中小企業におけるチャットボット導入の悩みとは
問い合わせ対応の負担や品質向上を目的に、チャットボットの導入を検討する企業も多いでしょう。中小企業がチャットボットの導入時に感じる主な悩みは次のとおりです。
- ●予算に制約がある
- ●自社に効果的な製品がわからない
- ●導入・運用リソースが不足している
中小企業では人員に限りがあるため、チャットボットの設計やカスタマイズに必要な知識をもつ人材が不足している企業も多いといえます。また、チャットボットの設定やメンテナンスのほか、運用担当者への教育が必要であり、工数がかかるといったイメージもあるようです。そのため導入後の効果が不明瞭な場合、コストに見合うかどうかわからず決裁が下りにくいかもしれません。
中小企業がチャットボットシステムを導入するメリット
ここからは、中小企業がチャットボットシステムを導入することの3つのメリットを詳しく解説します。
- ●「脱・属人化」が期待できる
- ●UX改善によるコンバージョン獲得が見込める
- ●時間外の問い合わせにも対応できる
「脱・属人化」が期待できる
チャットボットシステムの活用により、個々の従業員の経験やスキルに依存せずに、一貫性のある高い品質の顧客対応を提供できます。中小企業ではリソースが限られているため、チャットボットの導入は業務の効率化とサービス品質の向上に直結するでしょう。
通常、従業員による対応には個人差があるため、顧客によってはサービスの質にばらつきが生じます。しかしチャットボットの導入により、すべての顧客に対して一貫した情報提供や問い合わせ対応が行えるようになり、サービス品質の均一化を実現可能です。
また、チャットボットは顧客対応のノウハウを共有しやすくします。従来、社内の知識や対応方法は、個人の経験やスキルに依存していましたが、チャットボットの活用により、そのノウハウをシステム内に組み込めます。
UX改善によるコンバージョン獲得が見込める
消費者は、商品の購入やサービスを利用する際、迅速かつ簡潔な対応を求めています。チャットボットシステムの活用により、顧客の問い合わせに即座に対応することで、ユーザーの満足度を高められるでしょう。この即時性は、特に情報収集や購入意欲が高まっている瞬間において、顧客がサービスから離脱せず、最終的なアクションに結びつける要因となります。
また、チャットボットは複雑なナビゲーションやフォーム入力の代わりに、ユーザーの質問に直接答えることで、Webサイトやアプリ内でのユーザー体験を簡素化します。これは、ユーザーが求める情報や製品へのアクセスを容易にし、結果としてコンバージョン率の向上に寄与するでしょう。
時間外の問い合わせにも対応できる
中小企業がチャットボットシステムを導入するメリットの一つは、時間外の問い合わせに対応できる点です。人的リソースが限られるなか、営業時間外にも顧客からの問い合わせに対応するのは困難です。しかしチャットボットシステムの導入により、24時間365日、顧客からのさまざまな問い合わせに対応できます。
チャットボットは単純な問い合わせだけでなく、ある程度複雑な質問に対しても事前に設定されたシナリオにもとづいて対応可能です。これにより、顧客は時間を問わず、スムーズに情報が得られるうえ、企業としても顧客サービスの質の向上が期待できます。
中小企業がチャットボットを選ぶ際のポイント
中小企業が導入効果を得られるチャットボットを選ぶには、どのような点に気をつければよいか解説します。
シナリオ作成が簡単にできるものがよい
チャットボットはユーザーの求める答えが簡単に見つかることが重要です。そのためには、シナリオや質疑応答の内容を充実させなくてはなりません。既存のFAQデータをそのまま活用できる製品や、簡単にシナリオ作成・編集できるツールを選ぶのがおすすめです。
そのほか、ログからユーザーとチャットボットのやりとりを確認し、分析・改善しやすいものを選ぶとよいでしょう。
コストを重視するならシンプルなシナリオ型がおすすめ
チャットボットは事前に設定したやりとりを行うシナリオ型と、会話をしているように柔軟な対応ができるAI型に分類されます。自然言語処理の進化に伴い、メンテナンス不要なAI型が注目されがちですが、中小企業にとってはシナリオ型が適しているケースが多いでしょう。理由は以下のとおりです。
- ●AIの学習には大量のデータが必要
- ●シナリオ型チャットボットに比べて導入・運用コストが高額
- ●AIに学習させるためのデータ加工知識をもつ人材がいない
シナリオ型のチャットボットなら、要件定義やデータ加工に時間をかけずに低コストでスモールスタートできます。
サポート体制が充実した製品を選ぶ
中小企業にはチャットボットツールをはじめ、ITツールに関する知識をもった従業員がいない組織も多いでしょう。導入準備や運用中のトラブルに迅速に対処するためには、サポートの充実した製品を選ぶのがおすすめです。メールや問い合わせフォームだけでなく、電話やチャットですぐに返答が得られるサービスが最適です。
必要な機能を絞り込む
チャットボットは社内のヘルプデスクとして活用できるものと、社外からの問い合わせ対応に活用できるものがあります。中小企業では直接的に利益につながる社外向けのチャットボットを導入するケースが多いといえます。どちらにしても、機能が豊富なほどコストが高額になりがちなため、導入前に必要な機能を洗い出しておきましょう。
例えば、友人対応への切り替えや多言語対応、CRM・ERPとの連携などがあげられます。導入目的を明確にし、費用対効果を十分に検証してください。また、可能なかぎり無料トライアルで操作性を確認できるツールを選び、担当者に使用感を確認してもらいましょう。
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おすすめのシナリオ型チャットボット比較
まずはシンプルで扱いやすいシナリオ型チャットボットのおすすめ製品を紹介します。中小企業や小規模組織における導入ユーザーからの口コミも紹介しているため、参考にしてください。
《Freshdesk》のPOINT
- メール、電話、フォーム、LINEやSlack、Teamsなどを一元管理。
- チームや組織で対応するための機能が充実
- 分析機能が充実しているから、問合せ業務工数が75%削減できる
OrangeOne株式会社提供の「Freshdesk」は、メール・電話・フォーム・LINE・Slack・Teamsなどを一元管理するカスタマーサポートツールです。チャットボットの設置だけでなく、FAQページの公開や問い合わせ管理に対応します。月額2,200円から利用でき、無料プランも利用可能です。さらに14日間の無料トライアルも用意されています。
《hitobo》のPOINT
- 表記ゆれに柔軟に対応
- 簡単な操作で回答文を設定
- 30日間の無料トライアルあり
「hitobo」はアディッシュ株式会社が提供するチャットボットです。FAQを画面上で入力するか、CSVファイルをアップロードして登録するだけで簡単にチャットボットの運用をはじめられます。3日から2週間程度で導入開始でき、ユーザーとの会話を通じて自動で成長していきます。また表記ゆれや有人切り替えに対応し、30日間の無料トライアルも可能です。
《Chat Dealer》のPOINT
- ECサイトやビジネスチャットなど多種多様なチャネルで活用
- 外部システムとAPI連携でデータを共有
- 高度な分析・レポート機能で継続的にシナリオを改善
株式会社ラクスが提供しているチャットボット「Chat Dealer」は、シナリオ型とAI型から選択して利用できます。キーワードなどを入力して検索するタイプと、選択肢を用いた会話から問題を解決するタイプが用意されています。有人チャットの支援機能やLINE連携機能、問い合わせフォーム機能など、豊富な機能をもつのも特徴の一つです。
Web接客を自動化するチャットボット比較
ここからは、Web接客やマーケティング支援に役立つチャットボットを紹介します。
《hachidori》のPOINT
- 専任チームによる手厚いサポートが提供
- LINEおよびLINE WORKSの認定パートナー製品
- 8,000以上もの豊富なシナリオ開発実績
株式会社エフ・コードが提供する「hachidori」は、社内外で幅広く活用できる国産のAIのチャットボットです。事前に用意しておいたQ&Aで自動応答が可能で、LINEとのID連携やSFA・グループウェアなどとのシステム連携にも対応します。ステップ配信や離脱率を下げるLIFFリストなどの機能を搭載するほか、高度なシナリオ設計や専任チームによるサポートが強みです。
改善してほしい点 介護・福祉 50名以上 100名未満
《anybot》のPOINT
- LINE公式パートナーツールでシームレスにLINEと連携!
- LINEをフル活用した販売から支払いまで完結するショップを開設!
- 自動セグメント分類と集計分析で効果的なマーケティングを実現!
エボラニ株式会社が提供している「anybot」はLINE上にチャットボットを設置し、自動接客を実現します。CRM機能を備えているため、顧客に応じてメッセージの出し分けや広告配信が可能です。複数店舗の管理やアンケートの作成・集計、イベント予約・管理、ユーザー分析など、さまざまな機能を搭載しているのも魅力的でしょう。
いい点 卸売・小売業・商業(商社含む) 10名以上 50名未満
改善してほしい点 卸売・小売業・商業(商社含む) 10名未満
《GENIEE CHAT》のPOINT
- 導入者数4,500社、継続率99.6%の実績
- マーケティングとカスタマーサポートを同時に実現
- 利用規模に合わせて豊富な料金プランから選べる
「GENIEE CHAT」は株式会社ジーニーが提供するチャット機能とマーケティング機能を備えたWeb接客ツールです。シナリオキャンバス機能から、ドラッグアンドドロップを基本とした簡単操作でシナリオの作成が容易です。またFAQボットの設置に加えて、ユーザーごとに自動で話しかけたり、有人チャットへ切り替えたりできます。
いい点 情報処理、SI、ソフトウェア 10名以上 50名未満
改善してほしい点 情報処理、SI、ソフトウェア 10名以上 50名未満
Web接客の効率化や成果向上を課題としている方は以下の記事も参考にしてください。
導入・運用負担の低いFAQシステム比較
チャット運用に不安のある方は、Q&Aリストを作成するだけで運用できるFAQシステムもおすすめです。
《Helpfeel》のPOINT
- 特許取得の革新的な技術「意図予測検索」で、問い合わせ6割削減
- 生成AIを掛け合わせ、検索速度×回答精度UP
- 初期導入時はもちろん、運用・分析もプロがサポート
株式会社Helpfeelが提供するFAQシステム「Helpfeel」は、既存のFAQページや問い合わせ履歴をもとにFAQサイトを構築するため、事前学習やシナリオ設計が不要です。ChatGPTを活用したFAQ作成支援ツールも無料で利用でき、導入後もカスタマーサクセス担当者による改善提案などのサポートがつきます。導入後1か月で問い合わせ件数が約60%減った事例もあるそうです。
改善してほしい点 卸売・小売業・商業(商社含む) 10名未満
導入・管理工数の負担を減らしたい方はFAQシステムの導入も検討してみてください。
中小企業向けチャットボットで顧客対応を省力化しよう
中小企業が直面する顧客対応の課題は多岐にわたりますが、チャットボットシステムの導入によって、顧客対応の課題を効率的に解決する道が開かれます。
紹介した導入メリットや選び方、中小企業におすすめのチャットボット製品を参考にして、自社のビジネスに最適なソリューションを見つけてください。そのために、まずはチャットボットシステムの資料請求からはじめましょう。