ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■データ移行の支援内容別
- 他社ソフトからの乗り換え・データ取り込みに対応:マネーフォワード クラウド会計、タックスナップ、フリーウェイ経理Lite、円簿会計、円簿青色申告
- 仕訳・期首残高データのインポートに対応:弥生会計 Next
- 複数の会計ソフト形式へ仕訳データを変換:HAYAWAZA会計版
- 導入支援・運用支援あり:弥生会計 Next、Galileopt DX 財務大将、MJSLINK DX 財務大将
- ■乗り換え先の提供形態別
会計ソフトの乗り換えは期首の切り替えが基本
会計ソフトを乗り換える時期は、期首と期中の2つに分けられます。期首なら前期末の確定した残高を引き継ぐだけで始められるため、作業量を抑えられます。期中に乗り換える場合は、移す範囲が広がる点に注意しましょう。
期首に乗り換える場合の進め方
期首の乗り換えでは、前期の決算で確定した各勘定科目の残高を、新しいソフトの開始残高として登録します。過去の仕訳は旧ソフトに残し、新年度の取引から新しいソフトで入力を始める流れです。
ただし、決算の確定は期末から数か月後になることがあります。その間は旧ソフトで前期の決算整理を進めつつ、新年度の取引を新しいソフトに入力する期間が生じます。決算確定後に開始残高を最終の数字へ修正する手順を、あらかじめ決めておきましょう。
期中に乗り換える場合の追加作業
期中に乗り換える場合は、期首残高に加えて、期首から切り替え月までの取引も新しいソフトに移す必要があります。決算時に1年分の総勘定元帳や試算表を新しいソフトで出力できるようにするためです。
移し方には、期首からの仕訳をすべて取り込む方法と、月ごとの合計残高だけを登録する方法があります。仕訳を移すと取引ごとの明細を新しいソフトで確認できますが、データ量が増えます。どちらの方法をとるかは、顧問税理士と相談して決めると安心です。
乗り換え前に洗い出す会計データと設定
移行作業を始める前に、旧ソフトにどのようなデータと設定があり、新しいソフトにどう引き継ぐかを整理します。会計ソフトごとに科目の体系や設定項目が異なるため、対応関係を先に決めておくと、取り込み時の修正を減らせます。
勘定科目と補助科目の対応表
最初に作りたいのが、旧ソフトと新しいソフトの勘定科目を1対1で結びつける対応表です。科目名は同じでもコードや分類が異なる場合があるため、名称だけで判断せず、貸借対照表と損益計算書のどこに表示されるかまで確認します。
補助科目も同様に整理します。取引先別の売掛金や、口座別の普通預金などは、補助科目の残高まで移さないと内訳がわからなくなります。使っていない科目はこの機会に整理し、部門を設定している場合は部門の対応も決めておきましょう。
消費税と取引先の設定
消費税の設定は、課税方式と税区分の2点を確認します。原則課税か簡易課税かといった課税方式は、新しいソフトの初期設定で正しく選ぶ必要があります。税区分は製品ごとに名称や分け方が異なるため、科目と同様に対応表を作ります。
取引先の情報も移行の対象です。インボイス制度の登録番号を取引先ごとに管理している場合は、その情報まで引き継げるかを確認しましょう。引き継げない場合は、新しいソフトで改めて登録する作業時間を見込んでおきます。
旧ソフトから出力できるデータの範囲
旧ソフトからどのデータを、どの形式で出力できるかも事前に確認します。仕訳や残高はCSV形式で出力できる製品が見られますが、固定資産台帳や取引先の情報は出力できない、または形式が異なる場合があります。
新しいソフトの側でも、取り込めるデータの形式は製品によって異なります。他社ソフトのデータをそのまま読み込める製品もあれば、指定のレイアウトに加工する必要がある製品もあります。出力と取り込みの両方を確認したうえで、手入力が必要な範囲を見積もりましょう。
会計ソフト乗り換えの具体的な手順
準備が整ったら、新しいソフトの設定、データの取り込み、残高の照合の順に進めます。いきなり本番の全データを取り込まず、一部のデータで試してから進めると、エラーが起きた場合の修正範囲を小さくできます。
手順1:新しいソフトの初期設定と科目の登録
はじめに、会社情報や会計期間、消費税の課税方式といった基本情報を新しいソフトに登録します。会計期間を誤ると仕訳の計上月がずれてしまうため、入力後に見直しましょう。
次に、作成した対応表にもとづいて勘定科目と補助科目、部門を登録します。新しいソフトの初期科目をそのまま使う場合は、旧ソフトの科目がどれに当たるかを対応表に書き込んでおきましょう。銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取り込む連携は、この段階で設定し直します。
手順2:開始残高と仕訳データの取り込み
科目の登録が終わったら、開始残高を登録します。期首に乗り換える場合は前期末の残高を、期中の場合は期首残高を入力し、補助科目ごとの内訳もあわせて登録します。
期中の乗り換えで仕訳を移す場合は、旧ソフトから出力した仕訳データを取り込みます。取り込み時に、科目の対応や税区分の割り当てでエラーが出ることがあります。まず1か月分で試し、エラーの内容を確認してから残りの期間を取り込むと、修正の手戻りを抑えられます。
手順3:残高の照合と並行入力での確認
取り込みが終わったら、旧ソフトと新しいソフトで試算表を出力し、勘定科目ごとの残高が1円単位で一致しているかを照合します。補助科目の残高や、消費税の税区分ごとの集計額もあわせて確認しましょう。
残高が一致しても、日々の入力が問題なく進むとは限りません。可能であれば1か月程度は両方のソフトに入力し、月次の試算表が一致するかを確かめると安心です。並行入力が難しい場合は、切り替え後の最初の月次締めで重点的に確認します。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で会計ソフトの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
乗り換え時に確認したい電子帳簿保存法とインボイス対応
会計ソフトを乗り換えると、帳簿や取引データの保存方法、消費税の計算方法が変わる場合があります。乗り換え後も法令に沿った処理を続けられるよう、電子帳簿保存法とインボイス制度に関わる設定を確認しましょう。
電子帳簿保存法の保存要件の確認
電子帳簿保存法では、2024年1月以降、メールやWebで受け取った請求書などの電子取引データを電子データのまま保存することが求められています。新しいソフトや連携するサービスで、このデータを検索できる形で保存できるかを確認しましょう。
また、一定の要件を満たす「優良な電子帳簿」として保存し、届出をしている場合は、過少申告加算税が5%軽減される措置を受けられます。乗り換え後もこの要件を満たせるかは製品によって異なるため、提供元の資料や顧問税理士に確認してください。
インボイス制度に関わる税区分の設定
インボイス制度に対応するには、仕入れの相手が適格請求書発行事業者かどうかを区別して、消費税を計算する必要があります。乗り換え後も、取引先ごとの登録番号の管理や、仕入税額控除の区分を正しく設定できるかを確認しましょう。
免税事業者などからの仕入れに適用される経過措置は、令和8年度税制改正により、2026年10月1日以後の仕入れから控除割合が80%から70%に変わっています。同じ事業年度の中に80%と70%の取引が混在する場合もあるため、新しいソフトで両方の税区分を扱えるかを確認しましょう。適用条件の詳細は国税庁の公表資料で、税区分の設定方法は提供元の資料で確かめておくと安心です。
旧会計ソフトのデータ保存と解約の注意点
乗り換えが終わっても、旧ソフトのデータはすぐに消してよいわけではありません。帳簿には法律で定められた保存期間があり、税務調査で過去の帳簿の提示を求められることもあります。旧ソフトの扱いは解約前に決めておきましょう。
保存期間を踏まえたデータ保管
法人の帳簿は、原則として確定申告書の提出期限の翌日から7年間の保存が必要です。青色申告で欠損金額が生じた事業年度については、10年間の保存が求められます。旧ソフトで作成した帳簿も、この期間は確認できる状態で残す必要があります。
電子データのまま保存する場合は、画面や書面に速やかに出力できる状態にしておくことが求められます。クラウド型の旧ソフトは、解約するとデータを閲覧できなくなる場合があります。解約前に、仕訳帳や総勘定元帳、決算書を出力して保管しておきましょう。
解約のタイミングと関係者への共有
旧ソフトの解約は、新しいソフトで最初の決算を終えてから行うと安心です。初年度の決算で前期との比較や修正が必要になった場合に、旧ソフトのデータを参照できるためです。
あわせて、顧問税理士や社内の経理担当者に、切り替え日と新しいソフトの利用方法を共有します。操作手順や科目の対応表を文書にまとめておけば、担当者が替わった場合でも作業の引き継ぎが容易です。複数人で手順を把握しておくと、特定の担当者に作業が集中することを防げます。
データ移行と導入支援で見る会計ソフト一覧
この記事で紹介する会計ソフトについて、データ移行や導入支援に関する特徴を一覧にまとめました。取り込めるデータの種類や移行元のソフトは製品によって異なるため、詳細は資料で確認しましょう。
| 製品名 | 特徴 | 提供形態 |
|---|---|---|
| マネーフォワード クラウド会計 | 2,300以上の金融関連サービスと連携して明細を自動取得するクラウド会計ソフト。他社会計ソフトからの乗り換えにも対応する | クラウド / SaaS |
| 弥生会計 Next | 仕訳データや期首残高データのインポートに対応し、科目や取引先、税区分の対応付けも設定できるクラウド会計ソフト | クラウド / SaaS |
| 「MJSLINK DX 財務大将」 | 中堅・中小企業向けクラウド型ERPの財務会計システム。勘定科目の体系を柔軟に設計でき、導入支援と運用支援がある | オンプレミス / クラウド |
| 「Galileopt DX 財務大将」 | 制度会計と管理会計を同一システム内で管理できる財務会計システム。訪問や電話、リモートでの導入支援と運用支援がある | オンプレミス / クラウド |
| タックスナップ | 個人事業主やフリーランス向けの確定申告アプリ。freeeやMoneyForward、弥生、PayPayの取引データを取り込める | クラウド / SaaS / サービス |
| フリーウェイ経理Lite | 他の会計ソフトのCSVファイルから仕訳データやマスタを移行できる会計ソフト。無料プランでほとんどの機能を期限なく使える | クラウド / SaaS |
| 円簿会計 | 弥生会計のデータ取込に対応したクラウド会計ソフト。基本機能は無料で、法人決算書の作成にも対応する | クラウド / SaaS / サービス |
| 円簿青色申告 | 個人事業主向けのクラウド型青色申告ソフト。やよいの青色申告のデータ取り込みに対応し、簿記の知識がなくても入力できる | クラウド / SaaS |
| HAYAWAZA会計版 | 銀行やExcelのデータを、40種類以上の会計ソフトに対応した仕訳データへ自動で変換するソフト | パッケージソフト / サービス |
データの取り込みや導入支援に対応した会計ソフト
旧ソフトからのデータ取り込みや、導入時の支援について製品ページに記載がある会計ソフトを紹介します。対応する移行元のソフトやデータの範囲は製品ごとに異なるため、資料請求で確かめておきましょう。
マネーフォワード クラウド会計
- 自動入力・自動仕訳で会計業務がどんどんラクに
- 法人運営に必要な12のサービスを基本料金内で利用可能
- 無料のメールサポートや有人チャットサポートで初心者も安心
株式会社マネーフォワードが提供する「マネーフォワード クラウド会計」は、会計業務の効率化を支援するクラウド型会計ソフトです。銀行口座やクレジットカード、電子マネーなど2,300以上の金融関連サービスと連携して明細を自動取得し、仕訳候補を作成します。他社会計ソフトからの乗り換えにも配慮しており、会計ソフトの移行に対応しながら導入を進められます。クラウド上で最新のデータを確認できるため、税理士との情報共有もオンラインで行えます。
弥生会計 Next
- 簿記や経理の知識がない初心者でもすぐに始められる会計ソフト
- これ1つで請求書発行などバックオフィス業務をまるごと効率化
- 経営状況の見える化を実現することで、事業の成長をサポート
弥生株式会社が提供する「弥生会計 Next」は、会計・経費・請求業務をまとめて効率化できるクラウド会計ソフトです。仕訳データや期首残高データのインポートに対応し、取り込みの際には勘定科目や補助科目、取引先、部門、税区分の対応付けを設定できます。初期設定はいくつかの質問に答えて進められ、2期目以降は前年度決算の設定も初回の手順に含まれています。導入・運用支援も用意されています。
MJSLINK DX 財務大将
- 管理会計機能が充実し、オプションが豊富な財務システム
- 多彩なモジュールと豊富なオプション
- 建設工事業、公益法人等の業種特有の会計基準にも対応
株式会社ミロク情報サービスが提供する「MJSLINK DX 財務大将」は、中堅・中小企業向けのクラウド型ERPシステム「MJSLINK DX」の財務会計システムです。勘定科目の体系を柔軟に設計でき、多段階の階層で集計を設定すると、管理会計と制度会計を両立した帳票も作成できます。AI仕訳による外部システムとのデータ連携や、さまざまな伝票入力形式にも対応しています。訪問・電話・リモートによる導入支援と運用支援があります。
Galileopt DX 財務大将
- 豊富なビジネスプロセスモジュールを搭載
- 企業の成長に合わせた柔軟なシステム構築が可能
- インボイス制度やスキャナ保存など、制度改正にも迅速に対応
株式会社ミロク情報サービスが提供する「Galileopt DX 財務大将」は、制度会計と管理会計の両方を同一システム内で管理できる財務会計システムです。セグメントやプロジェクト、部門など最大30種類の管理項目を扱え、基本科目体系とは別に管理会計用の科目体系も作成できます。経費精算のクラウドサービスや、予算管理や連結会計の製品との連携にも対応しています。サポートとして訪問・電話・リモートによる導入支援と運用支援が用意されており、導入後の運用についても相談できます。
タックスナップ
- 丸投げ仕分けで、面倒な確定申告の手間を大幅に削減
- 勘定科目は9割以上の精度で自動判定するから会計知識不要
- 税理士監修の税務調査リスクチェックがあるから不安なし
株式会社タックスナップが提供する「タックスナップ」は、フリーランスや個人事業主、副業をしている人に向けた確定申告アプリです。他の会計ソフトからの移行に対応しており、freeeやMoneyForward、弥生、PayPayの取引データを取り込めます。クレジットカードや銀行口座と連携して取引データを自動で取得し、スワイプ操作や丸投げ仕分けで仕訳を進められます。勘定科目は自動で判定され、マイナンバーカードがあればアプリから申告の提出まで行えます。
フリーウェイ経理Lite (株式会社フリーウェイジャパン)
- 会計ソフトとして十分な機能をずっと無料で使用できる
- 初めての会計ソフト導入でも安心なマニュアルを用意
- 各種帳票など多様な書類が出力可能
円簿会計 (株式会社円簿インターネットサービス)
- 弥生会計のデータ取込に対応。再入力不要。
- 個人情報不要、メールでログイン、データは2重保管。
- 付箋メモとレシート画像保存で領収証整理を大幅削減。
円簿青色申告 (株式会社円簿インターネットサービス)
- やよいの青色申告データ取り込み対応
- 機能制限と費用なし(登録から1年間)
- レシート撮影や付箋機能で経理業務を効率化
HAYAWAZA会計版 (株式会社HAYAWAZA)
- 40以上の会計ソフト対応で複数運用や切替時も安心。
- 約1分で1000仕訳生成、入力ミスなし。
- 多様なデータから仕訳を自動生成。
まとめ
会計ソフトの乗り換えは、確定した残高を引き継げる期首に切り替えると進めやすくなります。期中に乗り換える場合は、期首からの仕訳や月次残高もあわせて移しましょう。勘定科目と補助科目の対応表を作り、取り込み後は科目ごとの残高を照合します。電子帳簿保存法やインボイス制度の設定、旧ソフトのデータ保存も忘れずに確認してください。移行しやすい会計ソフトを比べたい方は、資料請求を活用してください。

