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流通BMSとは?導入メリットやEDIとの違いを解説

流通BMSとは?導入メリットやEDIとの違いを解説

『流通BMS』『EDI標準仕様』を理解したい方に向けて、流通BMSに関する基本的な内容をやさしく解説します。 また、流通BMSの運用上知っておくべきポイントや、流通業務の効率化につながる方法についても紹介。 担当者として正しく理解するために、また流通業務担当者として業務精度を高めるために、どちらの立場にも役立つ情報をまとめています。

この記事は2026年5月時点の情報に基づいて編集しています。
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目次
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    流通BMSとは

    流通BMS(Business Message Standards:流通ビジネスメッセージ標準)とは、JCA手順に替わる、流通業界の新たなEDI標準仕様です。メッセージや通信規定に関する統一的な取り決めであり、従来のJCA手順による通信・運用の煩雑さを解決するために策定されました。導入により、通信や開発コストの削減、業務効率化などが期待できるでしょう。

    流通BMSとは

    従来のEDI標準仕様であるJCA手順は、インターネットが普及した現代においては時代にそぐわない仕様といわざるを得ません。2024年のISDN廃止に伴い、いずれ利用できなくなるため、流通BMSへの対応が求められています。

    ■JCA手順(従来のEDI標準仕様)の課題
    • ・専用のモデムが必要なうえ、通信に時間がかかる
    • ・画像や漢字を送信できない
    • ・データフォーマットが統一化されていないため個別対応が必要

    流通BMSの特徴

    流通BMSの特徴は大きく2つあります。インターネットを通信手段としデータフォーマットが標準化されている点です。以下で詳しく解説します。

    通信手段がインターネット回線

    流通BMSは電話回線ではなく、インターネット回線を利用します。回線速度があがるため、データのやり取りにかかる時間を短縮できるでしょう。また、通信手順(通信プロトコル)には、日本独自の「JX手順」だけでなく、国際標準である「ebXML MS」「EDIINT AS2」が規定されています。

    データフォーマットが統一化

    流通BMSは、業務手順とメッセージを標準化しています。流通BMS導入以前は、取引先ごとに通信方式や手順、仕様について決める必要があり、手間もコストもかかっていました。しかし、標準化により、全流通業者が共通の方法で電子データ交換を実施できます。取引業務を効率化できるとともに、個社ごとに要していたシステム投資も不要になるでしょう。

    流通BMSの導入状況と今後の見通し

    流通BMSは2007年に導入がはじまり、卸・メーカーを中心に普及が進んでいます。流通BMS協議会が実施した第28回調査によると、2025年6月1日時点で、流通BMSを導入している卸・メーカーは21,600社以上に達していると推測されています。

    前回調査の2024年12月1日時点では20,800社以上と推測されており、半年間で700社以上増加しました。前回に引き続き、同様のペースで導入企業数が増加しており、流通BMSの普及は着実に進んでいます。

    導入拡大の背景には、小売チェーン企業による導入が進んだことで、取引先である中小企業にも対応が求められるようになったことがあります。また、FAXやWeb-EDIからの移行、流通BMS対応製品への切り替え、Windows10のサポート終了に伴う既存システムの買い替え需要も、普及を後押ししていると考えられます。

    さらに、人手不足を背景に業務の自動化ニーズが高まっていることや、中小企業・小規模事業者向けのIT導入補助金制度が導入のハードルを下げていることも、今後の導入拡大につながるでしょう。

    参考:第28回 卸・メーカーの流通BMS導入企業数推計調査結果まとまる|流通システム標準普及推進協議会

    流通BMS導入のメリット

    従来のJCA手順は2024年を境に使えなくなるため、流通業者は流通BMSを導入しなければなりません。しかし、義務としてやらねばならないだけでなく、導入によって多くのメリットを享受できる可能性があります。

    流通BMSを導入する主なメリットは以下のとおりです。

    通信の円滑化とコスト削減
    インターネット回線を利用する分、JCA手順よりも高速にデータをやり取りできます。また、漢字表記や画像データの送受信も可能です。その結果、発注から納品に要する時間や通信コストの削減が期待できるでしょう。
    標準化による業務の効率化
    プロトコルが標準化されることで、卸売業者は小売業者に対して個別対応の必要がありません。誤算の防止やデータ照合の効率化につながります。
    伝票管理の手間削減
    流通BMSでは、受領データを税法上の取引記録として扱えます。そのため、伝票を発行・保管する必要がなくなります。

    流通BMSとEDIとの違い

    BMSとEDIは混同して用いられがちです。流通BMSとEDIの違いは以下のとおりです。

    ■EDI(Electronic Data Interchange:電子データ交換)
    企業間で電子データをやり取りする仕組み・システム
    ■流通BMS(Business Message Standards:流通ビジネスメッセージ標準)
    流通業者が用いるEDIの標準仕様

    EDIは、企業間の商取引で発生するビジネス文書を電子データとしてやり取りする仕組み、またはシステムを指します。一方、流通BMSは、流通業者が取引データをやり取りする際のメッセージフォーマットや通信規定に関する取り決めです。

    流通BMSの導入手順

    流通BMSを導入する際の大まかな流れと、おさえておきたいポイントについて解説します。

    インターネット接続環境の整備とセキュリティ強化

    インターネット回線を利用できる環境を準備しましょう。不正アクセスやなりすまし、盗聴・改ざんなどへの対策も忘れてはいけません。ファイアウォールの導入や、通信の安全性を高めるための電子証明書の利用が必要です。

    流通BMS協議会による「流通業界共通認証局証明書ポリシー」に適合した企業の発行する電子証明書を取得しましょう。

    参考:流通BMS標準仕様|流通BMS協議会

    通信プロトコルの選定

    流通BMSは3種類の通信プロトコルが規定されています。取引先の通信プロトコルを確認したうえで、選択しなければなりません。取引データ量や企業規模なども考慮するとよいでしょう。

    通信プロトコルの種類と特徴については以下を参考にしてください。

    日本独自の規格である「JX手順」

    JX手順は日本独自の通信規格で、JCAの代替手順とされています。インターネット回線を利用し、XML形式のファイルを送受信します。クライアント側からサーバ側にアクセスしてデータを送受信するプル型の仕様です。

    卸業者やメーカーではクライアント側、小売店ではサーバ側を導入して使われるのが一般的です。クライアント側はパソコンで利用できることから、データ量が少ない中小企業での利用に適しています。また、後述する2つのプロトコルより安価なのも特徴です。

    アジア圏を中心に利用される「ebXML MS」

    ebXML MSは国際標準のプロトコルで、Webサービス標準化団体OASISとEDI標準機関 UN/CEFACTによって策定されました。近年ではアジア圏での利用規模が拡大しています。

    ebXML MSはJX手順と異なりプッシュ型の仕様です。サーバ同士が、データが発生するたびに送受信を行います。リアルタイムにデータをやり取りできるのが魅力で、送受信するデータ量が多い企業に向いています。

    しかし、プッシュ型はサーバの運用が必須となることから、JX手順と比べると利用するハードルが高いのが難点です。また、常にインターネットに接続する必要があるため、充分なセキュリティ対策も求められます。

    欧米圏を中心に利用される「EDIINT AS2」

    EDIINT AS2は、インターネット技術の標準化団体IETFによって策定された国際標準のプロトコルです。仕様がプッシュ型である点はebXML MSと共通していますが、EDIINT AS2は欧米を中心に利用されています。国内では日用雑貨分野でよく使われているのが特徴です。

    メッセージ・バージョンへの対応

    流通BMSのメッセージは、XML形式です。受注データを自社の既存システムに連携したいと考えても、XML形式に対応していない場合も少なくありません。流通BMSを導入する際は、利用するツール・サービスがフォーマット変換機能を有しているのかも確認しましょう。

    流通BMSに対応するにはEDIシステムの見直しが必要

    流通BMSは、流通業界におけるEDIの標準仕様です。そのため、流通BMSへ対応するには、取引先が利用する通信プロトコルやメッセージ形式にあわせて、自社のEDI環境を整備する必要があります。

    既存のEDIシステムがJCA手順を前提としている場合や、流通BMSの通信プロトコル・XML形式に対応していない場合は、EDIシステムの改修や新たなEDIソフトの導入を検討しましょう。

    流通BMS対応のEDIソフトを選ぶポイント

    流通BMSに対応するEDIソフトを選ぶ際は、取引先の通信プロトコルや自社システムとの連携可否、セキュリティ対策などを確認することが重要です。導入後のミスマッチを防ぐためにも、複数製品の機能や対応範囲を比較しましょう。

    取引先が利用する通信プロトコルに対応しているか

    流通BMSでは、JX手順・ebXML MS・EDIINT AS2などの通信プロトコルが規定されています。取引先によって利用しているプロトコルが異なるため、自社の取引先が求める方式に対応できるEDIソフトを選びましょう。

    基幹システムと連携できるか

    受発注データや請求データを自社の基幹システムに取り込むには、データ変換やフォーマット変換の機能が必要です。XML形式への対応だけでなく、CSVや固定長形式など、自社で扱うデータ形式に変換できるかも確認しましょう。

    セキュリティ対策やサポート体制は十分か

    流通BMSはインターネット回線を利用するため、不正アクセスやデータ改ざん、情報漏えいへの対策が欠かせません。電子証明書への対応、暗号化、アクセス制御、障害時のサポート体制なども比較ポイントです。

    自社の取引量や運用体制にあっているか

    取引データ量が少ない企業にはJX手順に対応した比較的シンプルな製品、大量のデータをリアルタイムでやり取りしたい企業にはebXML MSやEDIINT AS2に対応した製品が適している場合があります。運用担当者のスキルや導入後の管理負担もふまえて選びましょう。

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    以下の記事では、おすすめのEDIツールを紹介しています。通信プロトコルがひと目でわかるほか、製品の選び方についても解説しているので、興味のある方はぜひ一読ください。

    関連記事 【2025年】EDIツール比較18選!費用・無料プラン有無・ランキングも紹介

    流通BMSについて理解し、EDIの導入を進めよう!

    流通BMSとは流通業界で利用されるEDIの標準仕様です。従来のJCA手順がもつ煩雑さを解消するために生まれました。導入メリットとして、通信時間の短縮やコスト削減、個別対応や伝票管理の手間がなくなったことによる業務効率化などが挙げられます。

    流通BMSの導入により取引業務を円滑化できます。やがてJCA手順は利用できなくなるため、早めの導入を検討しましょう。

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