ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■運用形態別
- 自社サーバーで運用するオンプレミス型:NAZCA5 EDM(ナスカ・ファイブ・イーディエム)、Hi-PerBT Advanced 図面管理、DrawFinder、楽々Document Plus、図脳TeCA
- クラウド環境にシステムを構築して運用:Hi-PerBT Advanced 図面管理、NAZCA5 EDM(ナスカ・ファイブ・イーディエム)
- ベンダーの環境で運用するクラウド型:楽々Document Plus、ジーエン図面、ズメーン
- ■運用にあわせた個別対応別
- 自社の要件にあわせたカスタマイズ:NAZCA5 EDM(ナスカ・ファイブ・イーディエム)、楽々Document Plus
オンプレミス型の図面管理システム(EDM)とは
オンプレミスとは、システムを自社の設備で運用する形態を指します。図面管理システムの場合、図面のデータとシステムを自社のサーバーに置いて利用します。クラウド型との違いを、仕組みと費用の両面から確認しておきましょう。
自社サーバーで運用する仕組み
オンプレミス型では、自社で用意したサーバーに図面管理システムを導入し、社内のネットワークを通じて各部門のパソコンから利用します。図面のデータは社内のサーバーに保存されるため、インターネットを経由せずに図面を扱えます。
サーバーを置く場所は、自社のサーバー室のほか、データセンターの設備を借りて自社の機器を置く方法もあります。後者は建物の電源や空調の管理を任せられる一方、機器やシステムの管理は自社で担う点が、クラウド型との違いです。
クラウド型との費用構造の違い
クラウド型は月額や年額の利用料を払い続ける形が基本で、初期費用を抑えやすい傾向があります。オンプレミス型は、ソフトのライセンス費用に加えて、サーバーの購入費や構築費が導入時にかかります。
導入後も、保守契約の費用や、サーバーの電気代、運用を担う人の工数が発生します。数年ごとのサーバー更新費も見込んでおく必要があります。費用を比べる際は、初期費用だけでなく、5年程度の期間で総額を見積もり、クラウド型と同じ条件で比較することが大切です。
図面管理システムをオンプレミスにする判断基準
オンプレミス型が向くかどうかは、企業ごとの条件で変わります。クラウド型が広がるなかでも、オンプレミス型を選ぶ理由として挙げられる代表的な条件を3つ紹介します。いずれにも当てはまらない場合は、クラウド型とあわせて比較するとよいでしょう。
取引先との契約で社外保存が制限されている
取引先から預かる図面には、秘密保持契約で保管場所や管理方法が定められている場合があります。契約によっては、社外サーバーへ保存する際に取引先の承認が必要だったり、制限されていたりすることもあります。
このような条件がある場合、図面を自社のサーバーに置けるオンプレミス型は検討しやすい選択肢です。ただし、クラウド型でも条件を満たせる場合があるため、まずは主要な取引先との契約内容を法務部門と確認し、どこまでが許容されるかを整理してから判断しましょう。
大容量の図面を社内で頻繁に扱う
3次元CADのデータや、大判の図面をスキャンした画像は、ファイルの容量が大きくなりがちです。こうした図面を社内で頻繁に開いたり登録したりする場合、社内ネットワークで完結するオンプレミス型が検討材料に挙がります。
ただし、表示や転送の速さは、サーバーの性能や社内ネットワークの構成、インターネット回線の速度など複数の要素に左右されます。形態だけで速さを判断せず、実際の図面ファイルを使って、候補の製品で表示や登録にかかる時間を試しておくことが大切です。
生産管理など社内システムと密に連携する
図面管理システムを、生産管理システムや部品表を管理するシステムと連携させたい場合もあります。例えば、品目の情報と図面を結び付け、生産管理の画面から該当する図面を開けるようにするといった使い方です。
連携先のシステムがオンプレミスで運用されている場合、同じ社内ネットワークで連携させるほうが構成を組み立てやすいことがあります。自社の要件にあわせた個別の改修を加えたい場合も、オンプレミス型が選ばれることがあります。連携の方法や改修の範囲はベンダーに確認しましょう。
オンプレミス運用に必要な社内体制
オンプレミス型を選ぶ場合は、システムを安定して動かすための体制を自社で整える必要があります。担当者の確保が難しい場合は、ベンダーの保守サービスで補えるかを確認します。必要な役割を3つに分けて見ていきます。
サーバー管理とバックアップの担当
図面管理システムのサーバーの稼働状況やディスク容量を確認し、問題があれば対応する担当者が必要です。図面は年々増えていくため、容量が不足しないよう定期的に使用量を確認し、増設の時期を計画しておきます。
バックアップの取得と保管も重要な役割です。バックアップを本番のサーバーと同じ場所に置いていると、火災や水害、ランサムウェアの被害を同時に受けるおそれがあります。別の場所に保管し、実際に復元できるかを定期的に試しておきましょう。担当は1人に限らず、手順を共有した複数人で担うと安心です。
セキュリティ更新と障害対応
サーバーのOSやデータベース、図面管理システム自体に提供される更新プログラムを適用する作業も、自社の役割です。更新を長期間適用しないままにすると、既知の弱点を突かれる危険が高まります。
障害が起きた際の連絡先や対応手順も決めておきましょう。サーバーが止まると図面を見られなくなり、設計や製造の業務に影響が出る可能性があります。復旧の目標時間や、システムが使えない間に図面を確認する代わりの方法も、あらかじめ検討しておくと慌てずに対応できます。
ベンダー保守の範囲の確認
オンプレミス型でも、ベンダーと保守契約を結ぶことで、問い合わせ対応や不具合の調査、バージョンアップの提供などを受けられる場合があります。どこまでがベンダーの対応範囲で、どこからが自社の作業かを、契約前に具体的に確認しておくことが重要です。
例えば、サーバーの機器の故障対応や、OSの更新作業が保守に含まれるかどうかは、契約によって異なります。リモートでの作業か、訪問での対応かといった方法や、受付時間も確認項目です。自社で担えない作業がある場合は、別の保守事業者への依頼も検討しましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で図面管理(EDM)の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品の比較検討を進めましょう。
オンプレミス型EDMを社外とつなぐ方法
オンプレミス型は社内での利用を前提とするため、在宅勤務や協力会社との図面共有には別の仕組みが必要です。社外とつなぐ際の代表的な方法と、確認しておきたいポイントを紹介します。
VPNを使った拠点や在宅からの接続
VPNとは、インターネット上に暗号化した専用の通信経路をつくり、社外から社内のネットワークへ安全に接続する仕組みです。別の拠点や在宅勤務の端末から、オンプレミス型の図面管理システムを利用する際に用いられる方法です。
ただし、VPN経由では社内に比べて通信が遅くなる場合があり、大きな図面を開くのに時間がかかることもあります。利用する人数や扱う図面の容量にあわせて、回線の速度やVPN機器の性能を確認しておきましょう。VPN機器の更新プログラムの適用も、セキュリティ対策として欠かせない作業です。
協力会社への図面の受け渡し
協力会社に図面を渡す場合、オンプレミス型のシステムに社外から直接接続してもらうのは、セキュリティ上の負担が大きくなりがちです。そのため、図面をPDFなどで出図し、社外との受け渡し専用の仕組みで送る方法が考えられます。
受け渡しに使う仕組みでは、ダウンロードの期限やパスワードを設定できるか、誰にいつ渡したかを記録できるかを確認します。図面管理システムの出図の記録と、受け渡しの記録を照らし合わせられるようにしておくと、改訂時に旧版の回収を依頼する相手を把握できます。
サーバー更新時にオンプレミスを見直す
オンプレミス型では、数年ごとにサーバーの更新が必要です。更新の時期は、運用形態そのものを見直す機会でもあります。更新費用の考え方と、クラウド型への移行を検討する際のポイントを整理します。
サーバー更改の時期と費用
サーバーの機器やOSには保守の期限があり、期限を過ぎると部品の交換や更新プログラムの提供を受けられなくなる場合があります。期限の時期を把握し、1年程度前から更改の計画を立て始めると、予算の確保や作業の調整を進めやすくなります。
更改の際は、新しいサーバーの購入費に加えて、図面管理システムの再設定や、図面データの移行の作業費もかかります。蓄積された図面の量によっては、移行に時間がかかる場合もあるため、移行の方法と期間をベンダーに確認しておきましょう。
クラウド型への移行の検討
サーバーの更新時期は、クラウド型への移行を検討するよい機会です。運用担当者の確保が難しくなった、社外からの利用が増えたといった変化があれば、改めて運用形態を比較してみましょう。ベンダーやデータセンターが用意する自社専用の環境でシステムを動かすプライベートクラウド型も、オンプレミス型とクラウド型の中間の選択肢として比較の対象になり得ます。
比較の際は、取引先との契約による社外保存の制限が変わっていないかを再確認します。クラウド型でも、通信や保存データの暗号化、接続元の制限などを確認したうえで、条件を満たせる場合があります。図面の量やシステム連携の状況を踏まえ、移行にかかる手間と運用負担の変化を比べて判断しましょう。
運用形態で比べる図面管理システム一覧
オンプレミス型を中心に、クラウド環境での構築に対応する製品やクラウド型の製品もあわせて、この記事で紹介する製品を一覧にしました。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| NAZCA5 EDM(ナスカ・ファイブ・イーディエム) | オンプレミス構築に加えクラウド環境にも対応。アドオン・カスタマイズも相談可能 |
| Hi-PerBT Advanced 図面管理 | オンプレミスのほか、AWSを利用したクラウド型での構築にも対応 |
| DrawFinder | オンプレミスとクラウドに対応。サーバはWindows ServerとSQL Serverで構成 |
| 楽々Document Plus | オンプレ版とクラウド版を用意。DBはPostgreSQL・Oracle・SQL Serverに対応 |
| ジーエン図面 | クラウド型。紙・PDF・CADの図面をまとめて管理し、AI OCRで自動整理 |
| ズメーン | クラウド型。図面に見積書や検査成績書を紐付け、PCやスマホから利用できる |
| 図脳TeCA | オンプレミス型の図面管理システム。CAD図面と紙図面を一元管理できる |
自社サーバーで運用できる図面管理システム
オンプレミスで構築できる製品を中心に、クラウド環境への構築に対応する製品や、比較の対象となるクラウド型の製品を紹介します。
NAZCA5 EDM(ナスカ・ファイブ・イーディエム)
- 7つの基本機能+アドオンで業務に合わせて柔軟に拡張可能
- ユーザ数無制限のサーバーライセンスで人数が増えてもコスト一定
- 製造業を熟知する専任チームが導入から運用定着までを伴走支援
新明和ソフトテクノロジ株式会社が提供する「NAZCA5 EDM(ナスカ・ファイブ・イーディエム)」は、図面を自社のサーバーに置いて管理したい企業に向く図面管理システムです。オンプレミスでの構築を基本に、サーバソフトはクラウド環境への対応も可能なため、将来の運用形態の見直しにも備えられます。アドオンによる機能追加やカスタマイズに対応しており、自社の運用にあわせた構成を相談できます。運用設計の支援から導入後の保守サポートまで、製造業を理解した専任チームが担当します。参考価格は1,950,000円~です。
Hi-PerBT Advanced 図面管理
- 設計業務の図面管理に必要な機能がすべて揃っている
- プリンタやスキャナ等、どのメーカーの周辺機器でも利用可能
- 直観的なUIデザイン&操作性!画面操作がカンタンで使いやすい
株式会社日立ソリューションズ西日本が提供する「Hi-PerBT Advanced 図面管理」は、オンプレミスとクラウドを比べて運用形態を選びたい企業に向く図面管理パッケージです。自社サーバーでの構築に加え、AWSを利用したクラウド型でのシステム構築も可能です。オープンソースデータベースをサポートしており、主要な機能はWebブラウザから操作できます。図面と設変情報を紐づけた管理や、図面の印刷・保存を制限する権限制御、操作ログの管理にも対応しています。
DrawFinder
- データ移行を含めたリプレースを全面支援
- 誤った図面への変更を無くす
- 探していた図面に、すぐたどり着ける検索性
株式会社ハイエレコンが提供する「DrawFinder」は、社内のサーバーで図面データを管理したい企業に適したソフトウェアパッケージです。提供形態はオンプレミスとクラウドがあり、サーバはWindows Server 2019・2022、データベースはSQL Server 2019で構成します。図面へのアクセスや印刷の操作ログを取得でき、担当者や部門ごとに印刷・コピーなどの権限を設定できます。手配リストはCSVで出力でき、生産管理システムなどへのデータ転送が可能です。
楽々Document Plus
- AI-OCRで図面から属性情報を自動抽出、古い手書き図面も全文検索
- 図面の厳格な版管理(先祖返り防止)と承認ワークフローを標準搭載
- 図面に紐づく仕様書や見積書など(電帳法対応)も一元管理
住友電工情報システム株式会社が提供する「楽々Document Plus」は、オンプレミスとクラウドの両方の提供形態から選べる文書管理システムです。サーバOSはWindows Serverで、データベースはPostgreSQL・Oracle・SQL Serverに対応しています。参考価格は、オンプレ版が1,800,000円~、クラウド版が100ユーザで90,000円/月(税別)です。アクセスログ管理や権限制御はどちらの環境でも利用でき、技術メンバーによる構築支援やバージョンアップ作業も有償で依頼できます。
ジーエン図面
- 【AI図面解析】手書きやフォーマットのばらつきにも高精度AI
- 【超類似検索】”形状”・”特徴”から最適な図面を見つける
- 【AIスマート整理】全ての書類を自動で整理整頓・紐付け
営業製作所株式会社が提供する「ジーエン図面」は、サーバーの運用をベンダーに任せたい企業が、オンプレミス型と比べる際の候補となるクラウドサービスです。紙・PDF・CADの図面をまとめて登録して管理できます。アップデートは2週間に1度の頻度で行われ、導入サポートは月額料金のプランに含まれています。サポートは平日8時から20時まで電話とメールで受けられます。AI OCRによるデータ化や、形状・特徴から図面を探す類似検索も利用できます。
ズメーン
- 図面管理により、図面やデータをすぐに検索!探す手間を削減
- 図面に紐付く情報を記録・共有!トラブル防止とQCD改善に貢献
- 見積依頼から納品までの流れを見える化!業務をスムーズに
株式会社FactBaseが提供する「ズメーン」は、自社でサーバーを持たずに図面管理を始めたい企業に向くクラウド型の図面管理システムです。時間や場所を問わずアクセスでき、工程指示書や見積書、検査成績書などを図面に紐付けて保存できます。ユーザーごとの閲覧・削除権限の設定や、図面改訂時のバージョン管理にも対応しています。製造業に精通した専任スタッフが、導入の検討段階から導入後まで継続してサポートし、サポートに追加費用はかかりません。
図脳TeCA (株式会社フォトロン)
- CAD・紙を一元管理
- 機能構成がシンプル
- Webブラウザで閲覧が可能
まとめ
図面管理システムをオンプレミスで運用するかどうかは、取引先との契約による社外保存の制限、大容量の図面の扱い、社内システムとの連携、そして自社で運用を担える体制があるかで判断します。オンプレミス型では、バックアップやセキュリティ更新、社外との接続を自社で管理する必要があります。運用形態ごとの違いを踏まえて図面管理(EDM)を選ぶために、資料請求で複数の製品を比較してみてください。

