プロジェクト管理に必要なスキルとは?
プロジェクト管理をする「プロジェクトマネージャー」には大きく分けて以下の4つのスキルが必要です。
業界についての知識や技術力
プロジェクトマネージャーは業界についての知識や経験、技術力を身に着けておくことが大切です。
自身が実際の作業を行うわけではないため、その分野の専門家でなくとも良いです。しかしメンバーに対しアドバイスをしたり、突発事項に適切に対処するにはある程度の知識は必要不可欠と言えるでしょう。
マネージャーからの適切なアドバイスはプロジェクトメンバーの信頼にも繋がります。円滑にプロジェクトを進めるためにも、必要最低限の業界知識は頭に入れておくようにしましょう。
スケジュールや予算の管理能力
プロジェクトマネージャーにはスケジュールや予算を管理する能力が求められます。なぜなら、プロジェクトには納期や予算などさまざまな条件があり、その範囲内で最大の成果を出さなくてはいけないからです。
スケジュール管理においては、プロジェクトの全工程を把握しておくことが必要です。各工程にかかる時間、作業に割り当てる人数をあらかじめ想定し進捗管理を行います。スケジュール管理では、このような時間管理の精度を高めることが重要です。
予算管理においては予算内で成果を上げることは最低条件です。しかし、よりコストダウンできればさらなる会社の利益獲得につながります。可能な限りの利益を出せるように、コスト面にも気を配るようにしましょう。
コミュニケーション能力
プロジェクトマネージャーにはコミュニケーション能力も欠かせないスキルです。これは、メンバーが同じ方向を向いて業務を遂行できるようにするためです。
しかし、プロジェクトマネージャーに求められるコミュニケーション能力は自分から伝える能力だけではありません。メンバーが意見を出しやすくする環境作り、またメンバーの育成も重要な使命です。
例えば育成においては「褒め方」「叱り方」も重要です。褒める際のポイントは全員の前で褒めることです。褒められた本人はもちろん、チームとしてのモチベーションも高められます。
一方、叱る際のポイントは他のメンバーの前ではなく、個別に叱るということです。人前で叱責すると、相手の自尊心を傷付けモチベーションを下げてしまうことにつながります。部下を叱る場合は、タイミングや場所にも気を配るようにしましょう。
会話術に留まらず多角的な視点でコミュニケーション能力を高める必要があります。
問題解決と決断力
プロジェクトで成果をあげるためには、マネージャーの問題解決スキルと決断力が欠かせません。どんなプロジェクトにも多かれ少なかれトラブルが付き物です。そんな時に、いかにマネージャーが冷静に原因を分析し適切な解決方法を提案できるかが重要となります。
トラブル対応では、時には人員や予算の調整、スケジュールの変更など厳しい選択を迫られる場面もあるでしょう。そういった場合においても場当たり的な対策ではなく根本解決が求められます。
合理的な判断ができるよう、常に指標となるデータを整理し閲覧可能な状態にしておくことも大切です。
プロジェクトマネージャーとしてスキルアップするには?
次にプロジェクトマネージャーとしてスキルアップするためのポイントをご説明します。
目標を明確にする
目標を明確に定めて行動することはプロジェクトマネージャーにとって非常に重要です。これにより、ぶれない一貫した行動が取れるようになります。プロジェクトマネージャーの行動が二転三転するような状況では、メンバーからの信頼も損なわれてしまうでしょう。
目指すゴールをしっかり定めて、達成するにはどのように行動すべきかメンバーと共有しておくことも必要です。
リスクを常に把握する
プロジェクトを行う中で突発的なトラブルが発生することがあります。
プロジェクトマネージャーはそういった突発事項にも柔軟に対処しなければなりません。そのため、あらかじめどのようなリスクが考えられるかを想定し、優先順位を設定して対策を練っておくと、リスクマネジメントにつながります。
一般的には過去の事例や経験から起こりうるリスクを想定します。しかし新米のプロジェクトリーダーで経験が少ない場合、リスクマネジメントは非常に難易度が高いでしょう。先輩などに意見をあおいで対策を講じることも必要です。
コミュニケーションを大切にする
キーマンズネットのアンケート調査によれば、プロジェクトが失敗した経験のあるマネージャーで、コミュニケーションの不足を理由に挙げた人は約半数にものぼります。
このように、コミュニケーションはプロジェクトに対して大きな影響を与えます。とは言え、コミュニケーション能力は一朝一夕で習得できるものではありません。
例えば、プロジェクトにおいて最終的に方向性を決めるのはプロジェクトマネージャーです。しかし判断を下す前には、メンバーも含めて意見交換し耳を傾ける姿勢も重要です。
また、コミュニケーションをとるべきなのは社内に限ったことではありません。様々な経験や知識を持った人と接する中で、自身の見識を広げることもできます。
社内、社外問わず普段から積極的にコミュニケーションをとるよう心がけましょう。
出典:プロジェクト管理ツールの導入状況(2014年)|キーマンズネット
スキルアップするための資格を紹介!
プロジェクトマネージャーとしてスキルアップするために有効な資格を2つご紹介します。
プロジェクトマネージャー試験
プロジェクトマネージャー試験は情報処理技術に関する国家試験であり、ITプロジェクトの管理責任者の多くが目指す資格です。情報処理技術を問う資格の中でも、最高ランクに位置付けされる難易度の高い試験と言えます。
- ■情報システム、組み込みシステムの開発知識
- ■システムの展開、運用知識
- ■プロジェクト計画の立案
- ■人員配置
- ■進捗管理
このように試験は統括的に業務を行えるか問う内容になっています。プロジェクト管理に必要なスキルを学べるのはもちろん、ITコンサルタントを目指すことも可能な資格です。
試験は年1回のみ、4月の第3日曜日に実施。合格率13.1%と非常に難易度が高いので、受験する場合には早めの対策が必要となるでしょう。
PMP
PMPは、プロジェクトマネジメントするための知識と実務経験を求める国際資格です。プロジェクトマネジメント・プロフェッショナルの略。
筆記だけでなく実務経験を必要とする試験のため、取得するには長い時間を要します。その分、持っていると非常に有利な資格なので、計画を立てて受験の準備をしましょう。
プロジェクト管理の知識だけでなく、マネージャーとしての姿勢や取り組み方など実務的な内容が重視されます。
プロジェクト管理に必要なスキルを理解し、スキルアップ!
プロジェクト管理には知識や経験・スケジュールを正確に管理する能力が必要です。また、協力して目標を達成するためのコミュニケーション能力や育成力も同時に磨くことが重要です。
より実力をつけるには、目標の明確化やリスクマネジメントを行いましょう。また、プロジェクトマネージャー試験やPMPなどの資格の取得も役立ちます。プロジェクト管理をする上で必要なスキルを理解し、更なるスキルアップを目指しましょう。