代表的なプロジェクト管理手法を比較!
代表的なプロジェクト管理手法を6種類、比較紹介します。
PMBOK
PMBOKは「Project Management Body Of Knowledge」の略で、プロジェクトマネジメントの手法に関する知識を体系的にまとめたものです。アメリカに本部を置くPMI(Project Management Institute)という非営利団体が作成したもので、4年ごとに改定されています。
PMBOKの特徴は、以下の10項目(エリア)に分割してプロジェクトを管理することです。
- ■総合管理
- ■スコープ管理
- ■スケジュール管理
- ■コスト管理
- ■品質管理
- ■組織管理
- ■コミュニケーション管理
- ■リスク管理
- ■調達管理
- ■ステークホルダー管理
また、上記10つのエリアを以下の5ステップに分けて進行します。
プロジェクトをこのように分割して管理する手法は、世界中で業界を問わず利用されています。
CCPM
CCPMは「Critical Chain Project Management」の略です。プロジェクトの納期を極力短く設定し、プロジェクト全体で余裕を持たせる手法です。
たとえば、A・B・Cという通常1週間ずつ要する3ステップでプロジェクトを進める場合、CCPMではそれぞれ6日など短めに設定します。結果として、合計で約3日の余裕が得られるでしょう。
の手法には以下のメリットがあります。
- ■実行者が納期ぎりぎりまで着手しない事態を防止できる
- ■遅延が発生した際に対処しやすい
時間に余裕があると、着手が遅れるという心理的問題を排除できます。また、プロジェクト全体に時間的余裕が生じるため、問題発生時に対処しやすいのもメリットです。
WBS
WBSは「Work Breakdown Structure」の略です。プロジェクトを構成する要素を分解し、構造化する方法です。分解してできた作業の最小単位をワークパッケージと呼び、これを組み合わせることでスケジュールを構築します。
WBSのメリットは以下のとおりです。
- ■プロジェクト実施前に問題がありそうな作業を特定できる
- ■工数を見積もりやすい
- ■作業範囲の認識を共有しやすい
一度作業を分解することで、問題点の発見や工数の見積もり、実行者間での作業認識が簡単になります。
PERT
PERTは「Program Evaluation and Review Techniqu」の略で、作業の処理順序を図示して把握する手法です。
タスクとその関係を矢印で結んだ図(PERTアクティビティネットワーク)により、作業同士の関係性を理解しやすくします。作業同士が複雑に関係し合っているプロジェクトに向いているでしょう。
PPM
PPMは「Project Portfolio Management」の略で、複数のプロジェクトを管理する手法です。組織全体のプロジェクトを一元的に管理できます。全体を俯瞰的に把握し、投資や人的リソースの追加などの迅速な判断が可能となります。
P2M
P2Mは「Project & Program Management」の略で、プロジェクト管理にプログラム管理の考え方を取り入れたものです。2001年に、プロジェクト管理とプログラム管理の概念を統合した管理手法を目指して、経済産業省の指導のもと開発されました。
この手法におけるプログラムは、複数のプロジェクトの統合的な活動を意味します。全体を俯瞰的に把握しながら、個々のプロジェクトを制御するのがP2Mの目的です。
システム開発のプロジェクト管理手法
システム開発やソフトウェア開発において使用されるプロジェクト管理手法を2つ紹介します。
古くから使用されてきた「ウォーターフォール」
ウォーターフォールは、時系列に沿って工程を一つずつ進めていく手法です。水が流れ落ちる様子が由来となっています。ウォーターフォールには以下のメリット・デメリットがあります。
- 【メリット】
-
- ■長期間のプロジェクトに適している
- ■シンプルで分かりやすい
- 【デメリット】
-
- ■途中での変更や後戻りに対応しづらい(余分なコストがかかる)
近年は、ウォーターフォールは時代に合わないといわれています。IT技術の発展や顧客のニーズの変遷など、環境の変動性が高く、プロジェクト途中で何らかの変更が生じる可能性が高いためです。
近年のトレンドは「アジャイル」
アジャイルは「すばやい」という意味です。近年はウォーターフォールにとって代わり、アジャイルがトレンドとなっています。
アジャイルでは、プロジェクトをイテレーションと呼ばれる1~4週間単位の短い期間に分割して管理します。イテレーションごとに目標や計画を設定し、それを繰り返すことでプロジェクト全体を進める形式です。
小分けにすることで、途中の変更にも対応しやすいのが特長です。ただし、その結果として全体を把握しづらくなるという欠点もあります。長期間のプロジェクトには不向きといえるでしょう。
\ プロジェクト管理ツール の製品を調べて比較 /
製品をまとめて資料請求!
資料請求フォームはこちら
プロジェクト管理手法を活用する際のポイントは?
プロジェクト管理手法を使用する際は、どのような点に気を付ければよいのでしょうか。
プロジェクト管理ツールを導入する
プロジェクト管理ツールを導入しましょう。プロジェクト管理ツールとは、以下のような機能を備えたシステムです。
- ■ガントチャート
- ■マインドマップ
- ■カレンダー
- ■タイムライン
- ■WBSチャート
- ■進捗管理表
- ■QFD
ツールのこれらの機能により、プロジェクト実行者間で進捗状況を共有できます。状況把握の不足が招く失敗や遅延を防げるでしょう。
専用ツール以外(Excelなど)でもガントチャートなど一部の機能は実現します。ただし、その場合はファイルの共有やプロジェクトの途中変更に対応しづらいというデメリットがあります。
できるたけ適切に管理するためには、専用のプロジェクト管理ツールを導入したほうがよいでしょう。
チームの信頼関係を築く
プロジェクトを適切に実行するためには、チームの信頼関係が欠かせません。チームのメンバーは以下のような点に注意しましょう。
- ■一人ひとりがチームを引っ張る意識を持つ
- ■チームとプロジェクトを成長させる
- ■チーム内の雰囲気をよくする
- ■性格により適材適所なアサインをする
チームを引っ張るのは、マネージャーだけの役割ではありません。チームメンバー全員が、自らの手でプロジェクトを進める意識を持ちましょう。
また、チームとしての熟練度を高めることも重要です。適切なコミュニケーションをとる必要があり、そのためにはチーム内の雰囲気が良くなければなりません。
そして、タスクを割り当てる際には適材適所を意識しましょう。個人の能力だけでなく、性格も関係するため、見落とさないようにしましょう。
プロジェクト管理手法を理解して、効果的なマネジメントを!
代表的なプロジェクト管理手法には以下の6つがあります。
- ■PMBOK
- ■CCPM
- ■WBS
- ■PERT
- ■PPM
- ■P2M
システム開発のプロジェクト管理手法は以下の2つです。
また、プロジェクト管理のポイントは以下の2つです。
業種や特性によって、適切な管理手法は異なります。ぜひ、自社に適したプロジェクト管理手法を利用してください。