経理代行とは
経理代行とは、外部に経理業務を依頼するアウトソーシングサービスです。委託先は、経理アウトソーシング会社や経理BPOサービス会社をはじめ、税理士事務所・会計事務所などがあります。
経理業務は、領収書の管理や請求書業務などの基本的なものから、複雑な税制の把握や計算方法など専門知識が必要なものまでさまざまです。経理業務に強い人材の採用や、従業員の育成には時間も費用もかかります。また規模の小さな事業者は、専門外の従業員や経営者が経理作業を担当することもあるでしょう。
経理代行を活用すれば、煩雑な経理業務のうち自社の状況にあわせて一部の業務や、すべての業務を委託できます。
経理代行サービスの内容
経理代行サービスで依頼できる経理業務には、日々の記帳業務代行や入出金管理などの会計業務があげられます。また、毎月の給与計算・請求書発行・月次決算や、決算代行などの年次業務もアウトソーシング可能です。
また、サービスによっては、決算書を基にした財務分析・業務提案などを代行するところもあります。経理代行で対応できない業務は、資金調達や予算管理など、財務部分の業務です。
経理代行と税理士・記帳代行の違い
経理代行サービスのなかでも、記帳業務や給与計算・請求書の作成といった経理業務の代行に関しては専門の経理代行企業と税理士事務所にサービスの違いはありません。しかし、決済業務をサポートするサービスに関しては大きな違いがあります。
決算申告などの税務申告業務や税務書類の作成業務は法律上、税理士か税理士法人でなければ代行できません。しかし、税理士と提携して税務業務に対応している企業もあります。経理代行企業に委託する場合には、決算業務への対応が可能か資料請求や問い合わせで確認してみるとよいでしょう。
また、記帳代行サービスは経理業務のなかの帳簿作成・記帳業務のみを代行します。自社のどの業務を任せたいのかを明らかにしたうえで、予算や依頼できる業務内容と照らしあわせて適したサービスを利用するとよいでしょう。
参考:6 税理士法違反行為|国税庁
以下の記事では、経理代行サービスの内容や委託先の違いについてより詳しく解説しています。基本的な対応業務や委託先ごとのサービス内容の違いについて、より詳しく知りたい方は参考にしてください。
経理代行のメリット
経理代行を外部に依頼するメリットを紹介します。具体的なメリットは以下のとおりです。
- ●コストを削減できる
- ●リソースを確保できる
- ●ミスや不正の防止に役立つ
- ●税務関係の専門業務も依頼できる場合がある
コストを削減できる
経理担当者の人件費のほか、採用コストや教育コストといった間接経費も削減できます。サービス内容やベンダーによってアウトソーシングの料金体系は異なるため、自社のニーズに合ったサービスを選ぶことで、十分にコスト削減につながる可能性があります。
また、経理業務は長期的にみれば繁忙期と閑散期がはっきりしています。そのため、普段は最低限の人数で運用し、必要に応じてアウトソーシングを活用することで、人件費の節約が期待できます。
リソースを確保できる
経理業務は正確性を求められる仕事が多く、内容の確認などに時間がかかりがちです。経理代行を活用すれば、バックオフィス業務を正確かつ迅速に進行でき、業務効率化につながるでしょう。
特に中小企業など、経理部門をほかの部署と兼務しているような企業においては、経理代行でリソースを確保することでほかのコア業務へ注力できます。
ミスや不正の防止に役立つ
経理業務は専門性が高いうえに企業の重要なデータを扱います。そのため、経理代行サービスにより第三者の視点が経理に入ることで、経理業務を社内に抱えている場合よりもミスや不正を防げるでしょう。さらに経理担当者一人に任せる必要がなくなり、作業のブラックボックス化対策にもなります。
税務関係の専門業務も依頼できる場合がある
税理士に経理代行業務をアウトソーシングすれば、税務書類の作成や税務申告の代理・相談が可能です。また税理士に一連の業務を依頼していれば、税務調査への対応も任せられるでしょう。
そのほか、日々の帳簿作成についても税務的視点からアドバイスがもらえるなど、税務リスクを回避した運営体制の構築が期待できます。
税理士の業務については、以下の記事で詳しく解説しています。公認会計士との違いも解説しているので、自社の経理代行をどの業種に依頼するか検討したい方はあわせてご覧ください。
経理代行のデメリット
経理代行には多くのメリットがありますが、注意点を把握していないとデメリットが発生してしまう可能性があります。ここでは、経理代行を外部に依頼するデメリットを紹介します。
費用が高くなるケースがある
アウトソーシングには費用がかかります。経費削減のために経理代行を検討していたのに、かえってコストが高くついてしまうケースもあるでしょう。例えば自社独自の業務が多いなど、別途オプション契約が必要となる場合があげられます。
自社の課題を整理したうえで予算と任せたい業務を照らしあわせ、サービスを比較してみましょう。またできるだけ詳細な見積もりをとり、派遣社員の雇用など、別の方法とも比べてみてください。
人材育成ができない
経理代行を依頼すると業務効率化やリソースの確保につながるものの、自社の従業員が業務に取り組まないため社内にノウハウ蓄積ができず、人材育成につながりません。将来的に社内での経理業務を行うことを考えている場合は、すべての業務を委託せず、一部業務に限定するのもよいでしょう。
経理代行サービスの選び方
経理代行サービスを選定する際には、自社の課題や委託したい業務を明確にしたうえで、以下のポイントに注目するとよいでしょう。
- ●業務対応範囲
- ●業務代行者の資格の有無
- ●料金プラン
- ●情報管理・セキュリティ対策
- ●業務・問い合わせの対応速度
- ●サポート体制
自社で委託したい業務に対応してくれるサービスかは、経理代行サービスの委託先や業務代行者の資格の有無によって変わるでしょう。また、経理代行サービスの料金相場は委託する業務範囲によりますが、基本的な経理代行業務を委託した場合は数十万円です。記帳代行など限られた業務のみの代行委託であれば数万円、業務整理やコンサルティングなど専門的な業務も委託する場合は数百万円になる場合もあります。
以下の記事では、経理代行サービスの選び方についてより詳しく解説しています。選定方法について深く理解したうえでサービスを比較検討したい方は、ぜひ参考にしてください。
おすすめ経理代行サービス比較
ここからは、カテゴリー数・製品数業界最大級のITトレンドがおすすめする、経理代行サービスを人気順に紹介します。気になる製品は資料請求(無料)可能です。ぜひご活用ください。
製品・サービスのPOINT
- 業務マニュアルをゼロから作成し、属人化・退職リスクから解放
- 経験豊富な専門スタッフ達が、チーム体制で業務を請負
- 幅広い業務に対応し、お客様のご要望に応じたプラン設定が可能
ITトレンド上半期ランキング2023(経理アウトソーシング) 1位
「SUPPORT+iA(サポーティア)」は、グランサーズ株式会社が提供するバックオフィス業務支援サービスです。公認会計士が運営と監修をしており、経理業務に限らず庶務や財務、人事労務、総務など幅広い業務を任せられます。また、オフライン常駐型の経理アウトソーシングにも対応します。
対象従業員規模 |
すべての規模に対応 |
対応エリア |
全国 |
参考価格 |
20時間プラン:月額120,000円 40時間プラン:月額216,000円 60時間プラン:月額308,000円 ※その他の時間におけるプランや個別見積もりもあり |
対応業務 |
給与計算/会計入力/社会保険手続/振込請求管理/経費精算 |
《CASTER BIZ accounting》のPOINT
- 経理BPO経験が豊富な正社員フロントによる業務ディレクション
- 自社開発の専用システムを用いた、正確な作業工数および品質管理
- 業務フローやマニュアルをお客様へ公開・可視化可能
ITトレンド上半期ランキング2023(経理アウトソーシング) 2位
「CASTER BIZ accounting」は株式会社キャスターが提供する経理アウトソーシングです。実務経験5~20年以上の簿記資格所有者が経理のサポートを行います。専門のチームが資料スキャンから仕訳入力や経費精算を行い、月次や年次決算に対応します。
対象従業員規模 |
500名未満 |
対応エリア |
全国 |
参考価格 |
ベーシック:月額210,000円/30時間(6か月契約) ロング:月額189,000円/30時間(12か月契約) ※個別カスタマイズあり |
対応業務 |
給与計算/会計入力/税務処理/振込請求管理/決算処理/経費精算 |
製品・サービスのPOINT
- 毎日の会計業務から世界中の税務申告や連結決算をサポート
- 国内外の専門のスタッフがリーズナブルな価格で対応します
- 日々の経理業務、子会社経理、IFRS, USGAAPも対応可能です。
ITトレンド上半期ランキング2023(経理アウトソーシング) 3位
「株式会社アイエーピーの会計アウトソース」は、外資系企業や国外の子会社の経理におすすめです。日本語のほか英語やフランス語、中国語といった多言語にも対応しています。入出金管理や売掛・買掛金管理、月次決算から連結決算まで幅広く依頼可能です。日々の経理業務だけでなく税務申告まで任せられます。
対象従業員規模 |
すべての規模に対応 |
対応エリア |
全国 |
参考価格 |
月額50,000円~ |
対応業務 |
給与計算/会計入力/税務処理/決算処理/経費精算 |
株式会社データ・ファー・イースト社の経理特化型のアウトソーシング
製品・サービスのPOINT
- お客様のご要望に合わせて契約内容をオーダーメイド!
- 担当者の急な退職などお急ぎなら経理レスキューで最短3日対応!
- 現地訪問やフルリモートでの対応も選べます!
「株式会社データ・ファー・イースト社の経理特化型のアウトソーシング」は、経理・労務とをあわせたバックオフィス全般に対応します。創業25年以上の実績と正社員率83.3%の経験・ノウハウを活かし、人件費削減や退職・休職のリスク回避に役立つでしょう。
対象従業員規模 |
すべての規模に対応 |
対応エリア |
全国 |
参考価格 |
月額3,000円~500,000円 ※業務内容や提供形態により個別見積もり |
対応業務 |
給与計算/資産管理/会計入力/社会保険手続/決算処理 |
H2Rコンサルティング株式会社の経理アウトソーシング
製品・サービスのPOINT
- 東京近郊中心に上場会社含めて実績多数
- 経理担当者のご退職等の緊急対応可能
- 経理アウトソーシングの他、ポストM&A、上場支援も対応
「H2Rコンサルティング株式会社の経理アウトソーシング」は、実務経験を有する公認会計士のほか、経験豊富なスタッフが経理業務全般を請け負います。SAPやOBICなどさまざまな経理システムに対応し、日次での振込データの作成や支払い申請の承認から、決算処理や決算報告書の作成まで行います。
対象従業員規模 |
10名以上5,000名未満 |
対応エリア |
首都圏 |
参考価格 |
月額50,000円~ ※業務量や内容、分担、時期に応じて個別見積もり |
対応業務 |
資産管理/会計入力/税務処理/振込請求管理/決算処理/経費精算 |
製品・サービスのPOINT
- 業務効率化を超えた、業務の⾃動化/削減を実現
- テクノロジーと⼈の⼒を合わせた現状の最適解を提供
- ⾃社も、取引先もストレスフリー
フリー株式会社が提供する「freee支出管理 受取請求書アシスト」は、受領した請求書のスキャン代行から電子保存、債務管理まで対応します。インボイス制度の対応にリソースが足りないと感じている企業や、業務デジタル化を推進したい企業に適しています。
対象従業員規模 |
すべての規模に対応 |
対応エリア |
全国 |
参考価格 |
初期費用200,000円、月額15,000円 |
対応業務 |
ー |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
製品・サービスのPOINT
- 中小企業基盤整備機構の、みらデジ支援機関です。
- 経理の突然の欠員もスピーディーにサポートします。
- 経理・労務のプロフェッショナルが導く、デジタル変革
「株式会社ZERO ONEの経理アウトソーシング」は、会計事務所や企業経理などでの経験をもつスタッフがバックオフィス業務を代行するBPOサービスです。経理業務はじめノンコア業務の外部委託はもちろん、DX化など業務内容の改善も進めます。また、司法書士や弁護士など専門家チームとの連携も特徴です。
対象従業員規模 |
10名以上5,000名未満 |
対応エリア |
全国 |
参考価格 |
100,000円~ |
対応業務 |
給与計算/会計入力/決算処理/振込請求管理/請求管理 |
まとめ
経理代行サービスは、専門性の高い業務や日々の煩雑な作業を委託できます。非常に便利ですが、内容や作業量に応じてサービス内容をよく精査する必要があります。コスト面とのバランスを考慮して導入を検討することが大切です。以下のボタンから各社製品の資料を一括請求できます。自社に最適な経理代行サービスを選定するために、複数のサービスを比較してみるとよいでしょう。