
倉庫管理業務の歴史
古い港町には、今でも煉瓦作りの倉庫が建ち並び、往時の繁栄を偲ばせます。今では港湾はもちろん、内陸部にも近代設備を結集させた配送センターが建設され、物流の要となっています。倉庫は物流にとっては商品を保管する基幹業務であり、製造業にとっては素材や製品を在庫する重要な業務です。
台帳管理のシステム化
歴史を振り返ると、これら倉庫に保管されている製品は、古くは台帳で管理していました。これがシステム化されたのは1970年代、物流や製造工程のシステム化と同時期です。汎用コンピュータ全盛の時代で、導入できるのは一部大企業に限られていました。
1980年代になってオフィスコンピュータが開発され、中堅クラスの企業でも倉庫管理をシステム化できるようになりました。やがてパソコンの時代となってパッケージ化され、広く利用されるようになります。
WMS(倉庫管理システム)とERP・SCMの関係
1990年代、倉庫管理はWMS(Warehouse Management System)として、ERPに組み込まれます。ERPはMRP(Materials Requirements Planning:資材所要量計画)をベースに、製造業にとって必要な資材をトータルに管理する総合パッケージです。2000年代、ERPは製造業に限らず、小売りや商社、サービスなど、幅広い業種の基幹業務として導入されていくようになります。
ERPは企業内に留まらず、グループや関連企業にも拡大し、SCM(Supply Chain Management)に発展します。素材や部品供給、製造、配送、販売の一連の業務を一体化し、トータルに管理するシステムです。現在は、世界規模のSCMを実現するグローバルサプライチェーンの時代になっています。倉庫管理はSCMの重要な工程として、システムの一部に組み込まれています。
またWMSは、製品の製造履歴や流通過程の記録・照会など、トレーサビリティの機能を付加し、製品の管理業務を支援しています。
WMSが組み込まれていたERPに関して、興味のある方は以下の記事を参考にしてください。
バーコードやモバイル端末など新技術の登場
倉庫管理はコンピュータのみならず、周辺機器の歴史と進化にも影響を受けています。
バーコードとハンディターミナル
倉庫管理に最も大きな影響を与えたのがバーコードとハンディターミナルの登場です。倉庫管理は入庫、棚卸し、出庫などの業務がありますが、これらは現場作業であるために、その場でデータ入力できませんでした。このため、在庫の実数とシステム上の数が合わず、お客様に迷惑をかけたり、ビジネスチャンスを逃すこともありました。
しかし、ハンディターミナルがあれば、バーコードにかざすだけでデータ入力ができ、スピーディーであり正確です。熟練の必要もありません。これにより、アルバイトやパートでも倉庫管が可能になりました。
モバイル端末の活用
倉庫管理は現場作業が多いため、IT化が困難とされ、長く手作業が中心でした。しかし、スマートフォンやタブレットPCなど、モバイル端末が発達し、積極的に倉庫で活用されていくようになります。
たとえば、倉庫のピッキング業務は紙に出力された指示書が必要でした。ここにタブレットPCを利用することで、製品の場所やピッキングの順番も画面からの指示で、効率的にできるようになります。
フリーロケーションへの対応
ハンディターミナルやモバイル端末によるデジタル化が進み、倉庫ではフリーロケーションが可能になりました。在庫と場所をシステムに記録し、ピッキングもシステムからの指示で探し出す仕組みです。製品を指定の場所に置くことなく、空いた場所に自由に置くことができ、入庫の際の労力を大幅に軽減します。
進化し続けるWMS
倉庫管理は早くからシステム化された歴史ある分野ですが、現在でも進化が続いています。ネットショップなどでは、倉庫管理が企業の競争力を大きく左右しています。WMSは倉庫内の煩雑な業務を効率化することができ、人手不足などの課題を解決する出来ます。
興味のある方は、以下の記事をご覧になってみてください。
