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受発注システムの内製で問われるのは取引先対応|判断軸と進め方

受発注システムの内製で問われるのは取引先対応|判断軸と進め方

受発注システムの内製は、取引先ごとの独自ルールが多い場合や、既存の基幹システムと密接に連動させたい場合に検討する価値があります。ただし、受発注は自社だけで完結せず取引先も使う仕組みのため、取引先側の環境への対応や障害時の連絡まで自社で担う必要があります。この記事では、受発注システムを内製すべきかの判断基準、運用負担、進め方、パッケージと内製を組み合わせる方法を解説します。

この記事は2026年10月時点の情報に基づいて編集しています。
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目次

    ITトレンドがおすすめする製品・サービス

    ■カスタマイズ・拡張性別
    ■提供形態別

    受発注システムを内製する主な方法

    受発注システムの内製には、プログラムを書いて一から作る方法と、ノーコードやローコードのツールを使って作る方法があります。どちらを選ぶかで、必要な人材や開発期間、作れる範囲が変わります。

    スクラッチ開発で一から作る

    スクラッチ開発とは、既存の製品を使わずにプログラムを書いてシステムを作る方法です。取引先ごとの価格設定や締め日、独自の注文単位など、自社の商習慣をそのまま反映できる点が利点です。

    一方で、要件定義から設計、開発、テストまでに長い期間とエンジニアの工数がかかります。取引先が使う発注画面も作る必要があるため、使いやすさやセキュリティの検証まで含めて計画を立てましょう。社内で開発できない場合は、開発会社への委託も選択肢です。

    ノーコード・ローコードで作る

    ノーコード・ローコードツールとは、プログラムをほとんど書かずに画面操作で業務アプリを作れるサービスです。社内の受注台帳や発注依頼の承認フローであれば、短期間で作れる場合があります。

    ただし、取引先が外部からログインして発注する機能や、大量の注文データの処理には、ツールの機能やライセンス体系で制約が出る場合があります。社外ユーザーの利用条件や1か月あたりのデータ件数の上限を、事前に確認しておくことが重要です。

    関連記事 【図解】受発注システムとは?機能やできることを徹底解説

    受発注システムを内製すべきか判断する基準

    内製と製品導入のどちらが向くかは、業務の独自性、既存システムとの関係、社内の体制で判断します。3つの基準に自社を当てはめ、内製の利点が負担を上回るかどうかを見極めましょう。

    取引先ごとの独自ルールの多さ

    取引先ごとに価格や注文単位、納品条件が細かく異なり、製品の標準機能では表現しきれない場合は、内製を検討する理由となります。例えば、受注生産品と在庫品が同じ注文に混在するといった、特殊な取引形態がある場合です。

    一方、独自ルールの多くが慣習として続いているだけであれば、業務の見直しで製品の標準機能にあわせられる可能性もあります。内製を決める前に、そのルールが取引上本当に必要かを現場と確認しましょう。

    関連記事 受発注業務における課題とは?システムの効果について徹底解説!

    既存の基幹システムとの結びつき

    受注データを生産管理システムや在庫管理システムへリアルタイムに渡す必要があり、既存システムが独自開発の場合は、内製のほうが連携を設計しやすいことがあります。

    ただし、受発注システムの製品にもAPI連携やCSV連携の機能を備えたものがあります。連携が必要な項目と頻度を整理したうえで、製品で対応できるかを提供会社に確認すると、内製が本当に必要かを判断できます。連携部分だけを内製する方法もあります。

    開発と保守を担える人材の有無

    内製には、開発だけでなく稼働後の保守や改修を続けられる人材が必要です。受発注システムは取引先の業務にも影響するため、障害が起きたときに迅速に対応できる体制が求められます。

    担当者が1人しかいない状態では、異動や退職をきっかけに保守が止まるおそれがあります。複数人で仕組みを把握できるか、設計書や運用手順を残せるかを確認しましょう。体制を確保できない場合は、製品導入や外部委託を優先して検討するのが現実的です。

    内製した受発注システムで負担となる運用

    受発注システムは取引先とやり取りする仕組みのため、社内システムよりも運用で考慮する点が増えます。内製を選ぶ前に、稼働後に継続して発生する対応を見積もっておきましょう。

    取引先の利用環境への対応

    取引先が発注画面を使う場合、取引先のパソコンやブラウザ、スマートフォンの環境で正しく動くかを確認する必要があります。ブラウザの更新によって表示や動作に不具合が出る場合もあります。

    また、取引先からの操作方法の問い合わせや、パスワードを忘れたときの対応も自社で担います。取引先の数が多いほど、問い合わせ対応の負担は大きくなります。マニュアルの整備や問い合わせ窓口の担当者を決めておくことが重要です。

    法制度や取引条件の変更への対応

    受発注に関わる帳票やデータは、法制度の変更に対応する必要があります。例えば、電子取引でやり取りした注文書などは、電子帳簿保存法の保存要件に従って電子データのまま保存することが求められます。

    請求書の発行まで扱う場合は、インボイス制度で定められた適格請求書の記載事項にも対応する必要があります。製品であれば提供会社が改修に対応する場合がありますが、内製では自社で情報を集めて改修しなければなりません。改修の判断に迷う場合は税理士などの専門家に確認しましょう。

    セキュリティと障害時の対応

    受発注システムには、取引先の情報や取引価格といった機密性の高い情報が集まります。不正アクセスや情報漏えいを防ぐため、アクセス権限の設定、通信の暗号化、ログの記録などを自社で設計・運用する必要があります。

    システムが止まった場合は、注文の受付や出荷が滞り、取引先にも影響が及びます。障害の検知や取引先への連絡方法、復旧までの代替手段として電話やFAXでの受付を残すかなど、異常時の手順も事前に決めておきましょう。

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    受発注システムを内製で進めるステップ

    内製を決めた場合は、取引先への影響を抑えながら進めることが重要です。現状の把握から段階的な切り替えまで、受発注システムを内製するときの基本的な流れを3つのステップで紹介します。

    現状の受発注フローを洗い出す

    最初に、注文の受付から在庫確認、出荷、請求までの流れと、取引先ごとの例外的な対応を洗い出します。FAXや電話、メールなど、注文が届く経路ごとに件数を把握しておくと、優先して電子化すべき範囲が見えてきます。

    この段階で、なくせる手作業や不要な確認工程も見つけておきましょう。現状の業務をそのままシステム化すると、開発範囲が広がり、費用や期間が膨らむ原因となります。

    関連記事 発注業務の効率化!自動化で業務改善、メリットも解説

    取引先の意見を聞いて要件を固める

    受発注システムは取引先も使うため、社内だけで要件を決めると、取引先に使われない仕組みになるおそれがあります。主要な取引先に、現在の発注方法や新しい仕組みへの要望をヒアリングしましょう。

    取引先によっては、自社の基幹システムから発注データを出力して送りたいという要望もあります。画面からの入力とファイルでの連携のどちらに対応するかを決め、優先順位をつけて要件にまとめます。

    一部の取引先から段階的に切り替える

    完成したシステムは、協力的な一部の取引先から利用を始めます。旧来の方法と並行して運用し、注文データが正しく取り込まれるか、在庫や出荷の処理と矛盾が出ないかを確認します。

    問題がないことを確かめてから、対象の取引先を広げていきます。切り替え時期や操作方法は、取引先に余裕をもって案内することが大切です。並行運用の期間中は二重入力の負担が生じるため、期間の目安もあらかじめ決めておきましょう。

    パッケージと内製を組み合わせる受発注システム

    受発注システムは、すべてを内製するか製品を導入するかの二択ではありません。製品の標準機能を土台にして、足りない部分だけを自社で作る方法なら、開発の負担を抑えつつ自社の業務にあわせられます。

    標準機能で足りない部分をカスタマイズで補う

    受発注システムの製品のなかには、画面の項目追加や帳票の変更、承認フローの設定などに対応するものがあります。製品の標準機能で業務の大部分をまかない、どうしても必要な部分だけをカスタマイズすれば、開発範囲を絞れます。

    ただし、カスタマイズが多すぎると、製品のバージョンアップ時に影響が出る場合があります。カスタマイズの範囲と費用、バージョンアップ時の対応方針を、提供会社に確認しておきましょう。

    関連記事 受発注システムの選び方を徹底解説!導入時の注意点も紹介!

    API連携で既存の基幹システムとつなぐ

    受発注の画面や取引先管理は製品に任せ、受注データを社内の在庫管理や生産管理システムへ渡す連携部分だけを内製する方法もあります。API(システム同士でデータをやり取りする仕組み)を使えば、手作業の転記を減らせます。

    この方法では、取引先が使う画面の保守を製品側に任せられるため、内製の負担を抑えやすくなります。連携が止まった場合に通知を受けられるか、未処理のデータを確認・再送できるかも、あわせて確認しましょう。

    関連記事 受発注システムの導入メリットとは?手段別のメリット・デメリットも

    内製と組み合わせやすい受発注システム一覧

    この記事で紹介する受発注システムを、カスタマイズの柔軟性や既存システムとの連携機能を中心に一覧にしました。自社で開発する範囲と外部ツールに任せる範囲を整理し、導入候補を絞り込む際に活用してください。

    製品名特徴
    MagicOrder取引先ごとの帳票・CSVや入力項目にあわせて構築するセミオーダー型のWeb-EDI。ERP・基幹システムや既存EDIと連携できる
    EC-Rider B2B Ⅱ必要な機能だけを実装し、業務フローや商慣習にあわせてカスタマイズできるBtoB受発注サイト構築ツール。CSVやAPIで外部連携が可能
    EC-Connect+ BtoBヘッドレスコマースを採用したBtoB-ECプラットフォーム。接続先の仕様にあわせてAPIをカスタマイズし、基幹システムと連携できる
    W2 Commerce BtoB電話・FAX受注のオンライン化から与信管理・掛率設定まで対応。基幹システムとのAPI連携や拡張プラグインを備える
    CBP受発注から入金確認までを一元管理するSaaS。ERP連携のデータ変換を担い、帳票・画面の追加など個別開発にも対応
    キントーンノーコードで受発注管理アプリを作れる業務改善プラットフォーム。項目を自由に設定でき、API連携にも対応
    BtoB モバイルウェブ受発注システム MOS標準機能を絞り、オプションやカスタマイズで自社仕様にできるWeb受発注パッケージ。基幹・販売管理システムと連携できる
    GMOクラウドEC受発注Liteヘッドレスコマースによる拡張性を備えたクラウド型プラットフォーム。基幹・外部システムとリアルタイムにデータ連携できる
    2nd STEP 受発注サービス電話やFAXなどの受発注をWebに統合するクラウド型システム。既存システムと連携し、前後の工程までつなげられる

    カスタマイズや基幹連携に対応する受発注システム

    取引先ごとの独自ルールに対応できる製品や、既存の基幹システムと連携できる受発注システムを紹介します。標準機能を活かしながら、必要な部分をカスタマイズや外部連携で補いたい企業は参考にしてください。

    MagicOrder

    デジタルトランスコミュニケーションズ株式会社
    《MagicOrder》のPOINT
    1. 必要な機能を必要なだけ組み合わせて構築
    2. 取引先ごとに異なる帳票・CSVや入力項目に個別対応
    3. ERP・基幹システムや既存EDIとも連携可能

    デジタルトランスコミュニケーションズ株式会社が提供する「MagicOrder」は、発注・受注や出荷、検収、請求などの企業間取引をWeb上で扱えるセミオーダー型のWeb-EDIサービスです。取引先ごとに異なる帳票やCSVレイアウト、入力項目にあわせて必要な部分をカスタマイズして構築します。ERP・基幹システムとのデータ連携や、既存EDIとの共存にも対応しています。クラウドとオンプレミスのどちらの環境でも運用でき、取引先対応を重視する企業の候補となるでしょう。

    EC-Rider B2B Ⅱ

    株式会社フライトソリューションズ
    《EC-Rider B2B Ⅱ》のPOINT
    1. 豊富な機能を搭載!セミオーダー式でのサイト構築が可能
    2. eマーケットプレイスで、販路の拡大や新規顧客の開拓を実現
    3. 安心・安全な利用環境を強固なセキュリティで実現

    株式会社フライトソリューションズが提供する「EC-Rider B2B Ⅱ」は、企業間取引向けの受発注サイトを構築できる多機能ECサイト構築ツールです。豊富な標準機能から必要なものだけを実装し、既存の業務フローや業界の商慣習にあわせてカスタマイズできます。バイヤーの組織階層や取引先ごとの卸価格の管理に対応し、基幹システムや倉庫管理システムとはCSVやAPIで連携可能です。FAX注文の手入力を減らしたい卸売業などに向く製品です。

    EC-Connect+ BtoB

    トーテックアメニティ株式会社
    《EC-Connect+ BtoB》のPOINT
    1. アナログな電話・FAX受発注業務をシステム化
    2. 既存業務を変えることなく、基幹システムや在庫管理と連携か可能
    3. 脆弱性診断ツール VEXの義務化で、万全のセキュリティ対策

    トーテックアメニティ株式会社が提供する「EC-Connect+ BtoB」は、電話・FAXの受発注業務をWebシステム化するBtoB-ECプラットフォームです。フロントエンドと管理側を分けたヘッドレスコマースを採用しており、APIやファイルでの接続を前提に外部システムと連携できます。接続先の仕様書にあわせてAPIをカスタマイズするため、既存システムを修正せずに接続できる点が特徴です。オンプレミスやクラウドなど、構築環境も選べます。

    W2 Commerce BtoB

    W2株式会社
    《W2 Commerce BtoB》のPOINT
    1. 電話・FAXによる受発注のオンライン化
    2. 取引先管理 / 商品管理の一元化による運用効率化を実現
    3. お問い合わせ対応の業務負担を軽減

    W2株式会社が提供する「W2 Commerce BtoB」は、BtoB特有の商習慣に対応した法人取引向けのコマースプラットフォームです。電話・FAXによる受発注のオンライン化に加え、取引先ごとの商品・価格の出し分けや掛け払い決済、取引先のランク分けなどに対応しています。基幹システムや他システムとのAPI連携を備え、拡張プラグインや個社開発による機能追加も可能です。導入前後は専門チームが伴走して支援します。

    CBP

    株式会社テクノスジャパン
    《CBP》のPOINT
    1. 取引先と同じ取引データを共有し、認識齟齬・突合・手戻りを削減
    2. 柔軟な個別仕様対応が可能、ERP側のクリーンコアに貢献
    3. 電帳法・インボイス制度対応、ISMS認証取得で安心

    株式会社テクノスジャパンが提供する「CBP」は、受発注から入金確認までの企業間取引プロセスを一気通貫で管理するSaaS型のプラットフォームです。ERPとの間で接続方式やデータ形式の違いを吸収し、ERP側の追加開発を抑えながら連携できます。標準機能はそのままに、帳票・画面の追加や取引先別の承認フローなどを個別に開発できる点も特徴です。既存のEDIと共存させながら段階的に移行したい企業に適しています。

    キントーン

    サイボウズ株式会社
    《キントーン》のPOINT
    1. 受発注管理業務にフィットするアプリをシュシュッとつくれる
    2. Webフォーム連携でワンストップで発注できる
    3. 請求書発行もワンクリックで効率化

    サイボウズ株式会社が提供する「キントーン」は、プログラミングの知識がなくても業務アプリを作れる業務改善プラットフォームです。受発注管理に必要な項目を自由に設定でき、サンプルアプリや手持ちのエクセルからアプリを作成することもできます。運用しながら項目の過不足を自社で改修できるため、ノーコードでの内製を検討している企業に向いています。API連携にも対応しており、ほかのシステムとのデータ連携も視野に入れられます。

    MOS

    株式会社アクロスソリューションズ
    《MOS》のPOINT
    1. FAX・電話での受発注業務をMOSでシステム化し業務効率化
    2. 環境を選ばずスマホ・タブレット・PCなど全てに対応
    3. カスタマイズ対応で自社に合った運用が可能

    株式会社アクロスソリューションズが提供する「BtoB モバイルウェブ受発注システム MOS」は、FAXや電話の受発注業務をシステム化するBtoB Web受発注システムパッケージです。標準パッケージを必要最小限の機能に絞り、業種や業態に応じたオプション機能やカスタマイズで自社仕様にできます。各種基幹システム・販売管理システムとの連携に対応するよう設計されており、受注内容を手入力する負担を軽減できます。スマホやタブレットからの発注にも対応しています。

    GMOクラウドEC受発注Lite (GMOメイクショップ株式会社)

    《GMOクラウドEC受発注Lite》のPOINT
    1. ヘッドレスコマースで高い拡張性と柔軟性
    2. 基幹・外部システムとリアルタイムデータ連携
    3. EC本体機能は常に最新へ自動アップデート

    2nd STEP 受発注サービス (株式会社ジェーエムエーシステムズ)

    《2nd STEP 受発注サービス》のPOINT
    1. 受発注の効率化をモバイルでも実現可能!
    2. 既存システムとシームレスに連携!前後の工程もスムーズに!
    3. 販売先ごとに売上を可視化!効果のある販売戦略策定を支援!

    まとめ

    受発注システムの内製は、取引先ごとの独自ルールや基幹システムとの密接な連携が必要な企業にとって有効な選択肢です。一方で、取引先の利用環境や法制度の変更、障害への対応まで自社で担う負担があります。業務の独自性や体制をもとに判断し、製品の標準機能に内製の連携部分を組み合わせる方法も検討しましょう。自社にあう受発注システムを見極めるために、まずは資料請求して比較してみてください。

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