AIチャットボットとは
AIチャットボットとは、人工知能(AI)技術を用いて開発されたコンピュータプログラムで、人間との対話を模倣するシステムです。1960年代にアメリカで誕生し、現在は世界中で活用されています。チャットボットには、以下の2つの仕組みがあります。
ルールベース型は、事前に設定したスクリプトをもとに、会話を進めるチャットボットです。ユーザーの質問に対し、自己学習した内容をもとに自然言語で回答を行ったり、わからないことを教えてくれたりします。
一方、機械学習型は登録されている多くのデータをもとに反復して学習を行い、回答の精度を高めていくチャットボットです。
蓄積された情報量が増えれば増えるほど人間との対話に近いものになります。最終的には形式的な返答ばかりではなく、簡単な雑談もこなせるようになるのが大きな特徴です。
AIチャットボットでできること
AIチャットボットの導入を検討するなら、何ができるかを知っておく必要があります。ここではAIチャットボットでできる具体的なこととして、以下の2つを紹介します。
- ●サービスの品質向上
- ●コンバージョン率(CVR)の向上
サービスの品質向上
AIチャットボットは、顧客サービスの効率と品質を向上させる効果があります。
AIチャットボットは、顧客が話した内容に対して即座に反応し、顧客の質問に対してスムーズに回答を提供できます。特に一次応対をチャットボットが行ってくれることで、スタッフの負担を減らすことが可能です。スタッフの負担を減らせれば、他の業務に集中しやすくなるため、サービスの品質を上げられます。
また、問い合わせ内容やホームページのよく見られる項目をデータベースに蓄積して分析することも可能です。顧客データを分析することで、サービス改善のヒントが得られ、結果的にサービスの品質向上に繋げられるでしょう。
コンバージョン率(CVR)の向上
AIチャットボットの重要な役割は、企業のコンバージョン率、つまり売り上げを高めることです。
AIチャットボットを導入すれば、顧客との接点が今まで以上に多くなります。電話と比べると、自動で内容を聞き取ってくれるため問い合わせしやすく、顧客の心理的ハードルを下げられます。
特に問い合わせが苦手な人であれば、AIチャットボットの設置によって気軽に質問ができるようになるでしょう。その他にもユーザーが求める回答をすぐに得られたり、フォーム離脱を回避したりするのもCVR向上につながる理由です。
AIチャットボットができないこと
AIチャットボットの導入を考えているのであれば、できないことについても理解しておきましょう。ここでは具体的にできないこととして、以下の2つを紹介します。
- ●専門知識が必要な内容への返答
- ●顧客からのクレーム・トラブル対応
専門知識が必要な内容への返答
AIチャットボットは、専門的な知識や深い理解を必要とする質問に対して、十分な回答を提供できません。
専門知識が必要な質問への回答は、その分野に関する数多くのデータを集め、学習させる必要があります。学習には多くの時間を必要とするため、結果的にAIによる対応は難しいでしょう。
例えば、医療分野の専門的な質問に対して、AIチャットボットは一般的な情報を提供することはできても、最新の研究や特定の症状に対する詳細なアドバイスを提供することは困難です。誤った回答を返すリスクも伴うため、回答ができないときはその旨を伝える対応を登録しておくのがよいでしょう。
顧客からのクレーム・トラブル対応
AIチャットボットでは、顧客からの複雑なクレームやトラブルの対応は困難です。
クレームやトラブル対応は、顧客一人ひとりに合った対応する必要があり、臨機応変な対応が求められます。AIチャットボットは、人間のように感情のニュアンスを完全に理解し、対応することが難しく、AIチャットボットで対応は不可能といえるでしょう。
あくまでもAIチャットボットは、データやログに蓄積された内容を参照して回答・対応を実施します。想定外の質問には回答できず、謝罪もできないため、クレーム・トラブル対応には向かないでしょう。
AIチャットボットを導入するメリット
AIチャットボットを導入するメリットを知っていれば、自社サービスへの採用が本当に必要かを判断できます。ここからは導入するメリットとして、以下の3つを紹介します。
- ●人的コストの削減につながる
- ●顧24時間365日対応できる
- ●自社で入力した内容をFAQに設定できる
人的コストの削減につながる
AIチャットボットの導入は、企業にとって人的コストを削減する大きな利点をもたらします。
AIチャットボットは24時間365日稼働でき、人間の代わりに多くの基本的な顧客対応を行うことが可能です。例えば、カスタマーサポート部門でのAIチャットボットの導入により、簡単な問い合わせや定型的な業務をAIが担当することで、スタッフはより複雑な問題や高度な顧客対応に集中できます。
これまでオペレーターで対応していた部分をAIチャットボットに任せることで、業務の負担軽減や人材コストの削減に繋げられるでしょう。
24時間365日対応できる
AIチャットボットを導入すれば、営業時間に関係なく24時間365日対応できるようになります。
人が対応する場合は営業時間内でなければ対応できず、休日は丸一日問い合わせを受けられません。AIチャットボットの導入によって機会損失が少なくなり、売り上げやコンバージョン率のアップが期待できます。
売り上げ拡大の機会を逃したくないと考えている企業こそ、AIチャットボットを有効活用するのがよいでしょう。
自社で入力した内容をFAQに設定できる
AIチャットボットを利用することで、企業は独自のFAQ(よくある質問)を設定し、顧客からの一般的な問い合わせに効率的に対応することが可能です。
よくある質問については自社で入力が可能で、これまでの問い合わせをもとに設定できるのはメリットといえるでしょう。
テンプレートを設定してしまえば、自社サービスや商品に特化したAIチャットボットが完成します。また、仕様が変わった場合もテンプレートを調整すれば問題ありません。オペレーターの負担軽減および業務改善を目指している場合は、AIチャットボットの導入を検討してみましょう。
AIチャットボットを用いれば業務効率の改善にもつながる
AIチャットボットを自社のホームページに設置しておけば、さまざまなメリットを得られます。特にAIチャットボットで簡単な問い合わせに対応できれば、負担も軽減され、機会損失も少なくなるでしょう。
ただし、AIチャットボットには向き・不向きの業務があるため、それぞれを把握しておくことが大切です。さらに利用するAIチャットボットにはさまざまな種類があることも理解しておきましょう。導入を検討している場合はまず資料請求をして、自社に合ったサービスを判断してください。