倉庫における入荷作業とは
倉庫における入荷作業とは、倉庫内で商品の仕分け、管理を行う作業を指します。名称がよく似ている入庫作業との大きな違いは、「移動させる前の荷物の場所」です。入荷作業では倉庫外から倉庫内へと荷物を動かします。
一方入庫作業は、倉庫内にある荷物を移動させる業務です。フォークリフトを利用することが多いため、リフト免許を持つ従業員が担当します。
倉庫における入荷業務のフロー
入荷作業の業務フローは、どのようになっているのでしょうか。
1.入荷
担当者は、仕入れ先から荷物・納品書・納品書控え・受領書を受け取ります。次に荷物の品番や数量が、納品書と同じかどうかを確認します。問題なければ、受領書に「確認印」もしくは「サイン」をし、納品書控えと受領書を仕入先に渡します。荷物と納品書を受け取れば完了です。
2.商品を検品
商品の品質・外観・数量・納期に、問題がないかを確認します。正確に商品を発送するための重要な業務なので、入荷後すぐに行いましょう。しかし、人力だけでは限界があります。したがって、バーコードなどを利用して一括読み取りするのがおすすめです。紙だけでは、すでに入荷済みの商品を間違えてカウントしてしまう場合があります。
完了後は検収報告書を作成し、購買担当者に検収結果を報告します。
3.商品を棚に入庫
入荷した商品を、倉庫内の棚に移動させる作業です。商品の状態を把握し、商品を所定の位置に正確に保管すると、次回の作業がやりやすくなります。不正確な棚入れは、ピッキングや出庫作業のミスにつながるので注意しましょう。商品と棚の位置関係が、一目で分かるようにすることが大切です。
入庫作業の際は、入庫状況が分からなくならないよう、商品名や数量を書いたメモ用紙を棚に貼っておくケースもあります。しかしこの方法では紙に記入したり貼り付けたりする作業が発生するため、非効率的といえるでしょう。作業員の負担も増えてしまいます。
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倉庫における入荷業務を効率化するポイント
入荷作業を効率化するためには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
倉庫内の整理
倉庫内を整理整頓すると、入荷業務がやりやすくなります。荷捌きするエリアが混雑していると、作業効率の低下を招くためです。また、整理整頓されていない状態では、作業員の怪我につながるおそれもあり危険です。作業場所は適度に清掃を行い、清潔な状態にしておきましょう。
倉庫内で使用する道具は、同じ場所に配置し、使用後は必ず元に戻すようにします。棚に入りきらない商品は、仮置きスペースに保管しましょう。搬送待ち商品は、荷捌きスペースに一時保管しておきます。荷物の置き場所や作業スペースを固定して業務を行うのがポイントです。
ロケーションの最適化
入荷業務では、商品を管理するために、倉庫内を移動する必要があります。そのため棚入れする場所を最適化することも、業務効率化に効果的です。
回転率の高い商品は、棚卸しやすい場所に保管しましょう。商品の配置は、ABC分析を基に決めるのがおすすめです。ABC分析とは、出荷頻度が高い商品をA、普通の商品をB、低い商品をCにランク分けすることです。商品の保管棚と補充棚を近くに配置し、補充時の移動距離を少なくするのもよいでしょう。
保管効率を高くしたい場合は、フリーロケーションにするのもおすすめです。フリーロケーションとは、棚入れの場所を決めず、入荷した商品を空いている棚に次々と保管することです。
先入先出や、空きスペースの活用が実現します。在庫の入れ替えや量の変動が多い雑貨・アパレル・化学原料などの倉庫管理に向いています。また、置き場所を決めないため、作業ルールに疎いパートやアルバイトでも行えるのが特徴です。
入出荷時間の調整と作業スタッフの確保
忙しい時間帯に作業人数を確保できなければ、業務効率が低下します。そのため入荷業務の際は、時間管理と人数調整を徹底することが大切です。特に複数の仕入先がある場合は、入荷作業の時間帯が複雑になりがちです。
入荷時に人員不足にならないように、事前に仕入れ業者や配送業者と時間の調整を行いましょう。作業員のシフトもしっかり確認してください。
業務のマニュアル化
入荷業務では、一つの作業の遅れが全体に影響を与えます。そのため業務内容をマニュアル化して、誰でも一定の作業品質を保てるようにするのが大切です。
実施すべき業務内容がはっきりしていれば、作業時に迷うことはありません。従業員それぞれが統率された動きをとることで、作業の効率性が向上します。
業務マニュアルは、管理者向けか作業員向けかで、記載すべき内容が異なります。作成の前に、「いつ」「どこで」「誰が」使用するものなのか、明らかにしておくことが重要です。
例えば、「作業時に」「倉庫内で」「アルバイト初日の作業員」とすると、初心者向けの内容を記載することになります。内容については、そのマニュアルの対象者が一目見て内容を把握できる実用レベルまで、分かりやすく落とし込みましょう。
WMS(倉庫管理システム)の活用
倉庫管理システムを導入すれば、入荷検品作業などを効率化できます。商品の内容はすべて電子データとして保管されるため、倉庫に移動して在庫数を確認する必要もありません。商品がどこにどれだけあるか、管理画面上ですぐに確認できるようになります。
商品にバーコードをつければ、ハンディターミナルで読み取るだけで商品登録も可能です。納品リストと商品を目視する場合と比べ、作業ミスを大幅に減らせます。
入荷業務を効率化した事例
倉庫内では日々荷物の入出庫が行われており、保管場所の確保や保管効率の向上が課題になっています。これらの課題を克服するには、ハンディターミナルを活用するのが効果的です。
ある会社では、従業員自身が検品を行っていたため、細かな品質や年式の違いなどを把握しきれず、誤発送が発生しやすくなっていました。また誤発送に対応する手間や人件費の増大も問題でした。また在庫管理ではエクセルを用いていたため、荷主からの問い合わせに迅速に対応できていませんでした。
倉庫管理システム導入後は、ハンディターミナルを用いた管理により、誤発送がなくなりました。
間違った商品を読み取ると、警告音が発生する仕組みです。商品がどこにいくつあるのかが分かりやすくなったため、荷主からの問い合わせにもすぐ対応できるようになりました。今では荷受け数も増え、事業規模が拡大しています。
入荷作業を効率化するためにシステムを導入しよう
倉庫における入荷作業とは、外部から運ばれてきた荷物を、倉庫内に搬入する作業のことです。
入荷後、商品を検品し指定棚に配置するまでが一連のフローとなっています。業務を効率化するには、倉庫内を整理整頓し、ロケーションを最適化させましょう。必要な時に必要なだけの人員を確保することも大切です。さらにマニュアルがあると作業の標準化が実現します。倉庫管理システムを導入して、入荷作業を効率化させましょう。