安否確認システムのレビューシェアとは
安否確認システムを選ぶ際、「どの製品がよく使われているのか」「実際のユーザーから支持されているのか」は気になるポイントです。そこでITトレンドでは、掲載製品に寄せられたユーザーレビューをもとに、安否確認システムのレビュー件数とシェアを集計しています。
レビューシェアを見ることで、どの製品が現場でよく使われ、どのようなタイプのサービスに評価が集まっているのかを把握できます。本記事では、2025年7月までに収集したレビューをもとに、安否確認システムの「レビューシェアランキング」と「選定の傾向」を整理します。
安否確認システムのレビューシェアランキング
まずは、ITトレンドに寄せられたユーザーレビューにもとづき、「よく選ばれている安否確認システム」を確認していきましょう。
レビューシェアTOP5一覧
今回のTOP5には、LINE連携に対応し迅速な通知が可能なタイプ(セコム安否確認サービス・エマージェンシーコール)、平時の連絡や健康管理にも活用できるタイプ(Biz安否確認/一斉通報・Safetylink24)、低コストで導入しやすいタイプ(ANPIC)など、特徴の異なる製品がランクインしています。単に災害時の安否確認だけでなく、日常業務やコスト面も含めてバランス良く評価されていることがわかります。
| 順位 | 製品名 | レビュー件数・シェア | 特徴(要点) |
|---|---|---|---|
| 1位 | セコム安否確認サービス | 504件(39%) | 24時間365日の専門スタッフによる支援/メール・アプリ・LINEなど多チャネルに対応 |
| 2位 | エマージェンシーコール | 248件(19%) | 大企業・官公庁中心に4,900社以上の導入実績/メール・電話・アプリに対応 |
| 3位 | Biz安否確認/一斉通報 | 136件(11%) | 安否確認と一斉通報を一括管理/平時の連絡にも活用しやすい |
| 4位 | ANPIC | 88件(7%) | AWS上で稼働し災害時にも強いインフラ/低コストで導入しやすい |
| 5位 | Safetylink24 | 66件(5%) | 安否確認と業務連絡の両方に活用できる多機能型サービス |
検討企業の関心が高いのはどの製品?【ランキング編】
レビューシェアは“導入企業の評価”を示す指標ですが、資料請求ランキングは「これから導入したい」と考える企業の関心度を表します。
最新の「ITトレンド上半期ランキング2025(安否確認システム部門)」では、1位がエマージェンシーコール、2位がセコム安否確認サービス、3位がANPiSという結果でした。
レビューとランキングを掛け合わせると見えること
レビューとランキングをあわせて見ると、安否確認システム市場の“いま”が立体的に見えてきます。
- ●レビューの多さ=「実際に導入され、現場で評価されている製品」
- ●ランキング上位=「今まさに比較・検討されている注目製品」
- ●両方強い製品=「市場で導入され・選ばれ続けている成熟システム」
安否確認システムでは、レビューシェア上位のエマージェンシーコールとセコム安否確認サービスが、最新の「ITトレンド上半期ランキング2025」でも1位・2位に入り、導入企業・検討企業の双方から選ばれる“市場の2強”といえる存在です。豊富な導入実績と運用ノウハウにより、緊急時の安定稼働を重視する企業から高い評価を集めています。
一方、ランキング3位のANPiSは、レビュー件数こそ上位製品ほど多くないものの、手頃な価格帯やシンプルな機能構成が評価され、「これから導入したい」と考える企業の関心が高まっている“新注目株”です。まずは低コストで安否確認を仕組み化したい企業に支持されていることが、ランキングから読み取れます。
このように、レビュー=導入後の評価、ランキング=導入前の注目度として両面を見ることで、「成熟した安心感のある定番サービス」と「これから伸びていく新しい選択肢」の違いがわかり、自社に合うタイプをより精度高く判断できます。
レビューシェアから見える安否確認システム選定の3つの傾向
レビューシェア上位の製品を並べて見ると、「なぜ選ばれているのか」という理由にはいくつか共通点が見えてきます。ここでは特に顕著だった3つの傾向を整理します。
1.LINEやアプリを含む“多チャネル配信”が重視されている
セコム安否確認サービスやエマージェンシーコール、ANPICなど、メールに加えてアプリやLINEといった複数の連絡手段に対応した製品が上位に多く見られます。
災害時はメールだけでは届かないケースもあるため、複数チャネルで確実に連絡が取れることが評価されやすいポイントです。平時からLINEやアプリでの通知に慣れておくことで、緊急時の反応速度を高めたい企業にも向いています。
2.平時の業務連絡や健康管理にも使える“多用途型”が支持されやすい
Biz安否確認/一斉通報やSafetylink24のように、安否確認だけでなく、業務連絡・社内掲示板・体調確認など日常業務にも使えるサービスが上位に入っています。
平時から活用できる機能があると、利用頻度が上がり、従業員が操作に慣れやすくなります。その結果、いざというときに迷わず使えるシステムとして評価され、レビュー件数の多さにもつながっていると考えられます。
3.低コストでも“災害に強いインフラ”を備えたサービスにニーズがある
ANPICのように、比較的低コストでありながら、AWSなど災害時にも強いインフラ上で提供されるサービスも高いシェアを獲得しています。
「起こるかわからないリスクに高額な投資はしづらい」という企業ほど、必要な機能を押さえつつ、インフラ面の安心感もあるコストパフォーマンス重視型のサービスを選ぶ傾向があります。
シェア上位の安否確認システムはどれを選ぶ?タイプ別のおすすめ
レビューシェア上位の製品はどれも選ばれている理由がありますが、向いている企業像はそれぞれ異なります。ここでは、TOP5を中心にタイプ別のおすすめ傾向を整理します。
■多チャネル配信・サポート重視型
例、セコム安否確認サービス・エマージェンシーコール など
- ●全国に拠点を持つ大企業・自治体・官公庁など、対象人数が多い組織
- ●24時間365日のサポート体制や、災害時の運用代行も重視したい企業
- ●メール・アプリ・LINEなど、複数チャネルで確実に連絡を届けたい企業
■低コストで導入しやすい型
例、ANPICなど
- ●中小企業や学校・団体など、限られた予算で安否確認システムを導入したい組織
- ●基本的な安否確認機能を押さえつつ、コストパフォーマンスを重視したい企業
- ●クラウド基盤など、災害時にも強いインフラを重視する企業
■平時の業務連絡にも活用したい型
例、Biz安否確認/一斉通報・Safetylink24など
- ●災害時だけでなく、日常の一斉連絡・掲示板・健康確認などにも活用したい企業
- ●安否確認システムを“連絡基盤”として位置付け、利用頻度を高めたい企業
- ●リモートワークやフレックス勤務など多様な働き方をしている組織
レビューシェアを見るときの注意点
レビューシェアは便利な指標ですが、それだけで製品を決めてしまうのはおすすめできません。見る際のポイントを押さえておきましょう。
- ●レビューが多いほど利用実績は豊富だが、「自社と同じ規模・業種」の声かどうかも確認する
- ●古いレビューが多い場合は、最近のアップデートや料金変更が反映されていない可能性がある
- ●機能の充実度だけでなく、運用のしやすさ・訓練のしやすさ・サポート体制などもチェックする
特に安否確認システムは、「導入して終わり」ではなく、訓練を含めた日常運用が重要です。レビューを見る際は、操作性やサポート対応に関するコメントにも目を通しておくと、自社に合うかどうかをイメージしやすくなります。
シェア上位だけでなく、自社に合う候補を比較検討しよう
安否確認システムのレビューシェアを見ると、セコム安否確認サービス・エマージェンシーコール・Biz安否確認/一斉通報・ANPIC・Safetylink24など、人気製品にはそれぞれ選ばれる明確な理由があることがわかります。
ただし、レビューシェア上位だからといって、必ずしも自社にとって最適とは限りません。重要なのは、以下のような観点で「自社との相性」を確認することです。
- ●従業員数や拠点数、家族安否確認の有無など、自社の対象範囲に合っているか
- ●メール・LINE・アプリ・SMSなど、必要な通信手段をカバーできるか
- ●平時の業務連絡や体調確認にも活用したいのか、災害時専用で良いのか
- ●BCPの方針や予算感に合う料金体系かどうか
ITトレンドでは、主要な安否確認システムの資料をまとめて請求できます。気になる製品の資料を複数取り寄せ、レビューシェアやランキングだけに頼らず、自社のリスク対策にフィットする安否確認システムを比較検討してみてください。複数製品を並べて検証することで、「自社が本当に使いこなせる一本」が見えやすくなります。


