倉庫管理主任者マニュアルとは
「倉庫管理主任者マニュアル」とは国土交通省総合政策局貨物流通施設課から出版され(平成17年10月)、火災防止や倉庫の適正な運営を行うために倉庫管理主任者が行うべき業務を取りまとめた業務手順マニュアルです。その概要について解説します。
倉庫管理主任者選任の義務
倉庫業を行う上で「倉庫管理主任者」の選任は義務とされており、その業務標準手順書(SOP)の作成が推奨されています。
「倉庫管理主任者は、倉庫ごとに、管理すべき倉庫の規模その他の国土交通省令で定める基準に従って、倉庫の適切な管理に必要な知識及び能力を有するものとして国土交通省令で定める要件を備える倉庫管理主任者を選任して、倉庫における火災の防止その他の国土交通省令で定める倉庫の管理に関する業務を行わせなければならない」
倉庫管理主任者マニュアルに記載されている業務
倉庫管理主任者には、倉庫に関する以下のような業務があります。

倉庫管理主任者マニュアルの内容としては「倉庫施設の管理に関する事項」「火災防止に関する事項」「地震防災に関する事項」「倉庫管理業務の適正な運営に関する事項」「労働災害防止に関する事項」「現場従業員の研修に関する事項」などがあり、これをベースに倉庫管理主任者は業務標準手順書(SOP)を作成します。
倉庫管理主任者に関しては、以下の記事を参考にして下さい。

SOP(業務標準手順書)とは?
では、倉庫管理主任者マニュアルで作成が推奨されているSOPの概要について解説します。
SOPとは作業マニュアルのこと
SOPとは、業務の品質を保持し均一にするために、作業や進行上の手順について詳細に記述した指示書のことです。業務標準手順書と表現されることもありますが、一般的には作業マニュアルと呼ばれるものです。
SOPの作成が最も厳しく求められているのは、医薬・医療業界です。治験を適切に実施するための業務手順を体系的にまとめ、厳重に守らなければなりません。これは人間の命を扱っている業務だからでしょう。監査もあって、独自に作成されているか、確実に守られているかがチェックされます。
倉庫管理業におけるSOPの役割
倉庫管理業においてもSOPの作成と順守は求められており、ここからも事故が発生しやすい危険な現場であることがわかります。事故を引き起こすことなく、作業を効率化するために、SOPの作成が求められているのです。
完成度の高いSOPは作業員の行動のよりどころとなります。SOPに従った手順で事故が発生しても、作業者の責任ではなく、SOPの落ち度が責められます。SOPは作業現場のムダ・ムリ・ムラを防止し、倉庫業務の生産性を向上させます。
SOP(業務標準手順書)を作成するメリット
SOPは作業マニュアルですから、作業を標準化することができます。そのため、SOPを見れば誰でも作業を行うことができるので、指導時間の削減にも繋がり作業を効率化することができます。それに伴って、SOPの作成を行うことで作業工程の整理を行うこともできるので、業務の見直しを行うこともできます。
SOP(業務標準手順書)の作成方法
SOPの作成について、しっかりと作成する必要がありますが、後から修正していくことを前提に最初はあまり大げさに考える必要はありません。いくつかの方法がありますので紹介しましょう。
(1)現状の手順をまとめる
これは簡単です。現状の入出庫やピッキング手順、労災防止の手順を紙にまとめます。できればフローチャートにして、読むことなく、見ることで理解できるようにします。マニュアル化された際に初心者でもわかるように、細かな作業も洗い出してわかりやすくまとめましょう。
(2)ベテランに聞く
シンプルな手順であれば経験者が簡単にまとめることができます。しかし、分岐の多いパターンになるとベテランが正しい分岐方法を知っていますので確認しましょう。作業のポイント、コツ、要領、注意点などもベテランは知っています。ベテランにもSOP作成に参加してもらい、完成度を高めましょう。
(3)小集団活動に発展させていく
SOP作りを小集団の活動に取り入れ、フロー化とカイゼンを加えていきます。カイゼンは現場スタッフが自主的に取り組んでる業務の改善運動です。その手法を取り入れ、業務のムダやムリを省き、生産性の向上を目指しましょう。
作成時の注意点
SOP作成にも注意点が必要です。次の2つは厳守してください。
(1)わかりやすいSOPを意識する
SOPは作業の教科書となるもののため、誰が見ても作業が行えるような内容にしましょう。なるべく難しい専門用語は使わないことや図やイラストを入れることで、わかりやすいSOPにできます。
また、SOPは作成したら終わりになるのではなく、手直ししていく事が大切です。定期的にSOPの更新を行うようにしましょう。
(2)倉庫管理主任者が作成する
新人向けの研修でSOPを作成させてはいけません。たとえ検討させても、倉庫管理主任者が責任を持ちます。新人のつくったSOPで事故が発生しても責任を追及ができません。また、SOPは作っただけでは意味がなく、順守することに意義があります。必ず守ることのできるSOPを作成しましょう。
繰り返し見直しと改善で最良なSOPを作成しよう!
倉庫業を行う上でSOPの作成はとても重要な業務です。一度作成して満足するのではなく、定期的な見直しと改善を行いましょう。マニュアルをブラッシュアップしていくことで、社内におけるSOPの評価もモチベーションアップにつながります。見直しを繰り返し、最良のSOPに近づけていってください。
