュールの効率化を図る
- ステークホルダー管理
- プロジェクトにかかるさまざまな情報をステークホルダー(利害関係を有する人やモノ)として管理
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2023.10.27
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プロジェクト管理の目的
プロジェクト管理を行う目的をそれぞれ解説していきます。
目標達成期間・時期の順守
プロジェクト管理の目的に、目標達成期間や時期の順守が挙げられます。
あらかじめ目標として設定した納期を守るためには、プロジェクトの各プロセスの管理下で業務を遂行しなければいけません。また、プロジェクトの進捗状況に応じてメンバーのタスクを修正します。
必要に応じてメンバー間でタスクの再振り分けを行い、プロジェクトの納期が期間内に達成するよう管理することが大切です。
プロジェクト目標達成による利益の最大化
プロジェクト管理では目標達成による利益の最大化も目的として挙げられます。
予算・納期・品質(QCD)を守ることはプロジェクト管理を行う上での必須条件です。そして利益の最大化を図ることが求められます。そのためにも各プロセスの総合的な管理が必要であり、利益の最大化を目指すには各プロセスの洗い直しが必要です。
プロジェクトの開始から終了までのプロセスには数多くの「ムダ」が存在します。したがって、その「ムダ」を見つけ解決することでコスト削減が可能となります。
プロジェクト管理に必要なこと
プロジェクト管理に必要なことを解説していきます。
プロジェクトの見える化
プロジェクトの見える化がプロジェクト管理には必要です。作業内容などのタスクの見える化を行うことで、プロジェクト作業の平準化を図れます。
見える化を実行すると情報共有が可能となり、プロジェクト全体の進捗状況を把握できるようになります。これにより、問題が発生した場合も迅速な対応が実現します。
メンバーへの指導も的確に行えるため、チーム力の向上も期待できます。そして、必要に応じた柔軟な軌道修正も実現できるでしょう。見える化はプロジェクト管理の効率化を図り、目的達成の効果を最大限に引き上げます。
ヒト・モノ・コトを管理するスキル
プロジェクト管理には、ヒト・モノ・コトを管理するスキルも問われます。QCDを守るにはプロジェクト全体の進捗状況を把握し、顧客やチームメンバーとの調整が大切です。
適切な人員配置やタスクの割り振り、必要に応じてメンバーを叱咤激励することもプロジェクト管理には必要です。プロジェクトのさまざまな場面でヒト・モノ・コトを適切に管理できる能力がなければ、成功は難しいといえるでしょう。
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プロジェクト管理の流れ
プロジェクト管理の流れを解説していきます。
目的を確認
プロジェクトの目的を明確化しましょう。目的の明確化はプロジェクトの指針となります。またチーム全体の意思統一を図れるためモチベーションのアップも期待できるでしょう。
逆に目的が曖昧なままでは優先事項がわからず、適切な判断ができない可能性があります。さらにプロジェクト終了時、目的を達成したのかを評価できません。適切な評価を行うために、目的に具体的な数字を入れておきましょう。
タスクの洗い出し
タスクの洗い出しをしましょう。プロジェクト管理では目的を達成するために必要な作業をタスクとしてリストアップします。作業内容や重要度、着手する順番などを整理すると良いでしょう。
そして、タスクを整理する際は担当者や期限の設定が大切です。担当者を設定すればタスクの責任者を把握でき、期限を設定すれば進捗状況も把握しやすくなります。
タスクの割り振りの際は、メンバーの適性や希望を考慮して適切な大きさのタスクを与えることが重要です。
進捗の把握・修正
プロジェクトの進捗状況を把握し、必要に応じてタスクの修正をしましょう。進捗管理はプロジェクトの目標や納期を確認しながらメンバーの作業の進行状況を把握し、進捗状況のズレを修正する業務です。
QCDを守るためにも常に進捗状況を把握し、問題があれば適切に対処しなければいけません。そのためにはミーティングを開き、メンバーの作業状況を聞き出すことが大切です。問題が生じた場合はプロジェクト全体のバランスを考慮しながらタスクを修正しましょう。
事態によってはタスクを追加する場合もあるかもしれません。タスクの追加によりプロジェクト全体に影響が及ぶ場合は、スケジュールの見直しかメンバーの追加も検討すべきでしょう。
管理を効率化する「プロジェクト管理ツール」とは
プロジェクト管理ツールは、プロジェクトの進行状況を効率的に管理するソフトウェアです。
従来のエクセルやアナログな方法でのプロジェクト管理では、入力やレポートの作成に手間がかかっていました。しかし、プロジェクト管理ツールでは管理項目ごとに入力するだけで良いです。またフォーマットが統一されているためレポートの作成も簡単です。
プロジェクト管理の進捗が把握しやすい
プロジェクト管理ツールの活用で、プロジェクトの進捗が把握しやすくなります。
進捗管理表であるガントチャートを利用したグラフにより進捗状況の可視化が可能。スケジュール通りに進んでいるのか把握しやすいです。プロジェクトの問題点にも気づきやすいため、優先順位もわかりやすいです。これにより、迅速な対応が可能になるでしょう。
プロジェクト管理の可視化により作業効率の大幅な改善が期待できます。
メンバー間で情報共有しやすい
プロジェクト管理ツールはメンバー間の情報共有がしやすくなります。エクセルなどを活用したプロジェクト管理では情報共有がしにくく、またメンバーの進捗状況の把握が難しいものでした。
しかし、プロジェクト管理ツールでは工数を入力するだけで情報を可視化できるため、情報共有がしやすいです。また、リアルタイムで進捗状況を共有可能なため、状況に応じた適切な対処に繋がります。
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プロジェクト管理ツールの選び方
プロジェクト管理ツールの選定ポイントをそれぞれ解説していきます。
導入形態で選ぶ
プロジェクト管理ツールは導入形態で選びましょう。クラウド型とインストール型が提供されています。それぞれの特徴は以下のとおりです。
- 【クラウド型】
-
- ■インターネットを利用して提供される形態
- ■導入しやすく運用や保守もすべてベンダーに一任可能
- ■情報のやり取りがしやすい
- ■導入・運用コストを抑えられる
- 【インストール型】
-
- ■各コンピュータにインストールする形態
- ■導入や運用、保守はすべて自社で行う
- ■インターネット環境がなくても利用できる
- ■クラウド型と比べるとセキュリティリスクが低い
- ■情報のやり取りがしにくい
自社の導入規模や利用形態に応じた製品選びをしましょう。
求める機能で選ぶ
プロジェクト管理ツールはさまざまな機能が搭載されているため、自社に必要な機能を選定しましょう。基本的な機能に「タスク管理」「スケジュール管理」などがあります。製品によってはガントチャートを出力したりノウハウを蓄積できるツールも存在します。
多人数での利用を検討している場合は書き込めるスペースも重要な選定ポイントです。また、小規模での導入であればタスク管理だけで十分でしょう。
必要な機能を見極めるためには、まずプロジェクト管理ツールによって改善したいことを洗いだしましょう。製品選定の際の重要な判断ポイントになります。
操作性で選ぶ
プロジェクト管理ツールは操作性の高い製品を選定しましょう。
操作性の低いツールでは作業効率が低下して学習コストがかかります。そして、メンバーに活用されないままプロジェクトが終了してしまう事態に繋がりかねません。メンバーが日々使うものだからこそ、直感的な操作が可能なツール選びが重要です。
リモートワークを多く活用する環境では、利便性の高いチャット機能を搭載した製品が良いでしょう。操作性を確認するためにも、導入前に無料トライアルを活用することをおすすめします。
適切にプロジェクト管理を行いましょう
利益の最大化やQCDを順守するためにプロジェクト管理を行います。プロジェクト管理には以下が必要です。
- ■プロジェクトの見える化
- ■ヒト・コト・モノを管理するスキル
そこで役立つのが進捗状況の可視化や情報共有が可能なプロジェクト管理ツール。最大限活用するためには、目的を明確化したうえで自社に合う利用形態・機能が搭載されたツールを選びましょう。有効に使って適切なプロジェクト管理を行いましょう。