受発注システムの市場規模
まずは受発注システムの市場規模を見てみましょう。
BtoB分野のEC市場規模は約373兆円
BtoB分野のEC市場規模は非常に大きく、2021年時点の市場規模は372.7兆円にもなります。今後も拡大が予想される成長市場であり、前年と比較すると11.3%成長しています。
特にBtoB分野ではEC化率が高まっており、電子商取引の進展が大きな要因です。EC化率とは、その分野でどれだけEコマースが使われているかという指標のことです。
BtoC分野のEC市場規模は約21兆円
BtoC分野のEC市場規模は2021年時点で20.7兆円です。BtoB市場と比較するとBtoC市場の規模は小さいですが、市場の成長率はBtoB分野と同様の傾向を示しており、前年比で7.35%上昇しています。
つまり、BtoB分野・BtoC分野に関係なくEC市場は成長しているといえるでしょう。EC市場の拡大に比例して成長していると考えられるのが受発注システムの普及率です。ECを行うには、受発注を電子システム上で行う仕組みの構築が必須なため、受発注システムを導入する企業が増えていると推測できます。
出典:令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査) |経済産業省 商務情報政策局 情報経済課
受発注システムがどのようにEC化に対応しているか知りたい方は、受発注システムの機能について解説している以下の記事を一読ください。

受発注システムを含むEC市場規模が拡大している背景
つづいて、EC市場の規模が拡大している背景についても解説します。
Web上での取引需要の増加
市場規模が拡大している要因で第一に考えられるのが、Web上で取引を完結させたい企業が増えていることです。従来では電話やFAXを使った企業間のやり取りが大半でした。しかし、取引先の増加や、人件費削減の観点から、注文内容をデータ化する工程が省けるWeb受発注を取り入れる企業が増加。BtoBのEC市場拡大にもつながっています。
受発注業務の効率化を求める企業が増加
受発注業務は企業にとって重要ですが、業務に工数がかかるため効率化を求める企業が増えています。特に商品を受注する側は発注側よりも業務量が多くなるため、効率化して工数を削減することが重要視されるでしょう。
通常の受注の流れでは、担当者間でコミュニケーションをとる必要があり、いくつもの工数がかかります。しかし、Webを使った受注を行えば、Web上で見積りを行いデータも連携できるため、業務の大幅な効率化が可能です。
BtoBとBtoCのEC化の違い
最後に、BtoBとBtoCのEC化の違いについて確認しましょう。
BtoBのEC化:既存の取引先とのやり取りを効率化する
BtoB分野でEC化すると既存の取引先とのやり取りを効率化できます。BtoBの場合は取引先によって販売価格や商品のラインナップ、決済方法が異なることもあるでしょう。また、購入までのプロセスが長く、取引の回数が多くなれば業務に無駄が発生しやすいでしょう。
EC化によって取引先に応じた製品情報を整理し、販売価格や決算方法の仕様変更などを簡単に行えます。
BtoCのEC化:消費者の興味関心度を高める
BtoCの場合は消費者の興味・関心を惹くように活用します。法人と消費者では、商品を購入する際に重視するポイントが異なります。
消費者は経済的利益や投資対効果よりも、個人の興味や感情で購入するかどうかを決めるケースが目立ちます。そのため、消費者向けのECサイトであれば、ランディングページなどで購買意欲を掻き立てると、売上につながるでしょう。
ここまで、EC化によって受発注の仕組みが改善できることを紹介してきましたが、具体的な改善の方法は以下で解説しています。
EC市場の拡大に対応するシステムの導入を検討しよう
EC市場は年々拡大しており、今後も一定のペースで拡大していくと予想されます。そのなかで中心的な役割を果たす受発注システムは多くのBtoB企業から必要とされています。
EC化の流れに乗り遅れないためにも、この機会に受発注システムの導入を検討してはいかがでしょうか。以下の記事ではおすすめ製品に加え、選び方も解説しているので、比較検討の際に役立ててください。
