Web-EDIとは?
EDIは企業間の商取引業務を電子化し、業務効率化やコスト削減を可能にする仕組みのことです。その中でも、Web-EDIはどのような特徴をもつのでしょうか。
従来のEDIをWeb上で行うもの
従来のEDIは、アナログやISDNといった一般の通信回線を通じて利用します。また、専用ソフトをインストールして利用する場合もあります。しかしこの方法では通信コストがかかり、取引先ごとにソフトウェアを使い分ける必要がありました。そのため、取引に伴う処理が煩雑なものになっていました。
一方でWeb-EDIは、ウェブサーバ上にシステムを構築し、ユーザーはウェブブラウザを通じて、データの送受信やシステムを操作して商取引を行います。また、最新の高速インターネット回線を利用するので、ブラウザ上でシステムを操作するための専用ソフトはインストール不要です。企業は、パソコンとインターネット回線があればすぐにWeb-EDIを利用できるため、低コストでの導入が可能です。
Web-EDIの種類
Web-EDIには、以下2つの種類があります。
- ■伝票表示型
- 取引で使用される伝票の形式で画面表示され、注文内容の確認や発注情報を入力する。
- ■ファイル交換型
- 発注側がファイルをアップロードし、受注側がダウンロードすることで、データをやり取りする形式。
以下の記事では、EDIの仕組みや種類などを詳しく解説しています。
関連記事
watch_later
2023.01.17
【1分でわかる】EDIとは?仕組みから種類までわかりやすく解説
続きを読む ≫
Web-EDIの特徴
Web-EDIには、主に2つの特徴があります。
企業間の商取引業務をブラウザ操作だけで自動化
Web-EDIはPCのブラウザからシステムにアクセスし、企業間の商取引に関するやり取りを、インターネット回線を利用して自動化します。
これまでの企業間におけるビジネス文書のやり取りは、FAXや郵送が主な手段でした。文書をFAXや郵送で送付した後、取引先に文書が届いているかどうかを把握するため電話で確認をとる企業が多く、手間のかかる作業のひとつでした。
しかし、Web-EDIを活用することで企業間のビジネス文書などのやり取りが自動化されるため、文書が届いたかどうかを確認する必要がなくなります。さらに業務スピードのアップや、負担の削減が期待できるでしょう。
クラウドベースでの提供
Web-EDIはブラウザベースでシステムを操作するため、現在提供されているWeb-EDIシステムの7割がクラウドを利用したソリューションとなっています。
従来のEDIはPCに専用ソフトをインストールしていたため、定期的なアップデートや、PC入替え時の稼働確認などが必要でした。しかしクラウドで提供されるWeb-EDIでは、システムの運用は提供元がすべて行うため、企業側に手間がかかりません。
EDI(電子データ交換)ソフト の製品を調べて比較
製品をまとめて資料請求!
資料請求フォームはこちら
資料請求した製品の比較表が無料で作成できます
\ EDI(電子データ交換)ソフト の製品を調べて比較 /
製品をまとめて資料請求!
資料請求フォームはこちら
資料請求した製品の比較表が無料で作成できます
\ EDI(電子データ交換)ソフト の製品を調べて比較 /
製品をまとめて資料請求!
資料請求フォームはこちら
資料請求した製品の比較表が無料で作成できます
Web-EDIのメリット
Web-EDIには、コスト削減や業務効率化の面で以下のようなメリットがあります。
請求書のペーパーレス化が実現できる
Web-EDIでは企業間の商取引に必要なビジネス文書のやり取りを自動化できるため、請求書などのペーパーレス化が可能です。
これまでは、注文書などはFAXを使用した紙ベースのやり取りが主でした。しかし、書類紛失のリスクや、FAXや紙を使用する経費が発生していました。Web-EDIを活用することでペーパーレス化され、経費削減が可能です。さらに請求書を郵送で送付している企業の場合は、郵送費の削減にもつながるでしょう。
またペーパーレス化により、文書保管のスペースを確保する必要もなくなります。
導入・運用費用が低コストである
Web-EDIは主にクラウドで提供されているソリューションであるため、専用システムを構築する必要がなく低コストでの導入が可能です。また従来のEDIを利用している企業も「お試し」で、Web-EDIのスモールスタートができ、既存システムの入替えにも対応しています。
また、インターネット回線の利用料のみでシステム導入でき、運用・保守もベンダーに一任できます。従来のEDIよりも低コストで利用できるのが魅力でしょう。
回線速度が早く業務を効率化できる
従来のEDIは一般の電話回線を利用しているため、データの送受信が遅くなりがちでした。大量のデータをやり取りする場合など、受発注だけでも1時間以上も処理にかかるケースもあります。また、画像や漢字などのデータに対応していないため入力作業にミスが発生しやすく、処理の遅延につながっていました。
しかし最新の通信回線を利用したWeb-EDIは、従来のEDIよりも通信速度が速いため、データのやり取りもスムーズです。
またWeb-EDIは、従来のEDIと比較すると最大4万倍の速さで通信できます。さらに画像や漢字などのデータも送受信できるためミスの軽減につながり、処理のスピードアップが見込めるでしょう。
高度なセキュリティ対策ができる
暗号化技術の発達により、現在のインターネット回線は非常にセキュアなものになっています。企業間の商取引業務もセキュリティ性の高い回線を利用するため、従来のEDIと比べても安心して利用できるといえるでしょう。
また、企業間の商取引でやり取りされる文書は機密性の高いものが多いため、セキュアな環境下で行われるデータのやり取りは、企業の信頼性確保にもつながります。
注意!Web-EDIは標準化されていない
Web-EDIのシステムは標準化されていないため、取引先企業とのEDIシステムの仕様が異なるものである場合、商取引の電子化を行うことはできません。そのため
企業ごとにEDIシステムの仕様を確認する必要があります。
例えば、Web-EDIの仕様を選定する際は、最初に通信プロトコル※1を選定する必要があります。
主な通信プロトコルは5種類あり、導入する際は複数の通信プロトコルをサポートする製品の選定が必要です。
- 主な通信プロトコルは下記のものが挙げられます。
-
-
- ●EDIINT AS2
- ●OFTP2
- ●JX手順
- ●SFTP
- ●ebXML MS など
※1:通信時の取り決めやルールのこと。
Web-EDIを利用して業務を効率的に行おう
Web-EDIは、企業間の煩雑化した商取引業務を効率化できるシステムです。
現在、Web-EDIはクラウドベースで提供されている製品がほとんどであり、低コストで導入でき、運用までも時間を要しません。
導入時に注意すべきポイントは、システムが標準化されていないため取引先のシステムの仕様が異なる場合、導入自体が難くなります。導入の際は取引先のシステムの仕様を確認し、対応可能なものを取り入れましょう。
関連記事