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EVM(アーンドバリューマネジメント)とは?意味や計算式・具体例を解説

EVM(アーンドバリューマネジメント)とは?意味や計算式・具体例を解説

プロジェクトの進捗管理手法の一つである「EVM」は、工数などをすべてコストとして換算するものです。EVMを有効活用すれば、コストとスケジュールを守りプロジェクトは成功するでしょう。

この記事では、EVMとはどのようなものかを紹介し、EVMで算出するEVやACといった要素についても、違いをわかりやすく解説します。またEVMを活用できるプロジェクト管理ツールもあわせて紹介します。関連製品の一括資料請求も可能なため、製品をじっくり検討したい方はぜひご利用ください。

この記事は2026年9月時点の情報に基づいて編集しています。
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目次
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    EVMとは

    EVMとは、Earned Value Management(アーンドバリューマネジメント)の略で、プロジェクトの進捗とコストを出来高で定量的に管理する手法です。日本語では「出来高管理」と呼ばれることもあります。

    一般的な進捗管理では、「予定していた作業の何%が完了したか」といったスケジュール面を中心に確認します。一方、EVMでは計画していた作業量・実際に完了した作業量・実際にかかったコストを金額などの共通尺度で比較します。

    EVMで特に重要なのが、以下の3つの指標です。

    • PV:現時点までに完了している予定だった作業の価値
    • EV:実際に完了した作業の価値
    • AC:実際に発生したコスト

    例えば「EVがPVより小さい」場合は予定より作業が遅れており、「EVがACより小さい」場合は出来高に対してコストがかかりすぎていると判断できます。

    EVMの基本指標|PV・EV・AC・BACの意味

    EVMでは、主にPV・EV・AC・BACという4つの基本指標を用いてプロジェクトの状況を把握します。まずは、それぞれの意味を整理しておきましょう。

    指標正式名称意味簡単にいうと
    PVPlanned Value特定時点までに完了している予定の作業の予算価値予定ではどこまで進んでいるか
    EVEarned Value実際に完了した作業を予算ベースで評価した値実際にどこまで進んだか
    ACActual Cost特定時点までに実際に発生したコスト実際にいくら使ったか
    BACBudget at Completionプロジェクト全体の総予算完成までの当初予算

    PV(計画値)

    PV(Planned Value)とは、特定の時点までに完了している予定だった作業の予算価値です。計画と実績を比較する際の基準になります。

    例えば、総予算300万円・期間6か月のプロジェクトを均等に進める計画だった場合、3か月目には50%の作業を終えている予定です。この時点のPVは「300万円×50%=150万円」となります。

    EV(出来高)

    EV(Earned Value)とは、実際に完了した作業を、あらかじめ設定した予算額で評価した値です。日本語では「出来高」と呼ばれます。

    例えば、総予算600万円のプロジェクトで実際の進捗率が40%の場合、EVは「600万円×40%=240万円」です。

    PVとEVを比較することで、計画に対して作業が進んでいるか遅れているかを判断できます。

    AC(実コスト)

    AC(Actual Cost)とは、特定の時点までに実際に発生したコストの合計です。人件費や外注費、設備費など、プロジェクトを進めるために実際に使った費用を集計します。

    EVとACを比較すると、完了した作業量に対してコストが適切だったかを確認できます。EVよりACが大きい場合は、出来高に対して費用がかかりすぎている状態です。

    BAC(完成時総予算)

    BAC(Budget at Completion)とは、プロジェクト全体を完成させるために当初設定した総予算です。PVやEVを算出する際の基準として利用されます。

    例えば、プロジェクト開始時に総予算を1,000万円と設定した場合、BACは1,000万円です。

    EVMの計算式一覧

    PV・EV・ACをもとに計算することで、スケジュールの遅れやコスト超過、プロジェクト完了時の予測などを数値で把握できます。代表的な指標と計算式は以下のとおりです。

    指標計算式わかること
    SVEV-PVスケジュールの遅れ・前倒し
    CVEV-ACコストの超過・節約
    SPIEV÷PVスケジュール効率
    CPIEV÷ACコスト効率
    ETC(BAC-EV)÷CPI ※残作業に必要なコスト予測
    EACAC+ETC ※完了時の総コスト予測
    VACBAC-EAC完了時の予算差異

    ※ETC・EACには複数の算出方法があります。上記は、今後も現在と同じコスト効率が続くと仮定した場合の代表的な計算方法です。

    SV(スケジュール差異)

    SV(Schedule Variance)は、計画に対して作業がどの程度進んでいるかを示す指標です。

    EV-PV=SV

    • SVがプラス:予定より作業が進んでいる
    • SVが0:予定どおり
    • SVがマイナス:予定より作業が遅れている

    CV(コスト差異)

    CV(Cost Variance)は、完了した作業の価値に対して、実際にかかったコストが適切だったかを示します。

    EV-AC=CV

    • CVがプラス:予算内で進んでいる
    • CVが0:予算どおり
    • CVがマイナス:コスト超過

    SPI(スケジュール効率指数)

    SPI(Schedule Performance Index)は、計画に対する実際の進捗効率を示す指標です。

    EV÷PV=SPI

    • SPIが1より大きい:予定より進んでいる
    • SPIが1:予定どおり
    • SPIが1より小さい:予定より遅れている

    CPI(コスト効率指数)

    CPI(Cost Performance Index)は、投入したコストに対してどの程度の出来高を得られたかを示します。

    EV÷AC=CPI

    • CPIが1より大きい:予定より効率よくコストを使えている
    • CPIが1:予算どおり
    • CPIが1より小さい:予定以上にコストがかかっている

    ETC(残作業コスト予測)

    ETC(Estimate To Completion)は、現時点からプロジェクト完了までに必要になると予測されるコストです。

    現在のコスト効率が今後も続くと仮定する場合、次のように算出できます。

    (BAC-EV)÷CPI=ETC

    EAC(完了時総コスト予測)

    EAC(Estimate At Completion)は、プロジェクトが完了する時点で最終的にかかると予測される総コストです。

    AC+ETC=EAC

    BACが「当初設定した予算」であるのに対し、EACは「現在の実績をもとに予測した最終コスト」である点が異なります。

    VAC(完了時コスト差異)

    VAC(Variance At Completion)は、当初予算と完了時の予測コストとの差です。

    BAC-EAC=VAC

    • VACがプラス:当初予算内で完了する見込み
    • VACが0:当初予算どおり
    • VACがマイナス:予算超過の見込み

    EVMの計算例|具体的な数値で確認

    EVMの計算方法を、簡単なプロジェクト例で確認してみましょう。

    予算100万円・期間10日のプロジェクトがあり、5日目の時点で次の状況だったとします。

    • 総予算(BAC):100万円
    • 計画進捗:50%
    • 実際の進捗:40%
    • 実際に発生したコスト:60万円

    この場合、PV・EV・ACは次のとおりです。

    指標計算結果
    PV100万円×50%50万円
    EV100万円×40%40万円
    AC実際にかかった費用60万円

    さらに、SV・CV・SPI・CPIを計算してみます。

    指標計算結果判断
    SV40-50-10万円スケジュールが遅れている
    CV40-60-20万円コストを超過している
    SPI40÷500.8計画より進捗が遅い
    CPI40÷60約0.67コスト効率が悪い

    この結果から、「予定より作業が遅れているうえ、出来高に対してコストもかかりすぎている状態」と判断できます。

    EVMでは、このように複数の指標を組み合わせることで、単純な進捗率だけでは見えにくい問題を把握できます。

    EVMグラフの見方

    EVMでは、PV・EV・ACを時系列のグラフにすると、プロジェクトの状況をより直感的に把握できます。横軸に時間、縦軸にコストや出来高を設定し、PV・EV・ACの推移を比較します。

    状態判断
    EV<PV予定より作業が遅れている
    EV>PV予定より作業が進んでいる
    EV<AC出来高に対してコストがかかりすぎている
    EV>AC投入したコスト以上の出来高を得られている

    例えば、EVがPVより下にあり、さらにACがEVより上にある場合は、「スケジュールが遅れていて、なおかつコストも超過している」と判断できます。

    複雑なEVMの算出も、プロジェクト管理ツールを活用すると簡単に実現できます。以下のページでは人気のプロジェクト管理ツールの費用や口コミを紹介しています。ぜひ数社の資料請求を行ってみてはいかがでしょうか。

    EVMを活用するメリット

    EVMを導入すると、プロジェクトをスケジュールとコストの両面から客観的に評価できます。主なメリットを紹介します。

    進捗とコストを同じ尺度で把握できる

    一般的な進捗率だけでは、予定どおり作業が進んでいても、どの程度コストがかかっているかまでは判断できません。

    EVMでは、作業の進捗とコストを共通の尺度で比較できるため、「進捗は順調だがコストは超過している」といった状況も把握できます。

    プロジェクトの遅延を早期に把握できる

    SVやSPIを定期的に確認すれば、計画と実際の進捗との差を数値で確認できます。大きな遅延になる前に異変を把握できるため、人員配置やスケジュールを早めに調整しやすくなります。

    コスト超過を早期に発見できる

    CVやCPIを確認することで、完了した作業量に対してどの程度コストが発生しているかを把握できます。予算超過の兆候を早期に発見できれば、作業方法やリソース配分を見直すなどの対応につなげられます。

    完了時のコストを予測できる

    EACを算出すれば、現在の進捗やコスト効率をもとに、プロジェクト完了時の総コストを予測できます。当初予算を超過する可能性がある場合でも、早い段階で対策を検討できるでしょう。

    EVM導入の課題

    EVMはの導入や運用にはいくつかの課題もあります。ここではEVMを活用する際に注意したいポイントを紹介します。

    正確なデータ収集が必要になる

    EVMでは、PV・EV・ACといった指標をもとにプロジェクトの状況を分析します。そのため、作業の進捗状況や工数、コストなどのデータを正確に記録することが前提となります。データの入力が不十分だったり、進捗の報告が曖昧だったりすると、EVMによる分析結果の精度が下がり、適切な判断ができなくなる可能性があります。

    計算や分析が複雑になりやすい

    EVMでは、SVやCV、SPI、CPIなど複数の指標を算出して分析を行います。これらを手作業で管理する場合、計算やデータ整理に時間がかかり、プロジェクトの規模が大きくなるほど管理が煩雑になる傾向があります。

    運用ルールの整備が必要

    EVMを効果的に活用するためには、進捗の測定方法や工数の記録方法など、プロジェクト全体で統一したルールを定める必要があります。ルールが統一されていない場合、部門や担当者によってデータの基準が異なり、正確な比較や分析が難しくなることがあります。

    EVMを活用できるプロジェクト管理ツール

    EVM(出来高管理)では、PV・EV・ACをもとに、プロジェクトの進捗やコスト状況を定量的に評価します。そのため、出来高を算出するための工数や進捗、コストといったデータの管理が前提となります。

    プロジェクト管理ツールには、工数や進捗を管理できるものが多くありますが、すべてのツールがEVM指標の算出や可視化に対応しているわけではありません。ここでは工数や進捗データをもとに、EVMを実際に活用できるプロジェクト管理ツールを紹介します。

    Jira

    アトラシアン株式会社
    《Jira》のPOINT
    1. 世界15万社以上が活用するプロジェクト管理のスタンダード
    2. 組織全体の進捗を可視化し、データに基づく意思決定を支援
    3. AIアシスタントRovoと連携し、タスク作成や要約・提案を効率化

    「Jira」は、アトラシアン株式会社が提供するプロジェクト管理ツールです。タスクやプロジェクトの計画・追跡、ワークフロー管理、レポート作成などの機能を備えています。EVMは標準機能ではありませんが、Atlassian Marketplaceのアドオンを利用することで、EVM指標の算出・可視化に対応できます。

    プロジェクトマネジメントDX Flagxs(フラッグス)

    フラッグス株式会社
    製品・サービスのPOINT
    1. 計画から実行、レポートまで考え抜かれた設計思想
    2. 現場の定着にこだわった圧倒的に使いやすいExcelライクな操作性
    3. 円滑なマネジメントサイクルを実現するコンサルティングサポート

    フラッグス株式会社が提供する「プロジェクトマネジメントDX Flagxs(フラッグス)」は、標準化されたプロジェクト管理ができるマネジメントプラットフォームです。計画から実行、レポートまで一貫して管理でき、Excelライクな操作性で日々の入力負担を抑えられます。EVM機能も備えており、予算と実績の乖離を客観的な指標で可視化できます。

    Planisware Enterprise

    プラニスウェア・ジャパン株式会社
    《Planisware Enterprise》のPOINT
    1. AI搭載の統合プロジェクト管理システム
    2. 研究開発、IT、エンジニアリングなど多様なプロジェクトに対応
    3. 世界中の主要企業がプロジェクトおよびポートフォリオ管理に活用

    「Planisware Enterprise」は、プラニスウェア・ジャパン株式会社が提供する多様なプロジェクトに対応する統合管理プラットフォームです。計画・出来高・実績を一元管理し、EVMレポートを自動生成することで、進捗と成果を可視化し、精度の高いプロジェクト運営を可能にします。

    Time Krei (株式会社テンダ)

    《Time Krei》のPOINT
    1. 1,100社以上の導入実績!
    2. 全メンバーの予定や実績を一元的に見える化!
    3. 作業者単位で実績や作業効率を分析可能!

    Planview AdaptiveWork (Planview Japan Co. Ltd.)

    《Planview AdaptiveWork》のPOINT
    1. AIでポートフォリオや業務の可視化と分析を支援
    2. プロジェクトやリソース状況を横断的に把握し一元管理。
    3. ダッシュボードで進捗やリスクの把握を支援

    ProjectExceller (エクセラーシステムズ株式会社)

    《ProjectExceller》のPOINT
    1. Excelを活用し、特別な設定なしで導入が可能。
    2. 計画・実績日の入力によりEVM分析を実行可能。
    3. ガントチャートやWBSで進捗とリソースを可視化。

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    EVMを理解して、適切に進捗管理を行おう

    EVMを活用してプロジェクト管理を行えば、スケジュールとコストの2面から進捗把握ができ、より客観的で精密なプロジェクトの計画が立てられます。

    EVMで使う指標や算出する数値は複数あり、定期的に数値をチェックしていくことで計画の見直しが行いやすく、多面的にプロジェクトの状況を把握できるでしょう。しかし算出する数値は多く、計算と分析には時間を要します。

    効果的にプロジェクトを進行させるためには、EVMを理解しEVMに対応したツールを使うとよいでしょう。

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