ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■カスタマイズ・配賦の対応別
- ■設置先・提供形態別
- オンプレミス型で導入:J-CCOREs、ProSee、mcframe 7 PCM、MIYABI、MCFrameXA原価管理、どっと原価シリーズ
- IaaS上の自社管理環境に構築:J-CCOREs
- オンプレミスとクラウドを選べる:J-CCOREs、MIYABI、MCFrameXA原価管理、どっと原価シリーズ
- パッケージソフトとして提供:アラジンオフィス
オンプレミス型原価管理システムの特徴
オンプレミス型の原価管理システムとは、自社で用意したサーバーにシステムを導入し、原価の集計や計算を社内の設備で行う形態です。クラウド型との違いは、設備の管理と更新の責任を誰が持つかにあります。まず基本的な特徴を押さえておきましょう。
自社のサーバーで原価計算を行う形態
オンプレミス型では、原価管理システムの本体とデータベースを社内のサーバーに置き、担当者は社内のネットワークから接続して使います。材料費や労務費、経費の実績を集め、製品別や工事別の原価を計算する処理は、自社の設備で行われます。
サーバーは社内のサーバールームに置くほか、IaaSと呼ばれるクラウド上の仮想サーバーに自社で構築する場合もあります。IaaSを使う場合も、OSやシステムの管理を自社で担う点はオンプレミスと共通です。
クラウド型との運用範囲の違い
クラウド型の原価管理システムでは、サーバーの運用やシステムの更新を提供元が担います。オンプレミス型では、サーバーの調達やOSの更新、システムのバージョンアップ、バックアップ、障害対応までを自社で行う必要があります。
そのぶん、更新の時期を決算や棚卸の時期と重ならないように調整したり、社内の基幹システムにあわせて構成を決めたりできます。自由度が高いぶん運用の負担も大きくなるため、両方を比べて判断することが大切です。
原価管理をオンプレミスで運用する企業の事情
クラウド型の原価管理システムが増えるなかでも、オンプレミスを選ぶ企業があります。その背景には、原価計算に使うデータの集め方や、自社独自の計算ルール、原価データの機密性といった事情があります。代表的な事情を3つ紹介します。
生産管理や基幹システムと社内でつなぐ
製造業の原価計算では、生産管理システムの製造実績や、在庫管理の材料の払い出し、勤怠や工数の記録など、社内の複数のシステムからデータを集めます。これらのシステムが社内のサーバーで動いている場合、原価管理システムも同じネットワーク内に置くと、データの受け渡しの経路を社内で完結できます。
クラウド型でも社内システムと連携できる製品はあります。ただし、通信経路やファイアウォールの設定が必要な場合があるため、連携するシステムの数と方式を洗い出して比べましょう。
自社独自の配賦や原価計算にあわせて改修する
配賦とは、複数の製品や工事に共通してかかった費用を、作業時間や生産量などの基準で振り分けることです。配賦の基準や計算の順序は企業によって異なり、長年の運用で独自のルールが積み重なっている場合もあります。
オンプレミス型の製品には、こうした自社のルールにあわせて個別に改修できるものがあります。標準機能の設定だけで対応できるか、個別開発が必要かは製品によって異なるため、自社の計算ルールを資料にまとめて提供元に確認しましょう。
取引単価や利益率を社内で管理する
原価管理システムには、仕入先ごとの購入単価や製品ごとの利益率など、取引条件に関わる情報が集まります。社内規程や取引先との契約で、こうした情報の保存場所が制限されている場合、オンプレミス型が選ばれることがあります。
ただし、社内に置けば安全というわけではありません。閲覧できる人の範囲や、データを出力したときの記録が適切に管理されていなければ、情報漏えいのおそれは残ります。アクセス権とログの管理もあわせて設計しましょう。
オンプレミスの原価管理システムを支える体制
オンプレミス型の原価管理システムは、原価計算の業務を担う部門と、サーバーを管理する部門が協力して運用します。どちらか一方に任せきりにすると、障害や計算の誤りに気づくのが遅れるおそれがあるため、役割を分けて整理しておきましょう。
経理部門と情報システム部門の役割分担
経理部門や原価管理の担当者は、マスタの更新や配賦基準の見直し、計算結果の確認を担います。情報システム部門は、サーバーの保守やバックアップ、ネットワークの管理、システムの更新を担う分担が考えられます。
計算結果がおかしいとき、原因がマスタの設定にあるのか、システムの不具合にあるのかを切り分けるには、両部門の連携が欠かせません。問い合わせの窓口と連絡の流れを決め、対応の記録を共有しておくと、原因の特定を早められます。
月次締めの処理を止めない運用
原価管理システムでは、月末や月初に大量のデータを集計する締め処理が行われます。この時期にサーバーが止まると、原価の確定や決算の作業が遅れる可能性があります。
締め処理の前にはバックアップを取り、処理の進み具合やエラーを確認できるようにしておきましょう。サーバーの更新作業は締めの時期を避けて計画します。障害が起きたときに、どこまで戻ってやり直せばよいかを手順書にまとめておくと、復旧までの時間を見積もりやすくなります。
カスタマイズ部分の保守
自社のルールにあわせて改修した部分は、提供元が用意する標準保守の対象外となる場合があります。改修を担当した事業者と、どのような条件で保守を受けられるかを契約で確認しておきましょう。
改修の内容や計算ロジックが文書に残っていないと、担当者や委託先が変わった際に引き継げなくなるおそれがあります。改修の目的と仕様を設計書にまとめ、社内でも複数人が内容を把握できる状態にしておくことが大切です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で原価管理システムの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
オンプレミス運用で見落としやすい負担
オンプレミス型の原価管理システムは、導入時の費用だけでなく、使い続ける間の負担も考えておく必要があります。導入前の比較で見落とされやすい2つの負担を紹介します。
バージョンアップ時の改修とテスト
オンプレミス型でバージョンアップを行う際、個別に改修した部分が新しいバージョンでそのまま動くとは限りません。改修部分の手直しや、計算結果が変わっていないかを確かめるテストが必要になる場合があります。
この作業には費用と期間がかかるため、改修の範囲が広いほどバージョンアップの負担は大きくなります。改修は計算ルールの中核に絞り、帳票の体裁などは標準機能で対応するといった線引きをしておくと、将来の負担を抑えやすくなります。
サーバー更新の周期と数年間の総額
サーバー機器には耐用年数や保守期限があり、数年ごとに更新が必要です。更新の際には、機器の購入費用に加えて、データの移行やシステムの再設定の作業も発生します。
オンプレミス型とクラウド型を比べるときは、初期費用だけでなく、保守契約やサーバー更新、運用を担う担当者の工数まで含めた数年間の総額で比べましょう。改修の保守費用が別にかかる場合は、その金額も見積もりに含めておく必要があります。
クラウドと組み合わせるオンプレミス原価管理
原価管理システムは、オンプレミスかクラウドかの二択だけではありません。データの性質や利用者の場所に応じて組み合わせる構成もあります。自社の事情にあわせた選択肢として、3つの構成を紹介します。
現場の入力はクラウド、計算は社内で行う構成
工場や工事現場の作業時間や材料の使用量を、クラウドの工数管理や日報のサービスで入力し、そのデータを社内の原価管理システムに取り込む構成です。現場の担当者は外出先からでも入力でき、原価の計算と保存は社内で行えます。
この構成では、データを取り込む頻度と方法を決めておく必要があります。取り込みに失敗した場合に気づけるよう、件数の確認やエラーを通知する仕組みも用意しておきましょう。
IaaS上に自社の環境を構築する構成
オンプレミス向けの原価管理システムを、IaaSの仮想サーバーに構築する方法もあります。サーバー機器の購入や設置場所の確保が不要になり、性能の増強も比較的容易です。
一方で、OSやシステムの管理は引き続き自社で担います。製品によっては、IaaS上での動作が保証の対象外となる場合もあるため、対応している環境を提供元に確認しましょう。社内システムとの通信経路の設計も必要です。
段階的にクラウドへ移す場合の注意
将来クラウド型への移行を見込む場合は、オンプレミスで運用している間から、マスタのコード体系や計算ルールを文書に整理しておくと移行の準備が進めやすくなります。個別改修が多いほど、移行時に再現できない機能が残る可能性があります。
オンプレミスとクラウドの両方の提供形態を持つ製品であれば、設定の考え方を引き継ぎながら移行できる場合があります。過去の原価データをどこまで移すかも、比較の材料に加えておきましょう。
オンプレミスで運用できる原価管理システムの特徴
オンプレミス型やパッケージ型の原価管理システムを、提供形態と原価計算の機能から比較します。自社の計算ルールへの対応や、将来クラウドへ移行する場合の選択肢を確認しましょう。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| J-CCOREs | オンプレミスとIaaSから選べる製造業向けパッケージ。ころがし計算や相互配賦、導入企業ごとのカスタマイズに対応 |
| アラジンオフィス | パッケージソフトとして提供。案件単位の原価・収支管理やカスタマイズに対応。自社設置の構成は要確認 |
| ProSee | 製造業向けのオンプレミス型。実績・予定原価の計算や費用配分、在庫金額・キャッシュフローの可視化を支援 |
| mcframe 7 PCM | オンプレミス型の製造業向け原価管理システム。4種類の原価計算や原価差異分析に対応 |
| MIYABI | 建設業向けでオンプレミスとクラウドに対応。実行予算から原価・支払管理までを統合し、工程表の自動作成も可能 |
| MCFrameXA原価管理 | オンプレミスとクラウドに対応する製造業向け。標準・予算・実際・速報の原価計算や多通貨管理を支援 |
| どっと原価シリーズ | 建設・土木工事業向け。オンプレミス版とクラウド版を選択でき、見積から実行予算、原価・支払管理まで対応 |
自社の計算ルールで運用しやすい原価管理システム
オンプレミス型を中心に、パッケージ型の原価管理システムも紹介します。配賦計算やカスタマイズ、既存システムとの連携に加え、導入後の保守体制も確認しながら比較してください。
J-CCOREs
- 業種を問わず製造実態を反映できる「ころがし計算」
- Excelとの連携機能を標準装備しており、快適な操作性を実現
- 周辺システムには左右されない、独立した原価管理システム
JFEシステムズ株式会社が提供する「J-CCOREs」は、オンプレミス型とクラウド型(IaaS)のどちらでも構築できる製造業向けの原価管理パッケージです。Microsoft Azure向けの構成テンプレートも用意されています。各工程の原価を最終製品まで積み上げるころがし計算や相互配賦計算など、製造実態にあわせた原価計算に対応。生産管理や会計システムの有無・種類に依存しない独立した構成で、既存システムやExcelのデータを連携して原価計算を行えます。導入企業ごとのカスタマイズにも対応可能です。
アラジンオフィス
- 基本パッケージにカスタマイズ可能なイージーオーダーパッケージ
- 案件No.をキーにすべての状況が確認可能
- 案件単位で収支が出せ、会社の事業全体が見渡せる
株式会社アイルが提供する「アラジンオフィス」は、原価管理、案件管理、収支管理の機能を備えたパッケージ型システムです。案件No.をキーとして案件ごとの状況を確認でき、収支の把握や採算管理に役立ちます。基本パッケージをもとに必要な機能をカスタマイズするイージーオーダー型で、自社の業務にあわせた導入を検討できます。対象地域は関東・関西・東海です。自社サーバーへの設置可否や、カスタマイズ部分の保守範囲については、導入前に提供元へ確認するとよいでしょう。
ProSee(プロシー)
- 製品別の原価・利益を見える化します
- 「ガラス張り原価計算法」で費用配分の計算プロセスを可視化
- 経営改善に必要な管理情報を自動作成
mcframe 7 PCM (ビジネスエンジニアリング株式会社)
- 4種類の原価計算機能で戦略的な原価情報の活用を実現!
- 生産方式に合わせた原価差異分析で原価の低減が可能!
- 販売変動費を加味し製品別の利益獲得能力を正確に把握!
MIYABI (ニックスジャパン株式会社)
- 国土交通省積算基準に準拠した実行予算作成
- マニュアル不要で簡単操作、エクセル風画面
- 実行予算と連動する工程表を自動作成
MCFrameXA原価管理 (ビジネスエンジニアリング株式会社)
- 多通貨対応でグローバル原価を一元管理。
- 4種の原価計算で戦略的な原価管理を支援。
- 既存システム連携可、単独導入も柔軟に対応。
どっと原価シリーズ (株式会社建設ドットウェブ)
- 工事別に予算から支払いまで連携管理。
- クラウドサーバーレス版とオンプレ版を選択可能。
- 他社ソフトと連携し、データ分析・集計が可能。
まとめ
原価管理システムのオンプレミス運用は、生産管理や基幹システムと社内で密に連携させたい企業や、独自の配賦ルールにあわせて改修したい企業に有効な選択肢です。一方で、月次締めを止めない運用やカスタマイズ部分の保守、サーバー更新を含む数年間の総額まで考える必要があります。経理部門と情報システム部門の体制を整えたうえで、オンプレミスに対応した原価管理システムを資料請求で比較してみてください。

