安否確認システムの導入が増える背景
大規模地震や台風被害など、災害の多い日本では今やBCP対策が欠かせません。安否確認システムもそのひとつ。災害発生時、企業が迅速に事業再開するうえで欠かせないのが、従業員の安否確認です。そのため「安否確認システム」は、事業継続にあたっても必要なシステムといわれています。
また安否確認システムは「災害時」以外にも、健康管理ツールとして活用できます。アンケート集計機能で従業員の体温や健康状態を確認できるため、感染症などさまざまな緊急事態にも幅広く対応できるでしょう。
安否確認システムの機能
安否確認システムにはどのような機能が搭載されているのでしょうか。製品により差異はありますが、基本的な機能は共通しています。それぞれの機能について見ていきましょう。
メールの一斉送信機能
多くの製品において、安否確認は一斉メール送信によって行われます。あらかじめ従業員のアドレスを登録しておくことで、緊急時のメール配信が可能になるのです。
ほかにも、メールではなくクラウド上にアクセスして安否確認を行うものや、スマートフォンアプリを利用するシステムもあります。
未登録者の確認
システムに登録していない従業員がいれば、ひと目で確認が可能です。異動や新規採用に伴う従業員の変動にも迅速に対応でき、すべての従業員に確実に安否確認メールを送信できます。
リアルタイムデータ集計
従業員が一斉メールに返信すると、回答内容はシステムによって集計されます。グラフや回答一覧など、視覚的に確認しやすい状態で管理者に提示されます。
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安否確認システムの9つの機能を一覧紹介
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安否確認システムの選定ポイント
数ある安否確認システムの中から、自社にあった製品を選ぶのは容易ではありません。ここでは、製品を比較する際にぜひチェックしてほしいポイントを解説します。
利用目的はなにか
前述したとおり、安否確認システムは健康管理ツールや情報共有ツール、アンケートツールとして活用できる製品が増えています。「平時にもシステムを活用したいのか」もしくは「緊急時にだけ使えればいいのか」で選ぶ製品が変わってくるでしょう。予算や使いたい機能などとあわせて検討してみてください。
対応するデバイス・通知方法は何か
安否確認システムの通知方法は従来、メールが主でした。しかしLINEなどのSNSツールと連携や電話・専用アプリでの通知など、現在ではさまざまな通知方法が用意されています。対応デバイスもPCやスマホのほか、ガラケーなどに対応しているものもあります。従業員数や年齢層などに応じて自社に適したものを選ぶとよいでしょう。
セキュリティ対策に問題はないか
安否確認のメール配信には、従業員のメールアドレスの管理が欠かせません。情報漏えいを防ぐためにも、十分なセキュリティ対策がなされているかを確認する必要があります。またサーバに被害が及ぶ可能性もあるため、サーバを多拠点や海外に設置して冗長化されているかなど、可用性についても確認しておきましょう。
条件に応じた自動配信があるか
震度や地域などの条件に応じた自動配信ができると、より便利でしょう。大企業や複数拠点にまたがるグループ企業の場合は従業員の居住地域が広範囲に渡るため、従業員ごとに配信条件が設定できる製品がおすすめです。
動作実績があるか
実際の災害時にシステムが稼働するかどうかも重要な条件です。判断材料として、過去の大地震などで実際に配信していた実績があるものを選ぶのがおすすめです。
そのほか「外国語に対応しているか」「従業員の家族の安否確認も可能か」など付加機能についても比べてみてください。おすすめ製品の資料を一括請求し、機能や特徴を比較してみてはいかがでしょうか。
【比較表】安否確認システム一覧
製品カテゴリ数・取り扱い製品数業界トップを誇る、ITトレンド編集部がおすすめする安否確認システムを比較表にまとめました。それぞれの特徴や機能については、各製品名から製品紹介をご覧いただけます。
日々の体調管理など平時にも使える安否確認システム比較
|
通知方法 |
参考価格 |
無料トライアル |
Biz安否確認/一斉通報 |
メール、電話、アプリ |
初期費用0円~ 月額10,000円~ |
◯ |
安否LifeMail |
メール、LINE、Twitter、Facebook |
初期費用150,000円 月額80円~/人 |
◯ |
Safetylink24 |
メール、アプリ |
初期費用48,000円~ 月額9,800円~ |
◯ |
ANPIC |
メール、LINE、アプリ |
初期費用25,000円~ 月額5,130円~ |
◯ |
安否コール |
メール、アプリ |
初期費用105,000円 月額15,000円~ |
◯ |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
緊急時に役立つ安否確認システム比較
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
最新の資料請求ランキングの順位も参考にして製品を選びたい、という方はこちらのページもご覧ください。
日々の体調管理など平時にも使える安否確認システム比較
せっかくコストをかけて安否確認ツールを導入するなら、「日常使いできる製品がいい」という方に向けて、体調管理や在宅療養中の連絡ツールとしても使える製品を人気順に紹介します。
《Biz安否確認/一斉通報》のPOINT
- 【高信頼なシステム】有事の際に使う為、信頼のシステム設計
- 【社員の健康管理】毎朝の健康状態を問い合わせ、自動集計します
- 【複数の通信手段】 メール・電話・スマホアプリでユーザに通知
2021年ITトレンド年間資料請求ランキング1位
「Biz安否確認/一斉通報」は、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社が提供している安否確認システムです。安否確認の発動条件や質問項目などを柔軟にカスタマイズできます。「通常プラン」「お手軽導入プラン」「ライトプラン」の3プランから選べて、初期費用は0~200,000円、月額費用は10,000円~。メールや電話のほか、スマートフォンアプリでの通知も行います。災害時以外にも日々の健康管理報告として活用できます。
《安否LifeMail》のPOINT
- 【確実な通知】自動安否確認機能/LINE連携機能/GPS位置情報機能
- 【優しい価格】お一人月額80円~の優しいランニングコスト設定
- 【各方面で利用中】企業/自治体/医療/学校で利用者数200万人突破
2021年ITトレンド年間
資料請求ランキング2位
株式会社コム・アンド・コム提供の「安否LifeMail」は、200万人以上に利用されている安否確認システムです。初期費用は150,000円、1人あたり月額80円から利用できます。災害時の安否確認のほか、訓練メールも標準搭載されており、LINEやTwitter、Facebookにも対応しています。さらにテレワーク中や自宅療養中の従業員に向けた業務連絡やアンケート機能もあり、平時から十分活用できるでしょう。
《Safetylink24》のPOINT
- 地震/津波/大雨/洪水など、さまざまな気象情報と連動!
- 標準にて社員の家族を含む安否確認が可能!
- 大企業や製造・医療・教育機関など 500社・50万人以上の実績!
2021年ITトレンド年間資料請求ランキング3位
株式会社イーネットソリューションズが提供する「Safetylink24」は、従業員の家族まで利用可能な安否確認システムです。ユーザー1人に対して6人まで家族を登録でき、家族間での位置情報の共有も可能です。メール配信のほか、アプリのプッシュ通知にも対応しています。チャットタイプの掲示板でやりとりができ、平時の連絡手段としてはもちろん、一斉連絡やキャンペーン案内などのツールとしても利用可能です。初期費用は48,000円から、月額費用は9,800円から利用できます。なお、無料トライアルも用意されています。
《安否確認システム ANPIC》のPOINT
- 【LINEへ通知】追加料金0円!使い慣れたツールで報告率UP!
- 【コロナ禍でお役立ち】送信数制限なし!検温報告に使用可能
- 【業界最安価格帯】国立大学発!安価でココまで使える!
2021年上半期ITトレンド年間資料請求ランキング4位
株式会社アバンセシステムが提供する安否確認システム 「ANPIC」は、産学連携により静岡大学と共同開発したシステムです。米国のAmazonサーバを使用しているので、日本での災害の影響を受けません。通知はメールだけでなく、LINEやアプリにも対応。送信状況表示機能や代理報告機能があるほか、アンケート機能で社内連絡ツールとしても活用できます。初期費用25,000円~、運用費は月額5,130円(年払いの場合)から利用できます。
《安否コール》のPOINT
- 小規模事業者から大企業まで導入実績が1200社と豊富!
- パスワードやメールアドレスが不要な特許認証技術を採用!
- アプリは直感的で使いやすいUIデザインを採用!
株式会社アドテクニカが提供する「安否コール」は、ユーザビリティにこだわり、「回答率100%」を追及した安否確認システムです。災害発生の混乱時であっても直感的に操作できるユーザーインターフェースで、使いやすさに定評があります。メールだけでなくアプリを使った安否確認も可能。従業員の健康管理や資材の在庫確認などの業務連絡に活用できます。初期費用は105,000円、月額費用は15,000円~です。
緊急時に役立つ使いやすい安否確認システム比較
操作がシンプルで、緊急時にも使いやすい安否確認システムを比較紹介します。
《エマージェンシーコール》のPOINT
- いざという時、迅速に全社員の無事を確認できる安否確認システム
- 24時間365日、安否確認はシステム任せ。連絡つくまで繰返し連絡
- 大手企業や官公庁を中心に幅広い業種で4,600社以上の導入実績!
インフォコム株式会社が提供する「エマージェンシーコール」は、大手企業や官公庁を中心に約4,600社の導入実績をもつ安否確認システムです。メールや電話、スマートフォンアプリに対応し、管理者数の制限がないのでグループ企業全体でも利用できます。オプションでLINEの連携や気象庁の地震情報システムとの連動も可能です。さらに専用端末装置ハイパーマルチコマンダーで緊急時の発信がより簡単に行えます。初期費用は入会金として200,000円、月額費用は40,000円からです。
《Cuenote安否確認サービス》のPOINT
- 地震・気象データと連携し、自動通知が可能
- 回答状況はリアルタイムで反映、マルチデバイス対応
- 受信用アドレスは管理者に知られずに登録可能
「Cuenote安否確認サービス」は、ユミルリンク株式会社が提供する災害時情報伝達サービスです。地震・気象データと連携して安否確認メールを自動配信でき、管理側も回答側もマルチデバイスに対応しています。なお、受信用アドレスは管理者からは閲覧できない形で登録できるため、従業員のプライバシーも守られます。初期費用は無料で、月額費用は配信アドレス数にもとづき50件3,500円からです。無料トライアルも可能です。
《オクレンジャー》のPOINT
- 使いやすい専用アプリで安否確認の連絡ができる
- 管理者がユーザーの個人情報を管理しなくても運用可能
- 手動配信と自動配信を使い分け、状況に合わせた対応が可能
「オクレンジャー」は、株式会社パスカルが提供するクラウド型安否確認ツールです。災害時に必要な安否確認や緊急連絡を専用アプリで運用可能。ひとつのIDで複数の端末に登録できるため、プライベート携帯・会社携帯・PCなど、さまざまなデバイスから確実にメッセージが受け取れます。さらに従業員同士の情報交換が行える「掲示板」は、緊急時だけでなく、社内広報やイベントなどの業務連絡ツールとして、日常使いも可能です。
《セコム安否確認サービス》のPOINT
- 契約社約8,400社・利用者約770万人の実績
- 豊富な機能により災害時でも速やかに連絡
- 多彩なオプション機能で災害時の立て直しを円滑化
セコム株式会社が提供する「セコム安否確認サービス」は、日本国内で豊富な導入実績を誇る安否確認サービスです。高度な知識と豊富な経験をもつ専門スタッフが24時間365日体制で、安否確認の代行のほか、災害時の連絡や状況把握の支援を提供します。災害時に通信網が混雑した場合に備え、携帯電話会社と特定接続契約を締結。確実に連絡が取れるよう通信体制が整えられています。
製品・サービスのPOINT
- 回答結果を自動集計しリアルタイムに反映
- 必要な機能だけを搭載したリーズナブルな価格設定
- スマートフォンアプリが無料で提供・ガラケーにも対応
「トヨクモ 安否確認サービス2」は、トヨクモ株式会社が提供する安否確認支援サービスです。安否確認メールの自動送信・回答結果の自動集計のほか、掲示板を通じたコミュニケーションの場を提供します。安否確認メールへの返信は、ログインなしで回答が可能。ガラケーにも対応しています。大災害が発生した場合にも稼働を続けられる強固なセキュリティ環境を有し、アクセス増加に伴う通信障害を回避します。料金は月額6,800円~、初期費用や追加費用は発生しません。
製品・サービスのPOINT
- 国内での災害に影響を受けない、安定したサービスを提供
- 緊急連絡などの高速配信、大量発報が可能
- 新型コロナウイルス感染症対策として体調管理も可能
京セラコミュニケーションシステム株式会社が提供する「安否ナビゲータ」は、気象庁からの緊急情報をもとに安否確認を行うクラウドサービスです。緊急時は、Eメール通知・アプリ通知・LINE通知を用いた高速送信・大量送信が可能。スマートフォンのGPS機能を利用し、現在地に基づいた安否確認の自動送信や津波・土砂などの各種予報情報の自動送信が行えます。初期費用200,000円、月額50円/IDから利用できます。
《e安否》のPOINT
- GPS機能で位置情報も報告
- 平時にも使える柔軟なメール配信機能
- 堅牢な「さくらインターネット」のデータセンターで管理
株式会社ラビックスが提供する「e安否」は、緊急地震速報との連動を特長とする安否確認システムです。気象庁から緊急地震速報を受信すると同時に安否確認メールが自動送信されます。災害発生直前にメールが配信されるため、災害時の混線や通信規制を避けられるでしょう。安否確認メールへの回答はログイン不要で、メールに記載されているURLから回答を行います。月額0円の「ライトプラン」(一部機能制限あり)のほか、すべての機能が使用できる「プロプラン」は月額1,1000円で利用できます。
《ANPiS》のPOINT
- 【お手頃価格】初期費用は無料!月額6,600円からのお手頃価格
- 【気象庁と連携】気象庁の地震・津波・特別警報と自動連携
- 【豊富な導入実績】自治体や民間企業を問わず、16万人がご利用
関西電力株式会社が提供する「ANPiS」は、気象庁の災害情報に基づき安否確認メールを自動送信する安否確認システムです。未回答者へのリマインドも自動で行い、回答率アップをサポートします。回答フォームは自由に設定できるため、感染症などの緊急事態のほか、社内アンケートや会議の出欠確認などさまざまなシーンで活用できます。メールに加え、LINE配信も有償オプションとして追加可能です。初期費用は無料、月額6,600円(税込)から利用できます。
《バーズ安否確認+(プラス)》のPOINT
- アンケート選択式と空メール送信式の2種類で簡単集計。
- 状況確認から対応策までを掲示するホワイトボード機能。
- メールやショートメールで一般の連絡網として利用可能。
「バーズ安否確認+(プラス)」は、株式会社バーズ情報科学研究所が提供するクラウド型安否確認システムです。利用端末によりアンケート選択式と空メール送信式の2種類があり、安否状況の集計も簡単に行えます。従業員の家族へも安否確認メールを同時送信でき、従業員ひとりにつき家族を10人まで登録可能。GAE(Google社が提供するクラウドサービス)を利用し、災害時のアクセス集中にも安定的に稼働します。月額1,250円から利用でき、ユーザー50人ごとに料金・連絡数・容量が変化します。
そのほかのおすすめ安否確認システム
各ベンダーからさまざまな種類の安否確認システムがリリースされています。ここからは、主要な安否確認システムを紹介します。
緊急連絡・安否確認システム
NECが提供する「緊急連絡・安否確認システム」は、少ないステップで安否確認がとれるので、余裕がない緊急時でも使いやすい仕様が特長です。オプションで、社内システム情報と連動させてマスタメンテナンスの工数削減をサポートします。
SPIRAL(R)安否確認サービス
株式会社パイプドビッツ提供の「SPIRAL(R)安否確認サービス」は災害時に速やかに対応できるように、訓練機能を備えています。通常のメールに加えて、電話番号を利用したSMSによる安否確認通知にも対応しており、的確な安否確認が可能です。
安否ねっと
株式会社テンフィートライト提供の「安否ねっと」は、誰でも簡単に操作できる安否確認システムです。緑の「無事です」と赤の「救援求む」の2つのボタンのどちらかを押すだけで安否を報告できます。スマートデバイスを持っていない人には専用カードを用意しており、安否の代理報告にも対応しています。家族の安否確認機能も標準搭載です。
パスモバイルサービス
NTTテレコン株式会社提供の「パスモバイルサービス」は、緊急連絡網・安否確認システムとして利用する以外に、集客・販促促進ツールとしてメルマガ配信などにも活用可能です。気象情報と連動して、災害時の自動メール配信にも対応しています。
ALSOK安否確認サービス
綜合警備保障株式会社提供の「ALSOK安否確認サービス」は、一定規模以上の災害発生時にシステムが自動起動し、対象の従業員へ安否確認メールを配信します。回答状況は利用者専用サイトでリアルタイムに更新されます。そのほか、事故など自然災害以外の非常時にもメールの一斉配信が可能です。
安否確認システム導入で災害にも負けない企業を目指そう
災害発生時は、多くの企業が自社の事業継続のために奔走することになります。BCPと呼ばれる事業継続計画を策定しているという企業もあるでしょう。しかし、いざ災害が発生すると、BCPを実行するための従業員の安否が不明であったり、連絡が取れずに事業再開をできなかったり、という問題が起こるかもしれません。
安否確認システムは、災害発生後に企業が素早く行動を起こすために必須といえるでしょう。まだ導入していない企業は検討してみてはいかがでしょうか。