
予実管理とは
予実管理とは、予算と実績を管理する業務で会社経営に必要不可欠です。企業は利益を出すことを目標に年間の予実を立てます。その予算を達成するために企業は事業活動を行うでしょう。しかし全てが予定通りに進むとは限らないため、予算と実績には差が生まれます。
そこで計画からの大幅な逸脱を防ぐために、予算と実績を比較して調整することが予実管理の役割です。利益が出ていない場合は、その原因を分析するためにも日々の予実管理は重要度を増すでしょう。
予算執行の管理もおこなう必要がある
予実管理においては、予算発生前の段階で、予算に申請された金額以内におさまっているかをチェックします。こうしたチェックをおこなうことで、予算超過を事前に防ぐ事が出来ます。仮に予算超過している部署があれば、超過している原因と対策を現場と練っていくことが大切です。予実管理によって予算をたてているので、予算超過が起これば売上が上がっても赤字になってしまいます。
管理会計の一部である
企業の会計管理は「財務会計」と「管理会計」の2種類に分けることが可能で、予実管理は管理会計に含まれます。
財務会計とは伝票の起票・帳簿の記帳などの業務になり、主に社外に公開する決算書の作成を行います。公式文書の作成になるため、公的なルールに従わなければなりません。主に経理部門が担当していることが多いです。
管理会計は主に経営企画部門が担当しており、売上・コスト・利益の管理分析をします。社内で利用する会計資料を作成するため、公的なルールに従う必要はありません。管理会計の一部である予実管理は、社内の事業計画や経営方針の分析などに活用されます。
予実管理の手順
つづいて、予実管理をどのように行うのか、その手順を見ていきましょう。
1.予算を設定する
予実管理を行うときは、まず予算を設定します。予実設定の方法は大きく分けて「トップダウン方式」と「ボトムアップ方式」の2つです。このトップダウン方式とボトムアップ方式を上手く組み合わせることが求められます。
- トップダウン方式
- トップダウン方式とはトップ(経営陣)が予算の計画を立て、その内容を現場に伝えていく方法です。この方式では、予算作成に時間がかからずスピード感がある経営を実現できます。しかし、経営陣の意向で予算が決定するため現場の負担が大きく、従業員のモチベーションが下がる可能性もあります。
- ボトムアップ方式
- ボトムアップ方式とはボトム(現場)で組み上げた各部門の予算を合計し、企業全体の予算を決定する方法です。トップダウン方式と逆で、予算に関する意見を収集する手間がかかるため、予算作成に時間がかかります。また、会社全体の利益とは必ずしも一致しない部門単位の思惑が入り込む危険もあるでしょう。一方で現場の意見を取り入れているため、従業員のモチベーションは高く目標達成しやすくなります。
2.予算に基づいて実行する
次に、作成した予算に基づいて管理を実行していきます。年間予算を1ヶ月ごとに割り振った予算目標を作成します。ただし1ヶ月ごとの管理では誤差が大きくなり得るため、週次・日次管理を行い目標に対する進捗率を観測していきます。
3.予算と実績のズレを分析する
予実管理で最も重要なことは、予算と実績のズレを把握し原因を分析することです。一般的には月次決算書を作成し、各数値を比較すると良いでしょう。数値のズレの原因が外部要因なのか内部要因なのかなど的確に評価できれば、修正がしやすくなります。1ヶ月・3ヶ月ごとなど定期的に分析・評価を行うことで、予算全体のズレの発生を防げるでしょう。
予実管理を行う2つのポイント
最後に、予実管理において重要な2つのポイントを見ていきましょう。
予算を管理する人が予実を作成する
例えば部署全体の予実管理は「部長」が、課全体の予実管理は「課長」が行うでしょう。しかし部長や課長が予実策定に参加しないと、他の社員は予算が策定された理由を十分に理解できず、予実と実績の差異が生じても原因究明・改善ができません。
予実管理担当者が予算編成に参加していれば、どういった経緯で予算が策定されたのか明確です。したがって会社全体の予算を達成するためには、部署・課単位で予実管理担当者が予算作成する必要があるのです。
予算項目を可能な限り細分化する
予実編成の段階で構成する項目を細分化しておけば、予算と実績にズレが生じた場合に原因を究明しやすく改善策を立てやすいでしょう。例えば、店舗や商品別に売上を管理すると、差異が生じているポイントはどこなのか発見しやすくなります。
しかし、細かすぎれば良いというものでもなく、あくまでも予実管理者が把握・分析しやすいように設定します。
ポイントを理解して的確に予実管理を行おう!
予実管理とは管理会計の一部であり、企業の目標を達成するために重要な業務です。適切に予実管理を行うために手順を理解しましょう。まずは予算の設定を行います。予実編成の方法にはトップダウン・ボトムアップの2種類があります。両者の利点を活かして自社に適した方法で予算を編成しましょう。
また、予実管理をする担当者が予算編成に加わることや、予算項目を適度に細分化することが効果的です。これらのポイントを押さえて的確に予実管理を行いましょう。
