EDIアプリとは
EDIアプリとは、企業間で発生する受発注や納品、請求、支払などの取引データを電子的に交換するためのアプリです。スマートフォン専用アプリだけでなく、ブラウザで使えるクラウドサービスや業務システム連携型の製品も含めて検討されます。
企業間取引を電子化する仕組み
EDIは「Electronic Data Interchange」の略で、日本語では電子データ交換と呼ばれます。企業や行政機関などが、伝票や文書を電子データとして自動的に交換する仕組みです。
例えば、発注データを取引先へ送り、受注側が自社システムへ取り込む流れを作れます。紙やFAX、メール添付でのやり取りを減らし、転記ミスや確認漏れの抑制につながります。
スマートフォン専用とは限らない
EDIアプリと聞くと、スマートフォンで操作するアプリを想像する方もいます。しかし法人向けのEDIでは、クラウド型の管理画面やWebブラウザで使うサービスも候補になります。
現場担当者が画面で発注状況を確認する用途もあれば、基幹システムと連携して自動処理する用途もあります。自社で「アプリ」と呼んでいる範囲を整理してから、製品を比較しましょう。
Web EDIとの違い
Web EDIは、ブラウザ画面から発注書や納品書などのデータを確認、入力する方式です。専用ソフトの導入が少なく済むため、取引先の負担を抑えやすい点が特徴です。
一方で、画面入力が多い運用では、担当者の作業が残る場合があります。取引量が多い企業では、データ連携や自動取り込みまで対応できるEDIアプリを検討するとよいでしょう。
EDIアプリでできること
EDIアプリでは、取引データの送受信だけでなく、データ変換やステータス管理、基幹システムとの連携も行えます。紙やメールを置き換えるだけでなく、取引業務の流れを標準化する視点で機能を確認することが大切です。
受発注データの送受信
EDIアプリの基本機能は、受発注データの送受信です。発注書や注文請書、出荷案内、納品データ、請求データなどを電子的にやり取りできます。
取引先ごとの送付先や形式を管理できれば、担当者が都度ファイルを作成して送る手間を減らせます。受信側でもデータを確認しやすくなり、処理状況の把握に役立つでしょう。
データ形式の変換
企業間取引では、取引先や業界によってデータ形式が異なることがあります。EDIアプリには、受信したデータを自社システムで扱いやすい形式へ変換する機能が備わっています。
例えば、取引先から届いた標準形式のデータを、自社の販売管理システムや購買管理システムに取り込める形式へ変換します。形式の違いを吸収できれば、取引先ごとの個別対応を減らしやすいでしょう。
取引状況の見える化
EDIアプリでは、送信済みや受信済み、未処理、エラーなどの状態を画面で確認できます。担当者がメールやFAXを探して状況を確認する必要が少なくなります。
また、処理漏れや通信エラーに気づきやすくなる点もメリットです。取引量が多い企業ほど、取引データの状態を一覧で見られる機能が運用の安定につながります。
基幹システムとの連携
販売管理システムや在庫管理システム、会計システムと連携できるEDIアプリもあります。受信した注文データを販売管理へ反映し、出荷データや請求データを送信する流れを作れます。
連携範囲が広いほど、二重入力や確認作業を減らしやすくなります。一方で、既存システム側の仕様確認も必要です。導入前に、連携したいデータとタイミングを整理しましょう。
EDIアプリが向いている利用シーン
EDIアプリは、取引先とのデータ交換が多い企業や、紙やFAXを使った受発注に課題がある企業に向いています。利用シーンを整理すると、必要な機能や連携範囲を判断しやすくなります。
受発注件数が多い企業
受発注件数が多い企業では、紙やメールでの確認作業が負担になりやすいです。担当者が内容を見て転記する運用では、件数が増えるほどミスや処理遅れのリスクも高まります。
EDIアプリを活用すれば、発注データや受注データを電子的に扱えます。取引データを自動で取り込める環境を整えることで、担当者は例外処理や確認が必要な業務に集中しやすくなります。
取引先ごとの形式が多い企業
取引先ごとに帳票やデータ形式が異なる企業では、個別対応が大きな負担になりがちです。担当者が形式を確認して加工する運用では、属人化も起こりやすいでしょう。
EDIアプリで変換ルールや通信設定を管理できれば、取引先追加時の対応を整理しやすくなります。特に、卸売業や製造業、物流業など、複数社と継続取引する企業に向いています。
流通業界の標準に対応したい企業
小売や卸、メーカー間の取引では、流通BMSへの対応を求められる場合があります。流通BMSは、メッセージと通信プロトコル、セキュリティに関するEDI標準仕様です。
流通業界の取引先が多い場合は、流通BMSへの対応有無を確認しましょう。標準仕様にあわせることで、取引先追加やデータ交換の調整を進めやすくなります。
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EDIアプリの比較ポイント
EDIアプリを選ぶ際は、価格や知名度だけで判断しないことが大切です。取引先の方式や業界標準、既存システム連携、運用管理、セキュリティを確認し、自社の取引業務にあう製品を選びましょう。
主な比較項目は以下のとおりです。自社の取引先や既存システムの状況と照らしあわせながら確認してください。
| 比較項目 | 確認したい内容 |
|---|---|
| 対応方式 | 取引先が求める通信手順や標準に対応するか |
| 連携機能 | 販売管理や購買管理、会計システムと連携できるか |
| 運用管理 | エラー通知や履歴管理、取引先追加を行いやすいか |
| セキュリティ | 暗号化や権限管理、ログ取得、バックアップに対応するか |
| サポート | 導入支援や設定変更、障害対応の範囲が明確か |
取引先の方式に対応するか
まず確認したいのは、取引先が求める方式に対応できるかです。Web EDIや全銀手順、流通BMS、JX手順、API連携など、必要な方式は業界や取引先によって異なります。
自社だけで方式を決められない点が、EDIアプリ選びの難しさです。主要取引先の要件を先に洗い出し、現在の方式と今後求められる方式を分けて整理しましょう。
既存システムと連携しやすいか
EDIアプリは、販売管理や購買管理、在庫管理、会計システムと連携してこそ効果を発揮しやすくなります。連携できない場合、画面からCSVを出力して手作業で取り込む運用が残ります。
確認したいのは、標準連携の有無やAPIの提供、ファイル連携の方法、データ反映のタイミングです。基幹システムの改修が必要な場合は、費用やスケジュールも見ておきましょう。
運用管理がしやすいか
EDIは導入して終わりではありません。取引先の追加や項目変更、通信エラー対応、マスタ更新など、継続的な運用が発生します。管理画面で設定や状況を確認できるかが重要です。
担当者が少ない企業では、エラー通知や処理履歴、問い合わせ対応のしやすさも比較しましょう。サポート範囲まで確認すると、導入後の不安を減らしやすくなります。
セキュリティ要件を満たすか
EDIでは、取引先情報や金額、出荷情報など重要なデータを扱います。通信の暗号化やアクセス権限、操作ログ、データ保管、バックアップ体制を確認しましょう。
クラウド型を選ぶ場合は、データセンターの運用体制や障害時の対応も重要です。社内のセキュリティ基準や取引先からの要求事項と照らしあわせて比較してください。
サポート体制が十分か
EDIアプリは、取引先の追加や通信設定の変更など、導入後も調整が発生します。初期設定の支援や障害時の問い合わせ対応、運用開始後のサポート範囲を確認しましょう。
特に、EDIに詳しい担当者が社内に少ない場合は、設定変更やエラー対応を相談できる体制があると安心です。費用だけでなく、支援内容まで比較することが重要です。
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この記事をご覧の方には、以下の記事もおすすめです。あわせて参考にしてください。
▶購買や受発注を効率化したい企業向けのEDIアプリ
購買依頼や発注、注文受付などのやり取りを電子化したい企業向けの製品です。紙やFAX、メールでの確認作業を減らし、取引先との受発注業務を整理したい場合に比較しやすいでしょう。
Hi-PerBT ウェブ購買
- 購買業務を大幅に効率化する機能を標準でサポート
- 電子帳票保存法にも対応!!目的に応じた機能のみ利用可能です
- 著名ERP・会計パッケージ、個別スクラッチシステムとの連携豊富
株式会社日立ソリューションズ西日本が提供する「Hi-PerBT ウェブ購買」は、Webを活用した購買業務の運用を検討できるEDI製品です。購買依頼や発注関連のやり取りを画面上で管理したい企業に適しています。既存の購買フローを整理し、取引先とのデータ交換や社内確認をまとめて進めたい場合に比較しやすい製品です。
アラジンEC
- FAXや電話で行う受発注業務をシステム化
- 5000社以上のBtoBノウハウでさまざまな業種・業態に対応
- 貴社に合わせたカスタマイズが可能
株式会社アイルが提供する「アラジンEC」は、企業間取引の受発注をWeb上で行いたい企業向けの製品です。BtoB取引における注文受付や商品情報の確認、取引先とのやり取りを整理したい場合に候補になります。電話やFAX中心の受注業務を見直し、Web経由の注文受付を検討する企業に向いています。
PROCURESUITE(プロキュアスイート)
- 見積~検収までの一連の購買業務プロセスを実現
- 購買情報の一元化と可視化
- 購買業務のコンプライアンス強化
DAIKO XTECH株式会社が提供する「PROCURESUITE(プロキュアスイート)」は、購買業務の効率化を検討する企業向けのEDI製品です。発注や見積、購買関連データのやり取りを整理したい場合に候補になります。取引先との受発注業務を電子化し、購買部門の確認作業やデータ管理を見直したい企業は、機能範囲を確認してみましょう。
▶クラウドで運用負荷を抑えたい企業向けのEDIアプリ
自社で専用サーバを管理する負担を抑え、クラウド上でEDI環境を運用したい企業向けの製品です。取引先とのデータ送受信や変換処理をクラウドで行いたい場合は、対応方式やサポート範囲を確認しましょう。
EDI-Master Cloud
- EDI運用サービスで運用負荷/サーバの維持保守にかかる負担を軽減
- 変化するビジネス環境に対応した機能拡張やシステム変更が可能
- OpenAPIを活用したデータやシステムの連携で業務効率化に貢献
キヤノンITソリューションズ株式会社が提供する「EDI-Master Cloud」は、クラウドでEDI環境を構築したい企業向けの製品です。取引先とのデータ送受信や変換処理、運用管理をクラウド上で行いたい場合に候補になります。オンプレミス環境の管理負担を見直したい企業は、既存システムとの連携方法を確認してください。
OpenText Business Network Cloud
- 世界最大規模のEDIデータ連携基盤
- 企業間B2Bデータ連携に関わる運用管理コストの削減
- 海外EDI仕様にも対応グローバルな経験・実績と専門スキル
オープンテキスト株式会社が提供する「OpenText Business Network Cloud」は、クラウド型の企業間データ連携を検討する企業向けの製品です。国内外の取引先とのデータ交換や、複数拠点を含むEDI運用を整理したい場合に候補になります。取引規模が大きく、接続先や形式が増えやすい企業は比較してみるとよいでしょう。
JFT/SaaS
- 月額3万円から利用可能なクラウド型EDIサービス
- マルチプロトコル対応。サービス開始10年以上で豊富な接続実績
- EDI専門部隊による安心のサポート。24時間365日のサービス提供
株式会社TOKAIコミュニケーションズが提供する「JFT/SaaS」は、SaaS型でEDI運用を検討できる製品です。自社で専用環境を持つ負担を抑えながら、取引データの交換基盤を整えたい企業に適しています。導入後の運用負荷やシステム管理を軽減したい場合は、サポート範囲や対応方式を確認しましょう。
▶業界標準や接続方式に対応したい企業向けのEDIアプリ
業界ごとの取引ルールや、金融機関、海外拠点など特定の接続要件に対応したい企業向けの製品です。取引先から指定された方式がある場合は、対応範囲や接続実績を確認して比較しましょう。
BL.TRUST -ビーエル・トラスト-
- 取引企業からのEDI化要請への迅速な対応、簡単な導入
- 2024年にINSネットが終了することによる通信変更への迅速な対応
- 業務内容に応じた7つのサービスを展開、24時間365日サポート
株式会社東計電算 / Toukei (Thailand) Co., Ltd.が提供する「BL.TRUST -ビーエル・トラスト-」は、EDIを活用した企業間取引の電子化を検討できる製品です。取引先との接続やデータ管理を整理し、受発注や物流関連の業務を見直したい場合に候補になります。海外拠点を含む取引がある企業は、対応範囲を確認しましょう。
スマクラ AnserDATAPORT接続サービス
- データ暗号化、閉域網でサイバー攻撃等セキュリティリスク解消
- 緊急時に事業の継続・早期復旧が可能!
- 複数金融機関へ同一回線/手順で接続 SCSKでConnecure接続テスト
SCSK株式会社が提供する「スマクラ AnserDATAPORT接続サービス」は、AnserDATAPORTとの接続を検討する企業向けのEDI関連サービスです。金融機関とのデータ連携や、決済関連データのやり取りを整理したい場合に候補になります。利用中の金融サービスや接続要件を確認したうえで比較しましょう。
EdiGate/POST
- 購買業務に関わる手間・コストを大幅削減!!
- Web画面で納期の回答・照会、データの二次活用も可能!
- 操作がシンプルで簡単に電子化をスタートできる!
DAIKO XTECH株式会社が提供する「EdiGate/POST」は、取引データの受け渡しや送受信業務を電子化したい企業向けのEDI製品です。取引先ごとの運用を整理し、データ交換の手間を減らしたい場合に候補になります。自社の受発注フローや接続方式にあうか、資料で詳細を確認するとよいでしょう。
▶データ連携基盤を強化したい企業向けのEDIアプリ
EDIを受発注の電子化にとどめず、社内外のシステム連携基盤として広げたい企業向けの製品です。複数の通信方式やデータ変換、既存システムとの連携を重視する場合に比較しやすいでしょう。
ACMSApex (株式会社データ・アプリケーション)
- Web APIやアダプタで多様なアプリ/SaaSと連携可能。
- PCI DSS準拠のセキュア設計で暗号化保管。
- クラスター/二重化により、障害時もデータ連携を継続。
Biware EDI Station 2 (株式会社インターコム)
- ワークフローを自動処理し、受発注業務の効率化に最適
- 簡単操作でバックアップ・リストアでき、安心した運用を実現
- 導入企業は60,000社以上!業界・業種を問わず利用可能
EDIアプリ利用時の注意点
EDIアプリは、導入すればすぐにすべての取引が自動化されるわけではありません。取引先との調整や社内業務の整理、データ管理ルールの見直しを進めることで、運用に定着しやすくなります。
取引先との調整が必要か
EDIは自社だけで完結する仕組みではありません。取引先が対応している方式やデータ形式、運用時間、エラー時の連絡方法を確認する必要があります。
特に主要取引先が複数ある場合は、優先順位を決めて段階的に導入すると進めやすくなります。最初からすべての取引を対象にせず、効果が見えやすい業務から始める方法もあります。
既存業務を見直せるか
紙やFAXの手順をそのまま電子化すると、確認や承認の手間が残る場合があります。EDIアプリ導入前に、誰がどのデータを確認し、どのタイミングで処理するのかを整理しましょう。
業務フローを見直すことで、不要な入力や確認を減らしやすくなります。現場担当者や情報システム部門、経理部門など、関係部門を交えて検討することが重要です。
例外処理を想定できるか
EDI運用では、データ不備や通信エラー、取引先側の遅延、マスタ未登録などの例外が発生することがあります。通常処理だけでなく、例外時の対応方法も決めておきましょう。
エラー通知や処理履歴を確認できる製品であれば、問題の発見と原因確認を進めやすくなります。属人化を防ぐため、対応手順をマニュアル化しておくと安心です。
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EDIアプリに関するFAQ
EDIアプリを検討する際は、Web EDIとの違いや中小企業での導入可否、クラウド型の安全性などに疑問を持つ方が多くいます。ここでは、比較前に確認しておきたい質問をまとめます。
- Q1:EDIアプリとWeb EDIは違いますか?
- Web EDIは、ブラウザ画面で取引データを確認、入力する方式です。EDIアプリはより広い意味で使われ、クラウド型EDIやデータ連携基盤、専用ソフトを含む場合があります。取引量が少ない場合はWeb EDI、取引量が多い場合は自動連携に対応するEDIアプリを検討するとよいでしょう。
- Q2:中小企業でもEDIアプリを使えますか?
- 中小企業でも利用できます。クラウド型やWeb型の製品であれば、専用設備を用意せずに導入を検討しやすい場合があります。ただし、取引先の方式や月間件数、社内の運用体制によって適した製品は異なります。まずは対象取引と必要な機能を整理しましょう。
- Q3:EDIアプリの導入期間はどのくらいですか?
- 導入期間は、接続する取引先の数や既存システムとの連携範囲によって変わります。Web画面の利用が中心であれば、比較的短期間で始められるケースもあります。一方、基幹システム連携や個別変換が多い場合は、要件定義やテストに十分な期間を見込んでおきましょう。
- Q4:クラウド型EDIは安全ですか?
- クラウド型EDIでも、通信の暗号化や権限管理、ログ管理、バックアップなどに対応した製品を選べば、安全性を高めやすくなります。自社のセキュリティ基準や取引先の要求事項を確認し、サービスの運用体制や障害時の対応まで比較しましょう。
- Q5:導入前に何を整理すべきですか?
- まず、対象となる取引先や交換するデータ、現在の手順、利用中のシステムを整理しましょう。そのうえで、必要な通信方式やデータ形式、連携先、エラー対応、担当部門を確認します。導入目的を明確にすると、製品比較の軸がぶれにくくなります。
まとめ
EDIアプリは、受発注や請求などの企業間取引を電子化し、転記作業や確認作業の削減に役立つ仕組みです。選定時は、取引先の方式や既存システム連携、運用管理、セキュリティを総合的に比較しましょう。
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