電子契約システムの導入事例
実際に電子契約システム(電子契約サービス)を導入することで、業務がどのように変わったのか事例を見ていきましょう。
契約印紙代を削減できた
ある建設業では、複数の下請け企業と現場ごとに書面契約を結んでおり、紙の契約書で年間500万円ほどの印紙代を払っていました。電子契約では印紙は不要とされているため、電子契約システムを導入。電子契約化したことで印紙代が年間150万円程度まで削減されました。
「取引専用マニュアル」がある製品のため、契約の相手先へ印紙代節約のメリットを中心にわかりやすく説明したことが、理解を得られたようです。サービス利用料はかかりましたが、それを差し引いても大きなコストカットに成功しています。
電子契約で、印紙税を支払わなくてもいいとされている理由や注意点について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
従業員の契約業務時間が短縮された
ある出版社では、社内の法務業務や契約業務を効率化させるために、電子契約システムを導入しました。操作性が高いサービスを使ったため、リテラシーに関係なく従業員の理解も得られ現場の混乱はありませんでした。さらにサポートも手厚く、チャットで疑問点をリアルタイムに解決でき業務の時間が短縮されています。
また、新型コロナウイルスの流行により在宅勤務やテレワークを導入したものの、ハンコを押すためだけの出社などが多々ありました。電子契約システムの導入により電子署名で対応ができるため、テレワークでの業務効率化も実現しました。
電子契約で使用される電子署名について詳しく知りたい方は以下のページをご覧ください。
電子帳簿保存法の改正でも対応できた
電子データの保存について守らなければいけない「電子帳簿保存法」は、複数回改正をしています。あるIT企業では、保存の要件を守るよう従業員に指導していましたが、法改正や人員の入れ替わりのたびに対応しなければなりませんでした。電子契約システムの導入により、電子帳簿保存法に則ったデータ保存が可能となったため、特別な指導がなくとも法改正にも対応できています。
電子帳簿保存法を詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください
契約書管理の正確性があがった
ある卸売業では、紙の契約書をファイリングして情報はExcelに入力していました。契約先の名称や契約日付、収入印紙の金額や担当部署、担当者などさまざまな情報を入力する手間があります。また、取引先に連絡をして契約更新業務なども多々ありました。定期的にExcelを確認しなければならず、情報が古いままだったり更新時期を過ぎてしまったりなどのトラブルが発生していたようです。
電子契約システムを導入することで、契約情報が一元管理できるため契約更新業務も漏れなく行え、トラブル防止につながりました。また書類インポート機能がある製品を導入したため、紙の契約書面もシステム内で管理できるようになりました。
オフィス省スペース化が実現
ある不動産業では、業務委託契約書、顧問契約書、申込書などさまざまな紙の契約書類を使用するため、オフィスの大半が書類を保存する場所となっていました。電子契約システムの導入で電子化可能な書類をすべてシステム保存することで、オフィスの省スペース化を実現しました。
電子契約システムには、さまざまなサービスや機能があります。自社にあった製品を知りたい方は以下のボタンから資料請求をおすすめします。
\ 電子契約システム の製品を調べて比較 /
製品をまとめて資料請求!
資料請求フォームはこちら
事例をふまえた電子契約システムの選定ポイント
導入事例をふまえて、電子契約システムを導入する際はどのようなことに注意すればよいのでしょうか。ここで紹介する選び方のポイントを押さえて、電子契約締結の参考にしてください。
電子帳簿保存法の改正に対応しているか
電子契約は、以下の保存要件を満たさなければなりません。
- ■保存対象
- ■保存場所
- ■保存期間
- ■検索機能
- ■真正性
- ■各種説明書の備え付け
これらを満たしていないと、税務調査の証拠書類として利用できない場合があります。そのため、電子証明書や電子署名、電子サインシステムの導入などが必要になる場合もあるでしょう。
電子契約の保存場所は、納税地や事業所在地となります。データセンターが遠方にある場合は、ネットワークにアクセスできるパソコンやプリンターなどを納税地や事業所在地に配置しましょう。保存期間は税法に準拠します。
説明書の備え付けは、保存場所か事業所に電子計算機・プログラム・ディスプレイなどのマニュアルを常備しておきましょう。
契約相手が対応しやすいか
電子契約を行う際は、当事者双方が合意しなければなりません。したがって、契約の際は相手方の理解を得ることも重要です。
最近の電子契約システムでは、双方が同じシステムを導入しなくても、取引先に対応してもらえる製品もあります。導入前に自社の操作だけではなく取引先が行う手順も確認しましょう。
従業員が操作しやすいか
電子契約は従来の紙媒体の契約とは業務フローが異なります。また、実際に電子契約を締結するのは現場で働く従業員です。そのため電子契約を締結する際は、従業員側の理解を得ることも重要です。電子契約システムの操作性を重視し、リテラシーに関係なく従業員が使用しやすいものを選びましょう。
そして、電子契約に切り替える途中の段階で紙媒体の契約が混在する場合は、できるだけ業務フローが煩雑にならないようにしましょう。マニュアルを作成しておくと、手順を確認しつつ業務を進められるのでおすすめです。
紙の文書も管理できるか
電子契約へ切り替えたとしても、過去に締結した紙の契約書も管理できなければ、二元管理となりかねません。電子契約書に加え紙の文書もシステムに取り入れられるか確認しましょう。また、契約書以外の書類も保存や管理できる製品もあります。電子契約の保存対象は、注文書・契約書・見積書などです。電子保存可能な文書や文紙で保存しなければいけない文書を事前に把握しましょう。
導入事例を参考に自社にあう電子契約システムを選ぼう
電子契約システムは、印紙代の節約や管理コスト削減につながります。しかし、導入には従業員の理解はもちろん、契約相手である取引企業の理解も必要です。自社で操作しやすいだけではなく、取引先も対応しやすい製品を選びましょう。また、電子契約システム導入前に、電子契約の法律も理解し法改正などに対応できるかなども確認することをおすすめします。