倉庫内の作業品質を向上させるポイント
倉庫内の作業を円滑化するためにはどのようなことが必要なのでしょうか。4つのポイントを見ていきましょう。
1.整理整頓の徹底
倉庫内の作業を改善するうえで始めに行うべきなのは整理整頓です。倉庫内が散らかっていると作業に支障をきたします。目的の商品が見つからなかったり、誤って別の商品をピッキングしたりしてタイムロスが生じます。
また、散らかっている倉庫では人身事故が生じる可能性もあるため要注意です。足元の荷物に躓いて転倒するケースや、山積みの荷物が崩落して頭の上に落ちてくる危険性があります。このような事態になれば、作業効率が悪いだけでなく、企業として社会的信頼を損失することになるでしょう。
2.倉庫業務のマニュアル化
どれだけ整理整頓しても、すぐにまた散らかってしまうのでは意味がありません。散らからないような体制作りが必要になります。そのために行うべきなのが、倉庫業務のマニュアル化です。
倉庫が散らかってしまうのは、従業員間で保管方法が統一されていないのが原因です。そのため、マニュアルを作って作業方法を統一しましょう。従業員間での作業品質の差がなくなり、どこに何が置いてあるのか把握しやすくなります。
実際に作業を行う従業員にとって分かりやすいだけでなく、管理者が倉庫の状況を俯瞰しやすくなるのもメリットです。ただし、マニュアルの配布だけでその内容を従業員に浸透させることは困難です。そのため、講義や現場研修もあわせて行いましょう。
3.WMS(倉庫管理システム)の活用
WMSとは、倉庫内の作業を支援するITツールのことです。たとえば、ハンディターミナルとバーコードを使ったピッキングを可能にします。これにより、人の目で判断するよりも正確なピッキングが実現し、誤出荷を減らせるでしょう。
また、端末を使って作業のデータを収集すれば、管理者がリアルタイムに倉庫内の状況を把握することもできます。
WMSで管理できる情報は多岐に渡ります。たとえば、食品や医薬品であれば消費期限や管理温度、アパレル商品であればサイズやカラーなどが対象です。これらを入荷日や出荷予定日などと紐づけて、倉庫内の商品を総合的に管理できます。
倉庫内の商品について知りたいことがあれば、わざわざ実物を見に行かなくてもシステムを参照するだけで済むため効率的です。すでに出荷された商品も、いつ何がどこへ出荷されたのか確認できます。
4.物流管理指標の活用
物流管理指標とは、物流管理が適切に実施されているかを確認するための指標です。コストや生産性については主に以下の3つの指標が用いられます。
- 保管効率
- 倉庫スペースの利用率
- 人時生産性
- 従業員の作業効率
- 日時収支
- 日時単位での収支
- 数量あたり物流コスト
- 倉庫における総コストを商品数で割ったもの
また、サービスレベルや品質においては主に以下の4つの指標が用いられます。
- 棚卸差異
- 棚卸の結果(実在庫)と帳簿在庫の差
- 誤出荷率
- 数量や種類、出荷先間違いなどの発生率
- 汚破損率
- 商品の汚れや破損の発生率
- 遅延・時間指定違反率
- 出荷の遅延や時間指定違反の発生率
これらの指標を用いることで、自社の倉庫業務に存在する問題点が浮き彫りになります。的確な改善活動のためにぜひ活用しましょう。

倉庫内の作業品質が改善した事例
WMSの導入により、具体的にどのように作業品質が改善するのでしょうか。2社の事例を見てみましょう。
- あるチェーン店の例
- 全国に店舗を構えるあるチェーン店は、従来の管理システムでは情報が分断されていることに不満を感じていました。
- そこで、物流センターの全容を把握できるシステムをすべての拠点で一括導入。原材料や仕入先企業など、情報を一元管理することに成功しました。また、ハンディターミナルの活用によりリアルタイムな状況把握も実現しています。
- あるタイヤ製造企業の例
- ある企業は、自社工場で製造した製品の保管を、複数の外部倉庫に任せていました。しかし、それぞれの倉庫で管理方法が統一されていないため、そこから報告される情報が曖昧でした。
- そこで、すべての倉庫状況を見渡せる管理システムを導入。管理の品質向上とロス低減を実現しました。
ポイントを踏まえて、倉庫内の作業品質を改善しましょう
倉庫の作業品質を向上させるためには、以下のポイントに留意しましょう。
- ■整理整頓の徹底
- ■倉庫業務のマニュアル化
- ■WMSの導入
- ■物流管理指標の活用
特に、WMSの導入により、倉庫業務が大幅に改善した例は少なくありません。自社の管理体制を根本的に見直せる方法といえます。この機会に、システムの導入を視野に入れて作業品質の改善を目指してはいかがでしょうか。
