プロジェクト管理の計画書とは?
プロジェクト管理の計画書とは、プロジェクトのゴール達成までの道のりを記載したものです。プロジェクトを予定からずれることなく進行させるのが目的です。
具体的には、以下のような項目が記載されます。
- ■プロジェクトの目的とゴール
- ■スコープ
- ■コスト
- ■スケジュール
- ■体制
- ■品質
- ■コミュニケーション
- ■リスク
計画書の型に決まりはなく、企業やプロジェクト規模によって内容や量は変わります。小規模であれば数十ページ、大規模なものでは百ページ以上になるでしょう。また、プロジェクトが進行するにつれて内容を変更することもあります。
利害関係者と認識を合わせるために必要
プロジェクト管理の計画書は、利害関係者(ステークホルダー)との認識をすり合わせるためにも必要です。
計画書を作るには、関係者間でプロジェクトの進め方を相談したり、アイデアを出したりする必要があります。この過程で関係者間でプロジェクトに関する情報が共有され、計画自体もより洗練されたものになるでしょう。
逆に、この段階でしっかり話し合っておかなければ、情報共有不足により思わぬ失敗が生じるおそれがあります。結果的に無駄な時間がかかるので、丁寧に計画を練りましょう。
プロジェクト計画書に記載すべき項目とは?
プロジェクト計画書に記載すべき内容を、それぞれ見ていきましょう。
プロジェクトの目的とゴール
プロジェクトの目的とゴールをはじめに記載しましょう。
目的を共有することで、完成後に「思っていたのと違った」という認識の食い違いを防げます。また、役員に見せる場合は、企業戦略と結び付けて記載することで、意思疎通がスムーズになるでしょう。
ゴールとは、QCD(品質・費用・納期)のことです。以下のような内容を記載します。
- Q(品質)
- ソフトウェア自体の品質・運用品質
- C(費用)
- 原価率・利益目標
- D(納期)
- マイルストーン・ローンチ日
できるだけ数値で明確化しておきましょう。
スコープ
スコープとは、範囲のことです。プロジェクト管理においては、対象システムの範囲を明確にし、作業内容を階層構造で示したWBSの作成を意味します。作成したWBSはその後の具体的なスケジュールの草案となるため、プロジェクト計画書の添付資料として扱いましょう。
また、大規模なプロジェクトでは関係者が多くなり、誰が何を担当するのかが分かりづらくなります。その場合はプロジェクト計画書のほかにスコープの詳細を記載したスコープ定義書を作成することがあります。
コスト
プロジェクトにかかるコストを記載しましょう。具体的に、以下のような内容を記載します。
- ■ソフトウェア費用
- ■ハードウェア費用
- ■ネットワーク費用
- ■人件費
- ■外注費
- ■インフラ費用
- ■保守費用
- ■ライセンス費用
- ■備品費
さらに細かい部分は添付資料として用意しましょう。
スケジュール
スケジュールの要約を記載しましょう。具体的には、以下のような内容を記載します。
- ■進捗計画方法
- ■マスタスケジュール
- ■工程スケジュール
- ■個別スケジュール
- ■管理指標
詳細なスケジュールはWBSとして添付資料にするため、計画書に記載する必要はありません。むしろ、細かすぎると経営層に見せる際に適しません。そのため、ここではマイルストーンやクリティカルパスなどの記載に留めます。
体制
プロジェクト体制は、以下の項目を記載しましょう。
- ■関係者全員
- ■責任の所在
- ■要員の役割
組織図形式のプロジェクト体制図や、役割表の形式で記載するとよいでしょう。前者では視覚的にプロジェクト体制を把握しやすい分、具体的な役割は記載しづらくなります。逆に役割表形式であれば、視認性は劣るものの、必要事項を漏れなく記載できます。
品質
プロジェクトで達成すべき品質を明確に記載しましょう。項目に分けをして記載します。
- 品質分類
- 機能性・信頼性など
- 品質項目
- 正確性、合目的性など
- 品質指標
- 平均故障時間、エラー回数など
- 目標値
- 割合・回数など
プロジェクトの規模が大きく、品質に関する記載内容が多すぎる場合は、別途サービスレベル定義書を作成しましょう。
コミュニケーション
会議体やコミュニケーションルールについて記載しましょう。具体的には、以下の項目を記載します。
- 【会議体】
-
- ■会議体呼称
- ■出席者
- ■会議目的
- ■開催頻度・日時
- 【コミュニケーションルール】
-
- ■議事録作成ルール(作成者・通知方法など)
- ■メールのルール(件名の設定方法など)
- ■利用するプロジェクト管理ツールとその運用ルール
そのほか、メンバーの教育計画やマニュアルの提供、作業負担の均等化などもこの段階で考えておきましょう。
リスク
予測されるリスクと、その対策を記載しましょう。具体的には、以下の項目を記載します。
- ■リスク内容
- ■発生確率
- ■影響度
- ■優先度
- ■対策
大切なのは、あらゆるリスクを洗い出すことです。予想されるリスクをすべて可視化して共有し、対策を決めましょう。
プロジェクト計画書を作成しても、進捗やタスクの管理が属人化していると、計画どおりに進めるのは難しくなります。計画書の内容を実際の業務に落とし込み、進捗を可視化したい場合は、プロジェクト管理ツールの導入も有効です。
プロジェクト計画書の作り方・作成手順
プロジェクト計画書を作成する際は、いきなり書き始めるのではなく、目的や体制、スケジュールなどを順番に整理することが大切です。ここでは、基本的な作成手順を解説します。
- 1.プロジェクトの目的とゴールを明確にする
-
まずは、プロジェクトを実施する目的と、最終的に達成すべきゴールを明確にします。目的が曖昧なままだと、関係者間で認識のずれが生じやすくなります。QCD(品質・費用・納期)などの観点から、できるだけ数値や期限を用いて具体的に設定しましょう。
- 2.スコープと成果物を整理する
-
次に、プロジェクトで対応する範囲と、対象外とする範囲を整理します。あわせて、最終的に納品・完成させる成果物も明確にしておきましょう。スコープが不明確だと、作業の追加や手戻りが発生しやすくなるため、関係者と事前に合意しておくことが重要です。
- 3.体制と役割分担を決める
-
プロジェクトに関わるメンバーや責任者、承認者などを整理します。誰が何を担当するのかを明確にすることで、作業の抜け漏れや責任の所在が不明確になるのを防げます。必要に応じて、体制図や役割表を作成するとわかりやすいでしょう。
- 4.スケジュールとコストを見積もる
-
プロジェクト全体のスケジュールを作成し、主要なマイルストーンや納期を設定します。あわせて、人件費や外注費、システム費用など、必要なコストも見積もりましょう。スケジュールやコストは途中で変更される可能性があるため、余裕をもった計画にすることが大切です。
- 5.品質基準とリスク対策を設定する
-
成果物に求める品質基準や、確認方法を決めます。また、スケジュール遅延や予算超過、メンバーの離脱など、想定されるリスクも洗い出し、対応策を検討しておきましょう。事前にリスクを共有しておくことで、問題が発生した際にも迅速に対応できます。
- 6.関係者に共有し、合意を得る
-
作成したプロジェクト計画書は、関係者に共有して内容を確認してもらいます。目的やスコープ、スケジュール、役割分担などに認識のずれがないかを確認し、必要に応じて修正しましょう。関係者の合意を得ておくことで、プロジェクト開始後のトラブルを防ぎやすくなります。
プロジェクト計画書の作成ポイント
プロジェクト計画書を作成する際のポイントは、計画書のフォーマットをあらかじめ決めておくことです。プロジェクト計画は一度定めても、のちに修正が必要になることがあります。その際に、フォーマットがなければ大きな手間がかかるでしょう。
また、同じ人物が修正できればよいですが、そうでない場合は書き方が分からず困るかもしれません。修正された計画書を閲覧するメンバーも見方が分からず、情報共有に支障をきたすおそれがあります。
そのような事態を防ぐために、フォーマットを用意し、メンバー間で書き方や見方を共有しておくことが大切です。また、プロジェクト計画の作成や運用を効率化するには、プロジェクト管理ツールの活用も有効です。
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項目・ポイントを踏まえた計画書の作成を!
プロジェクト計画書は、プロジェクトのゴール達成までの計画を記載する書類です。関係者間で認識をすり合わせるためにも重要です。計画書には以下の項目を記載します。
- ■目的・ゴール
- ■スコープ
- ■コスト
- ■スケジュール
- ■体制
- ■品質
- ■コミュニケーション
- ■リスク
計画書を作成する前に、フォーマットを用意しておくのがポイントです。ぜひ参考にして、適切な計画書の作成・運用を目指してください。
また、プロジェクトを進行するために欠かせないプロジェクト管理ツールについても知っておくといいでしょう。




