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電子帳簿保存法改正!スマホの経費精算がより便利に

電子帳簿保存法改正!スマホの経費精算がより便利に

テレワークなど従来と異なる働き方が浸透し、出社をしなくても社内手続きを済ませるニーズがますます高まっています。そのためには、経費精算に必要な領収書をはじめ書類の電子保存や電子化が必須で、そのカギを握る電子帳簿保存法が改正されたことで便利になりました。

この記事では、2020年10月に施行された改正電子帳簿保存法の内容やスマホの経費精算など、改正で便利になった点を中心に解説します。令和3年度税制改正大綱ではさらなる改正予定が明らかにされたので、今後の電子帳簿保存制度の方向性についても紹介します。

この記事は2021年1月時点の情報に基づいて編集しています。

スマホで経費精算が可能?

経費精算はIT技術の発展と法整備が進み、便利に処理できるようになりました。今では領収書を電子化するだけでなく、スマートフォンでの処理ができるようになり、業務効率も上がっています。しかし、電子保存やスマホでの処理を可能とするには、いくつかの要件を満たさなければなりません。

電子帳簿保存法への対応が電子保存要件

領収書の電子保存やスマートフォンで保存するには、これらの電子保存に関する法律の一つである「電子帳簿保存法」への対応が求められます。

スキャナ保存は不要に

かつては原稿台と一体となった指定されたスキャナによる保存が必要でした。そのため、コストをかけて専用スキャナを用意し、スキャナ保存のために事務所での作業が必要でした。

現在はスキャナに関する要件が撤廃され、外出先などからスマートフォンのカメラで保存したデータも有効になり、利便性が向上しました。

税務署長の事前申請と承認が必要

電子帳簿保存法に対応するには、原則として電子保存を開始する3か月前までに申請書を提出し、税務署長の事前承認を得る必要があります。例えば、翌年の1月1日から適用を受けるためには、今年の9月30日までに申請します。

高い解像度で保存可能なシステムの導入

電子帳簿保存法の改正状況に対応する、経費精算システムの導入が必要です。電子帳簿保存法に対応すればスマートフォンで撮影したデータを使った経費精算が可能です。しかし、撮影した領収書の画質が悪いと税務署から指摘を受ける可能性があります。

高い解像度で保存できるシステムや、AIを使って文字認識が可能なシステムなど、領収書の電子保存に適したシステムを導入しなければなりません。

以下の記事では、経費精算を行うための前提として、電子データを保存するための法律の概要と改正動向をより詳しく紹介しています。

定期検査で適正に事務処理

スマートフォンで撮影した領収書を電子データとして保存するためには、社内で定期検査の体制を整備するなど「適正事務処理要件」を満たす必要があります。適正事務処理要件とは、規程を定めて、規程に基づく正しい事務処理が行われるための要件です。

  • ■不正防止のため、複数の事務担当者が処理に関連する各事務を行う体制
    (「相互けん制」が効いている)
  • ■税理士が定期的に検査を行うなど社内体制の整備
    (「定期検査」による定期的なチェックが機能している)
  • ■各事務処理の問題点など不備が発見されると、報告、原因究明、改善策の検討がなされる体制
    (「再発防止策」が取られる)

なお、定期的なチェックを税理士などが行っている小規模企業者では、相互けん制の要件は不要です。小規模企業者は、おおむね常時使用する従業員の数が20人以下(卸売業・小売業・サービス業では5人以下)の中小企業基本法で定める小規模企業者を指します。

領収書に署名しタイムスタンプは原則3日以内

タイムスタンプとは、電子データの存在が認められるように、日時や時刻を記したスタンプです。領収書受領者による場合、領収書は受領後、署名した上で、原則3日以内にタイムスタンプの付与が必要(電子署名は不要)です。

スマートフォンを使った領収書の電子化は、こうした要件を満たす必要があります。

ただし、2017年6月に国税庁から出された新通達に沿った場合は、経理担当者が電子保存した領収書データと紙の領収書が同じである確認を行うといった条件を満たせば、特に速やか(3日以内)にタイムスタンプを付す必要はなく、1か月+1週間以内に受領者本人が署名せずに電子化してもよいことになりました。

参照:制度創設等の背景|国税庁

経費精算システム紹介ページ遷移画像

スマホでの電子保存が可能な書類と不可能な書類

スマホでの電子保存が可能なのは、以下の書類です。

  • 契約書
  • 預金通帳
  • 借用証書
  • 有価証券受渡計算書
  • 約束手形
  • 契約の申込書
  • 請求書
  • 送り状
  • 輸出証明書
  • 納品書
  • 検収書
  • 貨物受領証
  • 入庫報告書
  • 注文書
  • 見積書
  • 契約の申込書
  • 社債申込書
  • 小切手
  • 対して、以下の書類はスマホでの電子保存ができないため、注意しましょう。

  • 仕訳帳(手書き)
  • 伝票
  • 総勘定元帳
  • 決算関係の書類
  • 2020年改正電子帳簿保存法で領収書の電子保存が便利に!

    電子帳簿保存法は2020年10月より改正法が施行し、領収書を電子保存するための要件が緩和されました。大きな改正点は次の2点で、電子取引を利用した領収書の電子保存がしやすくなる改正内容です。

    1.電子データ(PDFなど)で受け取った領収書の要件緩和

    領収書を発行する側のタイムスタンプが付与されていれば、受け取る側のタイムスタンプは不要になりました。

    2.クラウドサービスなどを利用して受け取った電子取引データ

    受け取る側がデータを自由に改変できない、クラウドサービスなどを利用して受け取った電子取引データ(クレジットカード・交通系ICカード・QRコード決済などの利用明細データ)を、領収書代わりにそのまま保存できるようになりました。

    タイムスタンプは不要なので手間を省け、キャッシュレス決済による利用データを取り込めるシステムを備えていれば経理業務の効率化にもつながります。

    2020年10月の改正電子帳簿保存法の施行が、これからペーパーレス化を目指す企業にとって、システム導入を含めた新たな仕組みの導入につながる追い風になりました。

    参考:電子帳簿保存法関係|国税庁

    2021年改正で今後の電子帳簿保存法の方向性が明らかに

    2021年3月の成立を目指す毎年の税制改正の骨子というべき「令和3年度税制改正大綱」が2020年12月に公表されました。

    税制改正大綱が公表されたことで、改正後の電子帳簿保存法の方向性が明らかになりました。ペーパーレス化のより一層の促進を後押しするための手続きや要件の大幅な緩和が予定されており、主な改正内容は次のとおりです。

    参考:令和3年度税制改正大綱(P117-120)|自由民主党・公明党
    参考:税制改正の概要|財務省

    ■税務署長の事前承認制度の廃止
    電子保存を開始する前に必要とされていた税務署長の事前承認制度が廃止されます。
    ■タイムスタンプの期限は最長約2か月以内に緩和
    領収書受領者によるタイムスタンプ付与の日数制限が原則3日以内から最長約2か月以内に緩和されます。また、タイムスタンプに代えて、電子データの訂正・削除の事実や内容を確認できる、もしくは訂正・削除自体ができないシステムでのクラウド保存などが可能になります。
    ■書類への自署は不要
    領収書を受領後の自署が不要になります。
    ■適正事務処理要件を廃止
    相互けん制・定期検査・再発防止策などから成る適正事務処理要件が廃止されます。1名での事務処理や、タイムスタンプ付与後に紙原本の廃棄も可能です。要件の大幅な緩和の代わりに、電子データの改ざんなど不正が把握された場合は税金の加重によるペナルティが課されます。

    なお、予定している改正の施行日は2022年4月1日ですが、改正されると新たに電子保存しようとする会社のボトルネックになっていた電子保存開始前の手続きと電子保存のための要件が大きく緩和され、ペーパーレス化のより一層の促進が期待されます。

    参考:令和3年度(2021年度)経済産業関係 税制改正について(P44-45)|経済産業省

    スムーズな経費精算を目指すために

    スマホ精算ができるようになると、従業員は外出先での対応が可能になる、経費精算のための出社が不要になる点がメリットです。また、ペーパーレス化が進むと書類の管理から解放され、経理業務の効率化につながる企業側のメリットもあります。

    スムーズな経費精算を目指すために、スマホ対応の注意点を踏まえて、自社に最適なシステムの導入による業務の向上を図りましょう。

    古いシステムは逆効果

    適切な経費精算を行うために経費精算システムを活用します。しかし、中には領収書を撮影する機能やタイムスタンプ機能がないなど十分に適応していないシステムも存在します。領収書の電子化やスマホ保存できる十分な機能を備える経費精算システムを導入しなければなりません。

    人材教育が必要

    領収書の電子保存のためにスマートフォンで撮影して申請する必要がありますが、手順の変化に対応できない人がいるかもしれません。全員が対応できるようにするための人材教育をしなければならず、一時的に業務が非効率になる可能性があります。

    情報セキュリティ対策が必須

    経費精算で処理するデータは企業の重要な情報です。経費精算の申請に使用するスマートフォンが従業員個人所有の端末だと、多くの場合セキュリティ対策のレベルがバラバラです。撮影した領収書などの記録が端末本体内に保存されているとスマートフォンの紛失で情報漏えいが起こります。このため、常にセキュリティ対策が欠かせません。

    スマートフォンなどのモバイル端末を一元管理する「MDMツール」は、業務で利用するアプリケーションの一括配布や、端末紛失時のリモートロックなどを簡単に行なえます。このようなツールの導入も検討してみると良いでしょう。

    関連記事 【比較表】MDMおすすめ11選!価格やランキングも紹介

    スマホ対応可能なシステム導入で業務の向上を!

    経費精算システムは、スマホで利用できるものやタブレットで使用できるもの、クラウド型で安価なものなどさまざまな製品があり進化し続けています。データのバックアップによるデータの損失回避や、情報一元化による情報漏えいのリスクの低減など、セキュリティ対策も講じやすくなりました。

    足元では電子帳簿保存法の改正が相次ぎ、電子保存の要件が緩和されるなどペーパーレス化の流れが来ています。自社に合ったスマホ対応可能なシステムを導入してさらなる業務の向上を目指しましょう。

    関連記事 経費精算システムおすすめ16選!機能や選び方も解説
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