ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■配信のきっかけ別
- 地震情報などと連動して自動配信したい:ウェザーニュース for business、Coo Kai 安否確認、オクレンジャー、ANPIC、Cuenote安否確認サービス、エマージェンシーコール
- 管理者の判断で一斉配信したい:トヨクモ 安否確認サービス2、Cuenote安否確認サービス、ANPIC、オクレンジャー、セコム安否確認サービス スマート
- ■活用場面別
- 地震・風水害での安否確認:ウェザーニュース for business、Coo Kai 安否確認、オクレンジャー、Cuenote安否確認サービス
- 災害以外の緊急連絡にも使いたい:セコム安否確認サービス、セコム安否確認サービス スマート、オクレンジャー、ANPIC
- 平時に訓練を実施したい:エマージェンシーコール、トヨクモ 安否確認サービス2、Cuenote安否確認サービス、ウェザーニュース for business、セコム安否確認サービス スマート
安否確認システムが登場する前の連絡手段
安否確認システムが普及する前、企業は主に電話で従業員の無事を確かめていました。こうした方法の限界が大きな災害で明らかになったことが、システム化が進む出発点です。
電話連絡網による安否確認
かつての安否確認は、上司から部下へ順番に電話をかける連絡網が中心でした。紙の名簿をもとに1人ずつ連絡するため、少人数の組織であれば運用できる方法です。
しかし、災害時は電話がつながりにくくなり、途中の1人に連絡がつかないと、その先の人へ情報が届かなくなります。無事な人と連絡が取れていない人の集計も手作業で、全体の状況を把握するまでに時間がかかる点が課題でした。紙の名簿は更新の手間がかかり、異動や退職がすぐに反映されないおそれもありました。
阪神・淡路大震災と災害用伝言ダイヤル
1995年1月の阪神・淡路大震災では、被災地への電話が集中し、安否を確かめる連絡が取りにくい状況が生じました。これを契機に開発されたのが、NTTの「災害用伝言ダイヤル(171)」で、1998年3月から運用されています。
災害用伝言ダイヤルは、被災地の電話番号をもとに音声で伝言を残し、家族などが聞く仕組みです。個人の安否連絡を支える手段として定着した一方で、企業が従業員全体の状況をまとめて把握する用途には向きません。この点が、企業向けの安否確認システムが求められる背景の一つとなりました。
BCPの広がりと安否確認システムの普及
2000年代に入ると、災害時にも重要な業務を続けるための事業継続計画(BCP)を、国が企業に促し始めます。BCPの初動では従業員の安全確認が欠かせないため、安否確認の仕組みづくりも重視されるようになりました。
内閣府「事業継続ガイドライン」の公表
内閣府は2005年8月に「事業継続ガイドライン」の第一版を公表しました。企業が災害時に事業を続けるための考え方や取り組みを示したもので、その後も改定が重ねられ、2023年3月にも改定版が公表されています。
BCPでは、災害が起きた直後に従業員の安全を確かめ、業務を再開するための人員を把握することが出発点です。こうした考え方が広まるにつれ、電話連絡網に代わって、メールで一斉に安否を問い合わせ、回答を自動で集計する安否確認システムの導入が検討されるようになりました。
中小企業向けの指針と認定制度
中小企業に向けては、中小企業庁が2006年2月に「中小企業BCP策定運用指針」を公表しました。限られた人員や予算でも取り組めるよう、BCPの作り方を段階的に示した資料で、計画を書き込む様式も用意されています。
さらに、2019年7月に施行された中小企業強靱化法により、中小企業が防災・減災の事前対策をまとめた計画を国が認定する「事業継続力強化計画」の制度が始まりました。企業規模を問わずBCPへの関心が高まったことで、従業員との連絡手段を見直す企業にとって、安否確認システムは検討対象の一つとなっています。
東日本大震災で変わった安否確認の考え方
2011年3月の東日本大震災は、広い範囲で通信や交通が影響を受けた災害でした。安否確認についても、1つの連絡手段に頼ることの課題や、従業員を職場にとどめる対策との関係が意識されるようになりました。
広域災害で見えた連絡の課題
広い地域が同時に被災すると、電話がつながりにくくなるだけでなく、停電や通信設備の被害によってメールなどの連絡手段も使いにくくなる場合があります。本社と支店が同時に被災すれば、安否確認を担当する人自身が被災者となることもあります。
こうした経験から、複数の連絡手段を用意すること、被災地から離れた場所でも管理できること、担当者が対応できない場合の代わりを決めておくことが重視されるようになりました。インターネット上で運用されるクラウド型の安否確認システムが検討される理由の一つです。
帰宅困難者対策条例と従業者との連絡手段
東日本大震災では、首都圏で多くの人が帰宅できない状況になりました。これを受けて東京都は「東京都帰宅困難者対策条例」を2013年4月に施行しました。
この条例では、事業者に対し、従業者の一斉帰宅を抑えることや、大規模災害時に従業者との連絡手段を確保することなどを努力義務として定めています。職場にとどまる従業員の安否と所在を確認し、家族との連絡も支える仕組みとして、安否確認システムの役割が意識されるようになりました。
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調査データで見る安否確認システムの位置づけ
安否確認システムが企業の防災対策のなかでどう位置づけられているかは、公的な調査からも読み取れます。ここでは内閣府の調査をもとに、確認できる範囲で紹介します。
被災企業が有効と答えた取り組み
内閣府が2024年3月に公表した「令和5年度 企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」では、自然災害で被害を受けた企業に、有効だった取り組みを尋ねています。全体では「社員とその家族の安全確保」が42.8%で最も高く、「安否確認や相互連絡のための電子システム(含む災害用アプリ等)導入」が37.9%で続きました。
この項目は前回の調査で4位でしたが、今回は2位に上がっています。大企業に限ると57.5%で、回答のなかで最も高い割合でした。安否確認の仕組みが、被災時に役立った対策として評価されていることがうかがえます。
BCP策定状況との関係
この調査は2007年から隔年で実施されており、BCPの取り組みの変化を追うことができます。令和5年度の調査でBCPを「策定済み」と答えた企業は、大企業で76.4%、中堅企業で45.5%でした。2026年3月に公表された令和7年度の調査では、大企業が75.8%、中堅企業が54.8%で、中堅企業は前回より9.3ポイント増えています。
BCPの策定と安否確認システムの導入は別の取り組みですが、BCPで初動対応を定める際には、従業員の安否をどう確かめるかも検討の対象です。BCPを作ったり見直したりする機会に、連絡手段をあわせて点検するとよいでしょう。
市場規模のデータを読む際の注意点
安否確認システムの市場規模やシェアは、民間の調査会社が独自に推計して公表している場合があります。ただし、安否確認専用のサービスだけを数えるのか、緊急連絡や一斉通報のサービスまで含めるのかなど、調査ごとに対象の範囲が異なります。
そのため、異なる調査の数値を並べて単純に比べることはできません。市場データを参考にする場合は、調査会社名や公表年、対象とするサービスの定義を確認したうえで判断しましょう。製品を選ぶ際は、市場での規模よりも、自社の拠点や連絡手段にあうかどうかを重視することが大切です。
スマートフォン時代の安否確認システム
スマートフォンやクラウドサービスの普及によって、安否確認システムの使い方も変わってきました。連絡手段の選択肢が増え、災害以外の場面でも活用されるようになっています。
自動配信と連絡手段の多様化
安否確認システムでは、以前から携帯電話のメールで一斉に安否を問い合わせる方式が使われてきました。現在は、スマートフォンのアプリへの通知や、ビジネスチャットとの連携、電話の自動音声など、複数の手段を選べる製品もあります。
また、気象庁が発表する地震の震度などを条件に、管理者が操作しなくても自動で安否確認を配信する仕組みもあります。夜間や休日に災害が起きても配信が遅れにくい一方で、配信条件の設定や対象地域の登録が適切でないと、必要な人に届かない場合があるため注意が必要です。
災害以外の緊急連絡と訓練への活用
安否確認システムは、感染症の流行時の体調確認や、システム障害時の緊急連絡、出社の可否を伝える連絡など、災害以外の場面で使われることもあります。日常的に使う場面があると、従業員が操作に慣れ、いざというときにも回答しやすくなります。
あわせて、定期的な訓練で回答の状況を確認し、未登録者や連絡先の変更漏れを見つけることも大切です。訓練の結果を記録して見直すことで、担当者が替わっても運用を引き継ぎやすくなります。
現在の安否確認システムの特徴を比較
自動配信の仕組みや連絡手段、訓練への対応など、現在の安否確認システムを選ぶときに確認したい特徴を一覧にまとめました。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| エマージェンシーコール | 最大10連絡先へ100回まで自動再送信。大規模組織向け |
| セコム安否確認サービス | 有人オペレーションによる代行送信と緊急連絡網機能 |
| トヨクモ 安否確認サービス2 | メール・アプリ・LINEで通知し自動再送信。人事システム連携 |
| Cuenote安否確認サービス | 地震・気象データ連動の自動通知と通知訓練に対応 |
| ANPIC | 震度・地域を組織ごとに設定。LINEまたはアプリで通知 |
| オクレンジャー | 地震・津波の自動配信に対応。気象自動配信はオプション |
| Coo Kai 安否確認 | Teams上で回答でき、気象庁アラート連動で自動配信 |
| ウェザーニュース for business | 位置情報と気象データで被災地の社員に自動で発報 |
| セコム安否確認サービス スマート | 300人以下向け。有人確認後に通知し、予約機能で訓練も可能 |
自動配信や訓練に対応する安否確認システム
震災を経て進化してきた機能のうち、自動配信、複数の連絡手段、平時の訓練に対応する製品を紹介します。自社の運用に近い製品を資料で確認してください。
エマージェンシーコール
- 【その時、何千人を守れるか】99%超回答の企業も。選ばれる理由
- 【ツール提供で、終わらない】BCP策定〜復旧まで全フェーズ伴走
- 【業界が違えば、危機対応も違う】業界特有の制約・実務を熟知
インフォコム株式会社が提供する「エマージェンシーコール」は、1995年の提供開始以来、東日本大震災や熊本地震など複数の大規模災害で稼働してきた安否確認システムです。メールやアプリ、電話、LINE、FAXなど複数の連絡手段に対応し、1人あたり最大10件の連絡先へ、回答があるまで最大100回まで自動で再送信します。地震情報や津波情報の自動連絡はオプションで、人事システムとの連携や訓練の支援にも対応します。
セコム安否確認サービス
- 契約社10,100社・ご利用者869万人の実績
- 災害時に従業員や家族の安否確認、事業所の被災状況確認をサポート
- 地震だけではなく特別警報や国民保護情報(弾道ミサイル落下)にも対応
セコムトラストシステムズ株式会社が提供する「セコム安否確認サービス」は、自然災害やインフラ障害の際に、従業員とその家族の安否を確認するサービスです。24時間365日体制のスタッフが、気象庁などの災害情報をもとに状況を判断し、事前に取り決めたルールに従って安否確認メールを代行送信します。急なスケジュール変更や応援要請を伝える緊急連絡網としても使え、LINE連携や家族の安否確認はオプションで追加できます。
トヨクモ 安否確認サービス2
- 【カンタン】シンプル・直感的な操作性で災害時でも安心
- 【リーズナブル】月額6800円〜、初期費用/解約料金は無料
- 【連携】SmartHR、freee人事労務、cybozu.com、Google Workspace
トヨクモ株式会社が提供する「トヨクモ 安否確認サービス2」は、安否確認メールの自動送信と自動集計を行うクラウド型のサービスです。メールやスマートフォン専用アプリ、LINE(オプション)で通知し、回答がない人には自動で再送信します。従業員はメール内のURLから、ログイン不要で回答できます。SmartHRやkintoneなどとのユーザー情報連携に対応し、毎年9月1日には全契約企業を対象とした全国一斉訓練が実施されています。
ANPIC
- 【LINEへ通知】追加料金0円!通知に気づきやすく報告率UP!
- 【無料サポート充実】説明会・ユーザー登録代行・配布資料など!
- 【業界最安価格帯】国立大学発!安価でココまで使える!
株式会社アバンセシステムが提供する「ANPIC」は、地震発生時に従業員や学生の安否を確認できるサービスです。自動配信する震度や地域を組織ごとに設定でき、余震が続く場合は発報を抑えることもできます。LINEまたは無料アプリのプッシュ通知とメールを組み合わせて通知を受け取れ、アンケート機能で会議の出欠確認など平常時の連絡にも使えます。対象は10名以上の規模です。
オクレンジャー
- 国内外のデータセンターで運用する災害に強い安定したインフラ
- 頻発する地震・風水害に対応できる豊富な自動安否確認配信機能
- 安否確認だけでなく日常業務のコミュニケーションとして活用可能
株式会社パスカルが提供する「オクレンジャー」は、地震・津波の自動配信を標準で備えた安否確認システムです。特別警報・警報・注意報や土砂災害警戒情報、熱中症警戒アラートなどの気象自動配信はオプションで追加できます。掲示板で写真や動画を共有できるほか、人事異動や行事の出欠確認といった日常の連絡、ストレスチェックやアルコールチェックにも使え、13の言語に対応しています。
Coo Kai 安否確認
- Teamsに届いてスグ回答。専用アプリ不要で回答率を高める
- 気象庁アラートで自動発動。担当者不在でも配信・督促を継続
- OfficeアカウントでIDを一元管理。権限・入退社の運用を簡素化。
株式会社ピーエスシーが提供する「Coo Kai 安否確認」は、Microsoft 365(Teams、Outlook、Azure AD)を標準利用する企業向けの安否確認システムです。気象庁アラートに連動して自動で配信を開始でき、安否確認はTeamsのチャットに届くため、専用アプリの配布は必要ありません。未回答者への自動リマインドや、回答状況の集計・可視化にも対応します。対象は250名以上の規模です。
ウェザーニュース for business
- 毎日使うアプリで、備えが習慣に
- 地震・津波の他、台風や線状降水帯など様々な気象災害にも対応
- 社員の位置情報に基づき、被災社員のみ、自動で安否確認
株式会社ウェザーニューズが提供する「ウェザーニュース for business」は、気象データと社員の位置情報を組み合わせた安否確認サービスです。地震・津波のほか、台風や線状降水帯などの気象災害の条件を設定して自動通知でき、位置情報にもとづいて被災地にいる社員へ自動で発報します。社員が日常的に使うアプリで備えを習慣にできるほか、専用のレポートツールで復旧計画の支援も受けられます。
セコム安否確認サービス スマート
- 初期費用0円!1ID200円(税別)から!
- LINE連携機能を無料でご提供
- 従業員数300人以下のお客様向けに厳選した機能
セコムトラストシステムズ株式会社が提供する「セコム安否確認サービス スマート」は、従業員数300人以下の組織の安否確認に必要な機能を絞って提供するサービスです。24時間365日の有人体制で、専門スタッフが災害情報の正確性を確認してから通知を送信します。指定した時間に自動起動する予約機能は防災訓練にも使え、災害時以外の連絡網機能やLINE連携にも対応します。
まとめ
安否確認システムの歴史は、電話連絡網の限界から始まりました。その後、阪神・淡路大震災後の災害用伝言ダイヤル、事業継続ガイドラインによるBCPの普及、東日本大震災後の帰宅困難者対策と重なりながら進んできました。内閣府の調査でも、被災時に有効だった取り組みとして上位に挙げられています。自動配信の条件や使える連絡手段は製品によって異なるため、資料請求をして安否確認システムを比較してみてください。

