ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■業種別
- 製造業の原価計算向け:MCFrameXA原価管理、mcframe 7 PCM、ProSee、アクロス
- 建設業の工事原価・実行予算管理向け:どっと原価シリーズ、MIYABI、LA-cPRO工事原価管理、建設工事業向け原価管理システム
- IT・受託開発のプロジェクト原価向け:マネーフォワード クラウド個別原価、プロカン
- 業種を問わない案件別の採算管理向け:「楽楽販売」
原価管理システムが補助対象になる仕組み
補助金で原価管理システムを導入するには、制度の名称や申請の窓口を正しく押さえる必要があります。まずは2026年度の制度の全体像と、申請前に済ませておく準備を確認しましょう。
2026年度はデジタル化・AI導入補助金として実施
IT導入補助金は、2026年度は「デジタル化・AI導入補助金」の名称で実施されています。中小企業や小規模事業者がITツールを導入する費用の一部を補助する制度で、事務局のポータルサイトでは「旧:IT導入補助金」と併記されています。
申請枠には通常枠やインボイス枠、セキュリティ対策推進枠などがあります。原価管理システムのように、業務の生産性を高めるソフトウェアを導入する場合は、主に通常枠が対象です。インボイス枠は会計や受発注、決済の機能を持つツールが中心のため、制度の詳細は公募要領で確認しましょう。
事務局に登録された原価管理システムのみが対象
補助の対象は、IT導入支援事業者が事前に事務局へ登録したITツールに限られます。そのため、検討中の原価管理システムが登録されているかを、事務局の「ITツール検索」や提供会社への問い合わせで確認することが最初の作業です。
同じ製品でも、登録されているプランやオプションが一部だけの場合があります。見積もりを依頼する段階で、どの構成が補助の対象として登録されているかもあわせて確認しておくと、申請直前の構成変更を避けられます。
申請前に取得しておくGビズIDとSECURITY ACTION
申請には、法人や個人事業主向けの共通認証IDである「GビズIDプライム」の取得が必要です。発行までに日数がかかる場合があるため、製品選びと並行して早めに手続きを進めましょう。
あわせて、情報処理推進機構(IPA)の「SECURITY ACTION」で「一つ星」または「二つ星」の宣言を行うことも要件です。さらに、事業場内の最低賃金が地域別最低賃金以上であることも求められます。締切は公募回ごとに変わるため、日程は事務局サイトの最新情報で確認してください。
原価管理の機能は業種でプロセスが分かれる
通常枠では、ITツールが持つ機能を「プロセス」という単位で数え、補助額の上限が決まります。原価管理の機能は、公募要領の業種・プロセス一覧で業種ごとに別の区分に入っている点に注意が必要です。
製造業は製P-06の原価計算
製造業向けの原価管理システムは、業種特化型プロセス「製P-06」に該当する場合があります。公募要領の機能例には、部品表(BOM)や配合表、コスト計算、原価計算が挙げられています。
同じ製P-06には、生産計画や工程管理、品質管理の機能例も含まれます。生産管理と原価管理の機能が一体になったシステムの場合、同じ区分の機能が1つのプロセスとして数えられるかを、IT導入支援事業者に確認しておきましょう。
建設業は建P-06の原価管理・実行予算管理
建設業向けの工事原価管理システムは、業種特化型プロセス「建P-06」に該当する場合があります。機能例には、施工管理として工事案件・契約や日報管理、原価管理・実行予算管理が挙げられています。
建P-06には、積算や見積、工程管理、写真管理の機能例も並んでいます。工事台帳から原価を集計する機能と、見積や工程の機能をどう組み合わせるかで導入範囲が変わるため、現場の業務と照らしあわせて必要な機能を整理しましょう。
IT・受託開発や業種共通の原価は別区分
情報サービス業では、プロジェクトの工数管理と原価管理が「情P-06」の機能例に含まれています。受託開発やシステム運用など、人件費が原価の中心になる業種で検討する区分です。
業種を限定しない原価管理の機能は、共通プロセス「共P-04」の管理会計や経営分析、または「共P-02」の採算管理に該当する場合があります。どの区分で登録されているかは製品ごとに異なるため、ITツール検索の登録内容で確認することが大切です。
原価管理システムの補助額と補助率の決まり方
通常枠の補助額は、申請額の大きさとプロセスの数で2段階に分かれます。補助率は原則2分の1以内ですが、従業員の賃金水準によっては3分の2以内に引き上げられます。
150万円未満は1プロセス以上が条件
補助額が5万円以上150万円未満の申請は、業務プロセスを1つ以上含むITツールが対象です。原価計算や工事原価管理など、原価管理の機能だけを導入する場合はこちらの区分が目安です。
補助率は原則として2分の1以内です。例えば、補助対象経費が200万円の場合、補助率2分の1なら補助額は100万円が上限の計算です。2022年から2025年のIT導入補助金で交付決定を受けていない企業の場合、この区分では賃上げ計画は必須ではなく、審査の加点項目として扱われます。
150万円以上は4プロセス以上と賃上げ計画が条件
補助額が150万円以上450万円以下の申請は、プロセスを4つ以上含む必要があります。原価管理に加えて、会計や販売管理、生産管理の機能を含む統合型のシステムを導入する場合に検討する区分です。
この区分では、賃金引上げ計画の策定と従業員への表明が必須要件です。補助額が大きいぶん、事業計画期間を通じて賃上げを続ける負担も生じます。必要な機能の範囲と、賃上げを続けられるかをあわせて判断しましょう。
補助率が3分の2になる最低賃金の条件
第7次公募以降の通常枠では、令和8年度の地域別最低賃金の改定にあわせて、補助率を引き上げる要件が変更されています。対象は、令和7年10月から令和8年9月までの間に、全従業員の30%以上を一定の賃金水準で雇用していた月が3か月以上ある企業です。一定の賃金水準とは「その期間の地域別最低賃金以上、令和8年度改定後の地域別最低賃金未満」を指し、該当すれば補助率は3分の2以内です。
適用を受けるには、所定の賃金状況報告シートの提出が必要です。賃金台帳をもとに月ごとの該当人数を数える作業が発生するため、労務担当者と早めに確認を進めましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で原価管理システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
第7次公募以降に確認したい賃上げ要件
事務局は2026年10月9日に、第7次公募回以降の制度変更を公表しました。1人当たり給与支給総額の要件追加などが含まれるため、改訂後の公募要領で自社に当てはまる要件を確認しましょう。
1人当たり給与支給総額の伸び率
改訂後の通常枠では、非常勤を含む全従業員の1人当たり給与支給総額を伸ばす計画が要件に入っています。補助額150万円以上の申請では、1年後に3%以上、事業計画期間の年平均で3%以上の伸びが求められます。
2022年から2025年のIT導入補助金で交付決定を受けた企業は、補助額150万円未満の申請も含めて、1年後と年平均で3.5%以上の伸びを計画する必要があります。給与支給総額には役員報酬や法定福利費を含めないなど、算定方法も公募要領で定められています。
事業場内最低賃金と未達時の返還
補助額150万円以上の申請では、事業計画期間中に事業場内で最も低い賃金を、地域別最低賃金より30円以上高い水準にすることも要件です。なお、労働生産性を年平均3%以上伸ばす事業計画は、補助額にかかわらずすべての申請者に求められます。
賃上げの要件を達成できなかった場合は、補助金の全部または一部の返還を求められる場合があります。原価管理システムで製品別や工事別の採算が見えるようになれば、賃上げの原資を検討する材料にもなります。導入効果と賃上げ計画を結びつけて事業計画を立てましょう。
補助対象になる原価管理システムの費用
通常枠で補助の対象になるのは、ソフトウェアの費用と、それに関連するオプションや役務の費用です。原価管理システムの見積もりの中で、どの項目が対象になるかを分けて把握しておきましょう。
ソフトウェア購入費とクラウド利用料
パッケージ型の原価管理システムを購入する費用は、ソフトウェア購入費として対象です。クラウド型のように月額や年額で利用料を払う製品は、最大2年分の利用料が補助の対象です。
3年目以降の利用料は自社負担のため、クラウド型とパッケージ型を比べる際は、補助期間が終わった後の費用も含めて試算しましょう。なお、通常枠ではパソコンなどのハードウェアは補助の対象に含まれません。
データ連携ツールや導入支援などの付帯費用
会計システムや生産管理システムとつなぐデータ連携ツールは、オプションとして最大1年分の費用が対象です。導入コンサルティングや導入設定、マニュアル作成、研修などの役務は、ソフトウェアと対になる場合に限り、合計200万円を上限に申請できます。
原価管理システムは、配賦基準の設定や原価マスタの登録など、初期設定の作業量が多くなりがちです。導入支援の費用を補助対象として申請できるかを、IT導入支援事業者に確認しておきましょう。保守サポートは最大2年分が対象です。
補助の対象外になる費用
交付決定より前に契約や購入をしたITツールは、補助の対象外です。導入を急ぐあまり先に発注すると、補助を受けられなくなるため注意しましょう。
ほかにも、リースやレンタル契約のITツール、中古品、交通費や宿泊費、補助金の申請代行費、消費税は対象外です。自社専用に一から開発するスクラッチ開発の費用も、補助の対象にならない場合があります。見積書の項目を対象と対象外に分けて確認すると、自己負担額を正確に把握できます。
過去に補助金を使った企業が注意したい点
以前にIT導入補助金で会計ソフトや生産管理システムを導入した企業は、原価管理システムの申請で要件や審査の扱いが変わります。過去の交付決定の内容を確認してから申請しましょう。
過去の交付決定による減点と要件の強化
2022年から2025年のIT導入補助金で交付決定を受けた企業は、審査で減点の対象です。また、2023年から2025年に通常枠などで交付決定を受けた企業は、労働生産性の目標が1年後に4%以上、年平均4%以上に引き上げられます。
過去に導入したITツールと同じ機能を持つツールを導入する場合は、さらに減点されます。対象の機能は会計や受発注、決済です。会計機能を含む原価管理システムを検討する場合は、過去の申請内容と機能が重ならないかを確認しておくことが大切です。
不採択につながるプロセスの重複
IT導入補助金2024またはIT導入補助金2025で交付決定を受けたソフトウェアのプロセスと、今回導入するソフトウェアのプロセスが重複すると減点されます。プロセスが完全に一致する場合は不採択です。
例えば、以前に生産管理システムで製P-06を申請した製造業では、原価計算の機能も同じ製P-06に該当する可能性があります。過去の申請書類でプロセスを確認し、重複する場合は申請区分や導入範囲をIT導入支援事業者と相談しましょう。
業種別に見る原価管理システムの特徴一覧
この記事で紹介する原価管理システムを、主な対象業種と特徴で一覧にまとめました。製造業・建設業・IT業界など、業種によって原価管理の対象や必要な機能は異なります。なお、補助金の対象となるかどうかは製品や導入構成によって異なるため、事務局のITツール検索やIT導入支援事業者に確認してください。
| 製品名 | 主な対象 | 特徴 |
|---|---|---|
| マネーフォワード クラウド個別原価 | IT・受託開発 | 工数入力から多段階配賦、原価計算、資産振替仕訳の生成までをクラウドで一連管理 |
| プロカン | IT・制作・コンサル | 案件ごとの工数原価や外注、仕入、売上を集計し、利益率や予実を見える化 |
| 「楽楽販売」 | 業種を問わない | 見積もりから請求、発注、原価・収支までを一元管理し、案件別の収支を可視化 |
| MCFrameXA原価管理 | 製造業 | 標準・予算・実際・速報の4種の原価計算と多通貨に対応し、複数拠点の原価を管理 |
| mcframe 7 PCM | 製造業 | 4種類の原価計算と、生産方式にあわせた原価差異分析で製品別の利益を把握 |
| ProSee | 製造業 | 原価と在庫金額、キャッシュフローを見える化する、中小企業の工場向け原価管理 |
| アクロス | 製造業 | 毎回仕様が異なる製品をつくる工場向け。CADやExcelのデータをCSVで取り込める |
| どっと原価シリーズ | 建設業 | 見積・実行予算・原価・支払を工事別に一元管理。クラウド版とオンプレ版を用意 |
| MIYABI | 建設業 | 国土交通省積算基準に準拠した実行予算の作成から、原価・支払管理までを統合 |
| LA-cPRO工事原価管理 | 建設業 | 建設・設備・土木の工事業向け。最大5階層の予実管理と会計ソフト連携に対応 |
| 建設工事業向け原価管理システム | 建設業 | 見積から会計連携までを一元管理。「勘定奉行」と連携して仕訳入力を効率化 |
業種・用途別に選ぶ原価管理システム
製造業の製品原価管理、建設業の工事原価管理、IT・受託開発のプロジェクト原価管理、業種を問わない案件収支管理など、用途別に製品を紹介します。補助金の対象として登録されているかどうかは、製品や導入構成によって異なります。導入を検討する際は、事務局のITツール検索やIT導入支援事業者に確認しましょう。
マネーフォワード クラウド個別原価
- 工数管理~原価計算~仕訳生成までワンストップで対応が可能に
- 複雑な配賦計算も配賦ロジックで柔軟に対応
- プロジェクト毎に、月別のコスト推移を可視化
株式会社マネーフォワードが提供する「マネーフォワード クラウド個別原価」は、IT開発などプロジェクト型ビジネス向けの個別原価管理システムです。従業員の日次の工数入力から、部門やプロジェクトへの多段階配賦、原価計算、資産振替仕訳の生成までをクラウドで一連に扱えます。会計・給与計算ソフトとの連携にも対応し、プロジェクトごとに月別のコスト推移を確認できます。人件費が原価の中心になる受託開発などで、工数と原価をまとめて管理したい企業に向く製品です。
プロカン
- プロジェクト型ビジネスに特化した原価管理と工数管理システム
- 案件の工数原価・外注・仕入・売上を正確に捉え利益まで見える化
- IT/制作会社/コンサル業界に特化で、使いやすさと低価格を実現
株式会社PROCANが提供する「プロカン」は、受託型・プロジェクト型ビジネス向けの収支管理システムです。案件ごとの工数原価や外注費、仕入、売上を集計し、利益率や予実をダッシュボードで確認できます。ワークフローや会計連携の機能も備え、ITシステム開発や制作会社、コンサルティング業界の業務にあわせた機能を標準で用意しています。専任の担当者が初期設定や運用定着を支援する体制もあり、プロジェクト単位の原価を把握したい企業の選択肢です。
「楽楽販売」
- 販売管理システム 売上シェアNo.1
- 見積もり~請求データの一元管理で、転記作業や請求ミスを削減
- 売上・原価の紐づけで、収支計算・集計の手間を削減
株式会社ラクスが提供する「楽楽販売」は、見積もりや受注、請求から、売上、発注、原価・収支までを一元管理できるクラウド型のシステムです。登録したデータをもとに売上や原価の金額計算を自動化でき、案件・プロジェクト別の収支を可視化できます。表示項目や入力画面をノンプログラミングで自社の業務にあわせて設定でき、API・外部システム連携にも対応しています。業種を限定せず、販売管理とあわせて採算を管理したい企業が検討しやすい製品です。
MCFrameXA原価管理 (ビジネスエンジニアリング株式会社)
- 多通貨対応でグローバル原価を一元管理。
- 4種の原価計算で戦略的な原価管理を支援。
- 既存システム連携可、単独導入も柔軟に対応。
mcframe 7 PCM (ビジネスエンジニアリング株式会社)
- 4種類の原価計算機能で戦略的な原価情報の活用を実現!
- 生産方式に合わせた原価差異分析で原価の低減が可能!
- 販売変動費を加味し製品別の利益獲得能力を正確に把握!
アクロス (株式会社インプローブ)
- CAD・ExcelデータをCSV取込、手配リスト作成を効率化。
- 部品マスタ登録なしで運用開始。スムーズなシステム移行。
- 項目名を自由に変更でき、自社に合った運用を実現
どっと原価シリーズ (株式会社建設ドットウェブ)
- 工事別に予算から支払いまで連携管理。
- クラウドサーバーレス版とオンプレ版を選択可能。
- 他社ソフトと連携し、データ分析・集計が可能。
MIYABI (ニックスジャパン株式会社)
- 国土交通省積算基準に準拠した実行予算作成
- マニュアル不要で簡単操作、エクセル風画面
- 実行予算と連動する工程表を自動作成
LA-cPRO工事原価管理 (リード株式会社)
- 多彩な分析項目とデータリレーション機能が標準装備。
- 最大5階層対応の予実管理で全層をカバー。
- 会計ソフト連携と内部統制機能で長期運用に対応。
建設工事業向け原価管理システム (株式会社オービックオフィスオートメーション)
- Excel形式の帳票を自由に設計し、活用できる。
- 「勘定奉行」と会計連携し、仕訳入力~会計処理を効率化。
- 業務に合わせた必要機能のみの導入が可能。
まとめ
IT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金)で原価管理システムを導入するには、まず製品が事務局に登録済みかを確認します。そのうえで、製造業の製P-06や建設業の建P-06など、自社の業種でどのプロセスに当たるかを確かめることが出発点です。第7次公募以降は補助率3分の2の条件や賃上げ要件が変わっているため、改訂後の公募要領で確認しましょう。補助の対象になる構成は製品ごとに異なるため、複数の原価管理システムの資料請求をして比較検討してください。

