毎日が決算状態で多忙
経理業務未経験者には、経理=決算時期だけが多忙というイメージを抱かれることが多いもの。しかし、今までの経理業務がスムーズに進んでいない会社に就職した場合、過去の売掛金がそのままになっている、膨大な資料の中から必要な数字を探し当てなければいけないといったことも日常茶飯事です。過去に遡れば遡るほど、他部署のミスや数字の打ち込み間違い等様々なトラブルが発覚することも。決算時期は過ぎたけれど、まるで毎日が決算状態だと悲鳴を上げている人も少なくありません。
実際、手書きで数字を書く場合の書き間違いに比べてパソコンを使って打ち込む場合は、打ち間違い率も大幅にアップします。例えば390円と入力すべきところを309円と入力してしまった、という些細なミスもどこかで必ず辻褄が合わなくなってしまうもの。入力時に気付かない、また他人が入力している場合、その間違い探しには途方も無い時間がかかります。これはまさにトランプの神経衰弱状態。
いつかは必ず正解にたどり着くとはいうものの、勤務時間には限りがあります。また過去の修正業務に加え、日々の経理業務もこなしていかなければなりません。「慣れたら面白い」という声もありますが、慣れるまでには一苦労あると言えるでしょう。小規模な会社であればあるほど、毎日が決算状態になる確率は高いと言えます。
ミスを減らすため確認が多い
経理部初心者の人にとって些細なミスにより「数字が合わない」ことは、おそらく日常茶飯事ではないでしょうか。しかし、そのままではスキルアップは望めません。ミスを減らすために、何より大切なこと。それはチェック項目を変えて、複数回の確認をすることです。同じ目線で何回も資料を見ても、ミスは減りません。たとえ経理担当者が自分1人でもダブルチェック、トリプルチェックをする心がけが必要でしょう。
- ・ミスの原因を知るための事前確認
- 帳簿の入力ミスには、個人の癖が表れます。自分が打ち間違いやすい数字、他の人が打ち間違いやすい数字の法則を見つけておきましょう。一般的に、3と8、6と9は曲線が似ているため、急いで入力するとミスしやすい数字です。同時に、元の書類の数字が本当に合っているのか確認する癖をつけるとベストでしょう。
いくら自分が正確に数字を入力したとしても、元の書類自体が間違っていれば、全く意味がありません。元の内容をしっかりチェックし、気になることがあれば、その都度、確認することが重要です。
- ・ミスの早期発見をするコツ
- 人間が行う仕事に、100パーセントはありません。しかしできるだけ早くミスを発見することでその後の仕事効率も変わるもの。経理部初心者の人のお悩みの中には「ミスした場所を探すのに時間がかかる」という声もあります。
ミスをしやすいパターン
ミスをしやすいパターンとして、シンプルな「科目の入力ミス」の他、「貸方と借方の入力ミス」「桁数の入力ミス」「位の入れ替え入力ミス」が挙げられます。科目のミスは合わない科目に原因があり発見しやすいですが、後の3つはなかなか原因が見つけにくいでしょう。
そこで重要になるのが、ミスが生じた原因を見つけるポイントです。まず、貸方と借方の入力ミスの発見に使える技が合わない金額を2で割ることです。500円であれば、250円。250円という数字で貸方と借方が逆になっているところはないかなどをチェックしましょう。
桁数の間違いを発見するためには、数字を9で割ります。本来2,000円のところを200円と入力していて1,800円合わないとしましょう。1,800を9で割った数字、200円が出てきます。この場合は200円、2,000円という数字を探すことでミスが発見しやすくなります。
位の入れ替えミスも、9の数字が役立ちます。本来345円のところを354円と入力し、9円合わない場合。9を9で割ると、1となります。1から9の数字であれば、1の位と10の位が入れ替わっている、10~99であれば10の位と100の位が入れ替わっているという法則があるため、その法則に基づいて探してください。
経理に向いている性格とは?
一般事務に比べ、専門的な業務とも言える経理業務。経理の向き、不向きには性格が大きく影響しています。ここでは経理が向いている人の特徴、向いていない人の特徴についてご紹介します。
まず、経理が向いている人は、数字に対する苦手意識が無い人です。基本的に、経理業務とは毎日毎日数字と向き合うことが仕事です。売掛金の消込もゲームのようにとらえ、面白い!と感じることができる人はまさに適性がある人。数字が合わず過去に遡って原因を探すことも「間違い探しゲーム」のように楽しめる人、ぴったり数字が合うことを快感だと思える人は、経理部でイキイキと働くことができるでしょう。
また経理業務は完全なるデスクワークのため、仕事以外に体を動かす趣味を持っている人はうまくストレス発散ができ、経理業務を長く続けやすいと言えるでしょう。
逆に経理に向いていない人は、数字を合わせることに面白みが見出せない人です。特に前職が営業職や接客業で人と接することが多い仕事に面白さを感じていた人は、コツコツとした作業が必要な経理業務に苦手意識を感じる可能性が高いかもしれません。また、他人のミスを修正することも多いため、尻拭いが苦手な人も向いていないと言えるでしょう。大雑把すぎる性格もよくありませんが、逆に神経質すぎてストレスを溜め込んでしまうタイプの人なども精神的なダメージが大きい可能性がありますので、おすすめできません。
アウトソーシングも検討しつつ、悩みを解決しよう
経理部が抱える様々なお悩みと、ミスを防ぐ事前確認方法・ミスの早期発見方法などについてご紹介しました。経理部は常に完璧が求められる部署ですが、人間である以上、いちどで完璧に仕上げるのは難しいもの。いかにミスを防ぐか、またミスをいかに早く発見するかのコツを掴むことが、経理技術向上に繋がると言えるでしょう。
多忙な経理担当者の業務をサポートするサービスとして、経理アウトソーシングがあります。興味のある方は以下の記事もぜひ参考にしてください。