会計ソフト導入後の3つのステップ
会計ソフト導入後にやるべきことは大きく3つ、会計ソフトの初期設定、セキュリティ設定、会計データのバックアップ設定です。
ステップ1.会計ソフトの初期設定
会計ソフトが実行する処理は定型的であるため、他の業務ソフトのように企業ごとに機能をカスタマイズすることはほとんどありません。その代わり、初期設定する項目が多くありますが、その項目は、どの会計ソフトでもだいたい共通しています。
項目は以下のようなものが必要です。
- ■事業所情報の入力
- 社名、住所、業種など、決算書に出力すべき項目を全て入力します。
- ■年度情報の設定
- 会計年度の開始月と使い始めの年度を入力します。
- ■消費税設定
- 原則課税か簡易課税かを選択。減価償却方式の設定では定額法か定率法かを選択します。
- ■預金情報の設定
- 口座のある銀行名・支店名と残高を入力、複数の口座がある場合は、それぞれ入力します。同様に、現金残高の設定も必要です。
- ■取引先の情報入力
- 取引先ごとに売掛金や買掛金があればその情報も入力します。
- ■勘定科目と補助科目の設定
- 予め設定してある勘定科目の中から、不要なものは削除しておきましょう。逆に、必要な科目が存在しないときは追加登録します。売上等を細かく管理したい場合には、補助科目として内訳項目を設定しておくと、あとで統計処理をするときに便利です。
- ■期首残高
- 在庫等の機種残高があれば、入力しておきます。
ステップ2.セキュリティ設定
会計情報は、企業にとって最重要の秘密情報の1つです。データが盗まれれば、売買情報などがすべて知られてしまいます。そのため、セキュリティも厳重に管理する必要があります。
ID、パスワードを設定できるソフトであれば必ず設定し、アクセスログを採取できるソフトであれば、採取先を設定します。利用端末を登録できるソフトであれば、必要最小限の端末にとどめるようにします。データの暗号化が可能なソフトであれば、暗号化の設定をします。
最近はクラウド型の会計ソフトも登場していますが、これらを利用するのであれば、サービス提供者と相談して可能な限りのセキュリティ設定をしておきます。
ステップ3.会計データのバックアップ設定
会計データのバックアップ設定は、導入後必ずしておきましょう。
会計データはバックアップ必須
会計データは非常に重要で、もし破損してしまったり、無くしてしまったりしたら会社が機能しなくなります。そのため、このデータのバックアップは欠かすことはできません。バックアップは、できるだけこまめにするように設定しておきましょう。
クラウド上にバックアップデータを保存
スタンドアロンのパソコン上で動作する会計ソフトの場合には、ソフトの終了時に自動的にバックアップを作成するものがあります。しかし、同じパソコン上のディスクにバックアップを作成すると、そのパソコンが壊れたときにオリジナルデータとバックアップデータが同時に失われてしまう可能性があります。
そのため、ファイルサーバやCD等の別媒体にバックアップすることが必要です。最近はクラウド上にバックアップできるソフトがあるので、社内のセキュリティポリシーに違反しなければ、クラウド上にバックアップをするように設定したほうが安心です。

会計ソフトの使い方を把握しよう
会計ソフトを利用する上でも会計用語の理解は必要になります。また、エクセルとは異なった入力方法のため、入力方法をしっかりと把握して、業務を効率化させましょう。
会計ソフトを有効活用しよう!
会計ソフト未導入企業の場合、エクセルなどの表計算ソフトからの移行が含まれますが、移行の際はエクセルでの管理を廃止して完全移行を目指しましょう。なるべく、会計データは会計ソフトに一元化し、グラフ作成などのレポートに限定してエクセルを利用するように徹底しましょう。ここまでの3つのステップとは別にステップゼロとして対応してください。
以上、会計ソフトを導入後に実施すべきことを紹介しました。これから導入を検討するのであれば、初期設定がしやすく、セキュリティやバックアップなどの機能が優れたものを選択のポイントとすることをお勧めします。スムーズな導入のために必要な機能を見極めてしっかり比較検討しましょう。
