会計ソフトと電子帳簿保存法
会計処理にはさまざまな伝票と帳票が必要となり、これらは保存が厳格に義務づけられています。その期間は会社法では10年(平成28年6月3日現在)、法人税法では7年(平成28年4月1日現在)となっています。税務調査への対応もあって、3年分ほどはすぐに取り出せるようにしておくことも必要です。
電子帳簿保存法の制定
この大量の紙の保存と管理が企業の大きな課題となっていました。これに応えて、電子帳簿保存法が1998年に制定され、帳簿書類の電子的な保存が可能となりました。
対象となるのは、総勘定元帳や仕訳帳などの帳簿、貸借対照表や損益計算書などの決算書類、その他自社発行の請求書などです。
電子化による影響
これが企業にとって大きな福音となり、紙の管理の煩わしさから解放されました。ファイリングや保管庫への移動、手作業での検索がなくなり、帳票保管スペースの減少はコスト削減に、ペーパーレス化はオフィスの美化にもつながりました。
電子化することで、紛失や持ち出しなどによる情報漏えいリスクが軽減され、セキュリティの強化も可能となりました。
会計ソフトのほとんどは、すでに電子帳簿保存法に対応しており、事前にスキャナ保存の承認申請をすることでこれらのメリットを得ることができます。

スキャナ保存が現実的に
電子保存とはいえ、当初は自社システムで作成された帳票類に限られていました。しかし、会計処理には、請求書、納品書、領収書など、紙の帳票類が多くあります。このため、2005年に国税関係書類のスキャナ保存制度が導入され、スキャナで読み込んで電子保存することが認められました。
スキャニングにおける課題
しかし、3つの点が大きなハードルとなり、初期の段階ではまだまだ現実的ではありませんでした。
1.書類の制限
電子保存できる書類が制限されており、たとえば領収書は3万円以上に限られていました。
2.スキャニング場所の制限
会社の電子署名とタイムスタンプを付すことが義務づけられており、実質的に本社以外ではスキャニングできませんでした。
3.時間の制限
会計処理が発生してから7日以内と定められていましたが、7日以内に本社に必要書類を集めスキャニングすることは極めて困難でした。
規制の緩和によりタイムスタンプの利用が可能に
これが2016年から大幅に緩和されることになり、注目されました。まず、書類制限が大幅に緩和され、たとえば領収書は3万円未満でも可能となりました。7日間以内に入力する制限も最長で1ヵ月(締め後)+7日になりました。そして、電子署名の規制がなくなり、タイムスタンプのみでOKとなったのです。
タイムスタンプに対応する会計ソフト
現実的になったとはいえ、電子化された書類にはタイムスタンプを付すことが必要です。このタイムスタンプとは何でしょうか。
タイムスタンプとは?
タイムスタンプとは、対象となる書類が刻印された日時に存在し、その後、変更されていないことを証明する技術です。「財団法人日本データ通信協会」が基準を定め、その基準を満たす事業者が提供するタイムスタンプのシステムでなければいけません。
タイムスタンプは2005年のスキャナ保存制度のころから求められ、2016年の規制緩和でも変わってはいません。当局としても、スキャニングされたデータの改ざんは決して許されないということなのでしょう。
会計ソフトにタイムスタンプの機能を搭載
このタイムスタンプのサービス提供事業者が限られ、手間や価格が企業にとって大きな負担となっていました。
そこで会計ソフトにタイムスタンプの機能が追加されるようになったのです。スキャナで読み込んだデータを会計ソフトで取り込んでタイムスタンプを刻印します。これでその紙書類は確かに存在していたことと、その後改ざんされていないことの証明となります。
今後拡大が予想されるタイムスタンプ対応
まだ、タイムスタンプ対応のソフトが多いわけではありません。しかし、デジタル化が進んでいく社会の中で、今後増加していくと予想されます。帳簿の電子保存を考えるのであれば、ぜひ考慮しておきたい機能の1つです。
また、タイムスタンプの他にも製品によって機能に違いがあります。気になる方は、無料で資料請求してみてはいかがでしょうか。
